JPH0226355B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、芯線の直径に対して厚肉の絶縁被覆
を有するケーブルを、切断／クランプ接点部材を
用いて接続する装置に関するものである。

ドイツ連邦共和国特許第2610461号明細書には、
切断／クランプ接点部材を有する接続ブロツクが
開示されており、その接点部材は長手方向の開放
スリツトを限定する２枚の弾性薄板よりなるもの
である。ケーブルを接点スリツト内に押込む際
に、弾性薄板の比較的尖鋭な縁部によつて先ずケ
ーブルの絶縁被覆が切除される。次に、上記縁部
をケーブルの内側導線の材料中に所定量だけ食込
ませて所要の導電接続を達成する。

絶縁ケーブルを接点スリツト内に押込むため、
並びに押込まれたケーブルを接点スリツト内より
引出すために使用に供される特殊工具は、ドイツ
連邦共和国実用新案登録第8013494号明細書に開
示されている。この既知の工具によれば、もつぱ
ら直径の小さいケーブルのみを切断／クランプ接
点部材に対して接続しうるにすぎない。芯線の直
径に対して厚肉の絶縁被覆を有するケーブル、例
えば電力ケーブルや通信ケーブル等のいわゆるド
ロツプワイヤーケーブルについては、従来は、ね
じ／クランプ接点部材がその接続に用いられてい
る。この場合には、ケーブルの絶縁被覆の除去
と、ねじ込み作業とが必要となり、作業能率が著
しく低下する。

ドイツ連邦共和国特許第3214896号明細書には、
内側および外側導線の種々の直径、並びに絶縁被
覆の種々の材料に適用することのできるケーブル
接続用の切断／クランプ接点部材として、絶縁被
覆の除去作業を必要としないものが開示されてい
る。さらに、かかる切断／クランプ接点部材を組
込んだ接続ブロツクについては、ドイツ連邦共和
国特許出願第3415396号公開公報に開示されてい
る。これらの従来技術においては、芯線の直径に
対して厚肉の絶縁被覆を有するケーブルを切断／
クランプ接点部材内に押込むに際してかなりの押
込み力が必要とされ、応々にして十分な押込み力
を及ぼしえないことが問題点として指摘されるに
至つている。

したがつて本発明は、芯線の直径に対して厚肉
の絶縁被覆を有するケーブルを切断／クランプ接
点部材に対して接続するにあたり、ケーブルの所
要押込み力を低減することのできる接続装置を提
案することを目的としている。

すなわち、本発明による接続装置は、ケーブル
を受入れて支持するための凹所を有する基部と、
この基部に対して回転可能にヒンジ結合され前記
凹所内に支持されたケーブルの絶縁被覆を予め少
なくとも部分的に切除する初期切除機構とを具
え、初期切除機構は湾曲形状を呈する２つの切除
ブレードを含み、これら切除ブレードを、少なく
ともケーブルの内側導線の直径に相当する幅を有
する自由空間が残されるように相互に対向させて
配置したことを特徴とするものである。

本発明においては、ケーブルを切断／クランプ
接点部材内に押込むに先立つて、予定された接続
領域でケーブルの絶縁被覆の少なくとも一部を切
除することにより、ケーブルを切断／クランプ接
点部材内に押込むに際して必要とされる押込み力
を著しく低減することができる。このことは、特
に切断／クランプ接点部材の接点脚部に対応する
接続領域において、直径の大きなケーブルの絶縁
被覆から相互に対向する２部分を切除する場合に
妥当するものである。

本発明では接続装置に湾曲形状を呈する２個の
切断ブレードを有する切断機構を配設することに
伴つて、ケーブルの接続にあたり、すなわちケー
ブルを切断／クランプ接点部材の接点スリツト内
に押込むに際して、切断／クランプ接点部材にお
ける接点縁部を食込ませるべき絶縁材料の厚さが
減少するので、所要の押込み力は著しく低減可能
となるものである。そして、接点部材における弾
性突部が過大な押込み力によつて損傷するおそれ
を効果的に解消することも可能となる。

本発明の好適な実施態様においては、接続装置
を接続ブロツク内に組込むことができ、また、手
持ち式工具として構成してもよい。

以下、本発明をケーブルの接続工具に適用した
図示の実施例について説明する。

本発明の接続工具は、基礎部分としてのシヤフ
ト１４を具え、このシヤフトは、一端に握り部１
５を、また他端には案内ウエブ１７、レバー１８
および押圧ウエブ３２を有する。これら全ての構
成部分１４，１５，１７，１８，３２は手持ち式
工具に必要とされる強度を有するプラスチツク材
料で一体成形する。円弧状に形成された握り部１
５は、使用者が押圧力を作用させるために用いる
ものであり、その押圧力で押圧ウエブ３２を、内
側導線２２の直径に対して厚肉の絶縁被覆２１を
有するケーブル２０が接続ブロツク４０における
切断／クランプ接点部材４４内に押込まれるよう
に変位させる。その際に案内ウエブ１７は、押圧
ウエブ３２の変位を案内するものである。レバー
１８は、接続ブロツク４０内に装着されている過
電圧防止マガジン（図示せず）を取出すために用
いるものである。

太いケーブル用の初期切除機構１１を装着工具
のシヤフト１４に隣接して配置する。この切除機
構１１にはＵ字形状レバー２３を設け、このレバ
ーは回動軸２７においてヒンジ結合する。Ｕ字形
状レバー２３により、その両側面５６，５７の内
側に湾曲形状の切断ブレード１２，１３それぞれ
保持する。これらの切断ブレードは、特に第２図
に明示したごとく少なくともケーブル２０の内側
導線２２の直径に相当する幅だけ自由空間が残さ
れるように相互に対向させて配置する。Ｕ字形状
レバー２３の開放側はシヤフト１４に向けて配置
され、したがつてレバー２３は第３図に実線で示
す押込み状態では側面５６，５７をもつてシヤフ
ト１４を包囲する。シヤフト１４を構成するプラ
スチツク材料には、シヤフト１４の長手方向に延
在し、かつ、ケーブル２０の受入れ及び支持に供
する案内凹所２６を形成する。

内側導線２２の直径に対して厚肉の絶縁被覆２
１を有するケーブル２０を接続ブロツク４０の切
断／クランプ接点部材４４内に押込むに先立つ
て、ケーブル２０を案内凹所２６内に挿入する
と、これによりＵ字形状レバー２３が第３図に想
像線で示す位置まで拡開回動する。この状態でレ
バー２３を押込むとレバー２３の両側面５６，５
７の内側３３に配置された２個の切断ブレード１
２，１３によつてケーブル２０の絶縁被覆２１が
予定された接続領域３７内の２ケ所で切込まれ、
これにより第２図で示すように絶縁材料部分３
４，３５の２ケ所が予め切除される。レバー２３
を再び拡開回動させた後、ケーブル２０は案内凹
所２６から取り出し、予定された接続領域３７に
おいて接続ブロツク４０の切断／クランプ接点部
材４４内に挿入し、さらに接続領域３７を接続ス
リツト４５内に押圧する。この押圧力は、切断／
クランプ接点部材４４と適合する形状の押圧ウエ
ブ３２を介して作用させるものである。

円板状の握り部１５の中心に引張りフツク２４
を回動可能に取付け、そのフツクの係止端部３６
により切断／クランプ接点部材４４内に押圧され
たケーブルを引き出し且つ分離させるものであ
る。引張りフツク２４の係止機構として、握り部
１５に形成された２個の係止突部２９と、引張り
フツク２４内に形成されたノツチ３０とを配設す
る。この係止機構により、引張りフツク２４は２
つの位置、すなわち引張りフツク２４がシヤフト
１４と並行に位置するものとして第１図に実線で
示した不作動位置と、引張りフツク２４がシヤフ
ト１４とほぼ直角をなすものとして第１図に想像
線で、そして第４図には実線で示した作動位置と
のいずれかに選択的に係止することが可能とな
る。

握り部１５には、ケーブル２０を通すための３
個の開口通路１９を形成し、これらの開口通路１
９を引張りフツク２４において分離機構２５と協
働させる。この分離機構２５は湾曲形状を有する
２つの切欠き部５８，５９からなり、これら切欠
き部の間に尖端部３９を有するものである。平行
ケーブル（第５図参照）を開口通路１９を通して
案内し、次に引張りフツク２４の尖端部３９を開
口通路１９の領域内で回動させることにより両ケ
ーブル２０の間に尖端部３９が押込まれるので、
平行ケーブルを開口通路１９に通した状態で引抜
くと尖端部によつて２本のケーブル２０に分離す
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例による手持ち式接
続工具を、切断／クランプ接点部材を有する接続
ブロツクにあてがつた使用状態を示す正面図、第
２図は、第１図の手持ち式工具を一部破断して切
断機構を示す背面図、第３図は、第２図の矢Ｘ方
向から見た手持ち式工具の側面図、第４図は、引
張りフツクを拡開回動位置で示す手持ち式工具の
斜視図、第５図は、平行ケーブルを個々のケーブ
ルに分離する態様を示す説明図である。 １１……初期切除機構、１２，１３……切断ブ
レード、１４……基部、１５……握り部、１７，
３２……ウエブ、１８，２３……レバー、１９…
…開口通路、２０……ケーブル、２２……ケーブ
ルの内側導線、２４……引張りフツク、２５……
分離手段、２６……凹所、４０……接続ブロツ
ク、４４……切断／クランプ接点部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 芯線の直径に対して厚肉の絶縁被覆を有する
   ケーブルを、切断／クランプ接点部材を用いて接
   続するための装置において、前記ケーブル２０を
   受入れて支持するための凹所２６を有する基部１
   ４と、この基部１４に対して回動可能にヒンジ結
   合され前記凹所２６内に支持されたケーブル２０
   の絶縁被覆２１を予め少なくとも部分的に切除す
   る初期切除機構１１とを具え、初期切除機構１１
   は湾曲形状を呈する２つの切除ブレード１２，１
   ３を含み、これら切除ブレード１２，１３を、少
   なくともケーブル２０の内側導線２２の直径に相
   当する幅を有する自由空間が残されるように相互
   に対向させて配置したことを特徴とするケーブル
   の接続装置。 ２ 前記初期切除機構１１は断面Ｕ字形状のレバ
   ー２３を具え、そのレバーの内側３３に前記切除
   ブレード１２，１３を配置したことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の接続装置。 ３ 前記基部１４を手持ち式工具のシヤフトとし
   て形成し、その握り部１５に円弧状の丸みをもた
   せると共にシヤフトの遊端にはケーブル２０を接
   続ブロツク４０における切断／クランプ接点部材
   ４４内に押込むための案内ウエブ１７，３２を形
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第１又は
   ２項に記載された接続装置。 ４ 前記手持ち式工具のシヤフトには、接続ブロ
   ツク４０内に装着されている過電圧防止マガジン
   を取出すためのレバー１８を配置したことを特徴
   とする特許請求の範囲第３項記載の接続装置。 ５ 前記手持ち式工具の握り部１５に複数の開口
   通路１９を形成すると共に旋回可能な分離手段２
   ５を有する引張りフツク２４を設け、平行ケーブ
   ルを前記開口通路１９に挿通して分離手段２５に
   より個々のケーブル２０に分離可能としたことを
   特徴とする特許請求の範囲第３項又は第４項記載
   の接続装置。 ６ 引張りフツク２４と前記握り部１５とに、引
   張りフツクを２位置において選択的に係止すべく
   相互に係合可能とした係止手段２９，３０を設け
   たことを特徴とする特許請求の範囲第５項記載の
   接続装置。