JPH0224920B2 - - Google Patents
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- JPH0224920B2 JPH0224920B2 JP59222560A JP22256084A JPH0224920B2 JP H0224920 B2 JPH0224920 B2 JP H0224920B2 JP 59222560 A JP59222560 A JP 59222560A JP 22256084 A JP22256084 A JP 22256084A JP H0224920 B2 JPH0224920 B2 JP H0224920B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、電気めつきに使用される通電ロール
に関する。 〔従来技術の問題点〕 連続電気亜鉛めつき等の電気めつき設備におけ
る通電ロールは、所要の通電性のほかに、酸性溶
液から成るめつき浴に対する腐食抵抗と、めつき
浴中を連続的に通過する被めつき鋼板(通板材)
との接触に耐える摩耗抵抗を備えていなければな
らない。 通電ロールは、基本的には第4図に示すよう
に、ロール胴部を成すスリーブ1の両端にロール
エンド2,2を嵌装し溶接止めした構造を有し、
そのロール胴部の周面に通板材が接触する。 従来より、そのロール胴部の構成材料として、
通電性と、めつき浴に対する耐食性の点から、
SCS−14やSUS−316等のニツケル含有ステンレ
ス合金が専ら使用され、これらの合金の鋳造品や
鍛造品の固溶化熱処理材から成るスリーブをロー
ル胴部とする通電ロールが用いられてきた。 しかるに、近時、めつき鋼板に対する要求品質
の多様化・高度化に伴い、例えば硬質鋼板である
高張力鋼板(シヨア硬度Hs約25〜35)のめつき
も多く行われるようになり、また耐食性能の強
化、あるいは深絞り成形加工用途に必要な高加工
性の付与等を目的としためつき浴液組成の改良、
特に低PH化等も行われている。更に、製造面では
ライン生産性向上の要請から、通板速度の高速
化、大通電量化等も一般化しつつある。従来の通
電ロールは、かかる使用環境の苛酷化に耐え得
ず、通電状態下での腐食や、通板材との接触によ
る摩耗、めつきカスによる押疵等による肌荒れが
生じ易い。 このため、ロール胴部の肌荒れによる耐用寿命
の低下が著しく、それに伴いロールの取替え頻度
が増大し、その都度めつきラインの操業中断を余
儀なくされると共に、ロールを再生使用するため
の再研磨加工に膨大な費用が必要となつている。 〔発明の課題〕 上記通電ロールの使用条件の苛酷化に対処し、
電気めつき操業能率の向上、メインテナンスコス
トの削減、およびめつき品質の向上を図るため
に、胴部表面の耐食性および耐摩耗性、殊に腐食
液中での摩耗抵抗(耐腐食摩耗性)にすぐれた通
電ロールを提供することを目的とする。 〔技術的手段および作用〕 本発明は、特定の化学成分組成を有する耐食性
にすぐれたニツケル基合金をロール胴部素材と
し、そのロール胴部表面を加工硬化させることに
より、耐摩耗性、特に耐腐食摩耗性を飛躍的に高
めたものである。 本発明に係る第1の通電ロールは、ロール胴部
が、C:0.15%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%
以下、Cr:15.0〜30.0%、Mo:4.0〜10.0%、
Al:0.95〜2.0%、Fe:10.0%以下、残部は実質
的にNiであるニツケル基合金からなり、かつそ
の表面にシヨア硬度(Hs)40以上の加工硬化層
が形成されている点に特徴を有し、また、本発明
に係る第2の通電ロールは、ロール胴部が、上記
の各成分元素のほかに、Nb:0.1〜3.0%、Ti:
0.05〜1.0%、V:0.01〜0.5%、B:0.001〜0.1%
のいづれか1種または2種以上の元素を含有し、
残部は実質的にNiであるニツケル基合金からな
り、かつその表面にシヨア硬度(Hs)40以上の
加工硬化層が形成されている点に特徴を有する。 本発明通電ロールの胴部を成すニツケル基合金
は、第1の通電ロールにあつてはAlを含有する
点に、また第2の通電ロールにあつては、Alと、
Nb、Ti、VまたはB等とを複合的に含有する点
に最も特徴を有する。本発明通電ロールについ
て、まずその胴部をなす合金の成分限定理由を説
明する。 C:0.15%以下 Cの含有量は耐食性の点から少ない程有利であ
る。通電ロールとしての耐食性を損なわないため
に、0.15%を上限とする。好ましくは、0.10%以
下である。なお、Cは一般に耐摩耗性を高める効
果を有するが、通電ロールのように、単純な摩耗
でなく、通電状態下に腐食と摩耗が相乗的に作用
する使用条件に対しては、特にCの含有を必要と
せず、従つて下限値は規定しない。 Si:2.0%以下 Siは、合金溶製時の脱酸、および鋳造時の湯流
れ性等の鋳造性改善等のために適量加えられる
が、その含有量は2.0%をこえる必要はない。 Mn:2.0%以下 MnはSiと同様に、合金溶湯の脱酸、鋳造性改
善等のために適量加えられる。その量は2.0%を
こえる必要はない。 Cr:15.0〜30.0% Crは、Ni、MoおよびAlとの金属間化合物の
析出により硬度を高める作用をなす。また、強固
な不動態化皮膜を形成せしめ耐食性の向上に奏効
する。これらの効果を得るには少なくとも、15.0
%の含有を必要とするが、過度に添加すると、材
料の靭性の低下をみるので、30.0%を上限とすべ
きある。より好ましい含有量は15.0〜25.0%であ
る。 Mo:4.0〜10.0% Moは、耐酸性、殊に硫酸系、塩酸系等の非酸
化性の酸溶液(電気めつき浴はこの系統の溶液で
ある)に対する耐食性の向上に著効を奏する。ま
た、硬度向上・耐摩耗性の改善効果を有する。こ
れらの効果を発輝させるには少なくとも4.0%の
含有を必要とするが、10.0%をこえると、含有量
の増加の割に効果の向上は少なくなり、高価な
Moを多量に使用することの経済的不利が増大
し、また靭性が低下するので、10.0%を上限とす
る。より好ましくは6.0〜10.0%である。 Fe:10.0%以下 Feは硬度を高める効果を有する。含有量が10.0
%までは耐食性に対する悪影響は特にない。経済
性の点からは、高価なNiの量を節減し、Feを増
量することが有利であるが、耐食性の点から10.0
%を上限とする。好ましくは4.0〜10.0%である。 Al:0.95〜2.0% Alへ通常脱酸剤として最大0.1%程度まで添加
される元素であるが、本発明合金においては、通
電状態での耐食性および耐腐食摩耗性を共に満足
させる元素としてAlが極めて有効であるとの知
見に基づき、この効果を十分なものとするため
に、下限値を0.95とする。また、下記Nb、Ti、
V、B等を複合含有する場合の複合添加効果を十
分ならしめるためにも、0.95%以上を必要とす
る。しかし、過度に含有すると、Niとの金属間
化合物の析出が顕著となり、材料の靭性が溶接性
の低下傾向を伴うので、2.0%を上限とする。好
ましくは1.5%までである。 Nb:0.1〜3.0% NbはAlと複合して耐食性、耐摩耗性、特に耐
腐食摩耗性の向上に奏効する。この効果を得るに
は少なくとも0.1%を必要とするが、あまり多く
添加すると、合金の品質低下をきたすと共に、靭
性、溶接性等の悪化により通電ロールの構造材料
としての適性が損なわれる。従つて、3.0%を上
限とする。より好ましい含有量は0.5〜2.0%であ
る。 Ti:0.05〜1.0% Tiは上記Nbと同様に、Alとの共存下に耐食性
と耐摩耗性、殊に耐腐食摩耗性を大きく改善する
効果を有する。この効果を得るには、少なくとも
0.05%含有しなければならないが、多量に加える
と、品質の低下、靭性、溶接性の低下が生じるの
で、1.0%を上限とする。より好ましくは0.08〜
0.7%である。 V:0.01〜0.5% Vは、Alとの共存下に、耐食性、耐摩耗性、
特に耐腐食摩耗性の向上に大きく寄与する。この
効果を得るには、少なくとも0.01%を必要とす
る。含有量の増加により効果は増大するが、0.5
%をこえると、効果はほぼ飽和する。従つて、
0.5%を上限とする。より好ましい含有量は、
0.05〜0.3%である。 B:0.001〜0.1% Bは、Alとの共存下に、耐食性および耐摩耗
性、特に耐腐食摩耗性の向上に大きく寄与する。
この効果を得るには少なくとも0.001%が必要で
ある。多量に添加しても、耐摩耗性等には問題な
いものの、溶接性が悪化するので、0.1%を上限
とすべきである。より好ましい含有量は0.005〜
0.08%である。 なお、残部をなすNiは2.5%以下のCoを含有し
ていてもさしつかえない。 本発明通電ロール胴部は、上記合金から成り、
その表面に冷間加工により硬化層が形成されたも
のである。その表面硬度は、実機使用における耐
腐食摩耗性の確保の点から、シヨア硬度(Hs)
40以上であることが望ましい。 ロール胴部に加工硬化層を導入するための冷間
加工は、例えば第3図に示すように、ロール10
を旋盤上にチヤツキング30,30し、ロールを
軸心まわりに適当な回転速度で回転させながら、
その胴部表面に、旋盤加工用バイトの代わりに、
ローラ20等の加工治具を適当な押付力で押付け
た状態にて、ロールの軸方向に漸次シフトさせて
いくことにより達成される。押付け加工治具に
は、ローラほかに、ベアリングや刃先を有しない
バイト等を用いることもできる。 冷間加工により導入される表面硬度は、その冷
間加工における加工条件により容易に調整するこ
とができる。上記の押付け加工においては、押付
け圧力50Kgf/mm2以上で押付け加工することによ
り、Hs40以上の表面硬度を与えることができる。 第1図に、遠心力鋳造製スリーブ(外形300mm)
の外表面にローラによる押付け加工を施した場合
の押付け圧力(Kgf/mm2)と、それにより得られ
る表面硬度(Hs)の関係を例示する。供試合金
は下記の合金(後記実施例における第1表の合
金aと同一成分組成)、および合金(同表中、
合金bと同一成分組成)であり、図中、は、合
金のスリーブ(以下、スリーブ)、は合金
のスリーブ(以下、スリーブ)の硬度を示
す。なお、冷間加工前の表面硬度は、スリーブ
()では、Hs27、スリーブ()では、Hs29
である。 合金 C:0.02%、Si:0.78%、Mn:0.95
%、Cr:21.05%、Mo:8.1%、Al:0.95%、
Fe:4.8%、残部Ni。 合金 C:0.03%、Si:0.90%、Mn:0.76
%、Cr:20.7%、Mo:7.7%、Al:1.02%、
Nb:0.42%、Ti:0.36%、Fe:4.5%、V:0.21
%、B:0.035%、残部Ni。 第1図に示されるように、押付け加工において
は、押付け圧力の調整により所望の表面硬度を付
与することができ、スリーブ()では、押付け
圧力50Kgf/mm2で、また、スリーブ()では押
付け圧力43Kgf/mm2で、それぞれHs40以上の表
面硬度が与えられている。 第2図は、上記のスリーブ()およびスリー
ブ()につき、冷間加工後の肉厚方向における
硬度分布の例を示す。図中、はスリーブ()、
はスリーブ()の硬度分布を示す。但し、表
面硬度は、スリーブ()では、Hs51、スリー
ブ()ではHs55である。図から、冷間加工に
より十分に表面硬度を高めると、深部まで加工硬
化させることができ、スリーブ()では深さ約
1mmまで、またスリーブ()においても深さ約
1mmまでビツカース硬度(Hv)260(Hs約37)以
上の高硬度を有している。 通電ロールの実使用においてロール胴部に当接
する通板材の表面硬度は、通常、Hv150〜200
(Hs約20〜30)であり、高張力鋼板のような高硬
質通板材でもHv250Hs約35程度であるから、上
記のようにロール胴部表面に深部まで、Hv260程
度の高硬度を与えておけば、使用後の再生加工
(その1回当たりの研削代は、通常約0.2〜0.3
mm/径である)を2〜3回実施しても、なお胴部
の表面硬度は通板材よりも高いので、長期にわた
り良好な耐摩耗性が保たれる。再生加工が繰り返
されて、当初形成した加工硬化層の残存量が不足
するに到れば、再生加工の際にあらためて冷間加
工を実施して再び加工硬化させればよい。 なお、加工硬化層を形成するための冷間加工
は、前記方法のほかに、引抜加工(好ましくは、
減面率5%以上)、あるいはピーニング等のハン
マリングやシヨツトプラスト等により行うことも
できる。 本発明通電ロールの製造工程の具体例について
説明すると、まず遠心力鋳造により中空円筒状ス
リーブを制作し、固溶化熱処理を施した後、その
内外径を必要寸法に機械加工(切削)する。これ
にマンドレルを介装して旋盤にセツトし、前記第
3図に示したごとき要領でスリーブの外表面に押
付け加工を施して所要の硬化層を形成する。つい
で、スリーブの両端部のロールエンドが嵌装さる
部分を旋盤加工して必要寸法に仕上げ、場合によ
つては内径のみボーリング加工する。しかるの
ち、そのスリーブの両端に、別途準備したロール
エンドを嵌着し、溶接接合し、ついでスリーブ表
面に研磨加工を施すことにより目的とする通電ロ
ールとして完成される。スリーブの外表面に対す
る冷間加工は、スリーブにロールエンドを組込ん
だ後に行つてもよい。従つて、ロールの再研磨加
工を行う際にも、適宜この冷間加工を実施するこ
とができる。 なお、一般に冷間加工を施した場合、腐食抵抗
の低下が懸念されるものであるが、電気めつき等
の通電ロールの用途に限れば、実用上その心配は
全く無い。また、通電性についても何ら問題の無
いことが確認されている。 〔実施例〕 第1表に示す化学組成の合金(a)〜(i)の遠心力鋳
造材を固溶化熱処理(1150℃×2Hr→水冷)した
のち、円柱状試験片(φ15×100,mm)を切出
す。その周面にロールによる冷間押付加工を加
え、または加えることなく、下記の腐食摩耗試験
に供した。 第1表中、合金(a)〜(f)は本発明に規定された化
学組成を有する合金、合金(h)および(i)はそれぞれ
JIS G 5121 SCS−14相当、および「ハステロ
イC」相当の合金であり、合金(g)はAl量が不足
している点を除いて合金(a)〜(f)に類似する組成を
有する合金の例である。 第2表は、各供試材の合金の種類、冷間押付加
工条件および表面硬度と併せて、腐食摩耗試験結
果を示す。表中、No.1〜15は発明例、No.101〜105
は比較例である。比較例No.101〜105のうち、No.
101はSCS−14相当材(表面加工硬化なし)、No.
102はハステロイC相当材(表面加工硬化なし)
の例であり、No.103は発明例に類似する合金(但
し、Al量不足)に冷間押付加工を行つた例であ
る。また、No.104およびNo.105は、本発明に規定の
化学組成を有する合金であるが、表面の加工硬化
が省略された例である。 腐食摩耗試験条件 円柱状試験片(φ15×100,mm)をめつき浴
液中、360rpmの速度で回転させながら、その周
囲に炭素鋼管体(SGP A50、外径60.3mm、硬度
Hs30)を相手材として押付け(押付圧力:5Kg
f/cm2)、2日間経過後の試験片表面の腐食摩耗
減量(g/m2)を測定する。 めつき浴液組成:ZnSO4400g/、
ZnCl230g/、PH1.5、液温:室温。
に関する。 〔従来技術の問題点〕 連続電気亜鉛めつき等の電気めつき設備におけ
る通電ロールは、所要の通電性のほかに、酸性溶
液から成るめつき浴に対する腐食抵抗と、めつき
浴中を連続的に通過する被めつき鋼板(通板材)
との接触に耐える摩耗抵抗を備えていなければな
らない。 通電ロールは、基本的には第4図に示すよう
に、ロール胴部を成すスリーブ1の両端にロール
エンド2,2を嵌装し溶接止めした構造を有し、
そのロール胴部の周面に通板材が接触する。 従来より、そのロール胴部の構成材料として、
通電性と、めつき浴に対する耐食性の点から、
SCS−14やSUS−316等のニツケル含有ステンレ
ス合金が専ら使用され、これらの合金の鋳造品や
鍛造品の固溶化熱処理材から成るスリーブをロー
ル胴部とする通電ロールが用いられてきた。 しかるに、近時、めつき鋼板に対する要求品質
の多様化・高度化に伴い、例えば硬質鋼板である
高張力鋼板(シヨア硬度Hs約25〜35)のめつき
も多く行われるようになり、また耐食性能の強
化、あるいは深絞り成形加工用途に必要な高加工
性の付与等を目的としためつき浴液組成の改良、
特に低PH化等も行われている。更に、製造面では
ライン生産性向上の要請から、通板速度の高速
化、大通電量化等も一般化しつつある。従来の通
電ロールは、かかる使用環境の苛酷化に耐え得
ず、通電状態下での腐食や、通板材との接触によ
る摩耗、めつきカスによる押疵等による肌荒れが
生じ易い。 このため、ロール胴部の肌荒れによる耐用寿命
の低下が著しく、それに伴いロールの取替え頻度
が増大し、その都度めつきラインの操業中断を余
儀なくされると共に、ロールを再生使用するため
の再研磨加工に膨大な費用が必要となつている。 〔発明の課題〕 上記通電ロールの使用条件の苛酷化に対処し、
電気めつき操業能率の向上、メインテナンスコス
トの削減、およびめつき品質の向上を図るため
に、胴部表面の耐食性および耐摩耗性、殊に腐食
液中での摩耗抵抗(耐腐食摩耗性)にすぐれた通
電ロールを提供することを目的とする。 〔技術的手段および作用〕 本発明は、特定の化学成分組成を有する耐食性
にすぐれたニツケル基合金をロール胴部素材と
し、そのロール胴部表面を加工硬化させることに
より、耐摩耗性、特に耐腐食摩耗性を飛躍的に高
めたものである。 本発明に係る第1の通電ロールは、ロール胴部
が、C:0.15%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%
以下、Cr:15.0〜30.0%、Mo:4.0〜10.0%、
Al:0.95〜2.0%、Fe:10.0%以下、残部は実質
的にNiであるニツケル基合金からなり、かつそ
の表面にシヨア硬度(Hs)40以上の加工硬化層
が形成されている点に特徴を有し、また、本発明
に係る第2の通電ロールは、ロール胴部が、上記
の各成分元素のほかに、Nb:0.1〜3.0%、Ti:
0.05〜1.0%、V:0.01〜0.5%、B:0.001〜0.1%
のいづれか1種または2種以上の元素を含有し、
残部は実質的にNiであるニツケル基合金からな
り、かつその表面にシヨア硬度(Hs)40以上の
加工硬化層が形成されている点に特徴を有する。 本発明通電ロールの胴部を成すニツケル基合金
は、第1の通電ロールにあつてはAlを含有する
点に、また第2の通電ロールにあつては、Alと、
Nb、Ti、VまたはB等とを複合的に含有する点
に最も特徴を有する。本発明通電ロールについ
て、まずその胴部をなす合金の成分限定理由を説
明する。 C:0.15%以下 Cの含有量は耐食性の点から少ない程有利であ
る。通電ロールとしての耐食性を損なわないため
に、0.15%を上限とする。好ましくは、0.10%以
下である。なお、Cは一般に耐摩耗性を高める効
果を有するが、通電ロールのように、単純な摩耗
でなく、通電状態下に腐食と摩耗が相乗的に作用
する使用条件に対しては、特にCの含有を必要と
せず、従つて下限値は規定しない。 Si:2.0%以下 Siは、合金溶製時の脱酸、および鋳造時の湯流
れ性等の鋳造性改善等のために適量加えられる
が、その含有量は2.0%をこえる必要はない。 Mn:2.0%以下 MnはSiと同様に、合金溶湯の脱酸、鋳造性改
善等のために適量加えられる。その量は2.0%を
こえる必要はない。 Cr:15.0〜30.0% Crは、Ni、MoおよびAlとの金属間化合物の
析出により硬度を高める作用をなす。また、強固
な不動態化皮膜を形成せしめ耐食性の向上に奏効
する。これらの効果を得るには少なくとも、15.0
%の含有を必要とするが、過度に添加すると、材
料の靭性の低下をみるので、30.0%を上限とすべ
きある。より好ましい含有量は15.0〜25.0%であ
る。 Mo:4.0〜10.0% Moは、耐酸性、殊に硫酸系、塩酸系等の非酸
化性の酸溶液(電気めつき浴はこの系統の溶液で
ある)に対する耐食性の向上に著効を奏する。ま
た、硬度向上・耐摩耗性の改善効果を有する。こ
れらの効果を発輝させるには少なくとも4.0%の
含有を必要とするが、10.0%をこえると、含有量
の増加の割に効果の向上は少なくなり、高価な
Moを多量に使用することの経済的不利が増大
し、また靭性が低下するので、10.0%を上限とす
る。より好ましくは6.0〜10.0%である。 Fe:10.0%以下 Feは硬度を高める効果を有する。含有量が10.0
%までは耐食性に対する悪影響は特にない。経済
性の点からは、高価なNiの量を節減し、Feを増
量することが有利であるが、耐食性の点から10.0
%を上限とする。好ましくは4.0〜10.0%である。 Al:0.95〜2.0% Alへ通常脱酸剤として最大0.1%程度まで添加
される元素であるが、本発明合金においては、通
電状態での耐食性および耐腐食摩耗性を共に満足
させる元素としてAlが極めて有効であるとの知
見に基づき、この効果を十分なものとするため
に、下限値を0.95とする。また、下記Nb、Ti、
V、B等を複合含有する場合の複合添加効果を十
分ならしめるためにも、0.95%以上を必要とす
る。しかし、過度に含有すると、Niとの金属間
化合物の析出が顕著となり、材料の靭性が溶接性
の低下傾向を伴うので、2.0%を上限とする。好
ましくは1.5%までである。 Nb:0.1〜3.0% NbはAlと複合して耐食性、耐摩耗性、特に耐
腐食摩耗性の向上に奏効する。この効果を得るに
は少なくとも0.1%を必要とするが、あまり多く
添加すると、合金の品質低下をきたすと共に、靭
性、溶接性等の悪化により通電ロールの構造材料
としての適性が損なわれる。従つて、3.0%を上
限とする。より好ましい含有量は0.5〜2.0%であ
る。 Ti:0.05〜1.0% Tiは上記Nbと同様に、Alとの共存下に耐食性
と耐摩耗性、殊に耐腐食摩耗性を大きく改善する
効果を有する。この効果を得るには、少なくとも
0.05%含有しなければならないが、多量に加える
と、品質の低下、靭性、溶接性の低下が生じるの
で、1.0%を上限とする。より好ましくは0.08〜
0.7%である。 V:0.01〜0.5% Vは、Alとの共存下に、耐食性、耐摩耗性、
特に耐腐食摩耗性の向上に大きく寄与する。この
効果を得るには、少なくとも0.01%を必要とす
る。含有量の増加により効果は増大するが、0.5
%をこえると、効果はほぼ飽和する。従つて、
0.5%を上限とする。より好ましい含有量は、
0.05〜0.3%である。 B:0.001〜0.1% Bは、Alとの共存下に、耐食性および耐摩耗
性、特に耐腐食摩耗性の向上に大きく寄与する。
この効果を得るには少なくとも0.001%が必要で
ある。多量に添加しても、耐摩耗性等には問題な
いものの、溶接性が悪化するので、0.1%を上限
とすべきである。より好ましい含有量は0.005〜
0.08%である。 なお、残部をなすNiは2.5%以下のCoを含有し
ていてもさしつかえない。 本発明通電ロール胴部は、上記合金から成り、
その表面に冷間加工により硬化層が形成されたも
のである。その表面硬度は、実機使用における耐
腐食摩耗性の確保の点から、シヨア硬度(Hs)
40以上であることが望ましい。 ロール胴部に加工硬化層を導入するための冷間
加工は、例えば第3図に示すように、ロール10
を旋盤上にチヤツキング30,30し、ロールを
軸心まわりに適当な回転速度で回転させながら、
その胴部表面に、旋盤加工用バイトの代わりに、
ローラ20等の加工治具を適当な押付力で押付け
た状態にて、ロールの軸方向に漸次シフトさせて
いくことにより達成される。押付け加工治具に
は、ローラほかに、ベアリングや刃先を有しない
バイト等を用いることもできる。 冷間加工により導入される表面硬度は、その冷
間加工における加工条件により容易に調整するこ
とができる。上記の押付け加工においては、押付
け圧力50Kgf/mm2以上で押付け加工することによ
り、Hs40以上の表面硬度を与えることができる。 第1図に、遠心力鋳造製スリーブ(外形300mm)
の外表面にローラによる押付け加工を施した場合
の押付け圧力(Kgf/mm2)と、それにより得られ
る表面硬度(Hs)の関係を例示する。供試合金
は下記の合金(後記実施例における第1表の合
金aと同一成分組成)、および合金(同表中、
合金bと同一成分組成)であり、図中、は、合
金のスリーブ(以下、スリーブ)、は合金
のスリーブ(以下、スリーブ)の硬度を示
す。なお、冷間加工前の表面硬度は、スリーブ
()では、Hs27、スリーブ()では、Hs29
である。 合金 C:0.02%、Si:0.78%、Mn:0.95
%、Cr:21.05%、Mo:8.1%、Al:0.95%、
Fe:4.8%、残部Ni。 合金 C:0.03%、Si:0.90%、Mn:0.76
%、Cr:20.7%、Mo:7.7%、Al:1.02%、
Nb:0.42%、Ti:0.36%、Fe:4.5%、V:0.21
%、B:0.035%、残部Ni。 第1図に示されるように、押付け加工において
は、押付け圧力の調整により所望の表面硬度を付
与することができ、スリーブ()では、押付け
圧力50Kgf/mm2で、また、スリーブ()では押
付け圧力43Kgf/mm2で、それぞれHs40以上の表
面硬度が与えられている。 第2図は、上記のスリーブ()およびスリー
ブ()につき、冷間加工後の肉厚方向における
硬度分布の例を示す。図中、はスリーブ()、
はスリーブ()の硬度分布を示す。但し、表
面硬度は、スリーブ()では、Hs51、スリー
ブ()ではHs55である。図から、冷間加工に
より十分に表面硬度を高めると、深部まで加工硬
化させることができ、スリーブ()では深さ約
1mmまで、またスリーブ()においても深さ約
1mmまでビツカース硬度(Hv)260(Hs約37)以
上の高硬度を有している。 通電ロールの実使用においてロール胴部に当接
する通板材の表面硬度は、通常、Hv150〜200
(Hs約20〜30)であり、高張力鋼板のような高硬
質通板材でもHv250Hs約35程度であるから、上
記のようにロール胴部表面に深部まで、Hv260程
度の高硬度を与えておけば、使用後の再生加工
(その1回当たりの研削代は、通常約0.2〜0.3
mm/径である)を2〜3回実施しても、なお胴部
の表面硬度は通板材よりも高いので、長期にわた
り良好な耐摩耗性が保たれる。再生加工が繰り返
されて、当初形成した加工硬化層の残存量が不足
するに到れば、再生加工の際にあらためて冷間加
工を実施して再び加工硬化させればよい。 なお、加工硬化層を形成するための冷間加工
は、前記方法のほかに、引抜加工(好ましくは、
減面率5%以上)、あるいはピーニング等のハン
マリングやシヨツトプラスト等により行うことも
できる。 本発明通電ロールの製造工程の具体例について
説明すると、まず遠心力鋳造により中空円筒状ス
リーブを制作し、固溶化熱処理を施した後、その
内外径を必要寸法に機械加工(切削)する。これ
にマンドレルを介装して旋盤にセツトし、前記第
3図に示したごとき要領でスリーブの外表面に押
付け加工を施して所要の硬化層を形成する。つい
で、スリーブの両端部のロールエンドが嵌装さる
部分を旋盤加工して必要寸法に仕上げ、場合によ
つては内径のみボーリング加工する。しかるの
ち、そのスリーブの両端に、別途準備したロール
エンドを嵌着し、溶接接合し、ついでスリーブ表
面に研磨加工を施すことにより目的とする通電ロ
ールとして完成される。スリーブの外表面に対す
る冷間加工は、スリーブにロールエンドを組込ん
だ後に行つてもよい。従つて、ロールの再研磨加
工を行う際にも、適宜この冷間加工を実施するこ
とができる。 なお、一般に冷間加工を施した場合、腐食抵抗
の低下が懸念されるものであるが、電気めつき等
の通電ロールの用途に限れば、実用上その心配は
全く無い。また、通電性についても何ら問題の無
いことが確認されている。 〔実施例〕 第1表に示す化学組成の合金(a)〜(i)の遠心力鋳
造材を固溶化熱処理(1150℃×2Hr→水冷)した
のち、円柱状試験片(φ15×100,mm)を切出
す。その周面にロールによる冷間押付加工を加
え、または加えることなく、下記の腐食摩耗試験
に供した。 第1表中、合金(a)〜(f)は本発明に規定された化
学組成を有する合金、合金(h)および(i)はそれぞれ
JIS G 5121 SCS−14相当、および「ハステロ
イC」相当の合金であり、合金(g)はAl量が不足
している点を除いて合金(a)〜(f)に類似する組成を
有する合金の例である。 第2表は、各供試材の合金の種類、冷間押付加
工条件および表面硬度と併せて、腐食摩耗試験結
果を示す。表中、No.1〜15は発明例、No.101〜105
は比較例である。比較例No.101〜105のうち、No.
101はSCS−14相当材(表面加工硬化なし)、No.
102はハステロイC相当材(表面加工硬化なし)
の例であり、No.103は発明例に類似する合金(但
し、Al量不足)に冷間押付加工を行つた例であ
る。また、No.104およびNo.105は、本発明に規定の
化学組成を有する合金であるが、表面の加工硬化
が省略された例である。 腐食摩耗試験条件 円柱状試験片(φ15×100,mm)をめつき浴
液中、360rpmの速度で回転させながら、その周
囲に炭素鋼管体(SGP A50、外径60.3mm、硬度
Hs30)を相手材として押付け(押付圧力:5Kg
f/cm2)、2日間経過後の試験片表面の腐食摩耗
減量(g/m2)を測定する。 めつき浴液組成:ZnSO4400g/、
ZnCl230g/、PH1.5、液温:室温。
【表】
【表】
本発明通電ロールは、素材の材料特性と冷間加
工硬化との相乗効果により、従来ロールに比し、
腐食環境下に卓抜した耐摩耗性を有するので、電
気めつき操業において、長期間平滑美麗な表面状
態が保たれる。従つて、従来のような頻繁なロー
ル取替の煩わしさやロール再研磨加工に要する費
用が大幅に軽減され、安定・円滑なめつき操業が
維持されると同時に、得られるめつき品質の向
上・安定化がもたらされる。むろん、電気めつき
は、亜鉛めつきに限らず、錫めつき、ニツケルめ
つき等、各種の電気めつき用通電ロールとして適
用することができ、また電気めつきに限られず、
溶融めつき用シンクロール電解化成処理や電解脱
脂処理設備等における通電ロールとしても、従来
材にまさる安定性・耐久性の向上をもたらす。
工硬化との相乗効果により、従来ロールに比し、
腐食環境下に卓抜した耐摩耗性を有するので、電
気めつき操業において、長期間平滑美麗な表面状
態が保たれる。従つて、従来のような頻繁なロー
ル取替の煩わしさやロール再研磨加工に要する費
用が大幅に軽減され、安定・円滑なめつき操業が
維持されると同時に、得られるめつき品質の向
上・安定化がもたらされる。むろん、電気めつき
は、亜鉛めつきに限らず、錫めつき、ニツケルめ
つき等、各種の電気めつき用通電ロールとして適
用することができ、また電気めつきに限られず、
溶融めつき用シンクロール電解化成処理や電解脱
脂処理設備等における通電ロールとしても、従来
材にまさる安定性・耐久性の向上をもたらす。
第1図は通電ロール胴部の冷間押付加工圧力と
表面硬さの関係を示すグラフ、第2図は通電ロー
ル胴部の肉厚方向の硬度分布図、第3図は通電
ロール胴部の冷間加工法の具体例を示す正面図、
同図は側面図、第4図は通電ロールの一部切欠
正面図である。 1:ロール胴部、2:ロールエンド、10:通
電ロール、20:冷間加工治具。
表面硬さの関係を示すグラフ、第2図は通電ロー
ル胴部の肉厚方向の硬度分布図、第3図は通電
ロール胴部の冷間加工法の具体例を示す正面図、
同図は側面図、第4図は通電ロールの一部切欠
正面図である。 1:ロール胴部、2:ロールエンド、10:通
電ロール、20:冷間加工治具。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ロール胴部が、C:0.15%以下、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Cr:15.0〜30.0%、Mo:
4.0〜10.0%、Al:0.95〜2.0%、Fe:10.0%以下
を含み、残部は実質的にNiであるニツケル基合
金から成り、表面にシヨア硬度(Hs)40以上の
加工硬化層が形成されていることを特徴とする耐
腐食摩耗性にすぐれた電気めつき用通電ロール。 2 ロール胴部が、C:0.15%以下、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Cr:15.0%〜30.0%、
Mo:4.0〜10.0%、Al:0.95〜2.0%、Fe:10.0%
以下、およびNb:0.1〜3.1%、Ti:0.05〜1.0%、
V:0.01〜0.5%、B:0.001〜0.1%の1種もしく
は2種以上を含有し、残部は実質的にNiである
ニツケル基合金からなり、その表面にシヨア硬度
(Hs)40以上の加工硬化層が形成されていること
を特徴とする耐腐食摩耗性にすぐれた電気めつき
用通電ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22256084A JPS6199652A (ja) | 1984-10-22 | 1984-10-22 | 通電ロ−ル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22256084A JPS6199652A (ja) | 1984-10-22 | 1984-10-22 | 通電ロ−ル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6199652A JPS6199652A (ja) | 1986-05-17 |
JPH0224920B2 true JPH0224920B2 (ja) | 1990-05-31 |
Family
ID=16784363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22256084A Granted JPS6199652A (ja) | 1984-10-22 | 1984-10-22 | 通電ロ−ル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6199652A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01219134A (ja) * | 1988-02-26 | 1989-09-01 | Kubota Ltd | 電気メッキ設備における通電ロール用合金 |
JP3601077B2 (ja) * | 1994-07-19 | 2004-12-15 | いすゞ自動車株式会社 | エンジンのシリンダヘッド |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58221252A (ja) * | 1982-04-20 | 1983-12-22 | ハンチントン・アロイス・インコ−ポレ−テツド | 冷間加工可能な固溶体合金 |
JPS59222561A (ja) * | 1983-06-02 | 1984-12-14 | Nippon Steel Corp | V,nを含むオ−ステナイト系耐熱合金 |
-
1984
- 1984-10-22 JP JP22256084A patent/JPS6199652A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58221252A (ja) * | 1982-04-20 | 1983-12-22 | ハンチントン・アロイス・インコ−ポレ−テツド | 冷間加工可能な固溶体合金 |
JPS59222561A (ja) * | 1983-06-02 | 1984-12-14 | Nippon Steel Corp | V,nを含むオ−ステナイト系耐熱合金 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6199652A (ja) | 1986-05-17 |
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