JPH02265566A - 抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の吸着体とそれを用いた抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の除去装置 - Google Patents

抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の吸着体とそれを用いた抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の除去装置

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JPH02265566A
JPH02265566A JP1087732A JP8773289A JPH02265566A JP H02265566 A JPH02265566 A JP H02265566A JP 1087732 A JP1087732 A JP 1087732A JP 8773289 A JP8773289 A JP 8773289A JP H02265566 A JPH02265566 A JP H02265566A
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永野 洋子
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敍孝 谷
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は体液から有害な成分を吸着除去するための吸着
体およびそれを用いた除去装置に関する。さらに詳しく
は体液中より抗甲状腺刺激ホルモンレセプタ=(以下、
抗TSI+レセプターという)抗体を除去し、自己免疫
疾患を抑制するための吸着体および°それを用いた抗T
SI+レセプター抗体の除去装置に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
自己免疫疾患は、その名称のごとく自己の組織の構成成
分に対する抗体が出現する疾患である。
代表的な自己免疫疾患である、自己免疫性甲状腺疾患に
おいては、TSH(甲状腺刺激ホルモン)レセプタ一対
する抗体の出現がみられる。これらの抗体はポリクロー
ナルであり、TSHレセプターへの結合部位も様々で機
能も異なる。レセプターに結合することにより甲状腺機
能を冗進する抗体を甲状腺刺激抗体(T!3Ab 、 
thyroidstiIIulating antib
ody) 、TSHレセプターへのTSI(の結合を阻
害する抗体を甲状腺結合阻害抗体(TBII 、thy
rold bindinginbibltory Im
sunoglobulin)と呼ばれている。
甲状腺機能が冗進されると血中における甲状腺ホルモン
が過剰になるため、これに基づく種々の臨床症状、すな
わち甲状腺中毒症が発現する。
また、TS11レセプターへのTSHの結合が阻害され
ると甲状腺ホルモンの合成と分泌が障害されてT4、T
3の血中濃度を正常に維持できず、その結果種々の症状
が現われ、甲状腺機能の低下を呈する。
これらの症状の改善には抗TSHレセプター抗体の除去
が有効と思われる。自己免疫性甲状腺疾患の従来の治療
法としては、抗甲状腺剤(ステロイド剤)の投与、放射
性ヨード法、手術による甲状腺の摘出などがある。この
中で、ステロイドには副作用があり、また長期にわたる
薬剤投与は、薬剤耐性を生じるなどの問題もある。
また、放射性ヨード法は、特定の施設でしか使えない、
発癌性の可能性や、遺伝子への影響が考えられる等の問
題点がある。
一方、手術による甲状腺の摘出により永続的な甲状腺機
能低下症を引き起こすこともある。
以上のことを考えると、病態の大きな要因となっている
抗TSI+レセプター抗体を血中から除去する方法が、
治療法としては有効であると考えられる。
本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意研究を市ねた結果
、体液中の有効成分をほとんど失うことなく抗TSII
レセプター抗体を選択的に吸着しうる吸着体を見出し、
本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、水不溶性多孔質担体にアニオン性官
能基を存する化合物が固定されてなる抗TSHレセプタ
ー抗体の吸着体ならびに流体の流入口および流出口を有
する容器、流体および該流体に含まれる成分は通過でき
るが、前記の抗TSIIレセプター抗体の吸着体は通過
できないフィルター、および前記容器内に充填された前
記抗TSIIレセプター抗体の吸着体からなる抗TS1
1レセプター抗体の除去装置に関する。
〔実施例〕
本明細書において体液とは血液、血漿、血清、腹水、リ
ンパ液、関節内液およびこれらからえられた分画成分、
ならびにその他の生体由来の液性成分をいう。
本発明において水不溶性多孔質担体とは、アニオン性官
能基を有する化合物を固定するための水に溶解しない性
質を有する物質をいう。本発明に用いる水不溶性多孔質
担体は、大きな径の連続した細孔を有するものが好まし
い。すなわち抗TSI+レセプター抗体は、おもにIg
G(免疫グロブリンG)であり、分子量が約16万の巨
大分子なので、これを効率よく吸着するためには、この
分子が容易に多孔質体内に侵入しうろことが必要である
細孔径の測定方法には種々あり、水銀圧入法がもっとも
よく用いられているが、親水性多孔質体のばあいには適
用が難しい。これに変わる細孔径の目安として排除限界
分子量がよく用いられ、親水性多孔質体、疎水性多孔質
体のいずれも適用できる。排除限界分子量とは成書(た
とえば波多野博之、花卉俊彦著、実験高速液体クロマト
グラフィー、化学同人)などに述べられているごとく、
ゲル浸透クロマトグラフィーにおいて細孔内に侵入でき
ない(排除される)分子のうちもっとも小さい分子量を
もつ物の分子量をいう。
排除限界分子量は、対象とする化合物により異なること
が知られており、一般に球状蛋白質、デキストラン、ポ
リエチレングリコールなどについてよく調べられている
が本発明に用いる担体のばあい、抗TSI+レセプター
抗体にもっとも類似していると思われる球状蛋白質を用
いてえられた値を用いるのが適当である。
排除限界の異なる種々の水不溶性多孔質担体を用いて検
討した結果、抗TS11レセプター抗体の吸着に適当な
細孔径の範囲は、10万以上8000万以下であること
が明らかになった。すなわち10万未満の排除限界分子
量をもつ水不溶性多孔質担体を用いたばあいには抗TS
I(レセプター抗体の吸着量は小さく実用に耐えない。
一方排除限界分子量が大きくなるにつれて、抗TSI+
レセプター抗体の吸着量は増加するがやがて頭打ちとな
り、排除限界分子量が6000万をこえると表面積が少
なすぎ吸着量は目だって低下するばかりでなく、目的と
する抗TSHレセプター抗体以外の吸着、すなわち非特
異吸着が増加し選択性がいちじるしく低下する。
したがって本発明に用いる水不溶性多孔質担体の好まし
い排除限界分子量は10万以上6000万以下であり、
さらに好ましくはより選択性吸着容量を大きくするため
に100万以上2000万以下であるのがよい。
つぎに水不溶性多孔質担体の多孔構造については表面多
孔性よりも全多孔性が好ましく、空孔容積が吸着容量が
大きいという点から20%以上であることが望ましい。
水不溶性多孔質担体の形状は、粒状、球状、繊維状、膜
状、ホローファイバー状など任意の形状を選ぶことがで
きる。粒状の水不溶性多孔質担体を用いるばあい、その
粒径は1−未満のばあい圧力損失が大きく、5000虜
をこえるばあい吸着容量が小さい点から1−以上500
0遍以下であるのが好ましい。
本発明に用いる水不溶性多孔質担体は有機性、無機性い
ずれであってもよいが、目的とする抗TSI+レセプタ
ー抗体以外の体液成分の吸着(いわゆる非特異吸着)の
少ないものが好ましい。
親水性であるほうが非特異吸着が少ないので水不溶性多
孔質担体は疎水性であるよりも、親水性であるほうが好
ましい。
さらに、水不溶性多孔質担体表面には、リガンドの固定
化反応に用いうる官能基が存在していると好都合である
。これらの官能基の代表例としては、水酸基、アミノ基
、アルデヒド基、カルボキシル基、チオール基、シラノ
ール基、アミド基、エポキシ基、ハロゲン基、スクシニ
ルイミド基、酸無水物基などがあげられるが、これらに
限定されるわけではない。また、水不溶性多孔質担体は
前記官能基のなかでも水酸基を存する化合物よりなるも
のであるばあい非特異吸着が少ないので、とくに好まし
い。これら官能基をスペーサーとして導入された水不溶
性多孔質担体も用いうろことはいうまでもない。
本発明に用いる水不溶性多孔質担体の代表例としでは、
アガロース、デキストラン、ポリアクリルアミドなどの
軟質多孔質体、多孔質ガラス、多孔質シリカゲルなどの
無機多孔質体、ポリメチルメタクリレート、ポリビニル
アルコール、スチレン、ジビニルベンゼン共重合体など
の合成高分子および/またはセルロースなどの天然高分
子を原料とする多孔質、ポリマーハードゲルなどがあげ
られるがこれらに限定されるわけではない。
本発明の吸着体を体外循環治療に用いる際には、血液、
血漿のごとき高粘性流体を高速で流す必要があるために
、圧密化を引き起こさない充分な機械的強度を有する硬
質水不溶性多孔質担体を用いるのが好ましい。すなわち
硬質水不溶性多孔質担体とは後記参考例に示すごとく、
水不溶性多孔質担体を円筒状カラムに均一に充填し、水
性流体を流通したばあいの圧力損失と流速との関係が少
なくとも0.3kg/c−まで直線関係にあるものをい
う。
本発明の吸着体のアニオン性官能基は、pHが中性付近
で負に帯電するような官能基であればいかなるものも使
用しうる。これらの代表例としては、カルボキシル基、
スルホン酸基、スルホン基、硫酸エステル基、シラノー
ル基、リン酸エステル基、フェノール性水酸基などがあ
げられるがこれらに限定されるものではない。
アニオン性官能基を存する化合物としては、1分子あた
りひとつのアニオン性官能基を有する化合物であ′って
も、また複数のアニオン性官能基を有するポリアニオン
化合物であってもよい。ポリアニオン化合物は抗TSH
レセプター抗体に対する親和性が大きく、また単位量の
水不溶性多孔質担体に多くのアニオン性官能基を導入し
やすいので好ましい。なかでも分子量が1000以上の
ポリアニオン化合物は親和性、アニオン性官能基導入量
が大きく好ましい。ポリアニオン化合物が有するアニオ
ン性官能基は1種類であってもよいし、複数の種類であ
ってもよい。
本発明に用いるポリアニオン化合物の代表例としでは、
ポリアクリル酸、ポリビニル硫酸、ポリとニルスルホン
酸、ポリビニルリン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
スチレンリン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
酸、ポリメタクリル酸、ポリリン酸、スチレン−マレイ
ン酸共重合体などの合成ポリアニオン化合物、およびヘ
パリン、デキストラン硫酸、コンドロイチン、コンドロ
イチン硫酸、ホスホマンナン、ケラタン硫酸、ヒアルロ
ン酸、アルギン酸、コロミン酸などのアニオン性官能基
含有多糖類があげられるがこれらに限定されるわけでは
ない。
さらに、アニオン性官能基を持つ化合物は、疎水性スペ
ーサーを持つことが好ましい。
疎水性スペーサーとは、アニオン性官能基の導入された
状態で1ogP値が2以上である化合物であればとくに
制限なく用いられる。ただし、水不溶性多孔質担体上に
化合物を化学結合法によって結合するばあいには、化合
物の一部が結合に使われることが多いが、この結合に用
いられた部分を除いた疎水性スペーサーのlogP値が
2未満にならないことが望ましい。
化合物のIogP値が2未満では抗TSHレセプター抗
体の吸着力が弱くなるので好ましくない。
IogP値は、化合物の疎水性のパラメーターとなり、
代表的な、オクタノ−ルー水系での分配係数Pの求め方
は以下のようである。まず、化合物をオクタツール(も
しくは水)に溶解し、これに当量の水(もしくはオクタ
ツール)を加え、グリッツイン・フラスク・シェイカー
(Grll’fln f’1ask 5haker)(
グリッツイン・アンド・ジョージ・リミテッド) (G
r1f’fin &(Georgc Ltd、)製)で
30分間振盪する。その後2000rpmで1〜2時間
遠心分離し、オクタツール層および水層中の化合物濃度
を分光学的または GLCなどの種々の方法で測定する
ことにより、次式で求められる。
P −Coct/ Cv coct :オクタノール層中の化合物濃度Cシ:水層
中の化合物濃度 これまでに多くの研究者らにより種々の化合物の10g
P値が実測されているが、これらの実測値はシー・ハン
シュ(C,1Iansch)らによって整理されている
(「パーティション・コーフィシエンツ・アンド−ゼア
・ユージズ」ケミカル・レビューズ(PAIIITIT
ION CO[EFFI CIENTS ANDTII
EIRUSIES:Chemical Reviews
)、71巻、525頁、(1971)参照)。
また実測値の知られていない化合物についてはアール・
エフ・レッカー(R,P、Rekkcr)がその著書(
「ザ・ハイドロフォピック・フラグメンタルΦコンスタ
ント(TIIE IYDROPHOBICPRAGME
NTAL C0N5TANT) J 、エルセピア・サ
イエンティフィック・パブリッシング・カンパニー・ア
ムステルダム(ELsevler Sc1.Pub、C
om。
^asterdai)(1977))中に示されている
疎水性フラグメント定数fを用いて計算した値(Σr)
が参考となる。疎水性フラグメント定数fは、数多くの
10gP実測値をもとに、統計学的処理を行ない決定さ
れた種々のフラグメントの疎水性を示す値であり、化合
物を構成する各々のフラグメントのf値の和は、IOg
P値とほぼ一致する。
このような化合物の代表例としてはn−ヘプチルアミン
、n−オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン
、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、2−アミ
ノオクテン、ナフチルアミン、フェニル−n−プロピル
アミン、ジフェニルメチルアミンなどのアミン類、n−
へブチルアルコール、n−オクチルアルコール、ドデシ
ルアルコール、ヘキサデシルアルコール、1−オクテン
−3−オール、ナフトール、ジフェニルメタノール、4
−フェニル−2−ブタノールなどのアルコール類ならび
にこれらのアルコールのグリシジルエーテル類、n−オ
クタン類、ノナン酸、2−ノネン酸、デカン酸、ドデカ
ン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、オレイン酸、ジフ
ェニル酢酸、フェニルプロピオン酸などのカルボン酸類
ならびにこれらの酸ハロゲン化物、エステル、アミドな
どのカルボン酸誘導体、塩化オクチル、臭化オクチル、
塩化デシル、塩化ドデシルなどのハロゲン化物、オクタ
ンチオール、ドデカンチオールなどのチオール類、n−
オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシ
ランなどのハロゲン化シラン類、n−オクチルアルデヒ
ド、n−カプリンアルデヒド、ドデシルアルデヒドなど
のアルデヒド類などがあげられる。これらの他にも叙上
の例示化合物の炭化水素部分の水素原子がハロゲン、窒
素、酸素、イオウなどのへテロ原子を含有する置換基、
他のアルキル基などで置換された化合物のうち、log
P値が2以上の化合物、前述のシー・ハシシュ(C,1
lansch)らの総説(「パーティション・コーフィ
シエンツ・アンド中ゼア・ユージズ」ケミ力・ルレビュ
ーズ(PARTITION C0EFFICIENTS
 AND THEIRUSES;Chemical R
eviews)、71巻、525頁(1971))中の
555〜613頁の表に示されているIogP値が2以
上の化合物を用いることができるが、本発明においては
これらのみに限定されるものではない。なおこれらの化
合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、任意の2種類以
上を組合せてもよく、さらにはlogP値が2未満の化
合物との組合せで用いても良い。
疎水性スペーサーとアニオン性官能基を有する化合物の
形状は、疎水性のスペーサーの末端にアニオン性官能基
あるいはアニオン性官能基を有する化合物が結合してい
るもの、疎水性のスペーサー上にアニオン性官能基ある
いはアニオン性官能基を有する化合物が分散して結合し
ているものなどがあげられるがこれらに限定されるもの
ではない。
本発明の吸着体に固定されるアニオン性官能基を有する
化合物は1種類であってもよいし、2種類以上であって
もよい。
本発明の吸着体は、水不溶性多孔質担体にアニオン性官
能基を有する化合物が固定された状態のものをいう。そ
のようなアニオン性官能基を有する化合物が固定されて
なる状態をうるためにアニオン性官能基を水不溶性多孔
質担体に導入する方法としては公知の種々の方法を特別
な制限なしに用いることができるが、そのようなアニオ
ン性官能基を有する化合物が固定されてなる状態をうる
ためのアニオン性官能基の水不溶性多孔質担体への導入
方法は種々あり、いかなる方法で導入してもよく、代表
的な導入方法としては、 (1)  アニオン性官能基または容易にアニオン性官
能基に変換しうる官能基を含有する・化合物を七ツマ−
または架橋剤として用いる重合によって吸着体を形成さ
せる方法、 (2アニオン性官能基を含有する化合物を水不溶性多孔
質担体に固定させる方法、 (3)  アニオン性官能基を形成する化合物と水不溶
性多孔質担体とを直接反応させることによって、水不溶
性多孔質担体にアニオン性官能基を有する化合物を固定
させる方法 などがあげられる。
もちろんガラス、シリカ、アルミナなどもともとアニオ
ン性官能基を含有するアニオン性官能基を含有する化合
物を試薬として用いてもよい。
(1)の方法において用いるアニオン性官能基または容
易にアニオン性官能基に変換しうる官能基を含をするモ
ノマーまたは架橋剤の代表例としては、アクリル酸およ
びそのエステル、メタクリル酸およびそのエステル、ス
チレンスルホン酸などがあげられるがこれらに限定され
るわけではない。
(′2Jの方法、すなわちアニオン性官能基を含有する
化合物を水不溶性多孔質担体に固定させる方法としては
、物理的吸着による方法、イオン結合による方法、共有
結合により固定する方法などがあり、いかなる方法を用
いてもよいが、吸着体の保存性ならびに安定性のために
はアニオン性官能基含有化合物が脱離しないことが重要
であるので、強固な固定が可能な共有結合法が望ましい
共有結合によりアニオン性官能基含有化合物を固定させ
るばあい、アニオン性官能基含有化合物がアニオン性官
能基以外に固定に利用できる官能基を有するのが好まし
い。
固定に利用できる官能基の代表例としては、アミン基、
アミド基、カルボキシル基、酸無水物基、スキシニルイ
ミド基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、ハロゲン
基、エポキシ基、シラノール基などがあげられるがこれ
らに限定されるわけではない。
つぎに、(3)の方法、すなわちアニオン性官能基を形
成する化合物と水不溶性多孔質担体とを反応させること
によって、水不溶性多孔質担体にアニオン性官能基を有
する化合物を固定させてアニオン性官能基を導入する方
法の代表例として水酸基含有多孔質担体に硫酸エステル
基を導入する反応があげられる。このばあい、水酸基含
有水不溶性多孔質担体とクロロスルホン酸、濃硫酸など
の試薬を反応させることによって直接硫酸エステル基を
導入することができる。
本発明の吸着体を治療に用いるには種々の方法がある。
もっとも簡便な方法としては患者の血液を体外に導出し
て血液バッグに貯め、これに本発明の吸着体を混合して
抗TSHレセプター抗体を除去後、フィルターを通して
吸着体を除去し、血液を患者に戻す方法がある。この方
法は、複雑な装置を必要としないが、1回の処理量が少
なく治療に時間を要し、操作が煩雑になるという欠点を
有する。
つぎの方法は吸着体をカラムに充填し、体外循環回路に
組み込みオンラインで吸・着除去を行うものである。す
なわち流体の流入口および流出口を有する容器、流体お
よび該流体に含まれる成分は通過できるが、水不溶性多
孔質担体にアニオン性官能基を有する化合物が固定され
てなる抗TSIIレセプター抗体の吸着体は通過できな
いフィルター、および前記容器内に充填された前記抗T
SI+レセプター抗体の吸着体からなる抗TSHレセプ
ター抗体の除去装置に体液を通液する方法が簡便で好ま
しい。
第2図に本発明の抗TSIIレセプター抗体の除去装置
の一実施例の概略断面図を示す。第2図中、(1)およ
び(2)はそれぞれの流体の流入口と流出口、(3)は
本発明の吸着体、(4)および(5)は流体および流体
に含まれる成分は通過できるが本発明の吸着体は通過で
きないフィルターまたはメツシュ、(6)はカラム、(
力は容器である。ここで流体の流入口側のフィルター(
4)は存在しなくてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
参考例 両端に孔径15廁のフィルターを装着したガラス製円筒
カラム(内径9111%カラム長さ150mm)にアガ
ロースゲル(バイオラド(Blorado)社製のバイ
オゲルA5m(Blogel A5m) 、粒径50〜
100メツシユ)、ポリマー硬質ゲル(東ソー■製のト
ヨパールHW65、粒径50〜100胴、およびチッソ
■製のセルロファインGC−700m 、 粒径45〜
105加)をそれぞれ均一に充填しペリスタルティック
ボンブによりカラム内に水を流通し、流速と圧力損失Δ
Pとの関係を求めた。その結果を第1図に示す。同図よ
り明らかなように軟質ゲルであるアガロースゲルは一定
の流速以上では圧密化をおこし、圧力を増加させても流
速が増加しないのに対し、トヨバール、セルロファイン
などの硬質ゲルは圧力の増加にほぼ比例して流速が増加
する。
製造例1 多孔質セルロースゲルであるCKゲルA3 (商品名、
チッソ■製、球状蛋白質の排除限界分子量5000万、
粒径45〜105 洞) 70m1をヘプタン170m
1中に懸濁し、20%(重量%、以下同様) NaOH
47m1とノニオン系界面活性剤トウィーン20(商品
名、バイオラッド社製)5llを加え、40°Cで30
分振盪した。エピクロルヒドリン47 mlを加えて4
5°Cで3時間撹拌し、ゲルを水洗濾過し、エポキシ基
の導入されたセルロースゲル(以下、エポキシ化セルロ
ースゲルという)をえた。
製造例2 ポリビニルアルコール(PVA)ゲルである5EPAB
EADS XPP−6XO3(商品名、三菱化成工業■
)の沈降体積30m1分に水を加え、全量を60m1に
する。これに2N Na0llをIBml加え、40℃
で数分振盪後、エピクロルヒドリン6 mlを加え40
℃で3時間振盪した。同じゲルを用いて、同様の操作を
再度繰返し、反応終了後ゲルを濾別水洗し、エポキシ基
の導入されたPVAゲル(以下、エポキシ化PVAゲル
という)をえた。
実施例1 製造例1でえたエポキシ化セルロースゲル5mlに分子
量的5000、イオウ含量15%のデキストラン硫酸ナ
トリウム4gおよび水5mlを加えpH9に調整して4
5℃で16時間振盪した。その後、ゲルを濾別して、2
M食塩水溶液、0.5M食塩水溶液および水を用いてこ
の順に洗浄し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してデキストラ
ン硫酸ナトリウムが固定されたセルロースゲル(以下、
デキストラン硫酸−CKA3という)をえた。
実施例2 製造例2でえたエポキシ化PVAゲル10 mlに水を
加え、全量を15m1にした。これにデキストラン硫酸
ナトリウム(分子fn1700)5+rを加工、45℃
で振盪し完全に溶解させた後、IN NaOHを用いて
P119.5に調整し、47℃で16時間静置した。
0.5%モノエタノールアミン水溶液を加えて振盪し未
反応のエポキシ基を封止した。反応終了後、ゲルを濾別
水洗し、デキストラン硫酸が固定されPVAゲル(以下
、デキストラン硫酸−PVAという)をえた。
実施例3 製造例1でえたエポキシ化セルロース、ゲル10m1に
、片末端にアミノ基を有するポリアクリル酸(分子量的
11000)Iを水5 mlに溶かして加え、これに、
2N Na0Il 1 mlを加えて、室温で48時間
放置した。反応終了後ゲルを濾別水洗し、0.5%モノ
エタノールアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキ
シ基を封止してポリアクリル酸が固定されたセルロース
ゲル(以下、ポリアクリル酸−〇KA3という)をえた
。片末端にアミノ基を有するポリアクリル酸は、2−ア
ミノエタンチオールを連鎖移動剤とし、2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤とするアク
リル酸の低重合反応よりえた(日本化学会誌、Nol、
88〜92頁、(1977)、2−ヒドロキシエチル−
メタクリレート−スチレン系ABA型ブロック共重合体
の構造およびその構造とぬれ、岡野先夫、他、参照)。
実施例4 製造例2でえたエポキシ化PVAゲルをサックドライし
3.5gはかりとり、これに実施例3で用いたのと同じ
、片末端にアミノ基を有するポリアクリル酸(分子量的
1000)1.25 gを水5 mlに溶かして加え、
これに2N NaOH1mlを加えて、室温で48時間
放置した。反応終了後ゲルを濾別水洗し、0.5%モノ
エタノールアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキ
シ基を封止してポリアクリル酸が固定されたPVAゲル
(以下、ポリアクリル酸−PVAという)をえた。
実施例5 製造例1でえたエポキシ化セルロースゲル14m1に、
コンドロイチン硫酸7gを水6mlに溶かしたものを加
え、全量を27m1にする。2N N’aOHでPHI
Oに調整し、45℃で2.5時間振盪し、室温で1晩放
置した。反応終了後ゲルを濾別、水洗し、0.5%モノ
エタノールアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキ
シ基を封止してコンドロイチン硫酸が固定されたセルロ
ースゲル(以下、コンドロイチン硫酸−CKA3という
)をえた。
実施例6 実施例1〜5でえた吸着体を生理食塩水で平衡化し、各
々1 [111ずつチューブ(容量 7 ml )にと
った。これに、バセドウ病患者血漿を4 mlずつ(実
施例5の吸着体には1.1m1)加え、37℃で2時間
振盪した。
この吸着操作終了後、遠心分離してゲルを沈降させ、採
取した上澄み中の抗TSI+レセプター抗体(TBll
)の活性値を測定した。TBIIの測定はTSHのラジ
オレセブターアッセーを用いる方法で行った。すなわち
、TBllの活性値はレセプタ−への抗体の結合により
  I−TSHのレセプター結合が阻害されることによ
り、間接的に抗体の存在を検出する方法で行なった。な
お、TBIIの値が大きいほど、活性値が高いことを示
す。
またIgG濃度または総蛋白濃度を測定し、吸着の選択
性をみた。第1表に吸着後の吸着体の上澄み中のTBl
lの活性値およびIgG 6度、ならびにバセドウ病患
者血漿のTBllの活性値およびIgG濃度を、また第
2表に吸着後の吸着体の上澄み中のTBllの活性値お
よび総蛋白濃度ならびにバセトウ病患者血漿のTBll
の活性値および総蛋白濃度を示す。第1表およびTS2
表からIgGまたは総蛋白質の吸着率に対し、TBll
の吸着率は大きく、実施例1〜5の吸着体は選択的にT
l3Itを吸着していることがわかる。
実施例7 実施例1および2でえた吸着体を生理食塩水で平衡化し
、各々1 mlずつチューブ(容量7m1)にとった。
これにバセドウ病患者血漿を4 mlずつ加え、37℃
で2時間振盪した。この吸着操作終了後、遠心分離して
ゲルを沈降させ、採取した上澄み中の抗TSHレセプタ
ー抗体(TBII)の活性値を測定した。TBIIは実
施例6と同様にTSHのラジオレセプターアッセーを用
いる方法で測定した。
なお、TBll値が大きいほど、活性値が高いことを示
す。
第3表に吸着後の吸着体の上澄み中のTBllの活性値
ならびに吸着反応に用いたバセドウ病患者血漿のTBl
lの活性値を示す。
〔以下余白〕
〔発明の効果〕 本発明の吸着体およびそれを用いた除去装置は体液より
抗TSIIレセプター抗体を選択的に汲置しうるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係
を調べた結果を示すグラフであり、第2図は本発明の抗
TSHレセプター抗体の除去装置の一実施例の概略断面
図である。 (図面の主要符号) (1)二流入口 (2J=流出口 (3):吸着体 (4)、(5):フィルター (7) 、容 器 特許出願人  鐘淵化学工業株式会社 才1 圧力損失 ΔP(kg/Cm2)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水不溶性多孔質担体にアニオン性官能基を有する化
    合物が固定されてなる抗甲状腺刺激ホルモンレセプター
    抗体の吸着体。 2 水不溶性多孔質担体の球状蛋白質の排除限界分子量
    が10万以上6000万以下である請求項1記載の抗甲
    状腺刺激ホルモンレセプター抗体の吸着体。 3 水不溶性多孔質担体が水酸基を有する化合物よりな
    る請求項1記載の抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体
    の吸着体。 4 アニオン性官能基を有する化合物が、1分子内に1
    個以上のアニオン性官能基を有するアニオン化合物であ
    る請求項1記載の抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体
    の吸着体。 5 流体の流入口および流出口を有する容器、流体およ
    び該流体に含まれる成分は通過できるが、請求項1記載
    の抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の吸着体は通過
    できないフィルター、および前記容器内に充填された前
    記抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の吸着体からな
    る抗甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体の除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007296118A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Kaneka Corp 血圧降下性ペプチドの吸着材、吸着方法および吸着装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62211073A (ja) * 1986-03-12 1987-09-17 鐘淵化学工業株式会社 補体成分用吸着体
JPS6468272A (en) * 1987-09-08 1989-03-14 Kanegafuchi Chemical Ind Adsorbent and removing apparatus

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