JPH0225111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一方の室に形成された冷却室の冷気を
ダクトにより他方の室に流通する冷蔵庫に関す
る。

従来例の構成とその問題点 一般にダクトを介して循環される冷気で室を冷
却する場合、この冷気量の制御は自動制御される
ダンパー式サーモスタツトや手動制御によるダン
パー（制御板）で行なう。この時、ダクトによつ
て冷却される室が野菜室、冷蔵室の如き比較的高
温度の室であればダクトを流れる冷気が冷却室の
非常に低い温度であることから、上記ダンパーに
よつて冷気を遮断した時、ダンパーには冷却室の
冷気と高温度室の冷気とが相互に接触して結露
し、この結露水の凍結でダンパーが作動不能とな
る。

この結露、凍結に対し上述したダンパーのうち
自動制御されるものにあつてはダンパー式サーモ
スタツトが断熱材中に埋設されることから該現象
弊害は比較的少ないが、手動制御されるべくダン
パーがダクト内と室とにまたがつて配設されるも
のでは結露、凍結が非常に発生し易い状況にあ
る。

考案の目的 そこで本考案はダクトの冷気を制御するダンパ
ーをダクトと被冷却室とにまたがつて設けるもの
において、ダンパー閉時のダクト内の温度と被冷
却室の温度との差によるダンパーとダクト及びダ
ンパー周辺部の結露による凍結を防止せんと成さ
れたものである。

考案の構成 この目的を達成するため、本考案は仕切壁内に
形成されるダクトに対し、ダンパーをダクトと被
冷却室とを連通する孔に配置してダクト内に出没
自在に備えて冷気を導通、遮断し、このダンパー
と孔の外周、並びにダンパー閉時の冷気入口側、
出口側間とに冷気が常時漏出する間隙を設け、も
つてダンパー周辺の温度差を解消して結露、凍結
を防止したものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を添付図面に従い説明す
る。

図において、１は冷蔵庫本体であり、内箱２と
外箱３及び両箱２，３間に充填された断熱材４よ
り成る。本体１内は内箱２と一体に形成される縦
方向の仕切壁５により第１の室と第２の室の２室
に区画している。ここで本実施例では第１の室を
冷凍室６、第２の室を冷蔵室７として説明する。
冷凍室６内の奥壁には区画板８により冷凍サイク
ルの蒸発器９、冷気強制循環用のフアンモータ１
０を配置した冷却室１１を構成している。この冷
却室１１には吐出通路１１ａが連通しており、か
つ吐出通路１１ａの一端は仕切壁５に穿設した開
口５ａに対向している。

一方、冷蔵室７の開口側には仕切壁５と本体１
の側壁とを接続するクロスレール部材１２が設け
られ、該室７の開口側を上下に区画している。そ
してこの冷蔵室７のクロスレール部材１２及びク
ロスレール部材１２の後端より奥方に延出する仕
切板１３で区画された上室、下室並びに冷凍室６
のそれぞれの前面には開閉自在の各扉１４，１
５，１６が枢着されている。冷蔵室７のうち上室
は低温度の冷蔵室として冷却室１１とはダクト
（図示せず）等にて直接連通しており、また下室
は高温度の冷蔵室、つまり野菜室として引き出し
自在の密閉容器１７，１８が備えられている。こ
の野菜室は仕切板１３を介して上室の温度で間接
的に冷却されるとともに、特に冷却しにくい下方
の密閉容器１８に対しては野菜貯蔵のみならず、
冷蔵貯蔵可能となすべくダクト１９にて冷却室１
１の冷気が導入されるよう構成している。

すなわち、密閉容器１８の上部又は側部に対向
して仕切壁５には開口５ｂが穿設してあり、上述
開口５ａとこの開口５ｂとを連通するよう仕切壁
５内部にダクト部材２０を配設してダクト１９が
構成されている。

ダクト部材２０は冷気を開口５ａから開口５ｂ
に案内するため水平部分と垂直部分とで略Ｌ字状
に形成され、仕切壁５内において冷蔵室７に面す
る内箱２の裏面に設けられるもので、該内箱２に
当接し接着されるフランジ２０ａと、Ｌ字状に成
形され断熱材２１を挿入配置する巾広の凹部２０
ｂと、この断熱材２１の配置でダクト１９を構成
する巾狭の凹部２０ｃと、さらに水平部分の奥方
に開口５ａに連通する冷気入口２０ｄとを形成し
ている。断熱材２１の垂直部分の下端側には開口
５ｂに連通する冷気出口２１ａを穿設してあり、
さらにこの冷気出口２１ａの上方には後述する仕
切壁５の孔５ｃに連通しダンパー（制御板）２２
が挿入される孔２１ｂが穿設してある。

２２はダクト１９内を流れる冷気の導通、遮断
を行なう手動式のダンパーであり、クロスレール
部材１２の下面にあつて、仕切壁５に穿設した孔
５ｃ及び上述断熱材の孔２１ｂを介してダクト１
９内に出没することで上記作用を行なう。上記孔
５ｃ，２１ｂはダクト１９と冷蔵室７とを連通
し、その大きさはダンパー２２の厚み並びに巾の
いずれよりも十分大きくしてあり、もつてダンパ
ー２２が孔５ｃ，２１ｂ内にあつてもダクト１９
と冷蔵室７とは冷気の漏出する間隙Ｐが形成され
る。

またダンパー２２はクロスレール部材１２の下
面に配したダンパー取付板２３に備えられるもの
で、手動操作される操作ボタン２４の左右へのス
ライドでダンパー２２がスライドできるようにな
つている。すなわち、ダンパー２２はダンパー取
付板２３より突出する複数の案内突起２３ａに左
右にスライド可能に保持され、操作ボタン２４と
は取付板２３のピン２３ｂを中心として回転可能
なレバー２５にて連結され、詳しくはレバー２５
とダンパー２２並びにレバー２５と操作ボタン２
４とはそれぞれピン２５ａが長孔２２ａに、また
ピン２５ｂが溝２４ａに遊嵌すべく配置されてい
る。

さらに、ダクト部材２０において、少なくとも
上記ダンパー２２の各端面と相対向する凹部２０
ｃにはダンパー２２に点接触するようリブ２１
c′，２１c″，２１ｃがそれぞれ一体に突出形成
されており、もつてダンパー２２をダクト１９が
遮断すべくスライドさせた状態にあつてもダンパ
ー２２の端面とダクト部材２０の内壁面との間に
は冷気の漏出する間隙Ｑが形成される。

上記構成において、冷却室１１内の冷気はフア
ンモータ１０により、冷凍室６並びに冷蔵室７に
循環されて冷却され、野菜室である冷蔵室７下室
の密閉容器１７，１８は仕切板１３を介し間接的
に冷却される。さらに冷却室１１内の冷気は吐出
通路１１ａ、開口５ａ、冷気入口２０ｄ、ダクト
１９、冷気出口２１ａを通つて下部密閉容器１８
への循環をダンパー２２の開閉によつて制御する
ことができる。つまりダンパー２２によるダクト
１９の冷気遮断で密閉容器１８を比較的高温の野
菜室としての使用を可能とし、冷気導通によつて
密閉容器１８を比較的低温の冷蔵室としての使用
を可能とする。この使用時、特に冷気遮断時はダ
ンパー２２がダクト１９内と冷蔵室７とにまたが
る結果、一部が低温に他部が比較的高温にさらさ
れ、温度差を生じやすいが、ここでは間隙Ｐの存
在によつて常にダクト１９の冷気がダンパー２２
周囲に流れ結露することがない。さらに冷気遮断
によつて冷気出口２１ａから逆流する比較的高温
の冷気とダクト１９内の冷気とがダンパー２２を
境に温度差を生じやすいが、間隙Ｑの存在によつ
て冷気が常にわずかづつ漏出して上述現象はな
く、結露しない。もつて結露によるダンパー２２
の凍結がなくなる。また仮に凍結があつたとして
も、リブ２１c′，２１c″，２１ｃとダンパー２
２とは点接触しているのでわずかの凍結であれば
ダンパー２２の動作で解消できる。

加えて間隙Ｑはダクト部材２０に一体形成した
リブ２１c′，２１c″，２１ｃにて形成している
ので、ダクト部材２０を仕切壁５内に配設した
後、断熱材４を発泡充填する時、発泡圧によつて
所定の寸法が圧縮されてダンパー２２の出没が不
可能となる現象が発生しない。

考案の効果 以上の説明からも明らかな如く、本考案によれ
ば、仕切壁内に形成されるダクトに対し、ダンパ
ーをダクトと被冷却室とを連通する孔に配置して
ダクト内に出没自在に備えて冷気を導通、遮断
し、このダンパーと孔の外周、並びにダンパー閉
時の冷気入口側、出口側間とに間隙を形成したも
のであるから、ダンパーが閉時であつても間隙を
通じてダンパー外周並びに冷気出口側に冷気が常
時漏出し、ダンパー近傍を常時同一温度に保つて
結露を防止し、もつて凍結を防ぐことができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例を示す冷蔵庫の斜視
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線における断面図、
第３図は要部分解斜視図、第４図は要部断面図で
ある。 ５……仕切壁、１１……冷却室、１９……ダク
ト、２０ｄ……冷気入口、２１ａ……冷気出口、
５ｃ，２１ｂ……孔、２２……ダンパー（制御
板）、Ｐ，Ｑ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体内を第１の室と第２の室の２室に区画する
   仕切壁と、冷却室を有する前記第１の室に開口し
   た冷気入口及び前記第２の室に開口した冷気出口
   を備えた前記２室を連通させるダクトと、前記仕
   切壁に穿設し前記ダクトの冷気入口、出口間の一
   部と第２の室とを連通する孔と、この孔を介して
   前記ダクト内に出没自在に設けられ、ダクト内の
   冷気流を導通、遮断するダンパーとを備え、前記
   ダクトには、ダンパー閉時に前記ダンパーの端面
   と点接触し、ダンパーの端面とダクトの内壁面と
   の間に冷気の漏出する間隙を形成するリブを前記
   ダクトの内壁面に突出形成した冷蔵庫。