JPH02204915A - 耐応力腐食割れ性銅部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、耐応力腐食割れ性が必要とされる銅製品に
関するものであり、たとえば架空配電線等の被覆電線用
導体等に関するものである。

［従来の技術］ 従来より被覆電線用導体としては、硬銅線が撚り合わせ
られたものが用いられている。撚り合わせられた各硬銅
線の表面には、撚りを解除しようとする撚線反発力が必
然的に生ずる。この撚線反発力は、各硬銅線の表面上に
引張残留応力として現われる。

このような彼ａ！電４１用導体では、上述のような残留
応力が１つの要因となって断線を生じることがあった。

すなわち、被覆電線内に雨水が浸入すると、被覆層内部
は腐食しやすい環境となり、硬銅線表面に酸化被膜が形
成したりする。このような腐食環境と上述の残留応力と
が互いに影響し合うと硬銅線に応力腐食割れが生じ、そ
の結果断線にまで至る。

硬銅線の代わりに軟銅線を用いれば、残留応力が小さく
なるので、応力腐食割れ現象を生ずる可能性は少なくな
る。しかし、その半面引張強さの低下を免れず、そのた
め実際上軟銅線を被覆電線用導体として用いることはで
きない。

また、撚線加工以外の工程においても、硬銅線に残留応
力が生じる場合があり、このようにして生じた残留応力
によっても応力腐食割れが生じやすい。

この発明の目的は、このような応力腐食割れに対し耐性
を有する銅部材を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この発明の耐応力腐食割れ性銅部材は、長手方向に一方
向凝固した銅鋳塊長尺体を、一方向凝固の方向に塑性加
工したことを特徴としている。

この発明において一方向凝固した銅鋳塊には、単結晶相
式のものも含まれる。単結晶相式の銅部材は、たとえば
鋳型を金属の融点以上に加熱し、溶融金属を鋳型外で冷
却凝固させ鋳型面での結晶の核生成を成長防止する方法
によって製造することができる。

［作用］ この発明では、一方向凝固した銅鋳塊長尺体を用い、こ
れを一方向凝固の方向に塑性加工している。単結晶相式
のものを含め一方向凝固した鋳塊は、鋳塊中の結晶方位
の差が小さいため、伸線加工などの塑性加工において残
留応力の発生が小さい。応力腐食割れの原因となる残留
応力が小さいため、この発明の銅部材は耐応力腐食割れ
性において優れていると考えられる。

［実施例］ 上述したような鋳型を加熱する鋳造法により、電解銅を
原料として、一方向凝固させた直径１０ｍｍの銅鋳塊長
尺体を連続的に鋳造した。得られた銅鋳塊長尺体を、冷
間伸線加工して直径２ｍｍとした。なお、この際銅鋳塊
長尺体の一方向凝固の方向に塑性加工した。得られた素
線を１９本撚線加工して、被８！電線用導体とした（実
施例）。

比較のため、電解銅を原料として、通常の鋳造組成を有
する銅鋳塊から熱間圧延と冷間伸線加工で、直径２ｍｍ
の素線を製造した。得られた素線を１９本撚線加工して
、被覆電線用導体とした（比較例）。

次に、上記の実施例および比較例の被覆電線用導体を、
それぞれ７３０ｋｇの引張加重の下に、酢酸銅、蒸留水
およびアンモニア水を混合してなる水溶液（ｐＨ５，５
；液温３５℃）に浸漬し、応力腐食割れの試験を行なっ
た。

実施例の撚線導体は、３９５日で応力腐食割れ破断を示
したのに対し、比較例の撚線導体は、８５日で応力腐食
割れ破断を示した。

以上のように、この発明に従う実施例の撚線導体は、従
来の撚線導体に比べ、応力腐食割れを生じにくいことが
確認された。

なお、以上の実施例では、被覆電線用導体を例示して説
明したが、この発明の銅部材はこれらの用途に限定され
るものではない。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明の耐応力腐食割れ性銅部
材は、長手方向に一方向凝固した銅鋳塊長尺体を一方向
凝固の方向に塑性加工しており、塑性加工において残留
応力の発生が少ないので、応力腐食割れが生じにくく、
優れた耐応力腐食割れ性を有している。

（ほか２名）′。“°′

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）長手方向に一方向凝固した銅鋳塊長尺体を、一方
   向凝固の方向に塑性加工したことを特徴とする、耐応力
   腐食割れ性銅部材。
2. （２）前記一方向凝固した銅鋳塊長尺体が、単結晶であ
   ることを特徴とする、請求項１記載の耐応力腐食割れ性
   銅部材。