JPH022606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、印字用紙の送り装置に関する。

従来、印字用紙における印字媒体の送り装置と
してはパルスモーター、ACモーターとクラツチ
を併用したものが知られているが、機構的に複雑
であつたり、コスト的に高いものとなつたり、ま
た大きな騒音を発生する等の種々の欠点があつ
た。

そこで、本考案は、印字用紙送り機構の駆動用
シヤフトにワンウエイクラツチを設け、ワンウエ
イクラツチにプーリーを設置し、プーリーに巻き
掛け部材を巻き掛け、更に電磁石機構を設置し、
電磁石機構により巻き掛け部材を介してプーリー
を回転させて、前記駆動用シヤフトを一定角度だ
け間歇的に回転させ得るように構成し、もつて前
述の欠点を解消した印字用紙の送り装置を提供す
ることを目的とするものである。

以下、図面に示す一実施例に基き、本考案を具
体的に説明する。

印字用紙の送り装置１は、第１図に示すよう
に、印字用紙送り機構２を有しており、印字用紙
の送り機構２にはピンチローラー３及びフイード
ローラー５が設けられている。ピンチローラー３
はサブシヤフト６に回転自在に支持されており、
更にピンチローラー３はフイードローラー５側に
一定圧力で押圧され、フイードローラー５とピン
チローラー３との間に挿入される媒体７をフイー
ドローラー５とピンチローラー３の間で支持する
ことができる。一方、フイードローラー５はシヤ
フト９に固着されており、シヤフト９にはワンウ
エイクラツチ１０が設けられている。ワンウエイ
クラツチ１０は、シヤフト９にとめネジ１１によ
り固設されたドリブンシヤフト１２を有してお
り、ドリブンシヤフト１２と隣接してドライブシ
ヤフト１３がシヤフト９に回転自在に嵌合してい
る。ドリブンシヤフト１２とドライブシヤフト１
３の間には、クラツチスプリング１５が、シヤフ
ト１２及び１３を被覆する形で設けられており、
スプリング１５のドライブシヤフト１３側はシヤ
フト１３に固着され、ドライブシヤフト１３の一
方向の回転はスプリング１５を介してドリブンシ
ヤフト１２に伝達されるが、ドライブシヤフト１
３の他方向の回転は伝達されない。ドライブシヤ
フト１３の一端には多数の歯形１６ａが設けられ
たプーリー１６が一体に形成されており、プーリ
ー１６には第２図に示すように、歯形１６ａと噛
合する多数の凸部１７ａを有する巻き掛け部材で
あるタイミングベルト１７が巻き掛けられてい
る。タイミングベルト１７の一端にはスプリング
１９が張設されており、スプリング１９はタイミ
ングベルト１７を常時図中矢印Ａ方向に付勢して
いる。また、タイミングベルト１７の他端は電磁
石を内蔵したプランジヤーソレノイド２０のプラ
ンジヤー２０ａに連結されており、更にプランジ
ヤーソレノイド２０にはストツパー２１がプラン
ジヤー２０ａと当接し得るように設けられてい
る。プランジヤーソレノイド２０は自身が内蔵す
る電磁石を励磁させることにより、プランジヤー
２０ａを図中矢印Ｂ方向に一定ストロークＳだけ
移動させることができる。

本考案は、以上のような構成を有するので、印
字用紙の送り装置１を用いて印字用紙を送る場
合、第１図に示すように、フイードローラー５と
ピンチローラー３の間に印字用紙７を挿入し、両
ローラー３及び５の間で印字用紙７を係止保持さ
せる。この状態で印字用紙７を一定距離送る場合
には、プランジヤーソレノイド２０の電磁石を励
磁し、プランジヤー２０ａを、第２図における矢
印Ｂ方向に一定ストロークＳだけ吸引移動させ
る。すると、タイミングベルト１７もスプリング
１９に抗して図中Ｂ方向に移動し、従つてベルト
１７が巻き掛けられているプーリー１６も矢印Ｃ
方向に一定角度回転する。プーリー１６がＣ方向
に回転すると、当然ドライブシヤフト１３もＣ方
向に回転し、それにつれてクラツチスプリング１
５も、第１図に示すように、Ｃ方向に回転する。
クラツチスプリング１５がＣ方向に回転すると、
スプリング１５の巻きが締まり、ドライブシヤフ
ト１３及びドリブンシヤフト１２を強く締めつけ
て両シヤフトをスプリング１５を介して一体化す
る。すると、ドライブシヤフト１３に伝達された
回転力は、スプリング１５及びドリブンシヤフト
１２を介してシヤフト９に伝達され、シヤフト９
を従つてフイードローラー５を一定角度回転させ
る。フイードローラー５が一定角度回転すると、
フイードローラー５とピンチローラー３の間で係
止保持されていた印字用紙７も一定距離送られ
て、送り動作が行なわれる。印字用紙７が一定距
離送られると、プランジヤーソレノイド２０の電
磁石の励磁を解除する。すると、タイミングベル
ト１７はスプリング１９によつて、第２図に示す
矢印Ａ方向に引つ張られて移動するが、プランジ
ヤー２０ａの移動ストロークＳ分だけ移動する
と、プランジヤー２０ａがストツパー２１と当接
し、タイミングベルト１７のそれ以上のＡ方向へ
の移動を阻止する。この際、タイミングベルト１
７の移動によつてプーリー１６も、矢印Ｄ方向に
一定角度回転し、従つてドライブシヤフト１３及
びクラツチスプリング１５もＤ方向に回転する
が、スプリング１５がＤ方向に回転すると、今迄
ドライブシヤフト１３及びドリブンシヤフト１２
に強く巻きついていたスプリング１５の巻きが戻
つてしまい、スプリング１５はドリブンシヤフト
１２の周囲と空転するだけで、回転力をドリブン
シヤフト１２側に伝達することはない。従つて、
シヤフト９及びフイードローラー５は何ら回転す
ることなく、印字用紙７もそのままの状態で保持
される。この状態で、印字用紙７に印字が行なわ
れ、印字が終了すると、再度プランジヤーソレノ
イド２０の電磁石が励磁されて送り機構２が動作
する。

なお、上述の実施例において、フイードローラ
５等の送りをより正確にするために、第３図のよ
うに、デテントレバー２２をピン２３によつて枢
支し、かつその一端にスプリング２５を張設す
る。かつレバー２２の先端２２ａがプーリー１６
の歯形１６ａと噛合し得るように構成する。

つまり、プーリー１６の幅をタイミングベルト
１７の幅より広くしておく。プーリー１６にはタ
イミングベルト１７と嵌合するための歯形１６ａ
があるためタイミングベルト１７の横でその歯形
１６ａと歯形１６ａの間にレバー２２の先端２２
ａが噛合させる。そのため、先端２２ａにより、
回転方向への歯形２２ａの１つ分の幅以下のズレ
を防止する。更に、シヤフト９の近傍にブレーキ
シユー２６を設置し、ブレーキシユー２６とプラ
ンジヤー２０ａを連節して、プランジヤー２０ａ
が吸引される際の最終ストローク部分でブレーキ
シユー２６がシヤフト９に圧着され、フイードロ
ーラー５等の慣性によるオーバーランを阻止し、
送り精度を高めることも可能である。第４図に示
すように、プランジヤーソレノイド２０のプラン
ジヤー２０ａ周辺及びストツパー２１のプランジ
ヤー２０ａと当接する部分にゴム等のクツシヨン
部材３０を設けると、プランジヤー２０ａの動作
に伴なう騒音を効果的に低下させることができ
る。

以上説明したように、本考案によれば、フイー
ドローラー５等よりなる媒体送り機構２が、プラ
ンジヤーソレノイド２０の電磁石の励磁、励磁解
除動作により、ワンウエイクラツチ等を介して間
歇的に駆動され、印字用紙送り動作を行なうこと
ができるので、機構的に単純化され、製品の信頼
性の向上に寄与し得る。また、駆動源に電磁石を
利用しているので、パルスモーターがACモータ
ー等の高価な部品を用いる必要がなく、製品コス
トを低下させることが可能である。更に、送り装
置１に巻き掛け部材やワンウエイクラツチ１５等
の部品同士が常時接触しているものを使用してい
るので、装置１の動作音が極めて静かであり、作
業環境を一段と向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による印字用紙の送り装置の一
実施例を示す正断面図、第２図は第１図の側面
図、第３図は本考案の他の実施例を示す側面図、
第４図はプランジヤーソレノイドの部分の消音構
造を示す側面図である。 １…印字媒体の送り装置、２…媒体の送り機
構、７…印字媒体、９…シヤフト、１０…ワンウ
エイクラツチ、１６…プーリー、１７…巻き掛け
部材（タイミングベルト）、２０…電磁石（プラ
ンジヤーソレノイド）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動用シヤフトにワンウエイクラツチを介して
   プーリを設置し、該プーリの一方への回転時には
   ワンウエイクラツチを介してプーリの回転駆動用
   シヤフトに伝達することにより、印字用紙を一定
   距離だけ送り、プーリの他方向への回転時にはワ
   ンウエイクラツチによりプーリの回転を駆動用シ
   ヤフトに伝達しないようにした印字用紙の送り装
   置において、 前記プーリに柔軟性を有する巻き掛け部材を巻
   き掛けるとともに、該巻き掛け部材の一端は電磁
   石機構を連結し、他端はスプリングを介して固定
   し、電磁石機構の励磁、非励磁によつて前記プー
   リを前記両方向に回動したことを特徴とする印字
   用紙の送り装置。