JPH02235984A - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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JPH02235984A
JPH02235984A JP1055141A JP5514189A JPH02235984A JP H02235984 A JPH02235984 A JP H02235984A JP 1055141 A JP1055141 A JP 1055141A JP 5514189 A JP5514189 A JP 5514189A JP H02235984 A JPH02235984 A JP H02235984A
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JP1055141A
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English (en)
Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
大沢 政志
Kayoko Nakamura
佳代子 中村
Tadao Shoji
東海林 忠生
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Noburu Fujisawa
宣 藤沢
Takeshi Kuriyama
毅 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
DIC Corp
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気光学的表示材料として有用な新規液晶組成
物に関するもので、特に強誘電性を有する液晶材料を提
供するものであり、従来の液晶材料と比較して、特に応
答性、メモリー性にすぐれた液晶表示素子への利用可能
性を有する液晶材料を提供するものである。
〔従来技術〕
現在、広《用いられている液晶表示素子は主にネマチッ
ク液晶を利用したTN型と呼ばれるものであって、多く
の長所・利点を有しているもののその応答性においては
、CRTなどの発光型の表示方式と比較すると、格段に
遅いという大きな欠点があった。TN型以外の液晶表示
方式も多く検討されているが、その応答性における改善
はなかなかなされていない。
ところが、強誘電性スメクチック液晶を利用した液晶デ
バイスでは、従来のTN型液晶表示素子の100〜10
00倍の高速応答が可能で、かつ双安定性を有するため
、電源を切っても表示の記憶が得られる(メモリー効果
)ことが、最近明らかになった。このため、光シャッタ
ーやプリンターヘッド、薄型テレビ等への利用可能性が
極めて大きく、現在、各方面で実用化に向けて開発研究
がなされている。
強誘電性液晶は、液晶相としてはチルト系のキラルスメ
クチック相に属するものであるが、その中でも、実用的
に望ましいものは、最も粘度の低いキラルスメクチック
C(以下、SC”と省略する。)相と呼ばれるものであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
S09相を示す液晶化合物(以下、sc”化合物という
。)はこれまでにも検討されてきており、既に数多くの
化合物が合成されている。しかしながら、これらのsc
”化合物には単独では強誘電性液晶表示用光スイッチン
グ素子として用いるための以下の条件、即ち、 (イ)室温を含む広い温度範囲で強誘電性を示すこと (口)高温域において適当な相系列を有すること (ハ)特にキラルネマチック(以下、N9と省略する。
)相において長い螺旋ピッチを示すこと(二)適当なチ
ルト角を持つこと (ホ)粘性が小さいこと (へ)自発分極がある程度以上大きな値であること さらに (ト)(口)及び(ハ)の結果として良好な配向を示す
こと (チ)(ホ)及び(へ)の結果として、高速の応答性を
示すこと をすべて満足するようなものは知られてぃなかった。
そのため、現在では、sc”相を示す液晶組成物(以下
、sc”液晶組成物という。)が検討用等に用いられて
いるのが、実情である。
良好な配同性を得るためには、例えば、特開昭61−1
53623号公報等に示されているように、S011相
の高温域にN2相を有する液晶において、N”相の螺旋
ピッチの長さを大きくする方法が一般的に有力である。
この場合にSC”相とN”相の中間の温度域にスメクチ
ックA(以下、SAと省略する。)相を有する場合に配
向はより良好となり、螺旋ピッチを大きくするには、左
螺旋を生じさせる光学活性物質と、右螺旋を生じさせる
光学活性化合物を組み合せて用いればよいことも知られ
ている。(ネマチック(以下、Nと省略する。)液晶に
光学活性物質を添加して生じる螺旋ピッチを任意の長さ
に調整することは既に公知の技術である。)しかし、こ
れらの技術によっては良好な配向性は得られるものの、
高速応答性が得られるわけではなかった。
高速応答性を示すには、例えば、第12回液晶討論会に
おける特別講演(同討論会予稿集P.9B)で示されて
いるように、低粘性のスメクチックC(以下、SCと省
略する。)相を・示す母体の液晶組成物(以下、SC母
体液晶という。)に、自発分極(以下、Psと省略する
。)の大きいSC*化合物を添加する方式が優れている
。この方式によれば、螺旋を生じさせる光学活性化合物
の割合が少なくなるため、螺旋ピッチは比較的長くなる
が、配向性が良好となるほど螺旋ピッチを長くしようと
すると光学活性化合物の添加量を少量にす゛る必要があ
り、そのため自発分極が小゛さ《なりすぎ、高速応答性
が得られなくなってしまう問題点があった。
また、SC母体液晶どしてこれまで用いられてきたもの
は、例えば、ジャパン・ディスプレイ゛86講演予稿集
(352ページ〜)又は特開昭6 2−5 8 3号公
報に記載され′ている。
(R,R’はアキラルなアルキル基を表わす。)(R,
R’は上記と同様。)F の如く、化合物自身又はその同族体が、SC相を示すも
のに限られるか、′又はそれ“に加えて分子長軸に対し
て垂直方向に強いダイボール(分極)を示すよう.な液
晶化合物を添加した組成物であり、S−C相の温度範囲
を広く保つと粘性が大きくなり、粘性を小さくするとS
C相の温度範囲が狭くなるという問題点があった。
従って、従来技術では良好な配向性と高速応答性を同時
に実現するのは困難なことであった。
本発明が解決しようとする課題は、高速応答性及び配同
性においてともに充分に満足できる強誘電性液晶組成物
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記課題資解決するために、中温域母体液晶、
減粘液晶及び高温液晶を含有し、スメクチックC相を示
す液晶組成物(以下、本発明で使用するSC母体液晶と
いう。)に、光学活性化合物から成るキラルドーバント
を添加して成る強誘電性液晶組成物であって、特に高温
液晶が次の一般式(A)で表わされる化合物の少なくと
も1種を含有し、室温を含む広い温度範囲でSC1相を
示す強誘電性液晶組成物を提供す゛る。
式中、Ra及びHbは各々独立的に炭素原子数1−71
8の直鎖、状又は分岐状pアルキ・ル基、又・はア一般
式(A)・において Rb はアルキル基である.場合
が好ましく、その中で、待にく(A−1)、 R”がア
ルコキシ恭であ,って、(A−2) R”がアルキル基であらて、 が好ましい。
本発明で使用するSC母体液晶は、そのSC相の高温側
において、降温時に、 (イ)■(等方性液体)相→N相→SA相→SC相の相
系列を有するもの (口)I相→SA相→SC相の相系列を有するもの (ハ)I相→N相→SC相の相系列を有するもの 又は (二)■相→SC相の相系列を有するもののいずれかの
相系列を有するものが用いられるが、(イ)〜(二)の
選択は、同時に用いるキラルドーバントによって異なる
。最も繁用性のあるのは(イ)であり、キラルドーバン
トのネマチック性(SC母体液晶に添加した場合に、N
9相の温度範囲を広げ、SA相の温度範囲を狭くしやす
い傾向)が強い場合には(口)を、キラルドーバントの
スメクチックA性(SC母体液晶に添加した場合に、S
A相の温度範囲を広げ、N”相の温度範囲を狭くしやす
い傾向)が強い場合には(ハ)を、また、SC性が弱く
、N”相やS 相の温度範囲を広げやすい場合などには
(二)を用いるのが、最も適している。重要であるのは
SC”液晶組成物とした場合の相系列であって、一般的
には、■→N”→SA→sc”の相系列が配向性の点で
有利である。一方、■→N9→sc”の相系列も配向制
御方法によっては、より良好な配向を示す場合もあり、
また、大きなチルト角が得やすいので、ゲスト・ホスト
方弐などには適している。
本発明で使用するSC母体液晶は、従来用いられてきた
ようなSC相を示す化合物から成る組成物を用いること
もできるが、より高速応答性を得るためには、以下に示
すような組成物がより好ましい。
即ち、(I)主として2環構造であり、室温に近い温度
でSC相を示す化合物又はその同族体(アルキル鎖のみ
が異なる化合物)から成る組成物(以下、中温域母体液
晶という。)に、(■)2環構造であり、分子中に極性
基が少なく、低粘性の化合物(以下、滅粘液晶という。
)を加えて粘度を低《し、 (III)滅粘液晶を加えることによって低下したSC
相の上限温度を高くするために、TC点(SC相又はS
C*相の上限温度を表わす。)が高く、3環以上の環構
造を有する化合物又はその同族体から成る組成物(以下
、高温液晶という。)を加えて成る組成物である。
(I)中温域母体液晶 本発明で用いる中温域母体液晶とは、それを構成する液
晶化合物が、光学的に不活性であり、2環又は3環構造
であって、3環構造の場合には、少なくとも1環はシク
ロヘキシル環であって、SC相を示す化合物又は、その
アルキル鎖の炭素原子数、形状のみが異った同族体から
成り、その同族体中の少なくとも1種の化合物は10゜
C以上における任意の1゜C以上の温度巾の範囲でモノ
トロビックでもよいSC相を示す化合物である。ただし
、3環構造の場合には、SC相の上限温度が90’C未
満である液晶であり、10′C〜80′cにおける任意
の10゜C以上の温度中でモノトロビックでもよいSC
相を示すものである。
中温域母体として用いられる化合物の代表的なものを以
下に掲げる。ただし、以下に示す一般式において、R,
,R2は各々独立的に炭素原子数1〜18のアルキル基
を表わす。
(I−a) (■ b) (■ C) (■ d) (I f) (1−e) ( I −e−1) (II)  減粘液晶 本発明で用いる減粘液品とは、低粘度の液晶化合物又は
組成物であって、構成する低粘度化合物は2環構造であ
って必ずしもSC相を示さなくてもよいが、中温域母体
液晶に添加することにより、応答性の向上に寄与するも
のであり、両側鎖の少なくとも一方は、アルキル基であ
り、特に望ましくは両側鎖がアルキル基である化合物で
あって、分子内に含まれるエステル結合は1個以下であ
ることを特徴とするものである。
減粘液晶として用いられる化合物の代表的なものを以下
に掲げる。・ただし、以下に示す一般式において、R,
,R.は各々独立的に炭素原子数1〜12のアルキル基
を表わす。
( I[ −a) (■ b) (■ C〉 (■ d) (■ e) 以上の化合物のうち、中温域母体液晶としては、弐(1
−a)及び弐(1−b)で表わされる化合物が好ましく
、式(I−a−1)、弐(1−a2)、式(I−a−5
)、式(1−a−6)、式(I−a−41)、式(r−
a−42)及び式(Ib−1)で表わされる化合物が特
に好ましい。減粘液品としては、式(II 一a)及び
弐(II−b)で表わされる化合物が好ましく、式(I
I 一a−1)式(II−a−6)及び式(II−b−
1)で表わされる化合物が特に好ましい。
(II[)  高温液晶 本発明において用いるところの高温液晶とは、3環ある
いは4環構造からなる光学的に不活性な化合物、あるい
はそれから成る組成物であって、各化合物は前記中温域
液晶からなるSC相の上限温度(以下Tcと略称する)
が、50〜60゛Cの組成物に10%混合した際、その
Tcを3゜C以上上昇しうるちのであり、好ましくは、
少なくとも2環は芳香環(1.4−フェニレン,ピリミ
ジン2,5−ジイル,ピラジン−2,5−ジイル,ビリ
ジン−2,5−ジイル,あるいはそのフッ素置換体)で
あり、Tcが90゜C以上で、かつSC相の温度域が5
゜C以上の温度幅を有する化合物、あるいは、その側鎖
のアルキル基の炭素原子数あるいはその形状が異った同
族体であり、特に、前記一般式(A)で示される化合物
を少なくとも1種構成要素として含むことを特徴とする
ものである。
一般式(A)で表わされる化合物として具体的には、以
下の化合物を挙げることができる。
口 目 目 目 目 目 目 目 目 国 H 目 匡 旨 日 日 目 口 目 口 口 匡 口 旨 国 口 上記中、Cは結晶相、Nはネマチック相、SCはスメク
チックC相、SAはスメクチックA相、SBはスメクチ
ックB相、■は等方性液体相を表わし、m.p.は融点
を、c. p.は透明点を表わす。
高温液晶としては、以下の一般式(D)の化合物を一般
式(A)の化合物と併用して用いることができる。
?中、R1及びR2は各々独立的に炭素原子数1〜18
の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表わし、x1及びX
2は各々独立的に、一〇=, −COOoco−,=s
−又は単結合を表わし、ZI及びZ2は各々独立的にー
Coo  ,  OCO  ,  CHz00CI{2
  ,  COS  , −SCO  ,  CHz−
Cll■CミC一又は単結合を表わし、 目 目 冒 2個の水素のフッ素置換体を表わすが、好ましくは、X
1及びX2の少なくとも1個は単結合であり、Zl及び
Z2の少なくとも1個は単結合であ〜50重量%が好ま
しく、5〜40重量%が特に好ましい。高温液晶の配合
割合は1〜70重量%が好ましく、5〜60重量%が特
に好ましい。
高温液晶中に、上記一般式(A)で示される化合物は1
0%以上、特に50%以上含まれることが好ましい。
/ / らのフッ素置換体)であり、そのうちの少なくと前記中
温域母体液晶、減粘液品及び高温液晶からなるSC母体
液晶において、中温域母体液晶の配合割合は1〜90重
量%が好ましく、5〜75重量%が特に好ましい。減粘
液晶の配合割合は1本発明で使用するキラルドーバント
としては、(1) S C ”相を示す化合物、(2)
 S C ’″相以外の液晶相のみを示す化合物又は(
3)液晶性を全く示さない化合物を用いることができる
が、(3)の場合には、SC母体液晶に添加して得られ
るsc”液晶組成物の液晶性が低下する傾向を防止する
ために、液晶類似の骨格を有する化合物を用いることが
好ましい。
キラルドーパントがsc”液晶組成物にもたらす諸物性
のうち重要なものは、その誘起する螺旋ピッチ、自発分
極の向き及びその大きさであるが、これらはキラルドー
パントを構成する各化合物の光学活性部位により最も大
きな影響を受ける。
これまでキラルドーバント、SC”化合物又はネマチッ
ク液晶への添加剤として用いられてきた光学活性化合物
における光学活性基の代表的なものを以下に掲げる。
(■ CM3 0{−CH2→−T−CH  CzHs(IV−3) CH3 { Cllz+Fr−0 + CHz→.CHC 2I
+ 5 (■ (■ (■ Clh o{−cHzh−0 +CHz÷ycH  CzHs0
          CH3 11        1ゆ C−0+CH2−h−CH ?H3 +C11■−h−CH−R3 CzHs CH3 (■− 1 )    −{−CHZ→TCHCzHs
(TV−8) CH3 0+CH2−+T−CH R3 (■ CH3 CH  CHz  ORs (■ (■ CH3        CI3 0−CHz−Clt−CH2CI{2CHZ−CH−C
I3CB. S +CH2÷;CH(CHzh−CI3(■ CH3 0−CH−R4 (■ CH3 −CH 0−R5 (■ 0        CI!. 11       1・ C−O  CHz  Cll  Rs (■ 吋 O  CHz  Cll  Rs (■ O     CN 11    1ヤ C−0−CI{−R5 (■ O     CF3 1I C−OCHRs (■ ?113 0−CH2−CH−CI■一〇CORs(■ Cll. 0−C}l−CH2 O coRs Cl13 (■ CF3 0  Cl+  Rs (■ o         Clh C  O  (Jlz  CH−CHz  ORs(■ ?H3 0−CH.−CH−CH■−OR, (■ C113 0  CH  CHz  ORs (■ ?HI O {− CIl■−hcH{CH■テ『OR5(■ (:H3 0−cat2−cn−ORS (■ COOCHZ C}l R5 (■ ?N O−CIl■−Ctl  R5 (■ CN CI{−1’ls (IV−83) CH.CN Coo  CH2  Cll  Rs (■ CH2CN O  CHz  CH  Rs 上記各一般式において、mは1〜4の整数を表わし、n
は1〜10の整数を表わし、R3は炭素原子数3〜8の
アルキル基を表わし、R4は炭素原子数2〜10のアル
キル基を表わし、R5は炭素原子数1〜10のアルキル
基を表わし、R6は炭素原子数1〜4のアルキル基を表
わす。
光学活性基として、式(IV− 1 )〜(IV−22
)で表わされる光学活性基のみを含有する光学活性化合
物ではSC母体液晶に添加してsc”液晶組成物とした
際に誘起される自発分極は小さいものが多く、単独でS
C“相を示す場合でもそのほとんどが10nC/cm2
以下にすぎない。
一方、光学活性基として、式(IV−31)〜(■91
)で表わされる光学活性基を含有する光学活性化合物は
、SC母体液晶に添加してsc”液晶組成物とした際に
誘起する自発分極が大きいものが多く、単独でSC9相
を示す場合などでは300nC/cm2以上の大きな値
を示すものも存在する。
このような光学活性基を末端に有するような光学活性化
合物の基本骨格の代表的なものを以下に掲げる。
O ■ ■ 上記各基本骨格中のベンゼン環あるいはシクロヘキサン
環にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メト
キシ基、シアノ基又は二トロ基が置換した各基本骨格も
使用できる。
以上のような基本骨格の片側もしくは両側に前記キラル
基が結合した光学活性化合物がキラルドーパントの構成
成分として有効に使用することができる。特に両側に前
記キラル基が結合した一般弐(B) Ql−  Z  Q2− 〔式中、Q1′′及びQ29は互いに異なった光学活性
基であって、各光学活性基は少なくとも1個の不斉炭素
原子を含有し、かつ、Q12及びQ2″のうち少なくと
も1方の光学活性基は、不斉炭素原子が酸素、イオウ、
窒素、フッ素、塩素のへテロ原子O 又は−(,−  −−CANと直結した構造を有する。
Zは一般式(C) いはこれらの環上の任意の1〜2個の水素原子がフッ素
原子又はシアノ基に置換した構造を表わし、Yl及びY
2は各々独立的にーcoo 一−ocoCHzO   
 OCllz−、一cnzcnz−、−C=CCOS−
、− SCO一又は単結合を表わし、mはO又は1を表
わす。) で表わされる液晶性分子の中心骨格(コア)部分を表わ
す。〕 で表わされる光学活性化合物が好ましい。一般式(B)
の光学活性化合物において、少なくとも一方の光学活性
基が、前記(TV−31)〜(IL−91)で表わされ
る基のいずれかであることが望ましい。
このように、基本骨格の両側に互いに異ったキラル基が
結合した光学活性化合物を用いることによる利点として
以下の点を挙げることができる。
(1)片側にのみキラル基を有する化合物より強い自発
分極を示しうる。
即ち、前記(TV−31)〜(TV−91)で表わされ
る基から選ばれるキラル基と(IV−1 )〜(IV−
 2 2 )で表わされる基から選ばれるキラル基とを
基本骨格の両側に有する化合物と、同一の基本骨格でキ
ラル基としては(IV−31)〜(■91)で表わされ
る基から選ばれる同一の基のみで他の側はアキラルな基
である化合物をそれぞれSC母体液晶に添加して、その
外挿値として自発分極を求めてみると、両側にキラル基
を有する化合物の方が10〜30nC/cm2あるいは
それ以上大きい。(TV−1)〜(IV−22)で表わ
される基に由来する自発分極はたかだか10nC/cm
2程度であるので、両側のキラル基による自発分極の単
純和よりも大きくなっていることがわかる。
さらに(IV−31)〜(TV−91)で表わされる基
から選ばれる基であって互いに異ったキラル基を上記基
本骨格の両側に有するような化合物では、両方のキラル
基による自発分極の極性(よく知られた強誘電性液晶で
ある(S)−2−メチルブチルb−デシルオキシベンジ
リデンアミノフエニルシンナメート(DOBAMBC)
の極性をeと決める。)を同一にあわせた場合には非常
に大きい自発分極を得ることができる。
この場合には両側のキラル基による自発分極の単純和よ
りもさらに100nC/cm2あるいはそれ以上に大き
な自発分極を得ることもできる。
キラルドーパントとしてはその誘起しろる自発分極が大
きい程、その使用量が少なくてもすむので、低粘性のS
C母体液晶の割合を多くすることができ、その結果、s
c”液晶組成物の低粘度化が可能となる。結果として、
応答性の向上につながるものである。
(2)  N”相あるいはsc”相に誘起する螺旋ピッ
チが非常に長い化合物、及び非常に短い化合物など、螺
旋ピンチを調整することが可能である。
前述のように良好な配同性を得るためには、そのN”相
あるいはSC”相における螺旋ピッチが長いことが重要
である。キラルドーパントは全体として螺旋ピッチが調
整されていればよいのであって、個々の化合物について
は、必ずしもその必要はないが、キラルドーパントの主
成分としてはある程度螺旋ピッチが長い方が、その調整
が容易である。また、螺旋ピッチ調整を主目的として加
える化合物では、その螺旋ピッチが短い程、その添加量
を押えることができるので好都合である。
螺旋ピッチを長くするには、両側のキラル基による螺旋
ピッチの向きが互いに相反すればよいが、(IV−31
)〜(IV−91)で表わされる基から選ばれる基を両
側に有する化合物では、その自発分極の極性は同一であ
ることが好ましい。
(3)大きな自発分極を示しうる特に(IV−31)〜
(IV−91)で表わされる基から選ばれるキラル基で
あって、不斉合成、光学分割等の化学的手法により得ら
れたものは、その光学純度は必ずしも100%ではない
ものが多いが、これらを100%に精製するのはかなり
困難である。しかしながら、天然物から得られた(S)
−−2−メチルブタノール由来のキラル基、あるいは微
生物工学的手法で得られるような光学純度の極めて高い
キラル基と組み合わせれば、これらはジアステレオマー
となるため、クロマトグラフィー、再結晶による分離が
容易となり光学純度を100%に近づけることができる
一i式(B)の化合物は、キラルドーパントの構成成分
として10%以上、好ましくは30%以上、特に好まし
くは50%以上用いるのが有効である。
一般式(B)の化合物中で、特に好ましい基本骨格とキ
ラル基の組み合せを有する化合物を以下に示す。
■ 上記一般式中、R4及びR4′ぱ各々独立的に炭素原子
数2〜10のアルキル基を表わし、R5及びR5′は各
々独立的に炭素原子数1〜1oのアルキル基を表わし、
R7は炭素原子数2〜1oの直鎖状のアルキル基又は炭
素原子数3〜1oの分岐状のアルキル基、又は炭素原子
数4〜1oの少な《とも1個の不斉炭素を含む光学的活
性なアルキル基を表わし、lは0〜5の整数を表わし、
Yは単結合、−o−, −oco−+ −coo−,又
は一〇C00を表わし、Wは、塩素フッ素又は一〇−C
I13を表わし、Z′は、 C00 OCO  , CH20, OCH2l又は単結合を水
素原子がフッ素原子又はシアン基で置換されていてもよ
い。
上記のキラルドーパントは、SC母体液晶中に1〜60
重量%の割合で添加してSC1液晶組成物として用いる
のが適当であるが、さらに好ましくは2〜50重量%の
割合で添加することが好ましい。キラルドーバントの添
加割合が60重景%より多いと、自発分極は増加するが
、キラルドーパント自体が母体液晶にくらべるとはるか
に粘性が大きいため、SC“液晶組成物の粘度が太き《
なり、結果的に高速応答性に悪影響を与える傾向にある
ので好まし《ない。また、キラルドーパントの添加量の
増加はその螺旋ピッチを短くするために配同性にも悪影
響を与える傾向にあるので好ましくない。一方、キラル
ドーパントの添加割合が1重景%より少ないと、自発分
極があまりに小さくなりやはり高速応答性は望めない。
SC*液晶組成物の自発分極の値は、3〜30nC/c
m2の範囲にあるようにキラルドーバントの添加割合を
調整することが好ましく、sc”相を示すキラルドーパ
ントの場合、単独で100nC/Clll”程度の自発
分極を示すか、又はそれに相当する強さの自発分極を誘
起するキラルドーバントの場合、キラルドーパントの添
加割合は10〜40重景%の範囲が好ましく、3 0 
0 nC/cm”以上の強い自発分極を示すキラルドー
バントの場合、キラルドーバントの添加割合は、2〜2
5重景%の範囲が好ましい。キラルドーパントの誘起す
る自発分極が強い程、その最も望ましい添加割合は減少
するが、例示した光学活性化合物からなるキラルドーパ
ントではその添加割合が1重量%を下回ることはない。
本発明のSC*液晶組成物は、等方性液体状態からの冷
却時においてN*相、次いでSA相を経てS04相へと
相転移するが、そのl’9 N ”相からSA相への相
転移温度(以下N”−SA点という。)から、該N″−
SA点の1度高温側までにおけるN9相に出現する螺旋
のピッチが3μm以上であるSC*液晶組成物がより好
ましく、該螺旋のピッチが10μm以上であり、N“一
SA点に近づくにつれて該螺旋のピッチが発散的に大き
くなるsc”液晶組成物が特に好ましい。
一般式(B)の光学活性化合物のうち、両側のキラル基
Q”,Q”“によってN”相に誘起される螺旋の向きが
互いに逆であるような化合物では、その誘起する螺旋ピ
ッチはかなり長いため、このような化合物をキラルドー
バントの主成分として用いる場合には、螺旋ピッチ調整
が不要であるか、あるいは容易であることが多いが、一
般的には以下のようにして螺旋ピッチを長く調整するこ
とができる。
複数の光学活性化合物を含むsc”液晶組成物のN”相
に出現する螺旋のピッチP(μm)は各光学活性物質の
濃度をCi、各単位濃度あたりの螺旋のピッチをPi 
 (μm)とするとおり、 (ここでは螺旋のピッチは
右巻きを正、左巻きを負とする。)、これを用いてSC
”液晶組成物のSA−N”点T。におけるP・をI〕エ
1とする時、となるようにCiを選べばよい。ここでP
i はN相を有する該SC母体液晶に各光学活性化合物
を単位濃度添加することにより測定が可能である。
実際にはT。は各Ciによって変化するが、各光学活性
化合物を該SC母体液晶中に、濃度ΣCiだけ添加した
ときのSA−N”点の変化などから、かなり正確に類推
できることが多く、推定値T0′とそれを用いて選ばれ
た組成物のT0とが大きく異なる場合にはT0′に換え
てT。を用いて再度測定すればよい。
本発明のSC9液晶組成物のN“相を示す温度範囲は、
3度以上30度未満の範囲が好ましい。
N”相を示す温度範囲が、3度未満である場合、降温時
にすみやかにSA相に相転移するため、N″′相で液晶
分子を充分に配向しにくくなる傾向にあるので好ましく
ない。また、N”相を示す温度範囲が30度以上である
場合、SC″″液晶組成物の透明点が高温になり、セル
に液晶材料を充填する工程等における作業性に悪影響を
及ぼす傾向にあるので好ましくない。
キラノレドーバントは、キラノレドーバント自体の液晶
性の有無にかかわらず、SC母体液晶に添加した場合に
、 (1)  N”相を示す温度範囲を拡大する傾向にある
もの、又は (2)  N”相を示す温度範囲を縮小する傾向にある
もの など、それぞれ固有の性質を有している。本発明のSに
液晶組成物のN′″相を示す温度範囲を上記の好ましい
範囲に謝整するためには、(1)の場合、N相を示す温
度範囲が狭いSC母体液晶、又は、N相を示さないSC
母体液晶を用いればよく、(2)の場合、N相を示す温
度範囲が広いSC母体液晶を用いればよい。この方法は
、N”相に限らず、SA相及びSC″′相についても同
様に応用することができる。例えば、キラルドーバント
がS01液晶組成物のSA相のみを拡大し、N”相及び
SC”相を縮小するような場合には、SC母体液晶とし
て、SC相の上限温度が高《、N相の温度範囲が広く、
かつ、SC相→N相→I相の相系列を有するもの、又は
SA相の温度範囲が狭<SC相→SA相→N相→I相の
相系列を有するものを用いればよい。
このようなキラルドーバントの傾向は、SC母体液晶に
一定量のキラルドーパントを添加して得られるSC″′
液晶組成物の相転移温度の変化を測定することにより、
容易に知ることができる。この結果から、SC9液晶組
成物における各相、特にN”相を示す温度範囲は容易に
調整することができる。
本発明で使用するキラルドーパントとしては、一定量の
SC母体液晶に添加することによって、ある程度以上の
自発分極(以下、P5と省略する.)を誘起することが
必要である。
前述の如く、SC*液晶組成吻としては、そのP3の値
が、特に室温付近で3〜30nC/cm2の範囲になる
ようにキラルドーパントの添加量を調整すればよい。し
かしながら、キラルドーバントが誘起するP5の値が小
さい場合には、その添加量がSC母体液晶に対して多く
なり、これに伴なってsc”液晶組成物の粘性が大きく
なり、その結果、高速応答性が得られなくなる傾向にあ
るので好ましくない。従って、本発明で使用するキラル
トーバン1・とじては、SC母体液晶に10重量%添加
した場合に1.OnC/cmz以上のP5を誘起できる
ものが好ましく、5重量%添加した場合に0.5nC/
cm2以上のPsを誘起できるものが特に好ましい。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本
発明の主旨及び適用範囲は、これらの実施例によって限
定されるものではない。なお、実施例中、F%」は重量
%を表わす。また組成物の相転移温度の測定は、温度調
節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(D
SC)を併用して行った。
実施例I SC母体液晶に添加してsc”液晶組成物とした際に、
N“相に右巻きの螺旋を出現させる化合物として、式 (この化合物を以下に示したSC母体液晶に10%添加
した際にN”相に出現させる螺旋のピッチは60゜Cに
おいて4.7μmである。)の化合物73%と、左巻き
の螺旋を出現させる化合物として、式 (この化合物を以下に示したSC母体液晶に10%添加
した際にN”相に出現させる螺旋のピッチは60゜Cに
おいて11.9μmである。)の化合物27%とを混合
して、N′″相に出現させる螺旋のピッチが調整された
キラルドーパントを8周製した。
このキラルドーパントを、以下に示したSC母体液晶に
10%添加して得たSC”液晶組成物の25゜Cにおけ
る自発分極の値は、5.5nC/cm2であった。
用いたSC母体液晶は前記一般式(I−a−1)で表わ
される化合物から から成る組成物(以下、母体液晶(A)という。)であ
り、57゜C以下でSC相を、64.5゜C以下でSA
相を、69゜C以下でN相を各々示した。なお60゜C
におけるピッチの値は外挿的に求めた値である。
次に減粘剤として前記一般式(II−a−6)で表わさ
れる化合物から、 40% 40% 及び 20% から成る滅粘液晶組成物を調製した。
次に上記キラルドーパント20%、母体液晶(A)54
.4%、減粘液晶組成物13.6%及び、高温液晶とし
て前記式(I−14)の化合物12%からなるSC′″
液晶組成物を調製した。
このSC“液晶組成物のsc”相の上限温度(Tc)は
64.5゜Cであった。
このSC1液晶組成物を、配向処理(ポリイミドコーテ
ィング−ラビング処理)を施した2枚のガラス透明電極
からなる厚さ約2μmのセルに充填し、■相から室温ま
で徐冷を行ったところ、極めて良好な配向性を示し、均
一なモノドメインが得られた。
このセルに電界強度1 0 VP−P/μm, 5 0
 Hzの矩形波を印加してその電気光学応答速度を測定
したところ、25゜Cで53μ秒の高速応答性が確認さ
れた。
このときのチルト角は23.4゜、自発分極は1 6.
 0 nC/cm2であり、コントラストは良好であっ
た。
実施例2 実施例1において、高温液晶として、式(■14)の化
合物に代えて、前記式(III−23)の化合物と前記
式(Hl−24)の化合物の等量混合物を用いた以外は
、実施例1と同様にしてSC9液晶組成物を調製した。
そのTcは55.5゜Cであった。
実施例1と同様にして、その電気光学応答速度を測定し
たところ、25゜Cで47μ秒と高速応答性を示した。
このときのチル1・角は20.9°てコン1・ラス1・
は良好であった。
〔発明の効果] 本発明の強誘電性液晶組成物は、配向性及び高速応答性
に優れており、かつ、室温を含む広い温度範囲で作動が
可能な液晶材料である。
従って、本発明の強誘電性液晶組成物は、強誘電性スメ
クチック液晶を利用した液晶デハイスの材料として極め
て有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、中温域母体液晶、減粘液晶及び高温液晶を含有し、
    スメクチックC相を示す液晶組成物に、光学活性化合物
    から成るキラルドーパントを添加して成る強誘電性液晶
    組成物であって、高温液晶が一般式(A) ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、R^a及びR^bは各々独立的に炭素原子数1
    〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ
    ル基を表わし、▲数式、化学式、表等があります▼は▲
    数式、化学式、表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼又は▲数式、化学式
    、表等があります▼を表わす。) で表わされる化合物を含有することを特徴とする、室温
    を含む広い温度範囲でキラルスメクチックC相を示す強
    誘電性液晶組成物。 2、R^aが炭素原子数1〜18の直鎖状又は分岐状の
    アルコキシル基であり、▲数式、化学式、表等がありま
    す▼が ▲数式、化学式、表等があります▼である請求項1記載
    の強誘電性液晶組成物。 3、R^aが炭素原子数1〜18の直鎖状又は分岐状の
    アルキル基であり、▲数式、化学式、表等があります▼
    が▲数式、化学式、表等があります▼ である請求項1記載の強誘電性液晶組成物。 4、キラルドーパントが一般式(B) Q^1^*−Z−Q^2^* 〔式中、Q^1^*及びQ^2^*は互いに異なった光
    学活性基であって、各光学活性基は少なくとも1個の不
    斉炭素原子を含有し、かつ、Q^1^*及びQ^2^*
    のうち少なくとも1方の光学活性基は、不斉炭素原子が
    酸素、イオウ、窒素、フッ素、塩素のヘテロ原子又は▲
    数式、化学式、表等があります▼、−C≡Nと直結した
    構造を有する。Zは一般式(C) ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、
    化学式、表等があります▼及び▲数式、化学式、表等が
    あります▼ は各々独立的に▲数式、化学式、表等があります▼、▲
    数式、化学式、表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、
    表等があります▼、▲数式、化学式、表等があります▼
    、▲数式、化学式、表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、
    表等があります▼、▲数式、化学式、表等があります▼
    あるいはこ れらの環上の任意の1〜2個の水素原子がフッ素原子又
    はシアノ基に置換した構造を表わし、Y^1及びY^2
    は各々独立的に−COO−、−OCO−、−CH_2O
    −、−OCH_2−、−CH_2CH_2−、−C≡C
    −、−COS−、−SCO−又は単結合を表わし、mは
    0又は1を表わす。) で表わされる液晶性分子の中心骨格(コア)部分を表わ
    す。〕 で表わされる光学活性化合物を含有する請求項1、2、
    又は3記載の強誘電性液晶組成物。
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