JPH0226091B2 - - Google Patents
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- JPH0226091B2 JPH0226091B2 JP58054515A JP5451583A JPH0226091B2 JP H0226091 B2 JPH0226091 B2 JP H0226091B2 JP 58054515 A JP58054515 A JP 58054515A JP 5451583 A JP5451583 A JP 5451583A JP H0226091 B2 JPH0226091 B2 JP H0226091B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
- F16D69/02—Composition of linings ; Methods of manufacturing
- F16D69/027—Compositions based on metals or inorganic oxides
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Description
この発明は、自動二輪車や自動車などのデイス
クブレーキのブレーキデイスクにかかり、特にす
ぐれた耐食性と耐酸化性を有し、かつ吸振吸音性
および水切り性にもすぐれた軽量のFe基焼結合
金製ブレーキデイスク、特にそのパツト材に関す
るものである。 一般に、従来のブレーキデイスクは、例えば第
1図に縦断側面図で示し、第2図に正面図で示し
たように、ボス部1Aとフランジ部1Bからな
り、かつ、例えば鋳鉄、構造用鋼、あるいは純鉄
製で、所謂むくの一体物1であつたため、かなり
の重量を有し、省エネルギを図るための軽量化が
困難であるばかりでなく、耐食性の点でも問題が
多く、摩耗トラブルの原因となる場合が多く見ら
れた。 そこで、耐食性を向上させる目的で、ブレーキ
デイスクをステンレス鋼や工具鋼などで製造する
試みもなされているが、前記のように重量がかさ
む上に、鋳造性、鍛造性、および打抜き加工性が
悪く、どうしてもコスト高となるのをまぬがれる
ことができない。 さらに、上記のように一体むく構造であると、
例えばステンレス鋼製の場合などにおいて、異音
発生、所謂鳴き現象が起き易く、この鳴き現象は
ブレーキトラブル発生の原因となり、また雨中走
行時の雨水巻き込みによるブレーキ制動力の低下
をもたらすようになるなど、これらの対策が強く
要望されている。 本発明者等は、上述のような観点から、従来ブ
レーキデイスクのもつ問題点を解決すべく研究を
行なつた結果、特に望ましくは、円形のデイスク
本体を、ステンレス鋼、工具鋼、鋳鉄、純鉄、あ
るいはAlおよびAl合金などで構成し、このデイ
スク本体の摩擦面に固着されるパツト材を、重量
%で、 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、さらに必要に応じて、 (a) Mo、Mn、W、Nb、Ti、Zr、およびV(以
下、これらを総称して耐食耐摩耗性向上成分と
いう):0.1〜5%、 (b) C:0.05〜3%、 以上(a)および(b)のいずれか、または両方、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びに、 空孔率:5〜35%、 を有するFe基焼結合金で構成すると、このFe基
焼結合金は、すぐれた耐食性および耐酸化性を有
し、さらに上記の任意合金成分の含有によつて一
段とすぐれた耐食性および耐摩耗性をもつように
なり、しかも前記Fe基焼結合金のもつ空孔によ
つて、すぐれた吸振吸音性および水切り性が確保
されると共に、軽量化が可能となり、したがつ
て、これを実用に供した場合には、鳴き現象やブ
レーキ制動力の低下などのブレーキトラブルの発
生なく、長期に亘つてすぐれたブレーキ性能を発
揮するという知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成範囲および空孔率を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) Cr Cr成分には、合金の耐食性および耐酸化性
を向上させる作用があるが、その含有量が16%
未満では、特にNiおよびCuの含有量が0.5〜20
%の範囲内で低い場合、すなわちNiおよびCu
の含有量がそれぞれ、あるいは合計で0.5〜約
3%の場合に所望のすぐれた耐食性を確保する
ことができず、一方30%を越えて含有させても
前記作用が飽和し、より一層の向上効果は現わ
れないことから、その含有量を16〜30%と定め
た。 (b) NiおよびCu これらの成分には、素地に固溶して、これを
強化するばかりでなく、耐食性をより一段と向
上させ、かつなじみ性を改善する作用がある
が、その含有量が0.5%未満では前記作用に所
望の改善効果が得られず、一方20%を越えて含
有させても前記作用により一層の向上効果は現
われないことから、その含有量を0.5〜20%と
定めた。 (c) 耐食耐摩耗性向上成分 これらの成分には、素地に固溶して、これを
強化し、かつC成分との共存において、硬質炭
化物を形成して、特に耐摩耗性を向上させ、さ
らに耐食性を向上させる作用があるので、これ
らの特性が必要とされる場合に進んで含有され
るが、その含有量が0.1%未満では前記作用に
所望の向上効果が得られず、一方5%を越えて
含有させても前記作用が飽和し、より一層の向
上効果は得られないことから、その含有量を
0.1〜5%と定めた。 (d) C 成分には、上記のようにCrおよび耐食耐摩
耗性向上成分と結合して硬質の炭化物を形成
し、もつて合金の耐摩耗性を著しく向上せしめ
る作用があるので、特に耐摩耗性が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量
が0.05%未満では所望の耐摩耗性向上効果が得
られず、一方3%を越えて含有させると、硬質
炭化物の析出量が多くなりすぎて合金自体が脆
化するばかりでなく、相手部材の損傷がはげし
く、かつ耐食性も劣化するようになることか
ら、その含有量を0.05〜3%と定めた。 (e) 空孔率 上記のようにFe基焼結合金中に空孔が存在
することによつてブレーキデイスク自体の軽量
化が可能となるばかりでなく、すぐれた吸振吸
音性および水切り性が確保されるようになるも
のであるが、その空孔率が5%未満では、これ
らの特性に所望の改善効果が得られず、一方35
%を越えた空孔率にすると、強度低下が著し
く、かつ耐摩耗性も劣化するようになることか
ら、空孔率を5〜35%と定めた。 なお、この発明のFe基焼結合金は、不可避
不純物として、Si、P、S、Al、B、N、お
よびOなどのうち1種以上を含有する場合があ
るが、その含有量が合量で4%を越えない限
り、特性に何らの悪影響も現われないものであ
る。 つぎに、この発明のブレーキデイスクを実施例
により具体的に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも粒度−200meshの鉄
粉、Fe−Mn合金(Mn:75%含有)粉末、Fe−
Nb合金(Nb:25%含有)粉末、Fe−Ti合金
(Ti:43%含有)粉末、Fe−Zr合金(Zr:45%含
有)粉末、Fe−V合金(V:75%含有)粉末、
黒鉛粉末、およびCu粉末、いずれも平均粒径:
3μmのMo粉末、W粉末およびNi粉末、さらに同
じくいずれも粒度−200meshのFe−Cr合金
(Cr:22%含有)粉末、Fe−Cr合金(Cr:19%
含有)粉末、Fe−Cr合金(Cr:5%含有)粉末、
Fe−Cr合金(Cr:17%含有)粉末、Fe−Cr合金
(Cr:30%含有)粉末、Fe−Cr−Ni合金(Cr:
17%、Ni:10%含有)粉末、Fe−Cr−Ni合金
(Cr:17%、Ni:20%含有)粉末、Fe−Cr−Mn
合金(Cr:17%、Mn:5%含有)粉末、Fe−Cr
−Nb合金(Cr:17%、Nb:3%含有)粉末、
Fe−Cr−Ti合金(Cr:17%、Ti:1%含有)粉
末、およびFe−Cr−Cu−Mo−W−Ti−Zr−V
−C合金(Cr:17%、Ni:1%、Cu:2%、
Mo:1%、W:1%、Ti:0.5%、Zr:0.5%、
V:0.5%、C:1%含有)粉末を用意し、これ
ら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成
に配合し、マイニユートミキサーにて30分混合し
た後、3〜6ton/cm2の範囲内の所定圧力にて外側
半径:150mm×内側半径:100mm×中心角:90゜×
厚さ:5mmの寸法をもつた扇形圧粉体に成形し、
ついでこれらの圧粉体を、真空中、1020〜1200の
温度範囲内の所定温度にそれぞれ1時間保持の条
件で焼結することによつて実質的に配合組成と同
一の成分組成をもち、かつ同じく第1表に示され
る空孔率をもつた本発明焼結合金製ブレーキデイ
スクのパツト材(以下本発明焼結パツト材とい
う)1〜27を製造した。 つぎに、この結果得られた本発明焼結パツト材
1〜27について、第3図に第4図−線視断
面図で、第4図に正面図で示されるように、これ
らのパツト材2をそれぞれJIS・SUS420ステン
レス鋼製の円形デイスク本体3のボス部の両面に
リベツト止め4にて固着してブレーキデイスクを
構成し、この状態で、 相手材:Cu系焼結摩擦材、 周速:15m/sec.、 吸収エネルギー:2747Kg−m、 面圧:10Kg/cm2、 試験サイクル:100サイクル、 の条件で摩耗試験を行ない、試験後のパツト材の
平均摩耗深さを測定し、さらにウオーターリカバ
リー試験を行ない、毎分100c.c.の水を噴霧して摩
擦係数の低下率を測定し、平均ウオーターリカ
クブレーキのブレーキデイスクにかかり、特にす
ぐれた耐食性と耐酸化性を有し、かつ吸振吸音性
および水切り性にもすぐれた軽量のFe基焼結合
金製ブレーキデイスク、特にそのパツト材に関す
るものである。 一般に、従来のブレーキデイスクは、例えば第
1図に縦断側面図で示し、第2図に正面図で示し
たように、ボス部1Aとフランジ部1Bからな
り、かつ、例えば鋳鉄、構造用鋼、あるいは純鉄
製で、所謂むくの一体物1であつたため、かなり
の重量を有し、省エネルギを図るための軽量化が
困難であるばかりでなく、耐食性の点でも問題が
多く、摩耗トラブルの原因となる場合が多く見ら
れた。 そこで、耐食性を向上させる目的で、ブレーキ
デイスクをステンレス鋼や工具鋼などで製造する
試みもなされているが、前記のように重量がかさ
む上に、鋳造性、鍛造性、および打抜き加工性が
悪く、どうしてもコスト高となるのをまぬがれる
ことができない。 さらに、上記のように一体むく構造であると、
例えばステンレス鋼製の場合などにおいて、異音
発生、所謂鳴き現象が起き易く、この鳴き現象は
ブレーキトラブル発生の原因となり、また雨中走
行時の雨水巻き込みによるブレーキ制動力の低下
をもたらすようになるなど、これらの対策が強く
要望されている。 本発明者等は、上述のような観点から、従来ブ
レーキデイスクのもつ問題点を解決すべく研究を
行なつた結果、特に望ましくは、円形のデイスク
本体を、ステンレス鋼、工具鋼、鋳鉄、純鉄、あ
るいはAlおよびAl合金などで構成し、このデイ
スク本体の摩擦面に固着されるパツト材を、重量
%で、 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、さらに必要に応じて、 (a) Mo、Mn、W、Nb、Ti、Zr、およびV(以
下、これらを総称して耐食耐摩耗性向上成分と
いう):0.1〜5%、 (b) C:0.05〜3%、 以上(a)および(b)のいずれか、または両方、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びに、 空孔率:5〜35%、 を有するFe基焼結合金で構成すると、このFe基
焼結合金は、すぐれた耐食性および耐酸化性を有
し、さらに上記の任意合金成分の含有によつて一
段とすぐれた耐食性および耐摩耗性をもつように
なり、しかも前記Fe基焼結合金のもつ空孔によ
つて、すぐれた吸振吸音性および水切り性が確保
されると共に、軽量化が可能となり、したがつ
て、これを実用に供した場合には、鳴き現象やブ
レーキ制動力の低下などのブレーキトラブルの発
生なく、長期に亘つてすぐれたブレーキ性能を発
揮するという知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成範囲および空孔率を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) Cr Cr成分には、合金の耐食性および耐酸化性
を向上させる作用があるが、その含有量が16%
未満では、特にNiおよびCuの含有量が0.5〜20
%の範囲内で低い場合、すなわちNiおよびCu
の含有量がそれぞれ、あるいは合計で0.5〜約
3%の場合に所望のすぐれた耐食性を確保する
ことができず、一方30%を越えて含有させても
前記作用が飽和し、より一層の向上効果は現わ
れないことから、その含有量を16〜30%と定め
た。 (b) NiおよびCu これらの成分には、素地に固溶して、これを
強化するばかりでなく、耐食性をより一段と向
上させ、かつなじみ性を改善する作用がある
が、その含有量が0.5%未満では前記作用に所
望の改善効果が得られず、一方20%を越えて含
有させても前記作用により一層の向上効果は現
われないことから、その含有量を0.5〜20%と
定めた。 (c) 耐食耐摩耗性向上成分 これらの成分には、素地に固溶して、これを
強化し、かつC成分との共存において、硬質炭
化物を形成して、特に耐摩耗性を向上させ、さ
らに耐食性を向上させる作用があるので、これ
らの特性が必要とされる場合に進んで含有され
るが、その含有量が0.1%未満では前記作用に
所望の向上効果が得られず、一方5%を越えて
含有させても前記作用が飽和し、より一層の向
上効果は得られないことから、その含有量を
0.1〜5%と定めた。 (d) C 成分には、上記のようにCrおよび耐食耐摩
耗性向上成分と結合して硬質の炭化物を形成
し、もつて合金の耐摩耗性を著しく向上せしめ
る作用があるので、特に耐摩耗性が要求される
場合に必要に応じて含有されるが、その含有量
が0.05%未満では所望の耐摩耗性向上効果が得
られず、一方3%を越えて含有させると、硬質
炭化物の析出量が多くなりすぎて合金自体が脆
化するばかりでなく、相手部材の損傷がはげし
く、かつ耐食性も劣化するようになることか
ら、その含有量を0.05〜3%と定めた。 (e) 空孔率 上記のようにFe基焼結合金中に空孔が存在
することによつてブレーキデイスク自体の軽量
化が可能となるばかりでなく、すぐれた吸振吸
音性および水切り性が確保されるようになるも
のであるが、その空孔率が5%未満では、これ
らの特性に所望の改善効果が得られず、一方35
%を越えた空孔率にすると、強度低下が著し
く、かつ耐摩耗性も劣化するようになることか
ら、空孔率を5〜35%と定めた。 なお、この発明のFe基焼結合金は、不可避
不純物として、Si、P、S、Al、B、N、お
よびOなどのうち1種以上を含有する場合があ
るが、その含有量が合量で4%を越えない限
り、特性に何らの悪影響も現われないものであ
る。 つぎに、この発明のブレーキデイスクを実施例
により具体的に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも粒度−200meshの鉄
粉、Fe−Mn合金(Mn:75%含有)粉末、Fe−
Nb合金(Nb:25%含有)粉末、Fe−Ti合金
(Ti:43%含有)粉末、Fe−Zr合金(Zr:45%含
有)粉末、Fe−V合金(V:75%含有)粉末、
黒鉛粉末、およびCu粉末、いずれも平均粒径:
3μmのMo粉末、W粉末およびNi粉末、さらに同
じくいずれも粒度−200meshのFe−Cr合金
(Cr:22%含有)粉末、Fe−Cr合金(Cr:19%
含有)粉末、Fe−Cr合金(Cr:5%含有)粉末、
Fe−Cr合金(Cr:17%含有)粉末、Fe−Cr合金
(Cr:30%含有)粉末、Fe−Cr−Ni合金(Cr:
17%、Ni:10%含有)粉末、Fe−Cr−Ni合金
(Cr:17%、Ni:20%含有)粉末、Fe−Cr−Mn
合金(Cr:17%、Mn:5%含有)粉末、Fe−Cr
−Nb合金(Cr:17%、Nb:3%含有)粉末、
Fe−Cr−Ti合金(Cr:17%、Ti:1%含有)粉
末、およびFe−Cr−Cu−Mo−W−Ti−Zr−V
−C合金(Cr:17%、Ni:1%、Cu:2%、
Mo:1%、W:1%、Ti:0.5%、Zr:0.5%、
V:0.5%、C:1%含有)粉末を用意し、これ
ら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成
に配合し、マイニユートミキサーにて30分混合し
た後、3〜6ton/cm2の範囲内の所定圧力にて外側
半径:150mm×内側半径:100mm×中心角:90゜×
厚さ:5mmの寸法をもつた扇形圧粉体に成形し、
ついでこれらの圧粉体を、真空中、1020〜1200の
温度範囲内の所定温度にそれぞれ1時間保持の条
件で焼結することによつて実質的に配合組成と同
一の成分組成をもち、かつ同じく第1表に示され
る空孔率をもつた本発明焼結合金製ブレーキデイ
スクのパツト材(以下本発明焼結パツト材とい
う)1〜27を製造した。 つぎに、この結果得られた本発明焼結パツト材
1〜27について、第3図に第4図−線視断
面図で、第4図に正面図で示されるように、これ
らのパツト材2をそれぞれJIS・SUS420ステン
レス鋼製の円形デイスク本体3のボス部の両面に
リベツト止め4にて固着してブレーキデイスクを
構成し、この状態で、 相手材:Cu系焼結摩擦材、 周速:15m/sec.、 吸収エネルギー:2747Kg−m、 面圧:10Kg/cm2、 試験サイクル:100サイクル、 の条件で摩耗試験を行ない、試験後のパツト材の
平均摩耗深さを測定し、さらにウオーターリカバ
リー試験を行ない、毎分100c.c.の水を噴霧して摩
擦係数の低下率を測定し、平均ウオーターリカ
【表】
【表】
【表】
バリー率を算出した。これらの結果を第1表に合
せて示した。また、第1表には上記のデイスク本
体3と同一のステンレス鋼製で、一体むくで構成
した従来ブレーキデイスクの同一条件による試験
結果を示した。 第1表に示される結果から、本発明焼結パツト
材1〜27は、いずれもすぐれた耐食性、耐酸化
性、および吸振吸音性を有し、さらに耐摩耗性に
もすぐれていることから、従来ブレーキデイスク
と同等、あるいはこれ以上のすぐれた摩耗特性を
示し、かつ鳴き発生が全くなく、鳴き現象が見ら
れた従来ブレーキデイスクに比して対照的であつ
た。 上述のように、この発明のブレーキデイスク、
特にそのパツト材は、すぐれた耐食性、耐酸化
性、吸振吸音性、および水切り性を有し、さらに
耐摩耗性にもすぐれた軽量のFe基焼結合金で構
成されているので、その実用に際しては、鳴き現
象の発生やブレーキ制動力の低下などのブレーキ
トラブルの発生がなく、しかも軽量化が可能とな
るので、ブレーキデイスクの大幅な性能向上がは
かられるのである。
せて示した。また、第1表には上記のデイスク本
体3と同一のステンレス鋼製で、一体むくで構成
した従来ブレーキデイスクの同一条件による試験
結果を示した。 第1表に示される結果から、本発明焼結パツト
材1〜27は、いずれもすぐれた耐食性、耐酸化
性、および吸振吸音性を有し、さらに耐摩耗性に
もすぐれていることから、従来ブレーキデイスク
と同等、あるいはこれ以上のすぐれた摩耗特性を
示し、かつ鳴き発生が全くなく、鳴き現象が見ら
れた従来ブレーキデイスクに比して対照的であつ
た。 上述のように、この発明のブレーキデイスク、
特にそのパツト材は、すぐれた耐食性、耐酸化
性、吸振吸音性、および水切り性を有し、さらに
耐摩耗性にもすぐれた軽量のFe基焼結合金で構
成されているので、その実用に際しては、鳴き現
象の発生やブレーキ制動力の低下などのブレーキ
トラブルの発生がなく、しかも軽量化が可能とな
るので、ブレーキデイスクの大幅な性能向上がは
かられるのである。
第1図および第2図は一体物のブレーキデイス
クを示し、第1図は縦断側面図、第2図は正面図
であり、第3図および第2図は別の形態のブレー
キデイスクを示し、第3図は第4図−線視断
面図、第4図は正面図である。図面において、 1……一体物のブレーキデイスク、2……パツ
ト材、3……デイスク本体、4……リベツト止
め。
クを示し、第1図は縦断側面図、第2図は正面図
であり、第3図および第2図は別の形態のブレー
キデイスクを示し、第3図は第4図−線視断
面図、第4図は正面図である。図面において、 1……一体物のブレーキデイスク、2……パツ
ト材、3……デイスク本体、4……リベツト止
め。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに5〜35%の空孔率を有
することを特徴とするFe基焼結合金製ブレーキ
デイスク。 2 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、さらに、 Mo、Mn、W、Nb、Ti、Zr、およびVのうち
の1種または2種以上:0.1〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに5〜35%の空孔率を有
することを特徴とするFe基焼結合金製ブレーキ
デイスク。 3 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、さらに、 C:0.05〜3%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに5〜35%の空孔率を有
することを特徴とするFe基焼結合金製ブレーキ
デイスク。 4 Cr:16〜30%、 NiおよびCuのうちの1種または2種:0.5〜20
%、 を含有し、さらに、 Mo、Mn、W、Nb、Ti、Zr、およびVのうち
の1種または2種以上:0.1〜5%と、 C:0.05〜3%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに5〜35%の空孔率を有
することを特徴とするFe基焼結合金製ブレーキ
デイスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5451583A JPS59180132A (ja) | 1983-03-30 | 1983-03-30 | Fe基焼結合金製ブレ−キデイスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5451583A JPS59180132A (ja) | 1983-03-30 | 1983-03-30 | Fe基焼結合金製ブレ−キデイスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59180132A JPS59180132A (ja) | 1984-10-13 |
JPH0226091B2 true JPH0226091B2 (ja) | 1990-06-07 |
Family
ID=12972780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5451583A Granted JPS59180132A (ja) | 1983-03-30 | 1983-03-30 | Fe基焼結合金製ブレ−キデイスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59180132A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015031317A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ブレーキパッド |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5970748A (ja) * | 1982-10-12 | 1984-04-21 | Kawasaki Steel Corp | オ−トバイデイスクブレ−キ用のじん性に優れる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼熱延板材 |
-
1983
- 1983-03-30 JP JP5451583A patent/JPS59180132A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5970748A (ja) * | 1982-10-12 | 1984-04-21 | Kawasaki Steel Corp | オ−トバイデイスクブレ−キ用のじん性に優れる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼熱延板材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59180132A (ja) | 1984-10-13 |
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