JPH0220010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はオイルフイルタなどの流体濾過用に用
いられる濾紙タイプのフイルタエレメントに関す
る。

《従来の技術》 従来、オイルフイルタは円筒状に形成され、従
つてフイルタエレメントも円筒状のものが用いら
れている。例えば、第３図に示すように従来のフ
イルタエレメント１は、蛇腹状に折曲された濾紙
２を図外のフイルタケーシング内側に沿つて円筒
状に周回し、濾過しようとするオイルを前記濾紙
２の外方から内方または内方から外方へと通過さ
せることにより、オイル浄化が行なわれるように
なつている。なお、前記濾紙２の両端はエンドプ
レート３により閉止されるとともに、前記濾紙２
の内周および外周の少なくとも一方にパンチング
プレートなどで形成された図外の補強筒が設けら
れている。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、かかる従来のフイルタエレメン
ト１にあつては、蛇腹状の濾紙２が円筒状に周回
されているため、蛇腹状折曲部の稜線間のピツチ
が、内周部と外周部で異なつてしまう。すなわ
ち、内周部の稜線Ａ間のピツチをｐ１とし外周部
の稜線Ｂ間のピツチをｐ２とすると、ｐ１よりｐ
２のほうが大きくなつてしまう。このため、小さ
い方のピツチｐ１を有する内周部稜線Ａ間をオイ
ル濾過が可能な最小限の間隔に設定したとして
も、大きい方のピツチｐ２を有する外周部稜線Ｂ
間の間隔は必要以上開いてしまう。すなわち、濾
紙２の外周部には無駄なスペースが設けられてし
まうことになり、必然的に濾紙２に面積の減少を
きたし濾過能力の低下につながつてしまうという
問題点があつた。

そこで、本考案は濾紙の内周部ピツチと外周部
ピツチを同一にすることによつて無駄なスペース
をなくし、装置の大型化を伴うことなく濾過能力
の大幅な向上を達成することができるフイルタエ
レメントを提供することを目的とする。

《問題点を解決するための手段および作用》 かかる目的を達成するために本考案のフイルタ
エレメントは、中央部に配置した補強筒と、この
補強筒の外周に配置される蛇腹状に折曲された濾
紙と、前記濾紙の上下に配置される一対のエンド
プレートとを備え、被濾過流体が径方向の内外に
流通するフイルタエレメントにおいて、前記補強
筒は、断面が方形状に形成されるとともに、前記
濾紙は、前記補強筒の各辺を前記濾紙の折曲幅に
相当する長さだけ左右いずれか一方の同一方向に
延長した４つの長方形状のエリアにおいてそれぞ
れ内外のピツチを同一にして直線状に配置し、全
体として角形になるように形成し、蛇腹状濾紙の
内周部と外周部が並行配置されることにより、該
内、外周部の蛇腹状折曲部の稜線間のピツチが等
しくできるようになつている。

《実施例》 以下本考案の実施例を図にもとづてい詳細に説
明する。

すなわち、第１図、第２図は本考案の一実施例
を示すフイルタエレメント１０で、上、下一対の
エンドプレート１２，１４の中央部間に、パンチ
ングプレートなどの流体通過を許容する補強筒１
６が設けられている。該補強筒１６は断面方形状
に形成され、上端部は上方のエンドプレート１２
に形成された突部１２ａに嵌合されるとともに、
下端部は下方のエンドプレート１４に形成された
流体出口用の開口部１４ａの周縁起立部１４ｂに
嵌着されている。１８は帯状の素材を蛇腹状に折
曲した濾紙で、この濾紙１８は前記補強筒１６の
外側各辺に沿つて全体として角形となるように配
置されている。すなわち、前記断面方形状の補強
筒１６の各角部から各辺を濾紙１８の幅Ｗ分だけ
一定回りに延長してこれを一辺とし、前記濾紙幅
Ｗを隣辺とする長方形の４個の下層エリアａ，
ｂ，ｃ，ｄ内に、前記蛇腹状濾紙１８が直線状に
配置されている。前記下層エリアａ，ｂ，ｃ，ｄ
は隣り合うもの同士が互いに直角配置され、該下
層エリアａ，ｂ，ｃ，ｄ内の濾紙１８の各端は互
いに連続され、流体漏れが生じないようになつて
いる。ところで、前記エンドプレート１２，１４
はその外径が前記濾紙１８の全体外側形状に沿つ
て形成され、該エンドプレート１２，１４に形成
された周縁折曲部１２ｂ，１４ｃが濾紙１８の各
端部に嵌合されている。

なお、２０は前記フイルタエレメント１０を収
納するフイルタケースでこのフイルタケース２０
もフイルタエレメント１０の外側形状に沿つて断
面方形状に形成され、このフイルタケース２０内
に導入された濾過しようとする流体、例えばオイ
ルは、前記濾紙１８を外方から内方へと通過して
濾過され、この濾過された流体は補強筒１６内を
通つて目的の供給部分へと排出されるようになつ
ている。

以上の構成により本実施例のフイルタエレメン
ト１０にあつては、蛇腹状に折曲された濾紙１８
の内周部と外周部が互いに並行に配置されるた
め、内周部に形成される稜線Ａ間のピツチｐ１と
外周部に形成される稜線Ｂ間のピツチｐ２とが等
しくなる。従つて、内、外周部とも流体を濾過す
るに必要な最小の稜線Ａ，Ｂ間隔に設定でき、フ
イルタエレメント１０の濾紙１８配設スペース内
で無駄な空間がなくなる。このため、濾紙１８の
濾過面積は著しく増大し、濾過能力の大幅な向上
が計られる。例えば、従来の円筒状のフイルタエ
レメントにあつては、フイルタケースの容積が
483c.c.のものを用いた場合の濾過面積が1010cm²で
あるのに対し、本実施例の角形のフイルタエレメ
ントにあつては、フイルタケースの容積が283c.c.
と小さいにもかかわらず濾過面積が1023cm²と大き
くなることが計算上確かめられている。このよう
に、本実施例のフイルタエレメントは濾過面積を
減少させることなくフイルタケースの容積を半分
近くまで小さくすることができるので、例えば自
動車用のオイルフイルタとして用いた場合、フイ
ルタケース内に充填される完成車出荷時のオイル
量を大幅に節約することができるとともに、フイ
ルタ装置の小型軽量化を達成することができる。
なお、第１，２図中二点鎖線は従来のフイルケー
スの外形を示す。

また、フイルタケースの下端の取付部分は、角
形だけでなくその部分だけを丸形にしてもよい。

《考案の効果》 以上説明したように本考案のフイルタエレメン
トにあつては、角形にすることによつて濾紙の内
周部と外周部の蛇腹状稜線のピツチを等しくし、
無駄なスペースがないようにしたので、濾過面積
が大幅に向上して濾過能力を著しく向上すること
ができる。従つて、濾過面積を従来のものとほぼ
同一とした場合は、フイルタ装置の大幅な小型化
を達成できるとともに、フイルタエレメント形状
に沿つてフイルタケース形状も角形にすることが
でき次に示すような各種の優れた効果を奏する。

(a) 容積減により最初に充填される流体量を大幅
に減少することができる。

(b) 小型軽量化を達成できる。

(c) フイルタケースが角形のためフイルタ装置の
包装、梱包及び輸送がしやすくなる。

(d) エンドプレートも角形となり材料の歩留り性
が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すフイルタエレ
メントの横断面図、第２図は本考案の一実施例を
示すフイルタエレメントの縦断面図、第３図は従
来のフイルタエレメントの概略横断面図である。 １０……フイルタエレメント、１６……補強
筒、１８……濾紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に配置した補強筒と、この補強筒の外周
   に配置される蛇腹状に折曲された濾紙と、前記濾
   紙の上下に配置される一対のエンドプレートとを
   備え、被濾過流体が径方向の内外に流通するフイ
   ルタエレメントにおいて、前記補強筒は、断面が
   方形状に形成されるとともに、前記濾紙は、前記
   補強筒の各辺を前記濾紙の折曲幅に相当する長さ
   だけ左右いずれか一方の同一方向に延長した４つ
   の長方形状のエリアにおいてそれぞれ内外のピツ
   チを同一にして直線状に配置し、全体として角形
   になるように形成したことを特徴とするフイルタ
   エレメント。