JPH02250948A - 両面溶融アルミニウムめっきクロム含有鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、溶融アルミニウムめっきのめっき性およびめ
っき密着性に優れた両面溶融アルミニウムめっきクロム
含有鋼板の製造方法に関する。

〈従来技術〉 耐食性、耐熱性および耐酸化性等の特性を有する鉄系材
料としては、アルミニウム被覆普通鋼板、ステンレス鋼
板等が従来より知られている。　このうち、アルミニウ
ム被覆普通鋼板は、７％程度のクロムを含有した鋼板と
ほぼ同等の上記特性を有しており、また、コスト的に有
利であるため、例えば自動車用排気ガスバイブのように
、耐食性、耐熱性および耐酸化性が必要とされる部位に
使用されている。

しかしながら、近年の環境汚染の悪化に伴い、アルミニ
ウム被覆普通鋼板が使用される環境が厳しくなってきて
おり、さらに、自動車に要求される性能が高まるにつれ
て、より耐食性、耐熱性を高めた素材が要求されるよう
になってきた。

とりわけ、耐食性については、めっき部に疵が入ること
によってめっき下地金属部分が露出し、その部分より錆
が発生し、場合によフては短時間で孔があき、腐蝕が発
生するという問題点があった事から、より高い耐食性が
要求されるようになってきた。

そこで、高耐食性が要求される自動車用排気ガスバイブ
系部品として、安価に製造でき、耐食性が良好な、１１
％クロム、１３％クロム系ステンレス鋼が北米を中心に
使用されるようになってきた。　　しかし、これとても
、自動車用排気ガスバイブ加工後のとりわけ溶接部で、
前記アルミニウム被覆普通鋼板と同様に、比較的短時間
で赤錆が生ずるという問題が生じた。

このような問題点を解決すべく、米国特許第４６７５２
１４号で、素材として耐食性あるいは耐酸化性に優れた
ステンレス鋼を用い、その鋼板に溶融アルミニウムめっ
きを形成した溶融アルミニウムめっきステンレス鋼が開
示された。

この溶融アルミニウムめっきステンレス鋼は、アルミニ
ウムめっき層に疵が生じた際の素地金属露出部分や溶接
部の耐食性に優れており、従来問題となっていた孔あき
腐食に対し、非常に有効である。

〈発明が解決しようとする課題〉 上記米国特許に示された溶融アルミニウムめっきステン
レス鋼は、めっき前の加熱処理により、鋼板の極表面に
濃化、生成するクロム、ケイ素、マンガン等の酸化物を
、還元性ガス雰囲気で還元し、鋼板表層を清浄にした後
、溶融アルミニウム浴に浸漬することによって製造され
る。

ところが、上記酸化物を還元するためには、還元雰囲気
を、高濃度の水素ガス、低露点および低濃度の酸素ガス
の雰囲気に制御することが不可欠であり、このような還
元霊囲気を達成しようとすると、還元のための設備およ
びその操業条件が複雑となる。

また、たとえ上記酸化物がめつき用ステンレス鋼板表面
に残存していても、アルミニウム浴浸漬時にアルミニウ
ムの強力な還元力によって鋼板表層の酸化物が還元され
、結果的には鋼板表面は清浄となるが、還元時のガス中
に窒素が含有さていると、鋼板表層にＣｒＮの生成を招
き、これが、鋼板をアルミニウム浴に浸漬中になされる
鋼板表面でのアルミニウムー鉄合金層の生成を妨げるた
め、不めっきの原因となる。

よって、以上のことから、雰囲気ガス中の窒素ガス濃度
を少なくする一方で、水素ガス濃度を高くすることが必
要であった。

さらに、溶融アルミニウムめっき時に鋼板表層に生、し
るアルミニウムー鉄系合金層は、脆弱であるため、その
厚みが大きくなると、曲げ加工時などにアルミニウムめ
っき層と地鉄との界面、すなわちアルミニウムー鉄系合
金層に割れが生じ、結果的にアルミニウムめっき層の剥
離が起こり易くなる。

本発明は、このような上記従来の溶融アルミニウムめっ
きステンレス鋼板製造時および該鋼板自体の問題点を解
決し、アルミニウムめっき性およびアルミニウムめっき
密着性の良好な耐食性鋼板を、簡単な設備、操作法によ
って製造することができる、両面溶融アルミニウムめっ
きクロム含有鋼板の製造方法の提供を目的とする。

く課題を解決するための手段〉 このような現状に鑑み、本発明者らが鋭意努力した結果
、上記従来の問題を解決した両面溶融アルミニムめっき
クロム含有鋼板の製造方法を見い出すに至った。

すなわち、本発明は、クロムを５重量％以上含有する鋼
板の両面に溶融アルミニウムめっぎを行うにあたり、鋼
板表面に、予め片面あたり０、　５〜９０　ｇ／ｍ’の
亜鉛−ニッケル、亜鉛−鉄および亜鉛−マンガンから選
ばれる１種以上の合金めっきを両面に施し、非酸化性雰
囲気で鋼板加熱を行い、溶融アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金浴に浸漬することを特徴とする両面溶融アル
ミニウムめっきクロム含有鋼板の製造方法を提供するも
のである。

以下に、本発明の詳細な説明する。

本発明で用いる鋼板基板は、ステンレス鋼板や耐熱鋼板
等のクロムを５重量％以上含有する鋼板である。　なお
、鋼板には鋼帯も含む。

クロムが５皿量％未満であると、耐食性に劣るので好ま
しくない。

このような鋼板には、通常、その用途に応じ、ニッケル
（Ｏ〜１５重量％程度）、チタン（０〜０．５重量％程
度）、モリブデン（Ｏ〜２．５重量％程度）、ニオブ（
Ｏ〜０．５重量％程度）　アルミニウム（Ｏ〜５重量％
程度）　ジルコニウム（Ｏ〜０．５重量％程度）　マン
ガン（０〜１重量程度）、ケイ素（０〜１重量％程度）
などが添加されているが、これらは、その添加量が一般
的な範囲であれば、本発明の趣旨を損ねることはないの
で、これらが添加されている鋼板を用いてもよい。

本発明では、上記クロムを５重量％以上含有する鋼板の
両面に、片面あたり（１，５〜９０ｇ　／　ｍ　２の亜
鉛−ニッケル、亜鉛−鉄および亜鉛−マンガンから選ば
れる１ｆ！以上の合金めっきを両面に施し、予めつき層
を形成させる。

ここで、形成された予めつき層中のニッケル、鉄あるい
はマンガンの量は、特に限定されない、　しかし、溶融
アルミニウム浴浸漬前の鋼板加熱温度が高くなると、こ
の予めつき層が不安定となり、場合によっては溶解、蒸
発することも考えられる。　従って、溶融アルミニウム
浴浸漬前の鋼板加熱温度は、８５０℃以下が好ましく、
鋼板加熱温度が８５０℃を越すような場合には、前記子
めつき層中のニッケル、鉄、マンガン量が、重量％でそ
れぞれ７％、２０％、４％以上であることが好ましい。

また、溶融アルミニウム浴浸漬前の鋼板加熱時の雰囲気
ガスは、非酸化性ガスとする。　鋼板加熱を酸化性ガス
雰囲気下で行うと、予め）き層中の亜鉛の酸化、蒸発が
著しく、そのため、本願の目的が達せられなくなる。　
なお、非酸化性ガスとしては、水素ガス、窒素ガス、ア
ルゴンガス、あるいはこれらの混合ガスを用いることが
好ましい。

この前記合金めっきからなる予めつき層は、その後の溶
融アルミニウムめっきのめっき性（めっき層の形成性）
およびめっき密着性を著しく改善する。　そして、この
効果を得るためには、片面あたり０．５〜９０ｇ／ｍ’
の量の予めっきが施されなくてはならない、　予めつき
量が０．５ｇ／ｍ”未満の場合、不めっきが生じ、９０
ｇ／ｍ’を越えると、不めっきは生じないものの、溶融
アルミニウムめっき後のめっき密着性が低下する。

なお、予めつき層は一層とは限らず、２層以上であって
もよい、　そして、予めつき層が二層以上の場合、溶融
アルミニウムめっき前の鋼板の最表面が、実質的に前記
３種の合金めっきのうちの１ｆＩＩであれば本発明の目
的は達せられるので、鋼板基板と溶融アルミニウムめっ
き前の最考面層との間に施されるめっきの化学組成は限
定されない。

鋼板への予めつき層の形成は、電気めっき、溶融めっき
、真空蒸着、溶射等の方法で行えばよいが、予めっき層
形成時に鋼板に加工歪が与えられると、鋼板のプレス成
形加工性が低下し、好ましくないので、加工歪をあまり
与えない方法とすることが必要である。　今まで種々の
方法が報告されているが、そのうち、電気めっき、溶融
めっき、真空蒸着および溶射法を用いると、予めっき層
形成時に鋼板にほとんど加工歪が導入されないので、プ
レス成形加工性やバイブ加工性が低下せず、好ましい。

また、予めつき層の形成前に、鋼板基板表面に予備処理
を行ってもよい。

予備処理としては、塩酸や硫酸を用いる活性化処理やク
ロメート処理等があげられる。　活性化処理は、予めつ
き層のめっき密着性を向上させる効果があり、クロメー
ト処理は、亜鉛系合金めっき層自体の耐白錆性を向上さ
せる効果がある。

本発明では、上記の方法で予めつき層が形成された鋼板
を、前記の条件にて加熱し、両面に、溶融アルミニウム
めっきを施す。

溶融アルミニウム浴としては、不可避的不純物は含むが
実質的な純アルミニウム浴、またはアルミニウム合金浴
を用いる。　なお、アルミニウム合金浴としては、５〜
１３重量％のケイ素を含むアルミニウムーケイ素浴が好
ましい。

＼ 溶融アルミニウムめっきの形成方法は、バッチ法でも連
続法でもよく、公知の通常の方法で行えばよい。

溶融アルミニウムめっき層の厚さは、特に制限されない
が、通常は１５〜５０μｍ程度である。

〈実施例〉 以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに
限定されない。

（実施例１） 板厚０．７ｍｍで、０．０２重量％Ｃ−〇、２６重量％
５ｔ−０，３３重量％Ｍｎ−１１，０重量％Ｃｒ−０，
２９重量％Ｔｉの冷延鋼板の両面に、以下に示す方法で
亜鉛系予めつき層を設けた。

■亜鉛−ニッケルめっき 硫酸ニッケル（２００〜３００ｇ／ＩＬ）、硫酸亜鉛（
１７０〜２５ｏｇ／、ｃ）および硫酸ナトリウム（８０
ｇ／Ｊ２）を含有する水溶液中で、陰極電解処理を行う
。

■亜鉛−鉄めっき 硫酸鉄（２ｓｏｇ／ｘ）、硫酸亜鉛（２０〜１００ｇ／
ｊりおよび硫酸ナトリウム（８０ｇ／Ａ）を含有する水
溶液中で、陰極電解処理を行う。

■亜鉛−マンガンめっき 硫酸マンガン（５０〜９０ｇ／Ｊｌ）、硫酸亜鉛（５０
〜１００ｇ／ｆ）およびクエン酸ナトリウム（８０〜２
５０ｇ／ｉ）を含有する水溶液中で、陰極電解処理を行
う。

ここで、予めっき層目付量は、通電量をコントロールす
ることにより、０．４〜１０５ｇ　／　ｍ　’　　とし
た、　また、予めりき層中のＺｎ：Ｎｉ％Ｚｎ：Ｆｅ％
Ｚｎ：Ｍｎ比率は、めっき浴組成と陰極電解電流密度を
変化させることにより、コントロールした。

このように両面に予めっ！！−処理された冷延鋼板に、
第１図に示す竪型溶融めっきシェミレーターを用い、第
２図に示すヒートパターンで、両面に溶融アルミニウム
めっきを行った。　なお、第１図中の１は鋼板、２は赤
外加熱炉、３は溶融アルミニウム、４は雰囲気ガス導入
口である。

溶融アルミニウムめっき浴は、９９．３％純度のアルミ
ニウムと、Ａｎ−１０％Ｓｉの２種類を用いた。　また
、それぞれ、浴温を６８０〜７２０℃、６００〜６７０
℃とした。　鋼板加熱およびめっき浴浸漬時の雰囲気ガ
スは、露点が＋１０℃〜−３０℃であり、０〜５０体積
％の水素ガスを含む水素ガス・窒素ガス混合系を用いた
。

次に、得られた両面溶融アルミニウムめっぎクロム含有
鋼板の特性を、以下の方法で測定・評価し、結果を表１
に示した。

■不めっき率 両面溶融アルミニウムめっきクロム含有鋼板を目視観察
し、次式により、不めっき率（％）を算出した。

■めっき密着性 両面溶融アルミニウムめっきクロム含有鋼板を、０１曲
げ（密着曲げ）試験に供し、その後、曲げ加工部を２０
倍のルーペで観察し、工］Ｊ離の程度を以下の基準で評
価した。

Ａ：はとんど剥離なし Ｂ：剥離程度小 Ｃ：剥離程度大 （実施例２） 表２に示す組成の板厚０．７ｍｍ、板幅６０ｍｍの単１
１３０ｋｇの銅帯の両面に、実施例１と同様の方法で亜
鉛系子めつき層を設けた。

なお、予めっき層組成および片面あたりの目付量は、表
３に示した。

このように予めつき処理された銅帯に、実験室的に作成
され、第３図に模式的に示される溶融アルミニウムめっ
きラインで、両面に溶融アルミニウムめっきを行フた。

　なお、第３図中、２１は鋼帯（入側）、２２は加熱炉
、２３は溶融アルミニウム、２４はガスワイパー２５は
鋼ｆ（出側）である、　また、この際の実験条件は、表
３に示した。

次に、得られた両面溶融アルミニウムめっきクロム含有
鋼帯の特性を、実施例１と同様に測定・評価し、 結果を表３に示した。

表１および表３から明らかなように、本発明法で両面溶
融アルミニウムめっきクロム含有鋼板を製造する（発明
例）と、不めっきが全く生じず、めっき密着性に優れた
両面溶融アルミニウムめりきクロム含有鋼板が得られる
。

予めつき層を設けず、水素ガス・窒素ガス混合系で溶融
アルミニウムめっきを行う（比較例３．４および８）と
、不めっき率が高く（５０％以上）、めっき密着性も劣
る。

また、予めつき層を設けず、鋼板加熱時および溶融アル
ミニウムめっき時の雰囲気を低露点、純水素ガス系とす
る（比率例９、従来の方法に相当する）と、不めっきは
生じないものの、めっき密着性に劣る。

予めっ討層を設けても、その量が片面あたり０．５ｇ／
ｍ’未満（比較例１．５および７）では、その効果は不
十分であり、不めっきが生じ、めっき密着性に劣る。

また、９０ｇ／ｍ”を越える（比較例２および６）と、
不めっきは全く生じないものの、めっき密着性に劣る。

（発明の効果〉 本発明法によれば、クロム含有鋼板に溶融アルミニウム
めっきを行う前に、亜鉛−ニッケル、亜鉛−鉄および亜
鉛−マンガンから選ばれる１種以上の合金め）きを行っ
ているので、溶融アルミニウムめっきを行う際の雰囲気
を、高還元ガス、低露点にする必要がなく、簡単な設備
、操作法により、両面溶融アルミニウムめっきクロム含
有鋼板を製造することができる。

本発明法で製造される両面溶融アルミニウムめっきクロ
ム含有鋼板は、不めっき部分がなく、めっき密着性に優
れ、高耐食性であるので、自動車用排気ガスバイブ等の
高耐食性が要求される分野で有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、竪型溶融めっきシュミレータ−を示す模式図
である。 第２図は、溶融アルミニウムめっき時のヒートパターン
を示す図である。 第３図は、溶融アルミニウムめっきラインを示す模式図
である。 符号の説明 １・・・鋼板、　　　　　　　２・・・赤外加熱炉、３
・・・溶融アルミニウム、 ４・・・雰囲気ガス導入口、 ２１−ｍＶ　Ｃ入側）、　２２・ｌ＋ｏ熱炉、２３・・
・溶融アルミニウム、 ２４・・・ガスワイパー ２５・・・銅帯（出側） ＦＩＧ、２

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）クロムを５重量％以上含有する鋼板の両面に溶融
   アルミニウムめっきを行うにあたり、鋼板表面に、予め
   片面あたり０．５〜９０ｇ／ｍ＾２の亜鉛−ニッケル、
   亜鉛−鉄および亜鉛−マンガンから選ばれる１種以上の
   合金めっきを両面に施し、非酸化性雰囲気で鋼板加熱を
   行い、溶融アルミニウムまたはアルミニウム合金浴に浸
   漬することを特徴とする両面溶融アルミニウムめっきク
   ロム含有鋼板の製造方法。