JPH02241007A - フェライト磁性体およびその製造方法 - Google Patents

フェライト磁性体およびその製造方法

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JPH02241007A
JPH02241007A JP1062436A JP6243689A JPH02241007A JP H02241007 A JPH02241007 A JP H02241007A JP 1062436 A JP1062436 A JP 1062436A JP 6243689 A JP6243689 A JP 6243689A JP H02241007 A JPH02241007 A JP H02241007A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高結晶性フェライト磁性粉末をガラス材で結
着固化してなる超低収縮率のフェライト磁性体とその製
造方法に関するものであり、この種のフェライト磁性体
は有用な電子部品として利用される。
従来の技術 従来のフェライト磁性材料の製造方法は、主として粉末
冶金法、すなわち粉末成形と高温焼成の工程を必要とす
る焼結法がほとんどである。
フェライト磁性体を作る場合は、出発原料を所定の割合
で配合し、適当な条件で仮焼成して脱ガスおよびある程
度の固相反応を進めた後(これを仮焼粉という)、粉砕
、造粒、成形という工程を経て、その成形体を適切な雰
囲気中で前記の仮焼成温度より高温で本焼成することに
よって所望の磁気特性2機械的強度を有した多結晶質の
フェライト焼結体を得ている。
この多結晶質のフェライト焼結体の微細構造の模式図を
第2図に示す。第2図において、6は結晶粒、7は粒界
、8は粒界ボア、9は結晶粒6のボアである。
上記工程中の仮焼温度は所定配合比率の出発原料が固相
反応を始める700〜1000℃の間に設定され、焼結
を十分にさせる本焼成温度は仮焼粉の材料および組成さ
らには粒径、形状によって異なるが通常は1000〜1
400℃という高温である。この時の焼成雰囲気は求め
られる材料。
組成によって酸化性雰囲気か非酸化性雰囲気が選ばれる
このフェライト焼結法の欠点は、上記仮焼粉の成形体を
本焼成工程で焼結させると必ず寸法変化が生じるという
ことである。つまり本焼成を終えると通常10〜20%
、大きい時にはそれ以上も収縮し、焼結晶の寸法精度な
らびに歩留りを悪くする。従って、切削、研磨等の機械
加工である後処理が必要となってくる。
上述した焼結過程での収縮は次の−ような原因で起る。
すなわち、仮焼粉を単に加圧した成形体は通常粒径が2
〜5μm程度もしくはそれ以下の粉末を使用するために
成形密度が低く、つまり粉末どうしが接触しているもの
のまだ空隙が多く、700〜1000℃以上の温度で加
熱すると仮焼粉間の接触部分で粒子を構成する原、子の
相互拡散が生じて焼結現象が始まる。その結果、焼結の
進行度合とともに仮焼粉間の空隙が減少して行き、大き
い時には20%も越えて収縮するのである。
従って、焼結をきっちりと均一にかつ成形体に熱衝撃を
受けないようにするには本焼成時の昇温降温を比較的緩
慢にすることが重要になってくる。この結果、本焼成工
程は普通少なくとも半日以上長い場合で2日になること
もある。
フェライト焼結法の欠点を改良する研究はこれまでにも
数多くなされてきた。そのうち焼結体の収縮問題に関し
ては収縮率を極力下げる方法や収縮率を一定に制御する
方法が種々検討されてきたが、いずれもフェライトの性
能、特性を確保しようとすればある程度の収縮が避けら
れないのが実状である。たとえば、特開昭58−135
133号公報、特開昭58−135606号公報に記載
されているように、フェライト仮焼粉とガラス粉末とを
混合した後に、フェライトの緻密化(焼結化)の進行す
る温度で焼成すると、この時添加しているガラス粉末が
フェライト粒子の周囲を覆うことでフェライトの緻密化
を一部抑えて低収縮率の焼結体を得ることができるとい
うものである。
しかし、この場合でも仮焼粉作成温度が後の成形体の本
焼成温度よりいずれも低いために、本焼成時には未だ直
接接触している仮焼粉間の相互拡散が生じるので成形体
の収縮現象は避は難(実際にはまだ数%の収縮が起きて
いた。
発明が解決しようとする課題 以上述べてきたように、従来のフェライト焼結体では所
望の性能を得ようとして焼結を進めれば進める程収縮は
大きくなり、逆に収縮を抑えれば性能が確保できなくて
両立し難い。しがし、フェライト焼結体は電子部品、デ
バイス材料として多用され、その性能および高寸法精度
が益々重要視されている。
本発明の目的は上述した従来技術の欠点を解消し、はと
んど収縮性のないかつ磁気特性に優れたガラス結着型で
超低収縮率のフェライト磁性体とそれを安価に製造でき
る方法を提供するものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するための本発明のフェライト磁性体は
、高温焼成で十分にフェライト化が進んだ少なくとも2
種類の粒度分布をもった高結晶性フェライト磁性粉末と
この焼成温度より低い軟化点をもつガラス粉末との混合
物を、このガラス粉末の軟化温度以上でかつ上記高結晶
性フェライト磁性粉末の焼成温度以下の範囲で加熱処理
をして高結晶性フェライト磁性粉末をガラス材で結着し
た構成とするものである。
作用 使用するフェライト磁性粉末自体を高温焼成により既に
完全に近いところまで結晶化を進めているので、後のよ
り低温の成形体加熱処理では、高結晶性フェライト磁性
粉末間の焼結がほとんど起こらず、高結晶性フェライト
磁性粉末間に混在するガラス粉末を単に溶融して高結晶
性フェライト磁性粉末を結着させるだけである。その結
果、成形体中の空隙率が加熱処理前後であまり変化しな
いから、金型成型寸法に近い高寸法精度でかつ磁気特性
にも優れた新規なフェライト磁性体が得られる。
さらに成形体の加熱処理は焼結性を期待するものではな
く、上述のようにガラス粉末が溶融して高結晶性フェラ
イト磁性粉末間に流れ結着効果がでればよいので基本的
には従来法の本焼成時間よりかなり短時間ですむ。この
ために設備費や電気代が安くつき、製造方法も簡便であ
るので安価に製造できる。
また、軟質フェライトではそれ自身の渦電流損失を極力
減らす必要から高抵抗化が望まれるが、本発明によれば
比較的電気抵抗の低いMn−Zn系フェライトであって
も溶融固化したガラス成分が高結晶性フェライト磁性粉
末を電気的に絶縁するので抵抗値が上り高周波特性を良
くするという利点も得られる。
実施例 以下本発明の実施例について説明する。
すなわち、本発明は第1図に示すように少なくとも2種
類以上の粒径分布の興なる高結晶性フェライト磁性粉末
1(以下、粗粉とよぶ)、2(以下、微粉とよぶ)をこ
の高結晶性フェライト磁性粉末1,2の焼成温度以下で
軟化溶融するガラス材3で結着した構成とするものであ
る。
具体的には、2種類以上の粒度分布の興なる高結晶性フ
ェライト磁性粉末1,2とガラス粉末とをよく混合し、
造粒した混合造粒物を加圧成型した後、この成形体中の
高結晶性フェライト磁性粉末1,2間に混在する上記ガ
ラス粉末を軟化溶融させることにより、高結晶性フェラ
イト磁性粉末1.2をガラス材3で単に結着し固化した
フェライト磁性体をいう。なお、図中4は空隙、5は高
結晶性フェライト磁性粉末1中のボアを示す。
ここで使用する高結晶性フェライト磁性粉末1.2は高
温焼成によって十分にフェライト反応化したものであっ
て、通常は1000℃以上で焼成したものが好ましい。
軟質フェライト磁性体を得たい場合は、高結晶性フェラ
イト磁性粉末1の抗磁力HCが小さい程良いので、磁性
粒子のサイズは大きい程好ましいが、一方、高結晶性フ
ェライト磁性粉末工の充填密度が下がるので実際には1
00〜200μm径までが適している。また本発明にお
いて、少なくとも2種類以上の粒度分布をもつフェライ
ト磁性粉末で構成するのは、磁性体の充填密度(成形密
度)を上げるためであって、できるだけ空隙4を減らす
意味で粒径が小さい微粉末2を粗粉末1と組み合わせた
構成としている。特にこの微粉末2の粒径は5μm以下
の粉末が最も効果的である。
次に高結晶性フェライト磁性粉末1,2を結着するガラ
ス粉末の軟化温度は高結晶性フェライト磁性粉末1,2
の焼成温度以下であれば良いが、本発明によるフェライ
ト磁性体の応用を考えると耐熱性の観点から下限は30
0℃以上であることが望ましい。高結晶性フェライト磁
性粉末1,2に加えるガラス粉末の量は0.3〜30重
量%が良<、0.3%より少ないと高結晶性フェライト
磁性粉末1,2の結着効果が小さく機械的強度が確保で
きない。一方、30%より多いガラス量では、結着力は
十分に強(なるが非磁性量が増すためにフェライト磁性
体としての磁気特性が著しく悪化してよろしくない。
高結晶性フェライト磁性粉末1,2とガラス粉末の混合
成形体の加熱処理は、ガラス粉末の溶融浸透を主な目的
とするものであるから、熱処理の保持時間および昇降温
に要する時間を含めて3時間以下でも可能である。
熱処理温度は基本的にはガラスの軟化温度より上であれ
ば良いが、高結晶性フェライト磁性粉末1.2の焼成温
度に近(なるに従って特に800℃以上になるとガラス
材3の結着効果が増し、低収縮性であるにもかかわらず
磁気特性も優れるという好ましい結果が得られた。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例1〜10) FezO350,Ni018.Zn032moe%より
なる出発混合造粒粉を1320℃、6時間焼成したもの
を粉砕し、粒径が50〜100μmの粗粉末と5μm以
下の微粉末のN i −Zn軟質フェライト本焼粉をそ
れぞれ準備した。この粉末をX線解析した結果、軟質フ
ェライト特有の鋭いスピネル構造回折線が得られ結晶性
の非常に高い磁性粉であることを確認した。
上記高結晶性フェライト磁性粉末1,2の構成比を各々
磁性粉末1(粗粉末)を100重量部、磁性粉末2(微
粉末)を30重量部とした高結晶性フェライト磁性粉末
全量に対して軟化点(Td)370℃、平均粒径1μm
の無アルカリホウケイ酸鉛系ガラス粉末を各々0.0.
5,1,3゜5.10.30.40wt%ずつ加えて混
合、造粒した後、3ton/cmの圧力で内径7mφ。
外径12waφ、厚さ3mmのガラス含有量が各々異な
るリング状成形品を作製した。
この各成形品を電気炉内に個々に設置し、1200℃。
60分空気中で加熱処理しガラス結着型のリング状フェ
ライトコアを得た。
上記実施例1〜10の試料の材料特性を第1表に示した (比較例1〜2) 実施例1と同一のフェライト本焼成粉末において磁性粉
末2(微粉末)として5〜20μmの粒径のものを30
重量部としたもの(比較例1)、磁性粉末2(微粉末)
として20〜50μmの粒径のものを30重量部とした
ちのく比較例2)にそれぞれ実施例1で用いた同一のガ
ラス粉末を5wt%加えて混合、造粒した後、実施例1
と同様にして同サイズのリング状成形品を作製した。
この成形品を電気炉内に設置し、1200℃、60分空
気中で加熱処理してガラス含有型のリング状フェライト
コアを得た。
この試料の材料特性を第1表に示した。
(以 下 余 白) (実施例11〜15) 実施例1で用いた同一のフェライト本焼粉に対して同一
のガラス粉末を5wt%を加えて混合。
造粒した後、3ton/amの圧力で内径7mφ。
外径12mφ、厚さ31IIIlのリング状成形品を5
個作製した。
この各成形品を1個ずつ電気炉内に設置し、1300℃
、1000℃、800℃、600℃。
450℃それぞれの温度で60分空気中で加熱処理して
ガラス結着型リング状フェライトコアを得た。
上記実施例11〜15の試料の材料特性を第2表に示し
た。
(実施例16) 実施例1で用いた同一のフェライト本焼成粉に対して軟
化点(Ts)700℃、平均粒径1μmの無アルカリホ
ウケイ酸鉛系ガラス粉末を5wt%加えて混合、造粒し
た後、3ton/cmの圧力で内径7鴫φ、外径12m
φ、厚さ3CIIのリング状成形品を作製した。
この成形品を1200℃、60分間空気中で加熱処理し
てガラス結着型リング状フェライトコアを得た。この実
施例16の材料特性を第2表に示した。
(以 下 余 白) (実施例17〜28) Fe20s48.Ni013.Zn034.CuO5m
o1%よりなる出発混合造粒粉を1320℃。
6時間焼成したものを粉砕し、実施例1と同様に粒径が
50〜100μmの粗粉末と5μm以下の微粉末のNi
−Zn−Cu系軟質フェライト本焼粉をそれぞれ準備し
た。この粉末をX線解析した結果、軟質フェライト特有
の鋭いスピネル構造回折線が得られ結晶性の非常に高い
磁性粉であることを確認した。
上記高結晶性フェライト磁性粉末1.2の構成比を各々
磁性粉末1(粗粉末)を100重量部、磁性粉末2(微
粉末)を30重量部とした高結晶性フェライト磁性粉末
全量に対して軟化点(Td)370℃、平均粒径1μm
の無アルカリホウケイ酸鉛系ガラス粉末を各々0.0.
1.0.3,0.5゜1.3,5,10,30.40w
t%ずつ加えて混合、造粒した後、3 t o n/c
+jの圧力で内径7−φ、外径12+mφ、厚さ3鴫の
ガラス含有量が各々異なるリング状成形品を作製した。
この各成形品を電気炉内に個々に設置し、1200℃。
60分間空気中で加熱処理しガラス結着型のリング状フ
ェライトコアを得た。
上記実施例17〜28の試料の材料特性を第3表に示し
た。
(以 下 余 白) なお、上記実施例、比較例においては、初透磁率の測定
は、JIS規格(C2561)に準じ、まず前述のリン
グ状フェライトコアに絶縁テープを一層巻いた後、各々
に線径0.26mφの絶縁銅線を全周にわたって一層巻
いた試料を準備した。
次にこの自己インダクタンスをマクスウェルブリッジで
測定磁界の強さが0.8 (A/m)以下にて測定し、
これより周波数1 (MHz)での初透磁率を算出した
また、飽和磁束密度は、各リングコアをJIS規格(C
2561)に準じ、自記磁束計法にて、10(Oe)の
磁場での磁束密度を測定した。
さらに、収縮率は熱処理前のリング状成形品と熱処理後
のリング状フェライトコアの外径寸法をそれぞれ測定し
、熱処理前後による寸法収縮率を算出した。引張強度の
測定は、JIS規格(C2564)に準じ、リングコア
に2本の細線をそれぞれ1回通し、うち1本を固定した
後、残り1本を垂直方向に5膳/mi n以下の速度で
引張り、コアが破壊する瞬間の引張り荷重を測定して求
めた。
発明の効果 以上のように本発明によれば、ガラス結着型高密度低収
縮率のフェライト磁性体は、寸法精度が良く、かつ磁気
特性に優れた磁性材料となりしかも安価に製造できると
いうことから、各種磁気応用製品に使われる有用な電子
部品、材料として優れた効果を奏しうるちのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるフェライト磁性体の微細構造の模
式図、第2図は従来の代表的な焼結型フェライト磁性体
の微細構造の模式図である。 1.2・・・・・・高結晶性フェライト磁性粉末、3・
・・・・・ガラス材、4・・・・・・空隙、5・・・・
・・ボア。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高温焼成で十分にフェライト化が進んだ少なくと
    も2種類の粒度分布をもった高結晶性フェライト磁性粉
    末とこの焼成温度より低い軟化点をもつガラス粉末との
    混合物を、このガラス粉末の軟化温度以上でかつ上記高
    結晶性フェライト磁性粉末の焼成温度以下の温度範囲の
    加熱処理により高結晶性フェライト磁性粉末をガラス材
    で結着してなるフェライト磁性体。
  2. (2)高結晶性フェライト磁性粉末とガラス粉末の混合
    物の加熱処理温度を800℃以上で高結晶性フェライト
    磁性粉末の焼成温度以下とした請求項1記載のフェライ
    ト磁性体。
  3. (3)高結晶性フェライト磁性粉末としてその粒度分布
    の1種類が5μm以下の粒径からなる軟質磁性粉末を用
    いた請求項1記載のフェライト磁性体。
  4. (4)高結晶性フェライト磁性粉末に対するガラスの材
    料比率が0.3〜30wt%である請求項1記載のフェ
    ライト磁性体。
  5. (5)高温焼成で十分にフェライト化が進んだ少なくと
    も2種類の粒度分布をもった高結晶性フェライト磁性粉
    末とこの焼成温度より低い軟化点をもつガラス粉末とを
    混合,造粒した混合物を、加熱成形した後、上記フェラ
    イト磁性粉末の焼成温度以下の加熱処理により、この成
    形体中に混在するガラス粉末を軟化溶融させて高結晶性
    フェライト磁性粉末をガラス材で結着するフェライト磁
    性体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003015109A1 (en) * 2001-08-09 2003-02-20 The Circle For The Promotion Of Science And Engineering Composite magnetic material prepared by compression forming of ferrite-coated metal particles and method for preparation thereof
WO2004057627A1 (ja) * 2002-12-20 2004-07-08 The Circle For The Promotion Of Science And Engineering 電源用トランス又はリアクトル及びそれを用いたスイッチング電源、並びに複合磁性粒子粉末成形体とその製造方法
JP2009295985A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Tridelta Weichferrite Gmbh 軟磁性材料、およびこの軟磁性材料から構成される物品の製造方法

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