JPH0223016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、車載用機器の取付ブラケツトに関す
る。

［考案の技術的背景］ 従来、乗用車等の車内にカーラジオ、カーステ
レオ等の音響機器或いは無線等の車載用機器を取
付ける際には、ダツシユボードに設けられた専用
の空間にこれらを嵌め込んで固定する場合が一般
的である。また、機器の操作性及び車内空間の合
理的活用の観点から、ダツシユボードの下にブラ
ケツトを用いて吊り下げる形状のものも知られて
おり、これらは取付位置調整の為に、機器の位置
を上下方向或いは前後方向にスライドさせて位置
を変更させられる様になつている。

［背景技術の問題点］ しかし乍ら、上述した様な従来の取付構造で
は、機器の位置を上下方向或いは前後方向にスラ
イドさせて位置変更できるとはいえ、位置を変更
する為には、結局ビス等を緩めてスライドさせ、
再び固定しなければならず、状況に応じて手軽に
位置変更することはできない。また、機器の向き
についても、同様にビス等を緩めて、機器を新た
に設置し直さねばならず、機器の向きの変更も容
易ではなかつた。

特に、その操作が複雑な無線機等において、操
作部の位置及び向きは操作性に極めて大きな影響
を与える為、この様に位置及び向きの変更が容易
にできないことは、機器の操作性を低下させる。
なぜなら、機器の位置及び向きがたとえ操作性を
考えて設定されたとしても、使用状況や操作者の
姿勢によつてはそのままでは操作し難い場合が存
在する。また、スペース等の制限により不都合な
位置及び向きに設定しなければならないときで
も、操作時だけ移動させるならば支障もなく操作
性が発揮できる場合も多い。従つて、その様な場
合にも、位置及び向きの変更が容易にできない従
来のブラケツトでは操作性の向上が図れない。さ
らに、機器をコンソールボツクスに取付けた場合
に、運転席において操作性の高い位置及び向きに
設置したとしても、他の座席からの操作は行えな
い。

また、以上の様な位置及び向きの変更の困難性
は、逆に機器の取付位置を制限することにもな
り、このことは、車内空間の合理的活用の面から
も問題であつた。

［考案の目的］ 本考案は、以上述べた様な従来の車載用機器の
取付構造の欠点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、機器の位置及び向きを容易に動かし得
ることによつて、機器の操作性を高めると共に、
車内空間の合理的活用を可能とする様な車載用機
器の取付ブラケツトを提供することである。

［考案の概要］ 本考案による車載用機器の取付ブラケツトは、
下側基板の上に、上側基板をスライド可能な第１
の取付手段を用いて重ね合せて、この上側基板の
上部には、回転金具を水平方向に回動可能に取付
け、この回転金具と上側基板との間に回転金具の
回転操作により係脱可能な固定手段を設け、さら
にこの回転金具の上に、車載用機器を一定以上の
力で上下方向に回動可能とする第２の取付手段に
て取付けることにより、車載用機器の前後移動及
び上下方向・水平方向の向きの変更を容易にした
ものである。

［考案の実施例］ 以上述べた様な本考案による車載用機器の取付
ブラケツトの一実施例を図面を用いて具体的に説
明する。

第１図において、上下２枚の基板１，２が重ね
られ、上側基板１の左右両側には前後に延びるス
ライド用の溝３が設けられ、この溝３には下側基
板２よりスライド補助用ピン４及びスライド固定
用ツマミ５が嵌め込まれている。また、上側基板
１の上部には回転金具６が配置され、上側基板１
の下側より嵌め込まれた締付用ビス７によつて、
ベアリング８を介して回動自在に支持されてい
る。そして、回転金具６のビス受け孔９の周囲か
ら一定の距離上には、任意の数の回転固定用孔１
０が、円形に等間隔毎に設けられている。

一方、上側基板１の上には回転調整用のボール
１１とスプリング１２とが支持筒１３の中に挿入
された状態で設けられている。これらの配置及び
構成は、ボール１１が回転固定用孔１０に嵌め込
まれて回転金具６が固定されると共に、回転金具
６の回転方向に一定以上の押圧力が加えられる
と、ボール１１が押されてスプリング１２が縮
み、ボール１１が回転固定用孔１０より押し出さ
れる様になつている。

さらに、回転金具６の左右両端は上方に向かつ
て垂直に屈曲して側板６ａを構成しており、この
両側の側板６ａの同じ位置には、軸受孔１４及び
角度用スリツト１５が設けられている。なお、車
載用機器１６は、この回転金具６の上に側板６
ａ，６ａに狭み込まれて配置され、この機器１６
の両側には、軸１７とネジ孔１８が設けられてい
る。そして、軸１７が軸受孔１４に挿入され、一
方、ネジ孔１８には樹脂製のスペーサ１９を介し
て角度用スリツト１５を貫通したネジ２０が嵌め
込まれ、このネジ２０により回転金具６に対し車
載用機器１６が取付けられている。ネジ２０は角
度用スリツト１５上をスライドできる様な径とさ
れており、また、通常は機器１６を固定する一
方、一定以上の力によつてスペーサ１９の部分で
滑りを生じ機器１６が上下方向に回動する様に調
整されている。

以上の様な構成を有する本実施例は、次の様な
作用を有する。

まず、車載用機器を前後移動させる際には、ス
ライド補助用ピン４及びスライド固定用ツマミ５
を調整して、上側基板１をスライドさせ任意の位
置に固定することで、容易に前後移動できる。ま
た、水平方向における向きを変える際には、回転
金具６に回転方向へ力を加えることによつて、ベ
アリング８の作用で回転金具６を容易に回転させ
られる。そして、この回転の際には、回転固定用
孔１０に嵌込まれていたボール１１が押圧され
て、スプリング１２が縮み、ボール１１は回転固
定用孔１０より押出される。そして、位置の設定
時にはスプリング１２がボール１１を押圧して、
ボール１１が再び回転固定用孔１０に嵌込まれ、
回転金具６を固定する。従つて、一定以上の力を
加えて回転させるだけで、水平方向における向き
の変更及びその固定が容易にできる。さらに、上
下角度を変える場合には、車載用機器１６はネジ
２０が挿入された角度用スリツト１５の部分で樹
脂製のスペーサ１９を介して回転金具６に対しス
ライド可能となつているため、車載用機器１６に
一定以上の力を加えれば、角度用スリツト１５に
ガイドされるネジ２０の移動に従つて車載用機器
１６の上下角度が変化する。その際、任意の位置
において力を加えることを止めれば、機器はそこ
で静止し固定される。従つて、水平方向の場合と
同様一定以上の力を加えるだけで、上下方向の向
きの変更及び固定が容易にできる。

以上述べた様に、本考案の車載用機器の取付ブ
ラケツトによれば、車載用機器の前後の位置及び
上下・水平方向の向きを容易且つ自由に変えられ
るため、車載用機器の操作性の向上が可能とな
る。そして、この様な可動性はまた車載用機器の
取付位置の範囲の拡大に貢献する。

次に、回転金具６及びスペーサ１９部の他の実
施例について第２図乃至第４図を用いて説明す
る。

第２図に示す様に、回転金具６の側板６ａの上
部には軸受孔１４が設けられ、その下方の軸受孔
１４を中心とする円弧上に角度用スリツト１５が
設けられている。この角度用スリツト１５の下側
形状は、ネジ２０固定の為に波形をなしている。

第３図は、スペーサ１９を示す図である。略四
角形をなすスペーサ１９の本体には、対角線上の
上部に軸受用の長孔２１が、下部にネジ孔２２が
設けられている。また、このスペーサ１９の左右
には、本体部と段差を付けられた脚部１９ａが形
成され、それぞれに機器固定用のネジ孔２３が設
けられている。

そして、回転金具６及びスペーサ１９は、第４
図に示すように、それぞれの軸受孔１４，２１内
には軸ネジ２４が、また角度用スリツト１５及び
ネジ孔２２内にはガイドネジ２５が嵌込まれてい
る。軸ネジ２４は、回転金具６の軸受孔１４に回
動自在に支持される一方、スペーサ１９の軸受用
の長孔２１にスライド自在に支持されている。ガ
イドネジ２５は回転金具６の角度用スリツト１５
にスライド自在に支持される一方、スペーサ１９
のネジ孔２２に回動自在に支持される。なお、ス
ペーサ１９は、その脚部１９ａに設けられたネジ
孔２３に嵌込まれた固定用のネジ２６によつて車
載用機器１６に固定されている。

以上述べた様な本実施例の回転金具６及びスペ
ーサ１９は次の様に作用する。

即ち、通常の場合には、ガイドネジ２５が回転
金具６の角度用スリツト１５の波形の任意の凹部
に支持され、軸ネジ２４がスペーサ１９の軸受用
の長孔２１の上部に支持されて、回転金具６に対
しスペーサ１９が固定され、従つて車載用機器１
６が固定される。

そして、上下角度を変更する際には、スペーサ
１９を対角線方向に持上げて、ガイドネジ２５を
角度用スリツト１５の波形の凹部から離脱させて
波形の凸部上に上昇させ、その後、任意の位置ま
でスペーサ１９を移動して、再びガイドネジ２５
が凹部に嵌込まれる様にしてスペーサ１９を固定
する。この際軸ネジ２４は、スペーサ１９の軸受
用の長孔２１を孔の長軸方向にスライドするた
め、これに従つて上記のスペーサ１９の移動が可
能とされる。

［考案の効果］ 以上述べた様に本考案によれば、車載用機器の
位置及び向きの変更及び固定が容易にできるの
で、操作性の向上に大いに効果があると共に、車
載用機器の取付位置の範囲の拡大に貢献し、車内
空間の合理的活用を可能とする様な車載用機器の
取付ブラケツトを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車載用機器の取付ブラケ
ツトの一実施例を示す分解斜視図、第２図乃至第
４図は本考案による車載用機器の取付ブラケツト
の構成の一部における他の実施例を示す図で、第
２図は回転金具の側面図、第３図はスペーサの平
面図、第４図は回転金具及びスペーサの使用例を
示す上方からの側面図である。 １……上側基板、２……下側基板、３……スラ
イド用の溝、４……スライド補助用ピン、５……
スライド固定用ツマミ、６……回転金具、７……
締付け用ビス、８……ベアリング、９……ビス受
け孔、１０……回転固定用孔、１１……ボール、
１２……スプリング、１３……支持筒、１４……
軸受孔、１５……角度用スリツト、１６……車載
用機器、１７……軸、１８……ネジ孔、１９……
スペーサ、２０……ネジ、２１……軸受用の長
孔、２２……ネジ孔、２３……ネジ孔、２４……
軸ネジ、２５……ガイドネジ、２６……ネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下側基板上に上側基板をスライド可能な第１
   の取付手段を用いて重ね合せて、この上側基板
   の上部には回転金具を水平方向に回動可能に取
   付け、この回転金具と上側基板との間に回転金
   具の回転操作により係脱可能な固定手段を設
   け、さらにこの回転金具上に、車載用機器を一
   定以上の力で上下方向に回動可能とする第２の
   取付手段にて取付けたことを特徴とする車載用
   機器の取付ブラケツト。 (2) 下側基板に対する上側基板のスライド可能な
   第１の取付手段がツマミ、ピン及びスライド用
   の溝から構成されるものである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の車載用機器の取付ブラケ
   ツト。 (3) 回転金具の回動がベアリングによつて行われ
   る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
   載の車載用機器の取付ブラケツト。 (4) 回転金具と上側基板との間の固定手段が、ボ
   ール及びスプリングとこのボールが嵌め込まれ
   る孔から構成されるものである実用新案登録請
   求の範囲第１項、第２項又は第３項記載の車載
   用機器の取付ブラケツト。 (5) 回転金具への車載用機器の第２の取付手段
   が、回転金具と車載用機器を軸で連結すると共
   に、回転金具上に角度用スリツトを設け、ここ
   に車載用機器の所定の位置に取付けられたネジ
   等のガイドがスライド可能に支持されるもので
   ある実用新案登録請求の範囲第１項、第２項、
   第３項又は第４項記載の車載用機器の取付ブラ
   ケツト。 (6) 回転金具への車載用機器の第２の取付手段
   が、車載用機器の両側に樹脂製等のスペーサを
   固定し、回転金具と車載用機器を軸で連結する
   と共に、回転金具上に角度用スリツトを設け、
   ここにスペーサの所定の位置に取付けられたネ
   ジ等のガイドがスライド可能に支持されるもの
   である実用新案登録請求の範囲第１項、第２
   項、第３項又は第４項記載の車載用機器の取付
   ブラケツト。