JPH0222522Y2 - - Google Patents

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JPH0222522Y2
JPH0222522Y2 JP1982048399U JP4839982U JPH0222522Y2 JP H0222522 Y2 JPH0222522 Y2 JP H0222522Y2 JP 1982048399 U JP1982048399 U JP 1982048399U JP 4839982 U JP4839982 U JP 4839982U JP H0222522 Y2 JPH0222522 Y2 JP H0222522Y2
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hydraulic clutch
hydraulic
clutch type
transmission
switching valve
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Description

【考案の詳細な説明】
この考案は、農用トラクタとか乗用田植機とか
ホイールローダ等の自走式作業車におけるトラン
スミツシヨン装置に、関するものである。 この種のトランスミツシヨン装置をして油圧ク
ラツチ式変速装置を備えたものに構成するとき
は、油圧クラツチ式変速装置がコンスタント・メ
ツシユ型の変速歯車列を備えていて油圧クラツチ
の選択的な作動により変速段を切替えられるもの
であることから、自走式作業車の主クラツチをい
ちいち切らなくとも変速操作を行なえると共に、
変速操作自体も油圧クラツチ用の切換弁を変位操
作することで行なわれるから楽であつて、変速操
作が極めて容易となる。しかしながら反面におい
て、この種の油圧クラツチ式変速装置の変速段数
を増すときは、油圧クラツチの個数、したがつて
比較的嵩張ると共に高価につくクラツチハウジン
グの個数、が増すといつた不都合が出て来る。 次に上記のような油圧クラツチ式変速装置を中
立状態とする、つまり該変速装置における全油圧
クラツチを非作動状態として該油圧クラツチを装
架するパワーシフト軸上の遊転歯車の全てをフリ
ー回転し得る状態とすると、理論上は油圧クラツ
チ式変速装置部分で動力伝導径路が遮断されて、
エンジンと該エンジンにより油圧クラツチ式変速
装置を介し変速駆動される車輪とか作業機とかの
間の接続が断たれ、稼働中のエンジンから車輪と
か作業機とかに対し、或は傾斜地で自動的に回転
しようとする車輪からエンジンに対し、動力の伝
達は起きない筈であるが、実際にはこのような場
合でも、エンジン或は車輪から一定の回転トルク
が油圧クラツチ式変速装置部分に伝達されて、該
変速装置の油圧クラツチにおける摩擦エレメント
同士が若干の係合力でもつて係合し、予期しない
動力伝達が生じることがある。そしてこのよな不
測の動力伝達による車輛不測発進等の危険を避け
るために、油圧クラツチ式変速装置が中立状態に
もたらされると自動的に該変速装置従動側を制動
するブレーキを設けることは、例えば特開昭53−
45830号公報に開示されているように、公知であ
る。 この考案の目的とするところは、自走式作業車
のトランスミツシヨン装置中に油圧クラツチ式変
速装置を設けようとするとき、従来は1組のみの
油圧クラツチ式変速装置を設けるのが常識であつ
たのに対し、油圧クラツチ式変速装置を2組設け
て、油圧クラツチの個数の増加を抑えつつ油圧ク
ラツチ式変速装置による変速段数を高めることに
より、前記のような不都合を解消すると共に、特
に、油圧クラツチ式変速装置の中立状態で該変速
装置従動側を自動的に制動する前記のようなブレ
ーキを省略するように図つてある、自走式作業車
における新規なトランスミツシヨン装置を、提供
するにある。 第1,2図に図示の実施例について、この考案
に係るトランスミツシヨン装置の構成を説明する
と、第1図において1は、農用トラクタのミツシ
ヨンケースである。このミツシヨンケース1は図
示の場合、前方側に位置する第1のミツシヨンケ
ース1Aと後方側に位置する第2のミツシヨンケ
ース1Bとに2分割されており、その間には鉛直
な油路形成板2を挾持させてある。そしてミツシ
ヨンケース1内には油路形成板2の前後におい
て、車速変速用の第1の油圧クラツチ式変速装置
3と第2の油圧クラツチ式変速装置4とを、設け
てある。すなわちミツシヨンケース1内には第1
のミツシヨンケース1A内において、該第1のミ
ツシヨンケース1Aと一体的に形成した支壁5と
油路形成板2とに前後端部を支持させて主駆動軸
6を、機体前後方向に沿わせて設けてあり、この
主駆動軸6を農用トラクタの主クラツチを介して
エンジン(以上、図示せず。)へと接続し、該主
駆動軸6から走行駆動力と作業機駆動力とを振り
分けて、走行駆動力は図外の駆動車輪方向へ、作
業機駆動力は図外のPTO軸方向へ、それぞれ伝
達するようになされているのであるが、該主駆動
軸6と平行するパワーシフト軸7が、油路形成板
2を貫通させ第1のミツシヨンケース1内と第2
のミツシヨンケース1B内とにまたがらせて、設
けられている。そして第1の油圧クラツチ式変速
装置3は上記パワーシフト軸7を従動側の伝動軸
とし、また第2の油圧クラツチ式変速装置4は該
パワーシフト軸7を原動側の伝動軸として、それ
ぞれ次のようなものに構成されている。 すなわち先ず第1の油圧クラツチ式変速装置3
は、同様に第2図に示すように、主駆動軸6上に
固定設置したF1歯車8F1,F2歯車8F2及びR歯
車8Rと、パワーシフト軸7上に遊嵌設置した
F1歯車9F1,F2歯車9F2及びR歯車9Rとの、
相当するもの同士を直接に(F歯車同士)或は油
路形成板2に支軸10を介し支持させた遊嵌自在
なR中間歯車11を介し間接に噛合せると共に、
パワーシフト軸7上でその上の上記各歯車9F1
9F2,9Rに配して該各歯車9F1,9F2,9R
を選択的にパワーシフト軸7に結合するための多
板式のF1油圧クラツチ12F1,F2油圧クラツチ
12F2及びR油圧クラツチ12Rを設けあるも
のに、構成されている。以上よりして第1の油圧
クラツチ式変速装置3は、上記各油圧クラツチ1
2F1,12F2,12Rを選択的に作動させ、F1
油圧クラツチ12F1の作動によつては前進1速
F1の変速比で、F2油圧クラツチ12F2の作動に
よつては前進2速F2の変速比で、またR油圧ク
ラツチ12Rの作動によつては後進1速Rの変速
比で、それぞれ選択的に主駆動軸6とパワーシフ
ト軸7間を連動連結するものとされている。なお
図示の場合には図外のエンジンの回転数を減速し
て主駆動軸6に入力させることとしてあり、その
ためには主クラツチを介しエンジンにて駆動され
る入力軸13を別に設けて、この入力軸13の後
端部に嵌着された小径歯車14を、前記F1歯車
9F1と一体形成して該F1歯車9F1と共にパワー
シフト軸7の前端部に遊嵌してある大径歯車15
と噛合せ、歯車14,15の組合せからなる減速
歯車列と歯車9F1,8F1の組合せからなる他の
減速歯車列とを介、入力軸13と主駆動軸6とを
接続してなる。 次に第2のミツシヨンケース1B内に配設され
た第2の油圧クラツチ式変速装置4は、高低2段
の変速を行なうものに構成されていて、パワーシ
フト軸7の延長線上に配した伝動軸16の前端部
にH歯車17Hを嵌着すると共に、パワーシフト
軸7にL歯車17Lを遊嵌してあるものとされて
いる。そして主駆動軸6の延長線上で第2のミツ
シヨンケース1B内には伝動軸18を設けてあ
り、この伝動軸18に上記L歯車17Lと噛合さ
れたL歯車19と上記H歯車17Hと噛合された
歯車20とを嵌着すると共に、パワーシフト軸7
上において、H歯車17Hを選択的に該パワーシ
フト軸7に結合するための多板式のH油圧クラツ
チ21HとL歯車17Lを選択的にパワーシフト
軸7に結合するための多板式のL油圧クラツチ2
1Lとを、設けてある。すなわち後者のL油圧ク
ラツチ21Lが油圧クラツチ式変速装置において
通例であるように、パワーシフト軸7上の遊転変
速歯車17Lを該パワーシフト軸7に結合するも
のに構成されているのに対し、前者のH油圧クラ
ツチ17は、パワーシフト軸7とは切離されてい
る伝動軸16に嵌着されたH歯車17Hをパワー
シフト軸7に結合するために、H歯車17Hから
パワーシフト軸7外周位置へ延出させたボス部1
7とパワーシフト軸7上に固定設置されたクラツ
チハウジング22とに摩擦板23及び相手板24
を支持させてあるものに、構成されている。以上
により第2の油圧クラツチ式変速装置4は、上記
各油圧クラツチ21H,21Lを選択的に作動さ
せ、H油圧クラツチ21Hの作動によりパワーシ
フト軸7と伝動軸16間を直結すことによつては
高変速比Hで、またL油圧クラツチ21Lの作動
によりパワーシフト軸7により伝動軸16を、L
歯車17L、19、伝動軸18、歯車20及びH
歯車17Hを介し回転させるときは低変速比L
で、それぞれ選択的にパワーシフト軸7と伝動軸
16間を連動連結するものとされている。上記し
た伝動軸16は、図示省略の歯車シフト式変速装
置を経て図外の左右の後輪及び左右の前輪方向へ
接続されていて、前輪への接続路中には前輪への
動力伝達を選択的に入断するための前輪駆動クラ
ツチ25が、第1図に示すようにミツシヨンケー
ス1の後端に連設されたリヤハウジング26の前
端部内低部において、設けられている。第1図に
おいて26′は、前輪駆動クラツチ25の従動側
に設けた前輪駆動力取出し軸である。 以上のように、この考案に係るトランスミツシ
ヨン装置は、2組の油圧クラツチ式変速装置3,
4を、図示の場合にはパワーシフト軸7を前段側
の油圧クラツチ式変速装置3の従動軸とし後段側
の油圧クラツチ式変速装置4の原動軸とすること
で、互に直列接続して設けてあるものに構成され
るが、さらに両油圧クラツチ式変速装置3,4の
ための次のような切換弁装置が設けられる。 すなわち第1及び第2の油圧クラツチ式変速装
置3,4における前記油圧クラツチ12F1,1
2F2,12R及び21H,21Rに対する油圧
給排機構を示す第2図についてこれを説明する
と、次のようである。 ミツシヨンケース1内の低部は第2図に図示の
油タンク27に兼用させてあり、この油タンク2
7内からは油圧ポンプ28により油圧クラツチ1
2F1,12F2,12R,21H,21L方向へ
の作動油の給送が行なわれ、第1の油圧クラツチ
式変速装置3における油圧クラツチ12F1,1
2F2,12Rに対する油圧の給排制御は第1の
切換弁29により、また第2の油圧クラツチ式変
速装置4における油圧クラツチ21H,21Lに
対する油圧の給排制御は第2の切換弁30によ
り、それぞれ行なうようになされている。油圧ポ
ンプ28の吐出回路に接続した分岐回路31には
第1,第2,第3の調圧弁32,33,34をこ
の順で直列に挿入してあり、第1の切換弁29の
ポンプポートに連らなる給油回路35は油圧ポン
プ28の吐出回路に直接に連らねて、また第2の
切換弁30のポンプポートに連らなる給油回路3
6は第1の調圧弁32と第2の調圧弁33との間
で分岐回路31に基端を接続して、それぞれ設け
られている。 各切換弁29,30は、その一次側に上記した
ポンプポートの他にタンクポートを、また二次側
に制御対象とする油圧クラツチ個数に応じた個数
のクラツチポートを、それぞれ備えているものに
構成されているが、両切換弁29,30はそのス
プール間を接続アーム37により接続すること
で、連動して同一方向に変位せしめられるものと
されており、両切換弁29,30の変位操作は変
速レバー38によつて行なうようにされている。
そして特に、両切換弁29,30は同時にその各
中立位置N1,N2におかれるものとされ、この中
立位置N1,N2では、油圧クラツチ12F1,12
F2,12Rが全て油タンク27へと接続されて
第1の油圧クラツチ式変速装置3が中立状態をと
ると共に、油圧クラツチ21H,21Lが全て油
タンク27へと接続されて第2の油圧クラツチ式
変速装置4も中立状態をとるように、図られてい
るのである。 各切換弁29,30は図示のように上記中立位
置N1,N2の他に6個の作用位置を備えた7ポジ
シヨンのものとされているが、第1の切換弁29
は、中立位置N1から一方向にかけて2個の前進
1速位置F1及びそれに引続く2個の前進2速位
置F2を有すると共に、中立位置N1から他方向に
かけて2個の後進1速位置Rを有するものに構成
されており、また第2の切換弁30は、中立位置
N2から一方向にかけて順次、低速位置L、高速
位置H、低速位置L、高速位置Hを有すると共
に、中立位置N2から他方向にかけて順次、低速
位置L、高速位置Hを有するものに構成されてい
る。そして上記した各作用位置F1,F2,R,H,
Lでは相当する油圧クラツチ12F1,12F2
12R,21H,21Lへの選択的な給油が行な
われて、その油圧クラツチ12F1,12F2或は
12Rと21H或は21Lとが選択的に作動せし
められることとなるが、両切換弁29,30が前
記のように連動して変位せしめられることとされ
ているため、変速レバー38を方向及び他方向に
操作するとき、両切換弁29,30が連動して次
の第1表に示すような位置へと変位せしめること
となる。
【表】 そして3段の変速を行なう第1の油圧クラツチ
式変速装置3と2段の変速を行なう第2の油圧ク
ラツチ式変速装置4との組合せによつては6段の
変速が得られるのに対し、両油圧クラツチ式変速
装置3,4における各変速歯車列のギヤ比は、上
記のような両切換弁29,30の位置の組合せに
よつて各油圧クラツチ式変速装置3,4の1列宛
の変速歯車列が順次、変速伝動にたずさわること
で、第1表の下欄に示すように、両油圧クラツチ
式変速装置3,4の中立状態から変速レバー38
を一方向及び他方向に操作するときは、各油圧ク
ラツチ式変速装置3,4による変速比を複合し
て、一方向では前進1速F,前進2速、前進
3速F、前進4速Fが順次得られ、他方向で
は後進1速R、後進2速Rが順次得られるよ
うに、設定されている。 なお第2図に図示の油圧回路において、前記第
1の調圧弁32は約17Kg/cm2といつた油圧を設定
するものとされ、摩擦板としてペーパー材等のエ
ネルギー吸収率の低い摩擦材より成る摩擦板を用
いている。第1の油圧クラツチ式変速装置3にお
ける油圧クラツチ12F1,12F2,12Rに対
し上記のような油圧を迅速に作用させて、スリツ
プの無いクラツチ・エンゲージリング作動を得さ
せ、摩擦板の焼付きを防止するためのものとされ
ている。また前記第2の調圧弁33は、特開昭52
−89756号公報等から公知である油圧漸増型の調
圧弁とされていて、シンター材等のエネルギー吸
収率の高い摩搾材より成る摩擦板を備えた、第2
の油圧クラツチ式変速装置4における油圧クラツ
チ21H,21Lに対する作用油圧を、約17−18
Kg/cm2といつた正規の作用油圧にまで徐々に高め
て両油圧クラツチ式変速装置3,4による変速段
切替え時のシヨツクを防止するものとされてい
る。この第2の調圧弁33には、切換弁29,3
0操作時に該調圧弁33を中立状態に一旦、迅速
に戻すための油圧アンロードバルブ39が附設さ
れている。前記第3の調圧弁34は、潤滑油圧を
設定するためのものである。 第1,2図に図示の実施例では、前記油圧ポン
プ28が、第1図に示すように内接歯車式のもの
に構成されて油路形成板2の背面上に装着されて
おり、そのポンプ軸28aを前記主駆動軸6へと
連動連結してある。また図示を省略するが、前記
した切換弁29,30は油路形成板2面上に設置
されていると共に、前記した調圧弁32,33,
34は油路形成板2に内装させてある。そして切
換弁29,30のクラツチポートから導かれた油
の給排路を、油圧クラツチ12F1,12F2,1
2R,21H,21Rに連らねてパワーシフト軸
7に穿設されている図示省略の5個の油給排通路
へと接続するために、第1図に示すように油路形
成板2の背面上に装着したシールハウジング40
を設けてある。このシールハウジング40はパワ
ーシフト軸7に被嵌されており、その内周面と該
パワーシフト軸7外周面に形成した5個の環状凹
溝との間で複数個の油分配室41F1,41F2
41R,41H,41Lを、形成している。これ
らの油分配室41F1,41F2,44R,41H,
41Lにより、切換弁29,30のクラツチポー
トからシールハウジング40内へと導かれた油の
給排路とパワーシフト軸7内の油給排通路との間
が接続されている。第1図において42は、各油
圧クラツチ12F1,12F2,12R,21H,
21Lの摩擦板及び相手板部に連らねてパワーシ
フト軸7に穿設された図示省略の潤滑油路に対し
油路形成板2内の潤滑油供給路を接続するため
に、油路形成板2とパワーシフト軸7間に形成し
た油分配室である。 第1図に示ように主駆動軸6と平行させて
PTO変速軸43を設けてあり、主駆動軸6と該
PTO変速軸43との間には、主駆動軸6の回転
を4段に変速してPTO変速軸43へと伝達可能
なPTOの変速装置44を、配設してある。PTO
軸43は、それと同心配置の伝動軸45,46及
び該両伝動軸45,46間のPTOクラツチ47
を介して、前記リヤハウジング26内から後方へ
延出させてある図外のPTO軸へと接続されてい
る。 第1,2図に図示の実施例は、以上に説明して
来たように、2組の油圧クラツチ式変速装置3,
4を直列接続して設けたのに対し、各組の油圧ク
ラツチ式変速装置3,4における油圧クラツチ1
2F1,12F2,12Rないし21H,21Lに
対する油圧の給排を切替え制御する切換弁29,
30をして、互に連動して変位せしめられるもの
に構成し、このような連動変位により両切換弁2
9,30が同時に中立位置N1,N2にもたらされ
ることとして、両油圧クラツチ式変速装置3,4
を同時に中立状態にもたらすこととしている。こ
のよに、互に直列接続された両油圧クラツチ式変
速装置3,4を同時に中立状態にもたらすことと
することによつては、次のような長所が与えられ
る。 すなわち、本考案のバツクグランドとして最初
に述べたように、油圧クラツチ式変速装置が中立
状態にもたらされた場合にも該変速装置の原動側
或は従動側から伝達されるトルクにより油圧クラ
ツチが若干の係合力でもつて係合し、予期しない
動力伝達が生じる場合があり、このため従来は油
圧クラツチ式変速装置が中立状態にもたらされる
と自動的に該変速装置従動側を制動するブレーキ
を設けていたのであるが、このようなブレーキが
省略されるのである。 具体的に説明すると、両油圧クラツチ式変速装
置3,4が同時に中立状態をとることで、エンジ
ン側から伝達されるトルクにより前段側の第1の
油圧クラツチ式変速装置3における油圧クラツチ
12F1,12F2もしくは12Rが若干の係合力
でもつて係合し、パワーシフト軸7への若干のト
ルク伝達が行なわれたとしても、そのような低ト
ルクにより中立状態にある第2の油圧クラツチ式
変速装置4における油圧クラツチ21H,21L
が係合せしめられることはなく、第2の油圧クラ
ツチ式変速装置4従動側への動力伝達は起きず、
逆に車輪側から伝達されるトルクにより後段側の
第2の油圧クラツチ式変速装置4における油圧ク
ラツチ21Hもしくは21Lが若干の係合力でも
つて係合し、パワーシフト軸7への若干のトルク
伝達が行なわれたとしても、そのような低トルク
により中立状態にある第1の油圧クラツチ式変速
装置3における油圧クラツチ12F1,12F2
12Rが係合せしめられることはなく、パワーシ
フト軸7と主駆動軸6間が接続されることはない
のであり、このため前記のようなブレーキを設け
る必要がなくなるのである。 このようにこの考案は、互いに直列接続して設
けた2組の油圧クラツチ式変速装置3,4用の切
換弁装置として、単一の変速レバーによる切換弁
変位操作によつて両油圧クラツチ式変速装置3,
4の油圧クラツチに対する作動油の給排を同時に
切替え制御する切換弁装置を設け、この切換弁装
置の切換弁に両油圧クラツチ式変速装置の全ての
油圧クラツチを非作動状態とし該両変速装置3,
4を同時に中立状態とする中立位置を設けること
により前記のようなブレーキを省略させるものに
構成されるのであるが、このような切換弁装置
は、前述実施例におけるように各油圧クラツチ式
変速装置用の各別の2個の切換弁29,30を同
行変位せしめられるように接続してなるものの
他、両油圧クラツチ式変速装置3,4用の単一の
切換弁を設けたものにも構成でき、第3図にはそ
のような構成に係る他の実施例が示されている。 第3図に図示の切換弁50は、第2図に図示の
2個の切換弁29,30を、ポンプポートは各油
圧クラツチ式変速装置3,4用に各別のものとし
タンクポートは両油圧クラツチ式変速装置3,4
用に兼用させた1個のものとして統合した形のも
のに構成されている。一次側に油圧ポンプ28の
吐出口に直接に接続されるポンプポート及び第1
及び第2の調圧弁32,33間で分岐回路31に
接続されるポンプポート、そして1個のタンクポ
ートを備えている該切換弁50は、油圧クラツチ
12F1,12F2,12R,21H,21Lにそ
れぞれ接続される5個のクラツチポートを二次側
に備えていて、前掲の第1表の最下欄に記載の記
号で示す7位置、つまり中立位置Nと6個の作用
位置F,F,F,F,RI,Rを、備
えており、変速レバー51による操作で変位せし
められて、第2図に図示の両切換弁29,30と
同様に機能する。 以上の説明から明らかなように、この考案の自
走式作業車におけるトランスミツシヨン装置は、 複数個の油圧クラツチ12F1,12F2,12
Rの択一的な作動により複数段の変速を行なう第
1の油圧クラツチ式変速装置3と他の複数個の油
圧クラツチ21H,21Lの択一的な作動により
複数段の変速を行なう第2の油圧クラツチ式変速
装置4とを、走行動力伝動径路中に設けた単一の
パワーシフト軸7上に上記した全ての油圧クラツ
チを装架することにより互に直列接続して設ける
と共に、 これらの各油圧クラツチ式変速装置3,4用の
各別の2個の切換弁29,30を同行変位せしめ
られるように接続してなる切換弁装置または両油
圧クラツチ式変速装置3,4に兼用の単一の切換
弁50よりなる切換弁装置を、単一の変速レバー
38または51による切換弁変位操作によつて両
油圧クラツチ式変速装置3,4の油圧クラツチに
対する作動油の給排を同時に切替え制御するよう
に設けて、 この切換弁装置の上記切換弁29,30または
50に前記した全ての油圧クラツチを非作動状態
とし両油圧クラツチ式変速装置3,4を同時に中
立状態とする中立位置、及び両油圧クラツチ式変
速装置3,4の1個宛の油圧クラツチを作動させ
両油圧クラツチ式変速装置3,4を同時に変速作
動させる複数の作用位置であつて両油圧クラツチ
式変速装置3,4の変速比を複合して得られる複
合変速比を低速側から高速側にかけて順次高める
よように配置してある複数の作用位置を、設けた
ことを特徴としてなる構成のものであつて、次の
ような長所を備えている。 すなわちこの考案のトランスミツシヨン装置
は、第1の油圧クラツチ式変速装置3と第2の油
圧クラツチ式変速装置4といつた2組の油圧クラ
ツチ式変速装置3,4を直列接続して設けてある
ものに構成されているから、例えば実施例におけ
るように第1の油圧クラツチ式変速装置3の変速
段数を3段、第2の油圧クラツチ式変速装置4の
変速段数を2段とすると、両油圧クラツチ式変速
装置3,4を総合して変速段数が6段となり、同
様の変速段数を1組のみの油圧クラツチ式変速装
置によつて得ようとする場合に必要である6個の
油圧クラツチが5個に減らされることとし、また
例えば各油圧クラツチ式変速装置の変速段数を3
段宛とすると両油圧クラツチ式変速装置を総合し
て9段の変速段数が得られ、同様の変速段数を1
組のみの油圧クラツチ式変速装置によつて得よう
とする場合に必要である9個の油圧クラツチが6
個に減らされることとする。したがつて、この考
案のトランスミツシヨン装置は、比較的嵩張ると
共に高価につくクラツチハウジングを備えた油圧
クラツチの個数の増加を抑えつつ、変速操作が極
く容易である油圧クラツチ式変速装置による変速
段数を高めさせるものなつている。 このように、この考案のトランスミツシヨン装
置は、変速操作容易な油圧クラツチ式変速装置に
よる変速段数を、コストの増大を抑制しつつ、高
めさせるものなつているが、特に、互に直列接続
された2組の油圧クラツチ式変速装置3,4を単
一変速レバーによる操作によつて同時に中立状態
にもたらす切換弁装置を設けていることから先に
詳述したように、前段側の油圧クラツチ式変速装
置3の原動側に対しエンジンから伝達されるトル
クで該油圧クラツチ式変速装置3における油圧ク
ラツチが若干の係合力でもつて係合したとして
も、そのとき後段側の油圧クラツチ式変速装置4
の原動側へと伝達されるトルクは低い値のもので
あることから、該油圧クラツチ式変速装置4にお
ける油圧クラツチが係合することがなく、逆に後
段側の油圧クラツチ式変速装置4の従動側に対し
車輪等から伝達されるトルクで該油圧クラツチ式
変速装置4における油圧クラツチが若干の係合力
でもつて係合したとしても、そのとき段側の油圧
クラツチ式変速装置3の従動側へと伝達されるト
ルクは低い値のものであることから、該油圧クラ
ツチ式変速装置3における油圧クラツチが係合す
ることなくて、最初に説明したような、油圧クラ
ツチ式変速装置の中立状態で該変速装置の従動側
を自動的に制動するブレーキを、省略させるもの
となつている。すなわち両油圧クラツチ式変速装
置3,4について変速段の切替えを行なう上では
該両油圧クラツチ式変速装置3,4を同時に中立
状態とする必要はないのに対し、この考案は、両
油圧クラツチ式変速装置3,4をして特に同時に
中立状態にもたらしうるように切換弁装置を構成
することで、前記のようなブレーキを省略できる
こととしているのである。 なお両油圧クラツチ式変速装置3,4の1個宛
の油圧クラツチを作動させ両油圧クラツチ式変速
装置を同時に変速作動させるように切換弁装置の
切換弁に設けた複数の作用位置をして、両油圧ク
ラツチ式変速装置3,4の変速比を複合して得ら
れる複変速比が低速側から高速側にかけて順次高
められるように配置していることから、2組の変
速装置3,4を単一の変速レバーによつて、単一
の変速装置を設けた場合と全く同様に低速側かる
高速側或は逆に高速側ら低速側へと変速操作で
き、変速操作上に問題を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を装備した農用ト
ラクタの要部の一部展開縦断側面図、第2図は同
実施例における油圧回路の回路図、第3図は他の
実施例における油圧回路の回路図である。 1……ミツシヨンケース、2……油路形成板、
3……第1の油圧クラツチ式変速装置、4……第
2の油圧クラツチ式変速装置、6……主駆動軸、
7……パワーシフト軸、8F1……F1歯車、8F2
……F2歯車、8R……R歯車、9F1……F1歯車、
9F2歯車、9R……R歯車、11……R中間歯
車、12F1……F1油圧クラツチ、12F2……F2
油圧クラツチ、12R……R油圧クラツチ、16
……伝動軸、17H……H歯車、17L……L歯
車、18……伝動軸、19……L歯車、20……
歯車、21H……H油圧クラツチ、21L……L
油圧クラツチ、28……油圧ポンプ、29……第
1の切換弁、30……第2の切換弁、35……給
油回路36……給油回路、37……接続アーム、
38……変速レバー、50……切換弁、51……
変速レバー。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数個の油圧クラツチの択一的な作動により複
    数段の変速を行なう第1の油圧クラツチ式変速装
    置と他の複数個の油圧クラツチの択一的な作動に
    より複数段の変速を行なう第2の油圧クラツチ式
    変速装置とを、走行動力伝動径路中に設けた単一
    のパワーシフト軸上に上記した全ての油圧クラツ
    チを装架することにより互に直列接続して設ける
    と共に、 これらの各油圧クラツチ式変速装置用の各別の
    2個の切換弁を同行変位せしめられるように接続
    してなる切換弁装置または両油圧クラツチ式変速
    装置に兼用の単一の切換弁よりなる切換弁装置
    を、単一の変速レバーによる切換弁変位操作によ
    つて両油圧クラツチ式変速装置の油圧クラツチに
    対する作動油の給排を同時に切替え制御するよう
    に設けて、 この切換弁装置の上記切換弁に前記した全ての
    油圧クラツチを非作動状態とし両油圧クラツチ式
    変速装置を同時に中立状態とする中立位置、及び
    両油圧クラツチ式変速装置の1個宛の油圧クラツ
    チを作動させ両油圧クラツチ式変速装置を同時に
    変速作動させる複数の作用位置であつて両油圧ク
    ラツチ式変速装置の変速比を複合して得られる複
    合変速比を低速側から高速側にかけて順次高める
    ように配置してある複数の作用位置を、設けたこ
    とを特徴としてなる自走式作業車におけるトラン
    スミツシヨン装置。
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JPS54568B2 (ja) * 1977-05-30 1979-01-12

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