JPH0225796Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、カセツテレス式Ｘ線速写装置に係
り、特に未撮影フイルムの取出しにおいて、確実
に１枚ずつ取出すために好適なシートフイルム供
給マガジンに関するものである。

〔考案の背景〕

現在、市販されているＸ線撮影用シートフイル
ムは規格に定められた範囲内でサイズに許容差を
有している。例えば、日本国内ではJIS、アメリ
カ合衆国ではANSI等によりフイルムにサイズの
最大・最小寸法が定められている。

現在のところ、フイルムの取出方法としての主
なものは、(1)フイルム吸着用パツドにて吸い付け
てフイルムにある一定の曲率を与えて取出す方法
（主としてこの方法はフイルムの弾性を利用する
ものである）、(2)供給マガジンの前・側面にフイ
ルムのかき落しのためのセパレータを設けて、そ
れにフイルムの端面をこすりつけてフイルムを取
出す２通りの方法が採用されている。

しかし、(1)の方法では、多枚数の重つたフイル
ムから１枚をはがして取出すにはフイルムをかな
りの小さな曲率半径に曲げなければならず、その
曲げた部分にフイルムの乳剤に減感現象を起こし
易い。(2)の方法では、セパレータとして板バネに
ナイロン等の刷子を貼付けて用いるが、フイルム
の大きさおよび装填枚数によつて板バネの変位量
が左右されるため刷子がフイルム端へ及ぼす力が
一定せず、また刷子のフイルム端に当たる姿勢も
一定せず、セパレータの効果が不安定なものとな
る欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、シートフイルムの２枚送り防
止機構を付加することによつて、１枚ずつフイル
ムを取り出すことのできるシートフイルム供給マ
ガジンを提供することにある。

〔考案の概要〕

供給マガジンからフイルムを１枚だけ取出す方
法としては、前述の如く一般的に供給マガジンの
前側面または両側面にフイルムのかき落しをする
セパレータを設ける方法が採用されている。この
セパレータの形状・材質・支持方法は、種々試み
られているが、本考案は、供給マガジンの両内側
面にセパレータを配置する方法とし、一方のセパ
レータは固定とし、もう一方のセパレータを支持
金具の支点軸回りに回動可能な支持方法として、
フイルムのばらつきをセパレータ自体が補正する
ようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図によ
つて説明する。

供給マガジンは、側枠１と、側枠１に凹状の溝
を設けてその溝に差込み式に組合わせた底板２
と、開閉可能に上蓋３を組合わせ暗箱を構成した
ものである。内部には側枠１の内側面に固定させ
て取付けられた部材４と、この部材４の側枠１に
平行な面に螺子山が傾斜して露出するように設け
られた螺子１３とから成る固定セパレータと、側
枠１の内側面に前記固定セパレータに対向して設
けられた移動セパレータとを備え付けられてい
る。移動セパレータは側枠１に取付けた支持金具
９と、この支持金具９に立設された軸１４に回動
可能に支持されたＬ字形の部材５と、この部材５
の一端に螺子山が傾斜して露出するように設けら
れた螺子１２と、支持金具９と部材５の間に配置
され部材５をフイルム端面側へ押圧するバネ１０
と、支持金具９に取付けられバネ１０によつて押
圧された部材５の停止位置を設定するストツパと
なる螺子１１とで構成される。なお、部材５の螺
子１２の取付面は底板２に対し垂直に軸１４によ
つて保持される。また、固定セパレータ及び移動
セパレータの双方とも、螺子１２，１３は部材４
及び５の底板２からある距離の所から螺子山が露
出するように取付けられる。この距離はマガジン
へ装填する未撮影フイルム６との枚数によつて適
宜設定される。

次に、固定セパレータと移動セパレータの未撮
影フイルム６への作用について説明する。未撮影
フイルム６は、固定セパレータと移動セパレータ
の部材４，部材５の螺子１２及び螺子１３の螺子
山が露出していない部分の間に挿入される。そし
て、未撮影フイルム６は、フイルム吸着パツド７
に吸い付けられて持ち上げられる。フイルム６は
持ち上げられるときに、その両側の端面を螺子１
２，１３のＶ字形の累線状螺子山にこすり付けら
れ、フイルム同志のリンギング状態の貼り付きに
より、また高湿度による乳剤のべとつきにより吸
着パツド７で吸い付けられたフイルムとともに持
ち上げられたフイルムがかき落とされ、１枚だけ
取り出される。螺子１２及び１３はこすり付けら
れたフイルムの端部に〓間を生じさせ、この〓間
から空気がフイルム同志の間に入ると、フイルム
がはがされるのである。

次に、フイルムのサイズが基準寸法と異なる場
合のセパレータの作用を述べる。まず、フイルム
が大きい場合には、未撮影フイルム６を固定セパ
レータと移動セパレータとの間に挿入すると、移
動セパレータの部材５がフイルム６によつて押し
上げられ、部材５が軸１４中心にして回動する。
そして、固定セパレータの部材４と移動セパレー
タの部材５との間隔が広がる。このとき部材５の
動きは回転運動であり、動いた後の状態は元の状
態と比較した場合、部材５のフイルム６との当接
面は底板２に対し垂直が保持されている。したが
つて、吸着パツド７によりフイルム６を吸い付け
て持ち上げたときに、フイルムのサイズが大きい
にも拘らず、基準寸法のフイルムの場合と同様に
セパレータが作用する。また、サイズの小さいサ
イズの場合には、螺子１２および１３の傾斜によ
り対応し、それで不可能なほどの小さいフイルム
については、ねじ１１によつて回転可能なセパレ
ータの設定位置を変えることによつて性能を保持
することができるようにしたものである。本実施
例によれば、多枚数のシートフイルムを装填した
供給マガジンから１枚ずつフイルムを取出すこと
が可能となり、フイルムの２枚送り防止に効果が
ある。

〔考案の効果〕

本考案によれば、フイルムサイズのバラツキ、
フイルムのさまざまな状態に関係なく確実に１枚
ずつ送ることができ、フイルム２枚送りトラブル
の減少に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は供給マガジンの縦断面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第２図のＢ−Ｂ
線断面図（回転可能なセパレータ部詳細のみ）。 １……側板、２……底板、３……上蓋、４……
部材、５……部材、６……未撮影フイルム、７…
…吸着パツド、９……支持金具、１０……バネ、
１１……ねじ、１２……螺子、１３……螺子、１
４……支点軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ４面を係合した側枠と、該側枠の一端面側をふ
   さぐ底板と、該底板に対向した前記側枠の他端面
   側に開閉可能に設けた上蓋とを組合せて暗箱を構
   成するフイルム供給マガジンにおいて、フイルム
   の取出方向に対し相対する側枠のフイルム取出端
   内側の一方に固定された、前記底板から所定距離
   より内側へ傾斜して形成された複数のＶ字状凸起
   を有す第１の部材より成る固定セパレータと、該
   固定セパレータが設けられた側枠に対向する側枠
   のフイルム取出端内側へ設けられた、前記底板と
   平行方向へ回動可能に支持され前記底から所定距
   離より内側へ傾斜して形成された複数のＶ字状凸
   起を有す第２の部材と、該第２の部材を前記固定
   セパレータ側へ回動するように押圧する弾性体
   と、該弾性体により押圧されている前記第２の部
   材の停止位置を設定するストツパとより成る移動
   セパレータとを備えたことを特徴とするフイルム
   供給マガジン。