JPH0225961Y2

JPH0225961Y2 -

Info

Publication number: JPH0225961Y2
Application number: JP1985059188U
Authority: JP
Priority date: 1985-04-20
Filing date: 1985-04-20
Publication date: 1990-07-16
Also published as: JPS61175654U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、特に汚水処理槽内の沈殿物を掻集す
るチエーンコンベアのスプロケツトホイールに関
するものである。

（従来の技術）従来は、スプロケツトホイールをFCD（球状黒
鉛鋳鉄）あるいはSCS（ステンレス鋳鋼）資材に
より形成し、チエーンが噛合する上記スプロケツ
トホイールの歯の表面層を、５mm程度の深さとな
る如く高周波による焼き入れを施す構造であつ
た。

（本考案が解決しようとする問題点）上記従来のものは、焼き入れした歯の表面層の
硬さが表面から内部に至るまで同一硬さとするこ
とが困難であるため、上記表面層の摩耗が進行す
るに従い該表面層の耐摩耗性が減少し、耐久性が
乏しくなる欠点があつた。

さらに、塩分等を含む汚水処理槽内で使用する
際には、上記表面層が導電性であるためイオンの
導通により電気的腐蝕が発生し易く、特にチエー
ンとの噛合によつて歯の表面層が摩耗し、該表面
層の酸化膜が剥離すると上記電気的腐蝕が顕著に
なる欠点があつた。

本考案は、上記欠点を解消した新規なスプロケ
ツトホイールを得ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上記目的を達成するために以下の如
く構成したものである。

即ち、チエーンと噛合するスプロケツトホイー
ルにおいて、外周部に多数の歯を有する金属製の
本体を設け、各歯のチエーンが噛合する谷部にセ
ラミク製の当接面体を固着するとともに、各当接
面体は、各歯の頂部にて互いに周方向に分離させ
る構成にしたものである。

（作用）本考案は上記構成にしたから、剛性が高くかつ
非電導性の当接面体がチエーンに直接噛合し、こ
の当接面体に加わつた負荷は本体の歯部が受け持
つことになる。

また、当接面体はイオンの導通を遮断すること
になる。

さらに、各当接面体は周方向に分離しているの
で、本体の熱歪みあるいは負荷等による歪みに対
してそれぞれ単独に追随し、歪差による内部応力
が発生し難くなる。

（実施例）以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

図面において、第１図は本考案の第１実施例を
示すスプロケツトホイールの一部を破断した側面
図、第２図はその−断面図である。１はスプ
ロケツトホイールの本体であり、該本体１は本例
では鋳鉄資材からなる。

上記本体１は外周部に多数の歯２を等ピツチで
有し、該歯２の谷部３、即ちチエーンのピンある
いはローラ５が嵌入する部位は倒立台形状に形成
する。

そして、上記谷部３の底辺３ａおよび左右の両
斜辺３ｂの全面にセラミツク資材により形成した
当接面体４を固着する。

上記当接面体４は、その肉厚を略４mmとし、そ
の屈曲形状を上記谷部３の屈曲形状に沿つた形状
とする。

そして、上記当接面体４と谷部３との固着は、
当接面体４の底面４ａを公知の手段により金属
化、即ち成型時に底面４ａに金属粉末を混入して
金属化し、この底面４ａと上記谷部３とをろう接
して行う。

また、当接面体４の上面４ｂの屈曲角部及び上
縁部は、チエーンのローラ５が円滑に係合および
離脱する如く滑らかな曲面形状とする。

次に上記実施例の作用、効果について説明す
る。

スプロケツトホイールの歯２部に嵌入したチエ
ーンのローラ５は、上記歯２の谷部３に固着した
剛性の高い当接面体４と直接接触ならびに係合
し、この当接面体４に加わつた負荷は本体１の歯
２が受け持つことになる。

このため、チエーンとの接触による機械的な摩
耗が極めて少なくなる。

また、当接面体４は非導電性のセラミツク資材
であるため、該当接面体４の表面部でのイオンの
導通が遮断され、当接面体４は電気的腐蝕がなく
なる。

さらに、各当接面体４は周方向に分離している
ので、本体１の熱歪みあるいは負荷等による歪み
に対してそれぞれ単独に追随し、歪差による内部
応力が発生し難くなり、当接面体４の耐久性が高
くなる。

第３図および第４図は他の実施例を示し、歯２
１の谷部２２を、第４図において左半部２３が径
方向外方に突出され、右半部２４が径方向内方に
凹欠された段状に形成する。

また、セラミツク資材からなる当接面体４１の
底部４２を、第４図において左半部４３が径方向
外方に凹欠され、右半部４４が径方向内方に突出
された段状に形成する。

そして、上記段状の谷部２２と段状の底部４２
とを合致させ、底部４２の右半部４４側から挿通
した周方向３個の止めねじ６を谷部２２の左半部
２３に螺合することにより、当接面体４１を本体
１１に固定する。

上記他の実施例によれば、当接面体４１が本体
１に対して着脱容易となり、前述した第１実施例
の効果に加え、当接面体４１が何らかの原因で損
傷したり、あるいはチエーンのローラ径等の種類
に対応させて予め用意した当接面体４１を現地に
て容易に交換することができる。

なお、本考案は当接面体を薄肉の膜状に形成し
てもよい。

（効果）以上の説明から明らかな如く、本考案によれ
ば、チエーンとの当接頻度の高い本体の歯の谷部
に非導電性かつ剛性の高いセラミツク製の当接面
体を固着するようにしたので、チエーンとの触に
よる機械的な摩耗および電気的な腐蝕が極めて少
なくなる効果を奏する。

また、各当接面体を周方向に分離させたので、
本体の熱歪み、負荷による歪み等に対してそれぞ
れ単独に追随し、歪差による内部応力の発生が小
さくなり、当接面体の耐久性が高くなる効果を奏
する。

また、当接面体４を本体１の一部に固着するの
で、高価なセラミツク材の使用量が少なくなり、
安価になる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による実施例を示すスプロケツ
トホイールの一部を破断した側面図、第２図はそ
の−断面図、第３図は他の実施例を示すスプ
ロケツトホイールの１部を破断した側面図、第４
図はその−断面図である。１：本体、２：歯、３：谷部、３ａ：底辺、３
ｂ：斜辺、４：当接面体、４ａ：底面、４ｂ：上
面、５：ローラ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

チエーンと噛合するスプロケツトホイールにお
いて、外周部に多数の歯を有する金属製の本体を
設け、各歯のチエーンが噛合する谷部にセラミツ
ク製の当接面体を固着するとともに、各当接面体
は、各歯の頂部にて互いに周方向に分離させたこ
とを特徴とするスプロケツトホイール。