JPH0220609B2 - - Google Patents

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JPH0220609B2
JPH0220609B2 JP60032432A JP3243285A JPH0220609B2 JP H0220609 B2 JPH0220609 B2 JP H0220609B2 JP 60032432 A JP60032432 A JP 60032432A JP 3243285 A JP3243285 A JP 3243285A JP H0220609 B2 JPH0220609 B2 JP H0220609B2
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water
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under reduced
formula
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JP60032432A
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Shinichiro Ashida
Kyoshi Tamura
Kyoshi Irie
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は一般式() (式中、Rはイミダゾリル基、チアゾリル基又ピ
リジル基を、nは1〜3の整数を、mは1〜4の
整数を意味する。)で表わされる化合物又はその
塩を含有する虚血性心疾患用剤に関する。 <従来の技術> 虚血性心疾患の例としては狭心症、心筋硬塞等
があげられるが、一部の狭心症の患者では発作時
にトロンボキサンA2(以下、TXA2)の産生が亢
進することが解明され(M.Tadaら、サーキユレ
ーシヨン(Circulation)64巻、6号、1107頁、
1981年)、TXA2の合成阻害と虚血性心疾患の治
療との結びつきが注目されている。 TXA2の産生を抑制する化合物としてはアスピ
リン、インドメサシン等のシクロオキシゲナーゼ
阻害薬とダゾキシベン(4−〔2−(1−イミダゾ
リル)エトキシ〕安息香酸塩酸塩)、OKY−046
((E)−3−(4−(1−イミダゾリルメチル)フエ
ニル)プロペン酸塩酸塩)、CGS−13080(イミダ
ゾ〔1,5−a〕ピリジン−5−カプロン酸塩酸
塩)等のTXA2合成阻害薬が知られている。前者
のシクロオキシゲナーゼ阻害薬はTXA2以外のプ
ロスタグランデイン類、例えばプロスタグランデ
インI2(以下、PGI2)、プロスタグランデインE2
等の産生も抑制する。PGI2はTXA2と相反する
生理活性、すなわち強力な血小板凝集阻害作用と
血管拡張作用が知られている。従つて、虚血性心
疾患にはPGI2の産生抑制は好ましくない。一方
後者のTXA2合成阻害薬はTXA2の産生を抑制
し、PGI2の産性は増加させるので虚血性心疾患
には好ましいと考えられるが、ダゾキシベン等で
高用量にするとシクロオキシゲナーゼの阻害作用
が認められる。 本発明者らは優れたTXA合成抑制作用並びに
虚血性心疾患の予防及び治療効果を有する化合物
について鋭意検討した結果、本発明を完成した。 <発明の構成> 本発明は一般式()の化合物又はその塩を含
有する虚血性心疾患用剤に関する。 式()の化合物の塩としては塩酸、硫酸、硝
酸等の無機酸及びフマル酸、酒石酸、マレイン
酸、コハク酸、シユウ酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機
酸との酸付加塩又はカルボキシル基のナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びカルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩が
あげられる。 式()の化合物は以下の反応式に示される方
法により製造することができる。 (式中、R1は低級アルキル基を示し、n,m及
びRは前記に同じ。) 即ち、式()の化合物を塩酸、硫酸等の無機
酸又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリを用いて加水分解することにより式()
の化合物を製造することができる。 式()の化合物は置換基Rの定義に従い種々
の製造法により合成可能であり、その代表的なも
のとして以下の(a),(b)及び(c)に示す方法をあげる
ことができる。 (a) Rが1−イミダゾリル基の場合 (式中、X1はp−トルエンスルフオニルオキ
シ基又はメタンスルフオニルオキシ基を示し、
R1,n及びmは前記に同じ。) 即ち、式(a)の化合物をジメチルホルム
アミド等の溶媒中水素化ナトリウム又はカリウ
ム第三級ブトキシドの存在下イミダゾールと反
応させることにより式(a)の化合物を製造
することができる。 (b) Rが5−チアゾリル基の場合 (式中、R1,n及びmは前記に同じである。) 即ち、式(b)の化合物をジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等の溶媒中亜硝酸第三級ブチルの如き
亜硝酸エステルと反応させることにより式(
b)の化合物を製造することができる。 又、式(b)の化合物は次のような方法で
製造することも可能である。即ち、式(b)
の化合物をテトラヒドロフラン、ジオキサン等
の溶媒中塩化第二銅及び亜硝酸第三級ブチルと
反応させるか、或いは無機酸中亜硝酸ナトリウ
ムと反応させ、次いで塩化第一銅と処理する。
生成する化合物を酢酸等の有機酸中で亜鉛、
錫、鉄等の金属と処理することにより式(
b)の化合物を製造することができる。 (c) Rがピリジル基の場合 (式中、R1,n及びmは前記に同じ。) 即ち、式(c)の化合物をパラジウム炭、
白金又はラネイニツケル等の触媒を用い、エタ
ノール等のアルコール中で接触還元することに
より式(c)の化合物を製造することができ
る。 上記製造法で用いられる式(a)、(b)及
び(c)の化合物は公知の製造法を用いて製造
することができる。 <発明の効果> 式()の化合物はin vitro及びex vivoの
TXA2合成阻害試験及びコラーゲン誘導による血
小板凝集抑制において優れた活性を示し、又心筋
虚血障害モデル、例えば冠動脈結紮再潅流モデル
及びラツトメタコリン誘発狭心症モデル等におい
てクレアチンホスホキナーゼ(以下、CPK)活
性流出抑制効果等の優れた効果を示し、狭心症、
心筋硬塞等の虚血性心疾患の予防及び治療に有用
である。又式()の化合物は前記の薬理作用か
ら血栓症、脳血管疾患等の予防及び治療にも有用
である。 式()の化合物の経口よる急性毒性値
(LD50)はマウス(雄)で0.25〜2.3g/Kgの範囲
にあり低毒性を示した。 式()の化合物は公知の製剤技術により錠
剤、散剤、カプセル剤又は注射剤等の剤型に製剤
化可能であり、通常経口、皮下又は静脈内に投与
される。 式()の化合物の投与量は経口投与において
成人一人あたり通常30〜500mg/日の範囲である。 <実施例> 以下本発明をさらに参考例、実施例で説明する
が、これらは本発明を限定するものではない。 参考例 1 6−(1−イミダゾリルメチル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸
塩酸塩 (1) 6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ
−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステル臭
化水素酸塩 6−ニトロ−4−オキソ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エチ
ルエステル24.5gをエタノール450ml中10%パラ
ジウム炭0.5gを触媒に接触還元する。7.0の
水素吸収したところで触媒を濾去し、濾液を減
圧濃縮する。残渣を酢酸1に溶かし濃硫酸
5.2gを加える。10%パラジウム炭7gを加え、赤
外線ランプ照射して加温しつつ水素下に接触還
元する。水素吸収の終了したところで触媒を濾
去し、濾液を減圧濃縮する。残渣を水300mlに
溶かし、炭酸水素ナトリウムで中和した後クロ
ロホルムにて抽出する。抽出液は水洗、硫酸ナ
トリウムにて乾燥後減圧濃縮する。残渣をエタ
ノール100mlに溶かし氷冷し、48%臭化水素酸
30mlを加え減圧乾固する。得られた結晶をエタ
ノール、エーテル混液より再結晶し、標記化合
物の無色粉末19.3gを得る。融点163〜166℃
(分解)。 (2) 6−プロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ
−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステル (1)で製した化合物7.5gを水50mlと48%臭化水
素酸4mlにけん濁する。氷冷し亜硝酸ナトリウ
ム1.73gを水5mlに溶かした溶液を滴下し、氷
冷下に20分撹拌してジアゾニウム塩の溶液とす
る。 硫酸銅・五水和物15.6gと臭化ナトリウム
7.5gを水50mlに溶かして60〜80℃に加温撹拌
し、亜硫酸水素ナトリウム3.38gと水酸化ナト
リウム2.23gを水25mlに溶かした溶液を加え、
60〜80℃にて10分間撹拌後氷冷して析出する結
晶を傾斜法でとり、更に水洗する。これに48%
臭化水素酸50mlを加え氷冷し、この中に先のジ
アゾニウム塩の溶液を滴下する。30分間氷冷下
に撹拌した後、室温にて30分間撹拌し、ついで
60℃に加温して30分間撹拌する。 反応液を氷冷し水200mlを加え、クロロホル
ムにて抽出する。抽出液を水洗、硫酸ナトリウ
ム上乾燥した後、減圧濃縮する。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトにて精製してクロロホルム
溶出液より標記化合物の淡黄色油状物4.6gを得
る。 (3) 6−ブロモ−2−ヒドロキシメチル−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレン (2)で製した化合物5.4gをテトラヒドロフラン
20mlに溶かした溶液を水素化リチウムアルミニ
ウム0.72gとテトラヒドロフラン40mlのけん濁
液中に滴下する。室温にて1時間撹拌した後、
反応液を氷冷し水1ml、15%水酸化ナトリウム
水溶液1ml、水3mlを順次滴下し、不溶物を濾
去する。濾液を減圧濃縮し、残渣をクロロホル
ムにて抽出する。抽出液を水洗し、硫酸ナトリ
ウム上乾燥後、減圧濃縮して標記化合物の無色
油状物4.28gを得る。 (4) 6−ブロモ−2−(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシメチル)−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタレン (3)で製した化合物4.28gを2,3−ジヒドロ
ピラン1.6gと混合し、これに濃塩酸2滴加えて
15時間室温にて撹拌する。反応液をエーテルで
抽出する。抽出液を1N水酸化ナトリウム、水
で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃
縮すれば標記化合物の淡黄色油状物5.48gを得
る。 (5) 2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ
メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−6
−ナフタレンカルボン酸 マグネシウム1gとテトラヒドロフラン10ml
を窒素気流下に60〜70℃に加熱する。この中に
(4)で製した化合物2.44gと臭化エチル1.65gとテ
トラヒドロフラン20mlの混液を滴下する。滴下
した後更に窒素気流下に2時間加熱還流した
後、氷冷しドライアイス15gを加える。反応液
に水7ml、6N塩酸7mlを加え撹拌後、減圧濃
縮する。残渣を酢酸エチルにて油出し、抽出液
は水洗、硫酸ナトリウム上乾燥後、減圧濃縮し
石油エーテルにて結晶とし、標記化合物の無色
粉末1.5gを得る。このものは粗製のまま次の反
応に使用した。 (6) 6−ヒドロキシメチル−5,6,7,8−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エチル
エステル 粗製の(5)で製した化合物0.9gを濃硫酸0.5ml
及びエタノール60mlと混合し18時間加熱還流す
る。反応液に水40mlを加え減圧濃縮し、残渣を
クロロホルムにて抽出する。抽出液は1N水酸
化ナトリウム、水にて順次洗浄し、硫酸ナトリ
ウムにて乾燥後、減圧濃縮して標記化合物の淡
黄色油状物0.73gを得る。 (7) 2−(p−トルエンスルホニルオキシメチル)
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタ
レンカルボン酸エチルエステル (6)で製した化合物0.97gをピリジン15mlに溶
かし、氷冷下p−トルエンスルホニルクロリド
1.58gを加えて6時間室温にて撹拌する。反応
液を氷水70mlに注加し20分間撹拌する。析出す
る粉末を濾集し、標記化合物の無色粉末1.45g
を得る。融点76〜78℃。 (8) 6−(1−イミダゾリルメチル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボ
ン酸エチルエステル 50%水素化ナトリウム0.56gを無水ジメチル
ホルムアミド60mlにけん濁し、これにイミダゾ
ール0.79gを加え室温にて20分間撹拌後、(7)で
製した化合物4.5gを少量づつ加えた後、室温で
3日間撹拌する。反応液を減圧濃縮し残渣をク
ロロホルムにて抽出する。抽出液を水洗、硫酸
ナトリウム上乾燥後、減圧濃縮する。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトにて精製し、クロロホ
ルムとメタノールの98:2の混合溶液にて溶出
し、標記化合物の無色油状物2.31gを得る。 (9) 6−(1−イミダゾリルメチル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボ
ン酸塩酸塩 (8)で製した化合物2.31gを水酸化ナトリウム
0.49g、メタノール60ml、水20mlと共に4時間
加熱還流する。メタノールを減圧留去し、水50
mlを加えクロロホルムにて抽出する。水層を分
取し2N塩酸にてPH6とする。析出する結晶を
濾集、水洗して6−(1−イミダゾリルメチル)
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタ
レンカルボン酸の無色粉末1.14gを得る。融点
224〜226℃。 ここで得られた遊離1.14gを少量のエタノー
ルにけん濁し濃塩酸を加え、減圧乾固する。残
渣をエタノール、エーテル混液より再結晶して
標記化合物の無色粉末1.05gを得る。融点240〜
252℃。 元素分析値 C15H16N2O2・HClとして 計算値 C 61.54,H 5.85,N 9.57 実験値 C 61.30,H 5.84,N 9.50 参考例 2 7−(1−イミダゾリルメチル)−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸
塩酸塩 (1) 7−ブロモ−2−〔ビス(メチルチオ)メチ
レン〕−1−オキソ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン カリウム第三級ブトキシド11.8gをN,N−
ジメチルホルムアミド30mlに加え氷冷する。こ
の溶液中に7−ブロモ−1−オキソ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタレン11.3g、二硫
化炭素5gと無水ベンゼン30mlの混液を窒素ガ
ス気流下に滴下する。4時間室温にて撹拌した
後、ヨウ化メチル15gを滴下し、室温にて4時
間撹拌する。次に3時間加熱還流する。冷後反
応液を氷水300ml中に加え撹拌する。反応液を
ベンゼンにて抽出する。抽出液を水洗、乾燥
後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲル300gを
用いてカラムクロマトにて精製して標記化合物
の油状物10.5gを得る。 (2) 2−〔ビス(メチルチオ)メチレン〕−7−ブ
ロモ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタレン (1)で製した化合物10.5gをクロロホルム40ml
とエタノール80mlの混液に溶かす。この溶液中
に水素化ホウ素ナトリウム6gを加え1時間加
熱還流する。更に水素化ホウ素ナトリウム4g
を加え1時間加熱還流する。冷後、減圧濃縮
し、残渣に水を加えクロロホルムにて抽出す
る。抽出液を水洗、乾燥後減圧濃縮して標記化
合物の油状物10.3gを得る。 (3) 7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2−ナフタ
レンカルボン酸メチル (2)で製した化合物10.3gを三フツ化ホウ素エ
ーテラート22mlと混合し、室温にて5分間撹拌
する。次にメタノール70mlを加え、18時間加熱
還流する。冷後、減圧濃縮し、残渣に水を加え
クロロホルムにて抽出する。抽出液を水洗、乾
燥後、減圧濃縮して標記化合物の油状物8gを
得る。 (4) 7−(1−イミダゾリルメチル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボ
ン酸塩酸塩 (3)で製した化合物を参考例1(3),(4),(5),
(6),(7),(8)及び(9)と同様に反応させて標記化合
物の1/2水和物として無色結晶を得る。融点269
〜271℃。 1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6)δ: 1.20〜2.20(3H,m、ナフタレン6,7位水
素) 2.64〜3.04(4H,m、ナフタレン5,8位水
素) 4.26〜(2H,d,
【式】) 7.22(1H,d、ナフタレン4位水素) 7.60〜7.96(4H,m、ナフタレン1,3位水
素、イミダゾール4,5位水素) 9.28(1H,s、イミダゾール2位水素) 元素分析値 C15H16N2O2・HCl・1/2H2Oとし
て 計算値 C 59.70,H 6.01,N 9.28 実験値 C 60.02,H 5.82,N 9.20 参考例 3 2−(1−イミダゾリルメチル)−5−インダカ
ルボン酸塩酸塩 5−ブロモ−2−インダンカルボン酸エチルを
参考例1(3),(4),(5),(6),(7),(8)及び(9)と同様

反応させて標記化合物の結晶を得る。融点258〜
262℃。 1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6)δ: 2.6〜3.3(5H,m、インダン1,2,3位水
素) 4.35(2H,d、
【式】) 7.32(1H,d、インダン7位水素) 7.7〜7.93(4H,m、インダン4,6位水素、
イミダゾール4,5位水素) 9.25(1H,s、イミダゾール2位水素) 元素分析値、C14H14N2O2・HClとして 計算値 C 60.33,H 5.42,N 10.05 実験値 C 60.51,H 5.45,N 10.01 参考例 4 6−(5−チアゾリルメチル)−5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸ナ
トリウム (1) 6−ブロモ−2−(p−トルエンスルホニル
オキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒド
ロナフタレン 6−ブロモ−2−(ヒドロキシメチル)−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレン24.1gを
ピリジン300mlに溶かし、氷冷下にp−トルエ
ンスルホニルクロリド38.1gを加え、室温にて
16時間撹拌する。反応液を氷水2中に注加
し、析出する結晶を濾集、水洗して標記化合物
の無色粉末36.5gを得る。融点87〜89℃。 (2) 2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン−2−イルメチル)マロン酸 ナトリウム2.1gとエタノール100mlより製し
たアルコラートの溶液にマロン酸エチル20.4g
を加える。続いて、(1)で得られた化合物36gを
加え、室温にて20時間撹拌した後、24時間加熱
還流する。減圧濃縮し、残渣をクロロホルムに
て抽出し、抽出液を水洗、乾燥後、減圧濃縮し
て赤色油状物44.5gを得る。これを水酸化ナト
リウム10g、水100mlと混合し4時間加熱還流
する。冷後50%硫酸にて酸性とし、析出する粉
末を濾集し水洗して標記化合物の粉末18gを得
る。 (3) 3−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン−2−イル)プロピオン酸エ
チル(2)で得られた化合物18gを180℃に20分加
熱後エタノール250ml、濃硫酸5mlを加え4時
間加熱還流する。減圧濃縮し、氷水を加えクロ
ロホルムにて抽出する。抽出液を水、2N水酸
化ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄する。乾
燥後、減圧濃縮して標記化合物の油状物17.4g
を得る。 (4) 6−(3−ヒドロキシプロピル)−5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボ
ン酸エチル (3)で製した化合物を実施例1(3),(4),(5)及び
(6)と同様に反応させて標記化合物の油状物を得
る。 (5) 6−(2−ホルミルエチル)−5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エ
チル (4)で得た化合物11.6g及びジクロロメタン20
mlの溶液を氷冷下にピリジニウムクロロクロメ
ート14.3gとジクロロメタン90mlのけん濁液中
に滴下した後、室温にて1.5時間撹拌する。エ
ーテル100mlを加え上澄液を分取し水洗、乾燥
後、減圧濃縮する。残査をシリカゲルのカラム
クロマトにて精製し、クロロホルム溶出液より
標記化合物の淡黄色油状物10.5gを得る。 (6) 6−(2−アミノチアゾール−5−イルメチ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナ
フタレンカルボン酸エチル 臭素2mlをジオキサン6mlに滴下する。10分
間撹拌した後、これをジクロロメタン25mlに溶
かす。この溶液を(5)で製した化合物10.5gをジ
クロロメタン20mlに溶かした溶液中に−10〜−
5℃にて窒素ガス気流下に滴下する。滴下後−
5℃にて1時間撹拌した後、炭酸ナトリウム
3.1g及び水13mlよりなる溶液を滴下する。クロ
ロホルムにて抽出し、抽出液を水洗、乾燥後減
圧濃縮する。残渣をエタノール180mlに溶かし、
チオ尿素3gを加え10時間加熱還流する。飽和
炭酸水素ナトリウム水にて中和し、減圧濃縮す
る。残渣をクロロホルムにて抽出し、抽出液を
水洗、乾燥後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトにて精製し、クロロホルム溶
出液より標記化合物の無色粉末5.73gを得る。
融点150〜153℃。 (7) 6−(チアゾール−5−イルメチル)−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカ
ルボン酸エチル (6)で得た化合物2.1gをリン酸23mlに溶かし、
濃硝酸12mlを加え−10〜−5℃にて亜硝酸ナト
リウム0.46g及び水4mlの溶液を滴下する。更
に−8℃で20分間撹拌後、反応液を塩化第一銅
5.28g及び濃塩酸7mlの溶液中に−5℃にて加
える。−8〜0℃にて1.5時間撹拌後、氷水100
mlを加え、炭酸ナトリウムで中和し、クロロホ
ルムで抽出する。抽出液は水洗、乾燥後、減圧
濃縮し、残渣を酢酸15mlに溶かし、亜鉛末
1.44gを加下に少量づつ加える。2時間加熱還
流した後、冷却し不溶物を濾去する。濾液を減
圧濃縮し、残渣をクロロホルムに溶かし、水
洗、乾燥後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲル
カラムクロマトにて精製する。2%メタノール
含有クロロホルム溶出液より標記化合物の油状
物1.27gを得る。 (8) 6−(チアゾール−5−イルメチル)−5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレンカ
ルボン酸ナトリウム (7)で得た化合物3.92gを10%水酸化ナトリウ
ム水溶液10ml及びメタノール30mlの混液に加
え、これを1時間加熱還流した後、反応液を減
圧乾固する。残渣を水に溶かし、少量の不溶物
を濾去し、濾液を塩酸でPH約6とする。析出す
る粉末を濾集し、標記化合物の遊離カルボン酸
の粉末2.71gを得る。この粉末を水20mlにけん
濁し、水酸化ナトリウム0.42gを加え濾過し、
濾液を減圧濃縮する。得られる残渣をエタノー
ル及びエーテルの混液より再結晶し、標記化合
物の無色粉末1.92gを得る。融点280℃以上。 元素分析値 C14H14NO2SNaとして 計算値 C 61.00,H 4.77,N 4.74 実験値 C 60.95,H 4.91,N 4.73 1H−NMR(D2O)δ: 6.99(1H,d、J=8Hz、ナフタレン4位水
素) 8.4〜8.7(3H,m、ナフタレン1,3位水素、
チアゾール4位水素) 8.73(1H,s、チアゾール2位水素) この他に1.5〜4ppmにナフタレン5,6,
7,8位水素とナフタレン6位に置換したメチ
レン基水素のシグナルが認められる。 参考例 5 2−(5−チアゾリルメチル)−5−インダンカ
ルボン酸ナトリウム (1) 2−インダンカルボン酸エチル 2,2−インダンジカルボン酸11.7gを200℃
に30分間加熱する。発泡が鎮まつた後冷却し、
エタノール150mlに溶かし、濃硫酸4mlを加え
て4時間加熱還流する。反応液を減圧濃縮し、
残渣を炭酸カリウム水溶液にて中和し、クロロ
ホルムにて抽出する。抽出液を水洗、乾燥後、
減圧濃縮して標記化合物の油状物9.4gを得る。 (2) 2−(ヒドロキシメチル)インダン (1)で製した化合物3.5gを第三級ブタノール50
mlに溶かし、水素化ホウ素ナトリウム1.75gを
加える。このけん濁液を加熱還流し、メタノー
ル10mlを1時間を要して滴下する。滴下後、1
時間還流した後、水を加え過剰の水素化ホウ素
ナトリウムを分解し、減圧濃縮する。残渣をク
ロロホルムにて抽出し、抽出液を水洗、乾燥
後、減圧濃縮して標記化合物の油状物3.4gを得
る。 (3) 2−(p−トルエンスルホニルオキシメチル)
インダン (2)で製した化合物142gを参考例1(7)と同様
に反応させて標記化合物の無色結晶282gを得
る。融点95〜97℃。 (4) 3−(2−インダニル)プロピオン酸エチル (3)で製した化合物282gを参考例4(2)及び(3)
と同様に反応させて標記化合物の無色油状物
123gを得る。沸点137〜139℃/3mmHg。 (5) 2−(3−ヒドロキシプロピル)インダン (4)で製した化合物123gを本実施例(2)と同様
に反応させて標記化合物の油状物99gを得る。 (6) 2−(3−ヒドロキシプロピル)−5−インダ
ンカルボン酸エチル (5)で製した化合物155gを1,2−ジクロロ
エタン1に溶かし氷冷する。無水塩化アルミ
ニウム246gを少しづつ加える。次にアセチル
クロリド99mlを滴下する。滴下後、10分間撹拌
し反応液を氷水中に注加し、濃塩酸80mlを加
え、クロロホルムにて抽出する。抽出液を水
洗、乾燥後、減圧濃縮する。得られる油状物を
ジオキサン1.5に溶解し氷冷する。これに臭
素118mlを水酸化ナトリウム243g及び水2よ
りなる溶液中に滴下して調整した次亜臭素酸ナ
トリウム水溶液を10℃にて滴下する。滴下後、
10℃以下にて1時間撹拌した後、室温にて3時
間撹拌後、反応液を酢酸エチルにて洗浄する。
水層を分取し濃塩酸を加え酸性とし、析出する
結晶を濾集する。 得られた結晶にエタノール800ml、濃硫酸30
mlを加えて12時間加熱還流する。反応液を減圧
濃縮し、残液を炭酸カリウムにて中和し、酢酸
エチルにて抽出する。抽出液を水洗、乾燥後、
減圧濃縮する。残留物をシリカゲル1.5Kgを用
いてカラムクロマトにて精製し、標記化合物の
油状物112gを得る。 (7) 2−(2−アミノチアゾール−5−イルメチ
ル)−5−インダンカルボン酸エチル (6)で製した化合物を参考例4(5)及び(6)と同様
に反応させて標記化合物を得る。 (8) 2−(2−クロロチアゾール−5−イルメチ
ル)−5−インダンカルボン酸エチル 塩化第二銅26.6gをアセトニトリル500mlに加
え、次に亜硝酸第三級ブチル25gを加える。こ
の溶液を60℃に加温し、(7)で製した化合物50g
をアセトニトリル200mlに溶かした溶液を滴下
する。滴下後、更に60℃で加温撹拌し、発泡が
鎮まつた後約15分間冷却し、15%塩酸300mlを
加える。クロロホルムにて抽出し、抽出液を乾
燥後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲル300g
を用いカラムクロマトにて精製し、標記化合物
の油状物44gを得る。 (9) 2−(5−チアゾリルメチル)−5−インダン
カルボン酸エチル 亜鉛末20gを5%塩酸100mlに加え、1分間
撹拌した後、濾集し水及びメタノールにて洗浄
する。この亜鉛末を、(8)で製した化合物を酢酸
700mlに溶かした溶液の還流している中に少量
づつ加えた後、反応液を4時間加熱還流する。
冷後不溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮する。残
渣に水200ml、クロロホルム500mlを加え、次い
で炭酸カリウムを加えてアルカリ性とし、不溶
物を濾去する。濾液のクロロホルム層を分取
し、乾燥後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲル
300gを用いてカラムクロマトにて精製して標
記化合物の無色結晶27gを得る。融点47〜49
℃。 (10) 2−(5−チアゾリルメチル)−5−インダン
カルボン酸ナトリウム (9)で製した化合物を参考例4(8)と同様に反応
させて標記化合物の結晶を得る。融点267〜280
℃。 1H−NMR(重水)δ: 2.3〜3.2(7H,m、インダン1,2,3位水
素及び
【式】) 7.13(1H,d、インダン7位水素) 7.51(1H,s、チアゾール4位水素) 7.68(1H,m、インダン4位水素) 7.68(1H,d,インダン6位水素) 8.73(1H,s、チアゾール2位水素) 元素分析値 C14H12NO2SNaとして 計算値 C 59.77,H 4.30,N 4.98 実験値 C 58.99,H 4.27,N 4.92 参考例 6 6−(3−ピリジルメチル)−5,6,7,8−
テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸塩酸
塩 (1) 6−(3−ピリジルメチリデン)−5−オキソ
−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタ
レンカルボン酸エチル 5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフタレンカルボン酸エチル5.0gを3−
ピリジンアルデヒド2.5g、酢酸10ml及びピペリ
ジン10mlと混合し、100℃で4時間撹拌する。
減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かし、10
%塩酸にて抽出する。塩酸層を分取し、炭酸水
素ナトリウムにて中和し、クロロホルムにて抽
出する。抽出液を水洗、乾燥後、減圧濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトにて精製して
標記化合物の淡黄色結晶5.6gを得る。融点112
〜114℃。 (2) 6−(3−ピリジルメチル)−5−オキソ−
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレ
ンカルボン酸エチル (1)で製した化合物6.3gをエタノール50ml及び
酢酸エチル50ml中で10%パラジウム炭1gを用
いて接触還元する。水素の吸収終了後、触媒を
濾去し、濾液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトにて精製して標記化合物の油
状物4.8gを得る。 (3) 6−(3−ピリジルメチル)−7,8−ジヒド
ロ−2−ナフタレンカルボン酸エチル (2)で製した化合物3gをエタノール50mlに溶
かし、水素化ホウ素ナトリウム0.9gを少量づつ
加え、1時間加熱還流する。減圧濃縮し残渣に
水を加えクロロホルムにて抽出する。抽出液を
水洗し乾燥後減圧濃縮し油状物を得る。この油
状物をエタノール80mlに溶かし、濃塩酸20mlを
加え5時間加熱還流する。炭酸水素ナトリウム
にて中和した後、減圧濃縮し残渣をシリカゲル
カラムクロマトにて精製して標記化合物の油状
物1.8gを得る。 (4) 6−(3−ピリジルメチル)−5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸エ
チル (3)で製した化合物1.8gをエタノール100mlに
溶かし、10%パラジウム炭1gを用いて接触還
元する。水素の吸収終了後、触媒を濾去し、濾
液を減圧濃縮し標記化合物の油状物1.8gを得
る。 (5) 6−(3−ピリジルメチル)−5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸塩
酸塩 (4)で製した化合物1.8gを6N−塩酸50mlと混
合し4時間加熱還流後、減圧乾固する。得られ
た残渣をメタノールより再結晶して標記化合物
の無色結晶1.04gを得る。融点222〜226℃。 1H−NMR(ジメチルスルホキシド−d6)δ: 1.8〜2.2(2H,m、ナフタレン7位水素) 2.4〜3.3(7H,m、ナフタレン5,6,8位
水素、メチレン水素) 7.1〜8.9(7H,m、芳香環水素) 元素分析値 C17H17NO2・HClとして 計算値 C 67.21,H 5.97,N 4.61 実験値 C 67.17,H 6.02,N 4.55 参考例 7 式()の化合物を含有する製剤型の例として
以下の処方よりなる錠剤を示す。 即ち、下記の混合比で配合した後打錠し、1錠
あたり100mgの錠剤を得る。 処方例 参考例1の化合物 20mg 乳 糖 50mg とうもろこしデンプン 25.5mg ヒドロキシプロピルセルロース 4mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 総 量 100mg/錠 実施例 1 血小板TXA2生成抑制作用 血小板TXA2生成に対する式()の化合物の
作用を次の方法により測定した。 1 in vitro 芦田と安孫子の方法(トロンボシス ヘモス
テイシス(Thrombosis Haemostasis)40
542,1978)に従い抗凝固剤として0.1容の3.13
%クエン酸ナトリウムを用いてウイスター今道
系雄性ラツトより頚動脈血を採取し、これを遠
心して多血小板血漿(PRP)を調製した。
PRPに試験化合物を加えたのち、アラキドン
酸(最終濃度0.5mM)を添加して室温で6分
間加温し血小板のTXA2合成を惹起せしめた。
インドメサシン(最終濃度100μM)を加えて
反応を停止させたのち、反応液を遠心して上清
を得た。この上清につき、TXA2の安定代謝物
であるトロンボキサンB2(以下、TXB2)の濃
度をMorrisらのラジオイムノアツセイ法(プ
ロスタグランデインズ(Prostaglandins)21
771,1981)にて測定した。試験化合物の代り
に生理食塩水のみを加えて同様に操作した場合
のTXB2生成量を基準にして、試験化合物の
TXA2生成抑制率を算出した。 表1に、この方法で試験した式()の化合
物及び既知化合物の血小板TXA2生成に対する
50%抑制濃度(IC50)を示す。 2 en vivo 試験化合物の投与前及び投与後の動物から採
取した血液について、自然凝固後のTXA2生成
量を測定した。 即ち、ウイスター今道系雄性ラツト(200〜
300g)に試験化合物を水に溶解し1mg/Kgの
用量で経口投与し、一定時間後にペントバルビ
タール麻酔(40mg/Kg、腹腔内投与)下で、抗
凝固剤を用いることなく血液を採取して、ガラ
ス試験管に入れ、37℃で60分間加温して自然凝
固させた。この凝固血を遠心して血清を得、血
清中に含まれるTXB2の量を上述のラジオイム
ノアツセイ法により測定した。試験化合物の代
りに水のみを投与した動物を同様に処理して、
この動物の血清中のTXB2量を基準にして試験
化合物投与後のTXB2生成抑制率を算出した。 表1にこの方法で試験した式()の化合物
及び既知化合物の経口投与1,3及び6時間後
のTXA2生成抑制作用を示す。
【表】 表1から明らかなようにin vitroにおいて式
()の化合物は既知化合物より優れたTXA2
凝集抑制作用を示した。又、式()の化合物
は1mg/Kgの低投与量で血清中のTXA2産生を
強力及び持続的に抑制した。 実施例 2 ヒト血小板凝集抑制作用 ヒトの血小板凝集に対する式()の化合物の
作用を次の方法により測定した。 抗凝固剤として0.1容の3.13%クエン酸ナトリ
ウム溶液を用いてヒト静脈血を採取した。血小板
凝集はクロノログ全血凝集計を用いCardinalと
Howerらのインピーダンス法(ジヤーナル オ
ブ フアルマコロジカル メソツズ(J.
Pharmacol,Methods),,135,1980)によ
つて37℃で測定した。即ち、血液1mlと試験化合
物を混和し、キユベツトに入れて電極を装着し、
37℃で3分間加温したのち、コラーゲンけん濁液
(ホルム社製)を最終濃度5μg/mlになるように
添加して凝集反応を惹起した。又、対照の凝集反
応として試験化合物を加えないで同様に処理し、
コラーゲン添加5分後のインピーダンス変化を比
較して、試験化合物の血小板凝集抑制率を算出し
た。結果を表2に示した。
【表】 表2に示すごとく式()の化合物は10μMの
濃度でコラーゲン誘導によるヒト血小板凝集を抑
制した。血小板凝集の亢進により血栓が形成さ
れ、その血栓が虚血性心疾患の原因となり得るこ
とが知られている。従つて、式()の化合物は
抗血栓作用並びに虚血性心疾患の予防及び治療効
果が期待される。 実施例 3 ラツト冠動脈結紮再潅流モデルに対する効果 ラツトの冠動脈の結紮及び再潅流時における心
電図異常及び血清中のCPK活性流出に対する式
()の化合物の抑制効果を次の方法により測定
した。即ち、体重220〜300gのSD−SLC系雄性ラ
ツトを一夜絶食させたのち、試験化合物を水に溶
解して経口投与した。1時間後にイナクチン麻酔
(40mg/Kg、腹腔内投与)下で開胸して心臓を露
出し、直ちに、縫合絹糸で冠動脈を結紮した。60
分間結紮を継続したのち、縫合絹糸を取り除き冠
動脈を再開通させ、この状態を240分間継続した。
実験期間中、第誘導による心電図(ECG)を
経時的に測定して、S波の変化を求めた。また、
経時的に頚静脈より0.2mlの血液を採り、自然凝
固させたのち遠心して血清を得た。この血清につ
き市販のキツト(ベーリンガーマンハイム社製)
を用いて、CPK活性を測定した。対照として、
試験化合物の代りに水のみを投与し、同様に処理
した動物では、冠動脈結紮直後からECG上でS
波の電位が上昇し、この上昇は再潅流によつてさ
らに増大した。これらのECG変化は心筋に虚血
障害及び再潅流障害が起きていることを示唆して
いる。また、血清CPK活性は冠動脈結紮解除後
急速に上昇した。この血中へのCPK流出は再潅
流によつて心筋細胞の破壊が起こることを示唆し
ている。上記の対照における結紮直後及び再潅流
直後のS波電位を基準として試験化合物のS波の
電位の抑制率を算出し、また、対照における
CPK流出活性を基準に試験化合物のCPK流出抑
制作用を検討した。結果を表3に示した。
【表】 表3から明らかなように式()の化合物は3
及び10mg/Kgの投与量でECG上のS波の増高を
結紮時及び再潅流時ともに抑制し、また10mg/Kg
の投与量で再潅流時の血中へのCPK流出を抑制
した。これらの成績は式()の化合物が冠動脈
結紮時の心筋虚血障害のみならず再潅流時の心筋
障害をも強く抑制することを示唆している。 本実施例の病態モデルは心筋梗塞に類似する。
又、心筋梗塞に対しては冠動脈内血栓溶解療法
(Percutaneous Transluminal Coronary
Recaralizution)及び経皮的経管冠動脈成術
(Pecutaneous Trans−luminal Coronary
Angioplasty)等が行なわれるが、このときに心
筋傷害が発生し、その傷害に本実施例の病態モデ
ルが類似することが知られている。従つて、式
()の化合物は心筋梗塞並びに心筋傷害の予防
及び治療に有用である。 実施例 4 ウサギの冠動脈結紮再潅流モデルに対する効果 ウサギの冠動脈の結紮及び再潅流時における血
漿TXB2濃度の上昇、心電図異常及び心筋からの
CPKの流出に対する式()の化合物の抑制効
果を次の方法により測定した。 即ち、体重2〜3Kgのニユージランドホワイト
系雄性ウサギを一夜絶食させたのち、式()の
化合物を水に溶解し経口投与した。投与30分後に
ペントバルビタール麻酔(30mg/Kg、静脈内投
与)を施し、開胸して心臓を露出し、さらに60分
経過後に縫合絹糸にて左冠動脈回旋枝を結紮し
た。60分間結紮を継続したのち、縫合絹糸を取り
除き、冠動脈を再び開通させた。30分間冠動脈を
再潅流させたのち心臓を摘出して、心筋CPK活
性の測定を行なつた。実験期間中、経時的に第
誘導による心電図測定を行ない、T波の上昇
(ΔT)及びST分節の上昇(ΔST)を求めた。ま
た、抗凝固剤として0.1容の5%エチレンジアミ
ン四酢酸−1mMインドメサシン混液を用いて頚
静脈血を採取し、冷却後遠心して血漿を得、
TXB2とPGI2の安定分解物である6−ケトプロス
タグランデインF1a(以下、6−Keto PGF1a)を
ラジオイムノアツセイ法により定量した。さら
に、経時的に股静脈より0.5mlの血液をとり、自
然凝固させたのち遠心して血清を得、上述のごと
く清中のCPK活性を測定した。又、対照として
試験化合物代りに水のみを投与し、同様に処理し
た。これらの結果を表4に示した。
【表】 表4に示すごとく、対照の動物群では冠動脈の
結紮により血漿中のTXB2の上昇、心電図上のT
波及びST分節の増高が観察され、心筋に虚血性
変化を生じていることが示された。一方、再潅流
時には血漿中のTXB2濃度がさらに増加し、血清
中CPK活性も著しく上昇して、心筋障害を生じ
ていることが示された。また、非虚血域である右
心室のCPK活性を正常値とみなして、これから
虚血域の左心室の残存CPK活性を差し引いて求
めた指標即ち、ΔCPKは虚血性変化によつて心臓
から流出したCPK量に相当し、虚血性心筋障害
の強度を示すが、実験終了時点にこの値が上昇し
たことから心筋障害を生じていることが示され
た。式()の化合物は1〜10mg/Kgの投与量
で、本病態モデルにおける血漿中のTXB2濃度の
上昇、T波及びST分節の増高及び心筋からの
CPK流出を抑制し、虚血性心筋障害を阻止する
ことが明かになつた。従つて、式()の化合物
は心筋梗塞及び狭心症などの虚血性心疾患の予防
及び治療に有用である。 実施例 5 ラツトのメタコリン誘発狭心症モデルに対する
効果 メタコリンにより誘発したラツト冠動脈攣縮モ
デルの虚血性変化に対する式()の化合物の効
果を酒井らの方法(J.Pharmacol.Methods
325,1981)により測定した。即ち、体重300〜
450gのSD−SLC系雄性ラツトにペントバルビタ
ール麻酔(40mg/Kg、腹腔内投与)下でまずメタ
コリンを10μg/Kg冠動脈内留置カテーテルを用
いて冠動脈内に投与し、第誘導によるECG上
のST分節の上昇度を測定した。次いで試験化合
物又は生理食塩水を大腿静脈より投与したあと1
分、3分、5分、10分、20分及び30分の各経過時
間にメタコリンを10μg/Kg冠動脈内に投与して
ECG上のST分節の上昇度を測定した。試験化合
物投与前のメタコリン投与による上昇度を100%
とし、試験化合物投与後の各時間のメタコリン投
与による上昇度の試験化合物投与前上昇度に対す
る割合(%)を算出した。結果を表5に示した。
【表】 表5に示すごとく、対照化合物投与群の動物で
はメタコリンの冠動脈内投与により虚血性変化の
指標であるST分節の増高が観察された。式()
の化合物はこのST分節の上昇を抑制し、狭心症
に対し予防及び治療効果を有することが判明し
た。 実施例 6 式()の化合物の経口投与による急性毒性値
を表6に示した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、Rはイミダゾリル基、チアゾリル基又は
    ピリジル基を、nは1〜3の整数を、mは1〜4
    の整数を意味する。)で表わされる化合物又はそ
    の塩を含有する虚血性心疾患用剤。
JP60032432A 1985-02-20 1985-02-20 虚血性心疾患用剤 Granted JPS61191612A (ja)

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