JPH0222118B2 - - Google Patents

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JPH0222118B2
JPH0222118B2 JP22227884A JP22227884A JPH0222118B2 JP H0222118 B2 JPH0222118 B2 JP H0222118B2 JP 22227884 A JP22227884 A JP 22227884A JP 22227884 A JP22227884 A JP 22227884A JP H0222118 B2 JPH0222118 B2 JP H0222118B2
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Mitsugi Kawano
Yoichi Koga
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Hachiro Kageyama
Masanori Shirata
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JFE Engineering Corp
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Nippon Kokan Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷間圧延鋼板の調質圧延に用いる改
良された調質圧延用油剤組成物、より詳しくは調
質圧延後の鋼板上に形成する被膜が防錆性に優れ
しかも累積膜を形成して障害を起すことがなくし
かも長期間に亘つて効果を維持発現する調質圧延
用油剤に関するものである。 〔従来の技術〕 冷間圧延鋼板の調質圧延の際には、一般に水溶
液状の調質圧延油剤が用いられている。 一般に、この種の目的に用いられる油剤に要求
される性能として防錆性もさることながら、洗浄
性が良好で摩擦係数が比較的大きくまた衛生上安
全な油剤が好ましく、このような観点からみたと
き従来使用されていた亜硫酸ソーダとトリエタノ
ールアミンを主成分とする調質圧延油は衛生上の
観点から使用を控えられるようになつている。 このものに代つて、現在では、有機カルボン酸
のアミン塩または無機アルカリ塩、ホウ酸のアミ
ン塩または無機アルカリ塩、EDTAアミン塩な
どの群から選ばれた1種以上を主成分とするもの
が用いられている。 この種圧延油を使用したときは、圧延後の鋼板
上に油剤が付着して残り皮膜を形成して防錆効果
を発揮するが、皮膜が累積して厚くなりすぎると
次の工程以降、例えばシヤーライン、リコイリン
グライン、プランキングラインにおいて当該ライ
ンの各種ロールに粘着し次第に厚い累積膜を形成
して好ましくない現象(ロールのスリツプ原因と
なり巻取り長さなど計測時における寸法精度の低
下を惹起する)を起し正常な作業を妨害するよう
になる。 これとは別に、鋼板上の累積膜が剥離したのち
再付着することもあり鋼板の汚れ、疵の発生など
の原因ともなる。 このような現象は、当然のことながら圧延油主
成分の薬剤の種類によりその現れ方が異なり、特
にホウ酸アルカリ塩の場合に著しく起ると考えら
れていたが、その他のものの場合でも程度に差は
あるとしても同様の現象があると判明した。 〔発明が解決しようとする問題点〕 鋼板上に形成した防錆膜が剥離を起す最大の原
因は、鋼板上に直接形成した防錆膜とは別にこの
防錆膜の上に遂次形成した膜相互の接着強度が弱
いという点に根本原因があり、累積膜によらずに
単なる薄い単一被膜でありながら防錆性のみなら
ず摩擦係数が適度に大きくまた洗浄力の優れた理
想的な油剤の開発が望まれていた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、累積膜を作らず薄い皮膜でありなが
ら、防錆性、洗浄性に優れかつ摩擦係数が適度に
大きい油剤の開発に努めたところ、顕微鏡観察測
定の結果、皮膜結晶の大きさが累積膜形成性と密
接な関係があり、皮膜結晶の微細で均一なものは
粘着性および曳糸性を示さずかつ累積膜を形成さ
せるほどの接着力がないこと、一方結晶が粗大で
不均一のものは接着力が大きく累積膜を形成しや
すいことを見出した。 次いで、各種の有機カルボン酸、有機アミン、
無機アルカリ塩、界面活性剤を含む多くの油剤を
調製してさらに各種要因ごとに試験を繰返した結
果、A:安息香酸のニトロ置換化合物5〜20重量
%、C11〜14の脂肪族二塩基酸0.5〜5重量%および
C11〜14の脂肪族分岐状モノカルボン酸0〜10重量
%に対し第1級アルカノールアミン5〜20重量%
および無機アルカリ0.5〜5重量%を混合し反応
させて得た混合石ケン11〜60重量%、B:オキシ
カルボン酸塩0.5〜5重量%、C:エーテル型非
イオン界面活性剤0.1〜3重量%、D:水を残部
重量%としたことを特徴とする冷延鋼板用調質圧
延油剤を第1の発明とし、この組成物にE:脂肪
酸ビニル0.1〜0.5重量%を加えてD成分の量をそ
の分だけ減じて得た油剤を第2の発明とするもの
である。 本発明で使用する安息香酸のニトロ置換化合物
としては、オルトニトロ安息香酸、メタニトロ安
息香酸、パラニトロ安息香酸などを使用すること
ができる。この安息香酸のニトロ置換化合物の使
用量は、全体に対して5〜20重量%となるように
するべきであり、その使用量が5重量%より少な
くなると防錆性に充分な効果が現れなくなり、一
方20重量%より多くなつたときは、皮膜の結晶が
粗大となる傾向を示す。 また、C11〜14の脂肪族二塩基酸としては、ウン
デカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テ
トラデカン二酸などから選ばれたものを使用する
が、その使用量は0.5〜5.0重量%とする。この範
囲を外れ例えば0.5重量%未満となつたときは皮
膜の硬さが不足となり、また逆に5重量%より過
多となつたときは結晶が粗大となる傾向がある。 C11〜14の脂肪族分岐モノカルボン酸としては、
2−メチルドデカン酸、4−メチルデカン酸から
選ばれたものを10重量%までの量を使用する。10
重量%まで添加すれば皮膜の強靭性、防錆性が向
上しまた油剤としての洗浄性も向上するが、この
量を超えると摩擦係数が小さくなり好ましくな
い。 かつては、この種油剤に使用するカルボン酸と
しては、そのアルカリ金属塩が水に溶解しやすく
しかも安定な水溶液を形成することからC数が10
以下のものを使用していたが、本発明の場合はこ
のような従来の方向に反してC数の大きいカルボ
ン酸を使用する点に一つの特徴を有する。このよ
うに大きいC数のカルボン酸を使用することによ
り、防錆性が良く薄い皮膜を形成させるのに適し
ている。 なお、モノカルボン酸は直鎖状のものでは充分
に期待する効果は得られないことを確認してい
る。この二塩基性分岐モノカルボン酸は、C数が
10以下のときは結晶が粗大となり、一方15以上と
なつたときは摩擦係数が小さくなりいずれも不適
当である。 これらの成分の組合せにより格別な効果が発揮
する理由は未だ究めていないが、炭化水素基が芳
香環、アルキレン基、分岐アルキル基など多品種
の構造が比較的ランダムに分子内あるいは分子間
に介在するので結晶が成長せず、また不均質な分
子膜を形成し分子膜同志の密着性(ないしは相溶
性)を阻害して、これらの結果が累積性の少ない
性質として現れてくるものと考えられる。 本発明ではまた、第1級アルカノールアミンと
してモノエタノールアミン、モノイソプロパノー
ルアミンなどから選ばれたアルカノールアミン
を、また無機アルカリとしてか性ソーダ、か性カ
リ、炭酸ソーダ、炭酸カリの中から選んだ無機ア
ルカリを用いて、前記酸成分に加え使用時の希釈
液のPHが8.5〜10.5程度になるようにするもので
ある。 具体的には、それぞれの量をおよそ5〜20重量
%、0.5〜5重量%の中から選んで使用する。こ
れらの範囲から外れて例えば使用量が過少である
ときには、防錆性、洗浄性の効果が劣り、また逆
に過多であるときには刺戟性が強くなり、安全上
好ましくない。なお、無機アルカリの量は、皮膜
の硬度にも影響を及ぼし、0.5重量%未満では硬
さが不足し、一方5重量%を超えると皮膜が脆く
なるという傾向が現れる。 また、第2の発明で使用する脂肪酸ビニルは、
油剤皮膜の劣化による累積膜形成の防止および防
錆性低下の防止のために使用するもので、この目
的のためにC8〜14の脂肪酸基を有する脂肪酸ビニ
ル、具体的にはカプリン酸ビニル、ウンデカン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、トリデカン酸ビニ
ル、ミリスチン酸ビニルの中から必要に応じて適
宜選択して0.1〜0.5重量%添加して使用する。 この脂肪酸ビニルのC数が7以下のときは、皮
膜中の分散性が不良となりまた15以上になると油
剤中の分散性が低下して好ましくない。この添加
量が0.1重量%より少ないと上述の効果は現れず、
また0.5重量%を超すと分散性が悪くなりいずれ
も好ましくない。 これらの各成分を混合し反応させて得た混合セ
ツケンは、通常11〜60重量%の濃度で使用する。
この濃度範囲は必ずしも臨界的なものではない
が、11重量%未満では有効成分の量が少なすぎて
不経済であり、60重量%を超えると溶液が粘稠と
なり取扱い難くなるという傾向が見られるためで
ある。 上記混合石けん以外の成分としては防錆剤兼摩
擦係数調整剤としてグルコン酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム等のオキシカルボン酸塩を、混合
石けん分散剤兼洗浄剤としてポリオキシエチレン
ノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルフエニルエーテル等のエーテル型非イオン
界面活性剤をそれぞれ0.5〜5重量%、0.1〜3重
量%の範囲内で使用する。 オキシカルボン酸塩が0.5重量%より少なくて
は摩擦係数が適度に大きくならず、5重量%を超
えると結晶が粗大になりいずれも適当でなく、エ
ーテル型非イオン界面活性剤が0.1重量%より少
なくては洗浄性が不足であり、3重量%を超える
と油剤が泡立ち易くなりいずれも不適当である。 本発明の冷延鋼板用調質圧延油剤は、例えば次
のような手順で調整することができる。 すなわち、仕込予定の半量の水と安息香酸のニ
トロ置換化合物、脂肪族二塩基酸、脂肪族分岐状
モノカルボン酸を混合し、60〜80℃に加熱撹拌し
つつ第1アルカノールアミン、無機アルカリを加
えてさらに撹拌をつづけ、次いでオキシカルボン
酸塩、エーテル型非イオン界面活性剤、水の残量
を加えて均一な組成物とする。 また脂肪酸ビニルを加える際は、前述の手順の
うち最後の段階で加えるが、当然その量に見合う
水の量は減少させる。 〔実施例〕 以下、実施例および比較例を用いて本発明の構
成および効果を説明する。 後掲の表中、組成欄に示した組成比率の油剤を
調製しそれぞれの試料につき試験項目欄の結果を
得た。 なお、各試験は次の方法に準拠して行つた。 皮膜結晶の大きさ(×で表示) 室温(25℃)でスライドグラス上に試料原液を
0.2μ滴下してそのまま放置し、皮膜が生成し結
晶化した時点で光学顕微鏡により結晶の最大径お
よび最小径を測定する。 接着力 鋼板(SPCC−SD、60×80mm)の試験面にエ
タノール、石油ベンジンで洗浄し、一方予め直径
100mmのシヤーレに試料原液20gに採用して25℃
の空気恒温槽中で48時間放置しこれによつて得て
いた乾燥残渣0.5gを前記試験面上に採り、へら
を用いてほぼ均一厚さになるよう塗り拡げて水平
に置き、試料を塗布していない試験片の試験面を
塗布面に合せて重ねる。 25Kgの重錘を1分間のせて密着を図つたのちち
引張試験機(株)上島製作所製5型引張試験機)によ
り25℃の雰囲気で200mm/分で引張り試験を行い
試験片が剥離したときの張力{TS)を測定する。 防錆性 鋼板(SPCC、100×100×1.0mm)を焼鈍し、
150×150mmφのダルロールを用いて圧延速度
10.4mpm、伸長率1.5%、5%濃度の調質液を2.4
/分の供給割合で供給する条件で圧延したもの
を4枚重ねて圧着装置にて圧着し49±1℃、湿度
95%以上の条件下で48時間放置後の発錆状況を観
察する。 〇:優 □:やや優 △:普通 洗浄性 鋼板(SPCC、100×100×1.0mm)に対し、市販
の圧延油中に150メツシユ通過の鉄粉を均一に分
散させたものを塗布したのち焼鈍し、ダルロール
のかみ込み部分に試料をノズルより供給(濃度10
重量%、供給圧力2Kg/cm2、流量18/分、ノズ
ル距離20cm)しつつ2トンの荷重条件下で鋼板を
調質圧延し鋼板表面に残存する鉄粉等をセロハン
テープの貼着・剥離試験によつて観察し評価す
る。 〇優れている □:やや優れている △:普通 摩擦係数 曽田式振子式摩擦試験機型により摩擦係数を
測定する。 長時間放置後の接着力の変化 鋼板(SPCC、100×100×1.0mm)を焼鈍し、防
錆試験の際の調質圧延と同じ条件で圧延を行つた
後、鋼板上に防錆油0.1mlを滴下したものを10枚
重ねにし圧着装置で圧着したものを49±1℃、湿
度95%以上の湿潤箱に入れ1ヶ月間放置する。期
間経過後、試験片を開き防錆油、調質油剤成分を
へらによつてかきとり混練して均一にし、これを
二次試料として前記接着力試験に準じて試験を行
う。なお、経時0(すなわち湿潤装置挿入前)の
二次試料についても同様の測定を行う。 長時間放置後の防錆性 前項と同じ操作により圧着試験片を作り、同様
の湿潤条件下で1ヶ月放置したのちの錆の発生状
況を観察する。 □:やや優れている △:普通 ×:劣つている メジヤーリングロール転着性 シヤーラインのメジヤーリングロールにおける
粘着物質の累積膜の有無を観察する。 鋼板検査時の障害性 検査工程における鋼板上の残存調質液による検
査時の障害の有無を評価する。
【表】
〔発明の効果〕
本発明の冷延鋼板用調質圧延油剤は、安息香酸
のニトロ置換化合物と特定の脂肪族二塩基酸と特
定の脂肪族分岐状モノカルボン酸、第1級アルカ
ノールアミンと無機アルカリとを特定割合で反応
せしめて得られる混合石ケン、オキシカルボン
酸、エーテル型非イオン界面活性剤、水の各成分
を特定割合で混合させることにより、調質圧延後
鋼板上に形成する被膜の結晶の大きさが微細でか
つ均一でありまた接着力が小さく従つて目的とす
る累積膜を形成しない効果が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 A:安息香酸のニトロ置換化合物5〜20重量
    %、C11〜14の脂肪族二塩基酸0.5〜5重量%およ
    びC11〜14の脂肪族分岐状モノカルボン酸0〜10
    重量%に対し第1級アルカノールアミン5〜20
    重量%および無機アルカリ0.5〜5重量%を混
    合し反応させて得た混合石ケン11〜60重量%、 B:オキシカルボン酸塩 0.5〜5重量% C:エーテル型非イオン界面活性剤 0.1〜3重
    量%および D:水を残部重量%としたことを特徴とする冷延
    鋼板用調質圧延油剤。 2 メタニトロ安息香酸、パラニトロ安息香酸か
    ら選ばれた安息香酸ニトロ置換化合物を使用する
    特許請求の範囲第1項記載の圧延油剤。 3 ウンデカン二酸、ドデカン二酸から選ばれた
    脂肪族二塩基酸を使用する特許請求の範囲第1項
    記載の圧延油剤。 4 モノエタノールアミン、モノイソプロパノー
    ルアミンから選ばれた第1級アルカノールアミン
    を使用する特許請求の範囲第1項記載の圧延油
    剤。 5 か性ソーダ、か性カリから選ばれた無機アル
    カリを使用する特許請求の範囲第1項記載の圧延
    油剤。 6 グルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム
    から選ばれたオキシカルボン酸塩を使用する特許
    請求の範囲第1項記載の圧延油剤。 7 A:安息香酸のニトロ置換化合物5〜20重量
    %、C11〜14の脂肪族二塩基酸0.5〜5重量%および
    C11〜14の脂肪族分岐状モノカルボン酸0〜10重量
    %に対し第1級アルカノールアミン5〜20重量%
    および無機アルカリ0.5〜5重量%を混合し反応
    させて得た混合石ケン11〜60重量%、B:オキシ
    カルボン酸塩0.5〜5重量%、C:エーテル型非
    イオン界面活性剤0.3〜3重量%、E:脂肪酸ビ
    ニル0.1〜0.5重量%およびD:水を残部重量%と
    したことを特徴とする冷延鋼板用調質圧延剤。 8 メタニトロ安息香酸、パラニトロ安息香酸か
    ら選ばれた安息香酸ニトロ置換化合物を使用する
    特許請求の範囲第7項記載の圧延油剤。 9 ウンデカン二酸、ドデカン二酸から選ばれた
    脂肪族二塩基酸を使用する特許請求の範囲第7項
    記載の圧延油剤。 10 モノエタノールアミン、モノイソプロパノ
    ールアミンから選ばれた第1級アルカノールアミ
    ンを使用する特許請求の範囲第1項記載の圧延油
    剤。 11 か性ソーダ、か性カリから選ばれた無機ア
    ルカリを使用する特許請求の範囲第1項記載の圧
    延油剤。 12 グルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
    ムから選ばれたオキシカルボン酸塩を使用する特
    許請求の範囲第7項記載の圧延油剤。
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JP4904053B2 (ja) * 2005-12-28 2012-03-28 出光興産株式会社 水溶性調質圧延液組成物
JP5053060B2 (ja) * 2007-01-12 2012-10-17 新日本製鐵株式会社 脱脂性および化成処理性に優れた冷延鋼板
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