JPH0221860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、植付杆を駆動するプランタケースを３個
以上並列に配設した田植機におけるフロート昇降
装置は、それらのプランタケースとフロートとの
間に回動操作される一連の横軸を支架し、この横
軸に突設したアームをフロートに連繋していた
が、前記横軸はプランタケースの下面の高さに制
限されて著しく低くなり、その結果、機体を回行
させる場所に盛り上がつた泥土を横軸が押した
り、藁や雑草を引掛けて曵きずつたりして相隣る
フロート間の苗植付箇所を荒すと共に泥詰りが生
じた。

また、畔越時に前記横軸が畔に当つて曲がつた
り、その支持部が破損したりする等の欠点があつ
た。

本考案は前述の欠点を改善することを目的とす
るものであつて、植付杆を駆動するプランタケー
スを３個以上並列に配設し、それらのプランタケ
ースを横方向のシヤフトケースで連結し、下部に
フロートを配設した田植機において、前記フロー
トを昇降させる横軸を上記プランタケースの間に
てシヤフトケースの後面に沿わせて支持し、相隣
る前記横軸の隣接する端部を、前記プランタケー
スを迂回した連結部材で一体回動するように連結
したことを特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１は乗用田植機の機体の後部に昇降可能に装着し
た植付装置であつて、ドライブケース２の下部両
側には伝動軸３を内装した左右一対のシヤフトケ
ース４，４が一体的に延設してあり、該シヤフト
ケース４，４の外側部には後方へ向けて延びる３
個のプランタケース５，５が突設されていて前記
ドライブケース２を含むシヤフトケース４，４と
プランタケース５，５とは平面視で第３図に示す
ようにＥ字状をなしている。

そして、前記シヤフトケース４、ドライブケー
ス２の背面には相隣るプランタケース５，５間で
対をなす２組のブラケツト６…を突設し、上記組
をなすブラケツト６，６にそれぞれ別々の横軸
７，７を回動自在に支持し、該横軸７，７は後方
から見ると第２図に示すようにシヤフトケース４
の中心部と略同じ高さであり、かつ側面視では第
１図に示すようにシヤフトケース４と植付爪の作
動軌跡Ａとの間に位置しており、それらの横軸
７，７の両端部にそれぞれプレート８…を熔接
し、中央のプランタケース５，５を挟んで隣接す
る上記プレート８，８を下方へ延出させ、この延
出部に連結板８ａを螺着して構成した連結部材Ｂ
は中央のプランタケース５を迂回した状態で横軸
７，７の端部を連結している。

また、各プランタケース５，５の下方に配設し
た３つのフロート１４…の上面には、それぞれブ
ラケツト９…を取付け、該ブラケツト９…に下端
をピン１０…により連結した断面コ字状のリンク
１１…の中間部をプランタケース５，５にピン１
３で枢支し、上部は前記横軸７から上方へ向けて
突設したプレート８…に連杆１５…を介して連結
されている。

更に、前記横軸７の一側寄りに基部を熔接した
操作レバー１６は中間に弾性部１６ａを有し、前
部はステー１７に立設されているガイド板１８の
ガイド溝に挿通してあり、前端の握り部１６ｂは
植付装置１を上昇させると操縦者が運転席にて片
手で操作することができる。

１９は植付軸であつてクランクアームを介して
図示しない植付杆を駆動し、植付杆はその後部
を、支持腕２０に軸支した揺動アームにより規制
され、植付杆の前部に設けた植付爪の先端は従来
のものと同様な作動軌跡Ａに沿つて上下動する。

２１はドライブケース２に横移動可能に支承さ
れた苗載台であつて、その下部は５つの掻取口を
有するエプロン２２により支持されており、植付
爪は苗載台２１内のマツト苗を掻取口から掻取つ
て田面に植付ける。

前述の植付装置１を前進させると、フロート１
４…は田面を滑走しながら平に均し、植付爪はフ
ロート１４の前部から側方へ張り出した部分の側
部に苗を植付ける。

その際、泥土はフロート１４…の間を盛り上が
りながら通過するが横軸７はシヤフトケース４の
背面のかくれた状態で進行するので、泥土が横軸
７に付着することがなく、泥土中の藁や雑草が混
入していてもそれらが横軸７に絡みつくことがな
く、連結部材Ｂは中央のフロート１４の上方にあ
るので、泥土を押したり、藁等に接触することが
ない。

また、機体を畔越えさせたり、走行させる時に
も障害物が横軸７及び連結部材Ｂに衝突すること
がない。

更に、横軸７，７はプランタケース５，５間に
別々に支承されているが、Ｕ字状の連結部材Ｂに
より連結されているので、全部のフロート１４…
を同時に昇降させることができる。

本考案は前述のように植付杆を駆動するプラン
タケースを３個以上並列に配設し、それらのプラ
ンタケースを横方向のシヤフトケースで連結し、
下部にフロートを配設した田植機において、前記
フロートを昇降させる横軸を上記プランタケース
の間にてシヤフトケースの後面に沿わせて支持
し、相隣る前記横軸の隣接する端部を、前記プラ
ンタケースを迂回した連結部材で一体回動するよ
うに連結したので、田面に多数の大きな突出部が
あつても、これにフロートを昇降させるための横
軸が接触して藁や雑草が絡み付いて泥詰りを生ず
ることがなく、植付作業中に上記詰つた泥が田面
の泥土を押して側方の植付苗を押し倒すのを防止
することができ、しかも、機体を畔越えさせる
時、又は走行時に前記横軸が障害物に衝突するこ
とがないので、横軸の強度を、破損防止のため大
とする必要がなく、フロートを昇降させ得る強度
にするだけで良く、コストダウンを図ると共に軽
量化することができるものでありながら、フロー
トを昇降させる前記横軸は中間のプラタケースを
挟んで左右に分かれているにも拘らず、該プラン
タケースを迂回した連結部材で連結してあるの
で、全部のフロートを１度の操作で同時に昇降さ
せることができ、しかも、前記連結部材はフロー
ト上にあるので、藁や雑草が付着したり、泥土を
押したりすることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は植付装置の側面図、第２図は同上背面
図、第３図は要部の平面図、第４図は同上側面図
である。 ４……シヤフトケース、５……プランタケー
ス、７……横軸、Ｂ……連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植付杆を駆動するプランタケースを３個以上並
   列に配設し、それらのプランタケースを横方向の
   シヤフトケースで連結し、下部にフロートを配設
   した田植機において、前記フロートを昇降させる
   横軸を上記プランタケースの間にてシヤフトケー
   スの後面に沿わせて支持し、相隣る前記横軸の隣
   接する端部を、前記プランタケースを迂回した連
   結部材で一体回動するように連結したことを特徴
   とする田植機におけるフロート昇降装置。