JPH0219744B2 - - Google Patents

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JPH0219744B2
JPH0219744B2 JP26038184A JP26038184A JPH0219744B2 JP H0219744 B2 JPH0219744 B2 JP H0219744B2 JP 26038184 A JP26038184 A JP 26038184A JP 26038184 A JP26038184 A JP 26038184A JP H0219744 B2 JPH0219744 B2 JP H0219744B2
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JP
Japan
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short side
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amount
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JP26038184A
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JPS61137659A (ja
Inventor
Masami Tenma
Takeyoshi Ninomya
Wataru Oohashi
Kazuhiko Tsutsumi
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Priority to AU47023/85A priority patent/AU554019B2/en
Priority to CA000490523A priority patent/CA1233011A/en
Priority to EP85306509A priority patent/EP0182468B1/en
Priority to DE8585306509T priority patent/DE3578554D1/de
Priority to BR8504644A priority patent/BR8504644A/pt
Priority to ES547211A priority patent/ES8702811A1/es
Priority to US06/783,589 priority patent/US4660617A/en
Priority to ES554807A priority patent/ES8704368A1/es
Publication of JPS61137659A publication Critical patent/JPS61137659A/ja
Priority to US06/883,395 priority patent/US4727926A/en
Publication of JPH0219744B2 publication Critical patent/JPH0219744B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/16Controlling or regulating processes or operations
    • B22D11/168Controlling or regulating processes or operations for adjusting the mould size or mould taper

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は鋼の連続鋳造法に関し、詳しくは連続
鋳造中に鋳型短辺を移動せしめて鋳片幅を拡大も
しくは縮小する幅変更方法に関する。 〔従来の技術〕 近年、連続鋳造、特に鋼の連続鋳造において
は、稼働率の向上および鋳片歩留の向上等の要請
から、鋳型への鋳込を停止することなく鋳片幅の
変更を行なう連続鋳造法が実施されるようになつ
てきた。特に最近、連続鋳造工程と圧延工程を直
結化する方法が実用化され、製品板幅に応じて連
続鋳造中の鋳片幅を変更する技術はますます重要
さを増している。連続鋳造機の運転を止めずに鋳
片を変更する場合においては、幅が変化する部分
の長さを出来るかぎり短かくし、要求される幅に
直ちに変更することが重要である。このために幅
変更速度を上昇させることが必要となつてきた。 連続鋳造における鋳片幅の変更においては、鋳
型短辺を何らかの方法で鋳型の中心側または反中
心側へ移動させる操作がおこなわれる。第2図は
鋳型長辺を固定し短辺を移動させる幅変更装置の
一例を概念的に示したものである。すなわち一対
の短辺1a,1bが鋳型振動テーブル(図示せ
ず)に固定された長辺2a,2bに挾持されてお
り、短辺に取りつけられた電動または油圧式の駆
動装置3a,3bにより駆動され、鋳片4の幅を
鋳造を止めることなく変更する装置である。かか
る装置において幅変更速度を高速化する場合、短
辺を駆動する力の増大並びに鋳片欠陥の危険性の
増大があり、このことが幅変更の高速化を阻んで
いた。 而して従来の幅変更方法としては、例えば特開
昭53−60326号公報および特公昭54−33772号公報
で開示され、第3図および第4図に示すような方
法が一般的に実施されていた。即ち第3図は幅縮
小の場合を説明するものであつて、(a)で示す第1
ステツプでは短辺1を点線aの如く傾斜させ、第
2ステツプで(b)の如く平行移動した後、ついで第
3ステツプで(c)の如く傾斜をもとに戻す方法を示
し、又第4図は幅拡大の場合を説明するものであ
つて、(a)で示す第1ステツプで短片1を点線aの
如く傾斜させ、第2ステツプで(b)の如く平行移動
したのち、第3ステツプで(c)の如く傾斜を少なく
する方法を示している。 つまり、従来は第3図及び第4図のa,cにお
けるテーパー変更動作と、両図bにおける平行移
動動作とは完全に分離して行なわれていた。 しかし、前記従来方法ではテーパー変更時期に
時間がかかりすぎ、平行移動速度Vmを高速化し
ても幅変更移行部長さを減少させる効果は非常に
少なく、歩留り向上の妨げとなつていた。 前記問題を解決するために平行移動速度Vmを
より高めるための試みも種々行われている。とこ
ろが鋳型内で凝固したシエル(凝固殻)を破断す
ることなく、かつこのシエルの変形抵抗力に打ち
勝つて平行移動速度Vmを高めるためには、第3
図および第4図のaにおける傾斜変更角△φを大
きくしなければならない。 一方、前記傾斜変更角△φを大きくすると短辺
1と鋳片4との間に隙間、即ちエサーギヤツプが
生じ、このエアーギヤツプが大きくなると鋳片4
に割れが生じたり、ブレークアウトが発生する等
の問題がある。このため前記従来方法では平行移
動速度Vmを高めることに限界があり、而して幅
変更時間を短縮することは制限があつた。係る問
題を解決するために本出願人は前記第1ステツプ
及び第3ステツプにおいて短辺の上下端を同時に
移動させて該ステツプの所要時間を短縮させる方
法を開発し、先に特願昭57−184103号及び特願昭
58−143157号として出願した。しかしながらこの
方法においても平行移動の実施を基本的思想とし
たものであり、平行移動に達するまでの時間を出
来るだけ速くすることは可能となつたが、それで
もなお幅変更の全所要時間を短縮するには限界が
あつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は前述した従来方法における問題点を抜
本的に解決すると共に前記特願昭57−184103号及
び特願昭58−143157号の更に改良を図るもので、
連続鋳造中に鋳片幅を拡大もしくは縮小する幅変
更を最小時間で行わせることにより、幅変更部分
を少なくして歩留りを向上させると共に、ブレー
クアウト(以下BOと言う)や鋳片割れ等の鋳造
欠陥の発生がない安定した操業を可能ならしめ、
加えて幅変更開始前と終了時におけるテーパー量
の差から生じる目標幅変更量に対する誤差を幅変
更実施過程で効率的に吸収し、精確な鋳片幅を得
る方法を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、連続鋳造中に鋳型短辺を移動せしめ
て鋳片幅を拡大もしくは縮小するに際し、前記短
辺の移動を該短辺を鋳型中心側へ順次傾ける前傾
期と、鋳型反中心側へ順次傾ける後傾期とに区分
し、前記各期間における短辺上下端部の水平方向
移動速度の増速率αを予め許容シエル変形抵抗力
をパラメータとして求めると共に前記上下端部の
移動速度の差△Vを下記(1)式で定め、当該期間
中、前記増速率α及び速度差△Vを一定に維持し
て幅変更を行う方法において、幅変更開始時のテ
ーパー量と幅変更終了時の目標テーパー量の差か
ら生じる目標幅変更量に対する誤差を、前傾期か
ら後傾期へ移行する間に平行移動期間を設けるこ
とにより吸収することを特徴とする連続鋳造中に
おける鋳片幅変更方法である。 △V=α・L/Uc −(1) 但し △V;短辺上端と下端の速度差(mm/min) α;短辺上下端の増幅率(mm/min2) L;鋳型短辺長さ(mm) Uc;鋳造速度(mm/min) 〔作用〕 第1図は本発明に基づく幅変更時における短辺
の上端部及び下端部の水平方向移動速度(以下、
移動速度と言う)を説明するための線図であつ
て、第1図aが幅縮小を、第1図bが幅拡大を示
すものである。又、速度は鋳型中心側への移動速
度を+(正)、鋳型反中心側への移動速度を−(負)
として表した。 而してまず第1図aに基づき幅縮小の場合につ
いて説明する。図において破線xは短辺上端部
(鋳型内のメニスカスに相当する位置をいい、以
下短辺上端部とは係る意味で用いる。)の移動速
度(以下、上端部速度といい、Vuで表す)を、
実線yは短辺下端部の移動速度(短辺下端部とは
短辺の下端をいい、短辺下端部の移動速度は以下
Vlで表す)を表わす。幅縮小にあたつては短辺
を鋳型中心方向に移動させるが、その前半では短
辺を鋳型中心側へ傾ける前傾操作を行い、目標と
する幅変更量のほぼ半量に達したら短辺を鋳型反
中心側に傾ける後傾操作を行わしめる。ところで
通常操業時における短辺の傾斜角(本発明におい
て傾斜角とは後述する第5図に1点鎖線で示す水
平線zと短辺1との角度を言い、以下βで表す。)
は鋳片幅や鋳造速度等によつて設定されており、
鋳片幅が広い程テーパー量(本発明においてテー
パー量とは後述する第5図に2点鎖線で示す鋳型
下端部を通る鉛直線Yzと上端部との水平距離を
いい、前記傾斜角βが90度のときは該テーパー量
は±0となる。以下、該テーパー量をkで表す。)
は大きくなり、鋳片幅が狭くなると前記テーパー
量も小さくなる。 従つて連続鋳造中に鋳片の幅変更を実施した場
合、その実施前と実施後では鋳片幅が変わること
から短辺の傾斜角βも変わることになり、前記テ
ーパー量kも変化させる必要がある。このテーパ
ー量の変化を例えば幅変更終了後に実施すると、
幅変更操作とは別にテーパー量のみの変更を行う
操作(以下、テーパー量修正操作と言う)を行わ
なければならず、以下のような問題が発生する。
即ち、幅変更の制御が非常に複雑、かつ面倒にな
るうえに、幅変更終了からテーパー量修正操作が
終了するまでは不適正なテーパー量で鋳造が行わ
れることから、鋳片欠陥の発生やBOの危険が高
まる。又、テーパー量修正操作において鋳型下端
部或いは上下端部を同時に移動させてテーパー量
を修正させると目標とする鋳片の幅変更量と実際
の幅変更量とが一致せず、鋳片幅に誤差を生じる
可能性が極めて高い。 一方、本発明に基づく幅変更の後半に相当する
後傾期において目標テーパー量に達した時点で幅
変更を終了する方法も考えられるが、この方法で
は目標幅変更量に達する前に幅変更操作が終了す
ることになり、目標鋳片幅に対し実際の鋳片幅に
誤差が生じる結果となる。この誤差を幅変更操作
終了後に修正するとすれば短辺を平行移動させな
ければならず、該平行移動を行つた場合、シエル
変形抵抗力が大きくなつたり(幅縮小のとき)、
エアーギヤツプを生じたりして(幅拡大のとき)
安定した連続鋳造ができなくなる。 而して本発明は、前述した幅変更開始時のテー
パー量と幅変更終了時の目標テーパー量との差か
ら生じる目標幅変更量に対する誤差を、前記前傾
期から後傾期へ移行する間に短辺の上下端部の速
度を同一とする平行移動期間を設けることによつ
て効果的に吸収せしめることに成功したものであ
る。 前記第1図の例は2種類の幅変更のパターンを
示すもので、目標幅変更量を幅変更時間Tw1
Tw2で表し、前傾期開始(幅変更開始)から前
傾期終了(平行移動開始)までの時間をTr1
Tr2で、又平行移動期間をTh1,Th2で表した。
第5図はこの幅縮小時の短辺の移動状況を示す模
式図であり、前記前傾期には短辺の上端部速度
Vuを下端部速度Vlより常に一定速度だけ速く移
動させることによつて1点鎖線で示す水平線zに
対する短辺1の傾斜角βが順次大きくなり、前傾
量は増しテーパー量は小さくなつていく。鋳型短
辺の中心部が目標幅変更量のほぼ半量に達したら
上下端部速度を同一とする平行移動を行わしめる
が、この平行移動期間は後述するように幅変更開
始時のテーパー量と幅変更終了時の目標テーパー
量の差から生じる目標幅変更量に対する誤差を吸
収する程度の僅かな時間である。該平行移動期間
を経て後傾期に移行すると、前傾期とは逆に上端
速度Vuより下端速度Vlを常に一定速度速めるこ
とによつて前記傾斜角βは順次小さくなり、前傾
量が減つていく。(本発明においては前記傾斜角
βが大きくなる方向、即ち鋳型中心側に傾いてい
きテーパー量が小さくなつていく移動期間を前傾
期、逆に前記傾斜角βが小さくなる方向、即ち鋳
型反中心側に傾いていきテーパー量が大きくなつ
ていく移動期間を後傾期とそれぞれ定義して用い
た。) 一方、上下端部速度Vu、Vlは前後傾期におい
て一定の増速率α、即ち前傾期においては正方
向、つまり短辺移動速度が順次増加する増速率α
を、また後傾期においては負方向、つまり短辺移
動速度が順次減少する増速率α{正方向を基準と
すれば減速率となるが本発明では増速率に統一し
て用い、それを特に区別して表す必要があるとき
はその符合で増速を(+)、減速を(−)で表す
ことにする。またこれを総称して言うときは以下
増速率αと言う。}と速度差△Vとを有し、それ
ぞれ時間と共に前傾量もしくは後傾量が増加す
る。而して第1図においては前傾期の増速率を
α1、上下端部速度Vu、Vlの速度差を△V1で表
し、減速する後傾期の増速率をα2,α21で、又上
下端部速度Vu、Vlの速度差を△V2,△V21で表
した。 尚、平行移動期間における増速率α及び速度差
△Vは「零」である。 次に幅拡大の場合を前記第1図b及び第6図の
模式図に基づいて説明する。幅拡大を実施するに
当たつては前記幅縮小とは逆に短辺を鋳型反中心
方向に移動させていくが、まずその前半では下端
部速度Vlを上端部速度Vuより常に一定の速度だ
け高める後傾操作を行い、所定量の移動を行わせ
た後前述した幅変更開始時のテーパー量と幅変更
終了時の目標テーパー量の差から生じる目標幅変
更量に対する誤差を吸収する平行移動期間を経た
後、上端速度Vuを下端部速度Vlより高める前傾
操作を行う。この場合においても、前傾期及び後
傾期には上下端部速度Vu、Vlは前述したように
一定の増速率αと速度差△Vを有し、それぞれ時
間と共に前傾量もしくは後傾量が増加する。 以上のように、本発明では前記増速率αを後述
するように許容シエル変形抵抗をパラメータとし
て鋼種や鋳片サイズ、鋳造速度等に応じて予め求
めて設定すると共に、上端部速度Vuと下端部速
度Vlの速度差△Vを前記(1)に基づいて定め、前
傾期及び後傾期のそれぞれの期間中それを一定に
維持して幅変更を実施することにより、BOや鋳
片割れ等の鋳造欠陥を生じることなく最短の時間
で幅変更を行うことを第1の特徴とし、又前傾期
から後傾期へ移行する間に平行移動期間を設ける
ことによつて幅変更開始時のテーパー量と幅変更
終了時の目標テーパー量の差から生じる目標幅変
更量に対する誤差を効果的に吸収せしめることを
第2の特徴とするものである。 尚、短辺の駆動装置としては、短辺の上、下端
部の速度Vu、Vlを前述のように所定の速度に制
御できるものであれば、前記第2図の駆動装置に
限定されるものではない。例えば第22図に示す
ような周知の装置、即ち、短辺1の背面に、水平
方向に移動自在で、かつ球面座12を支点として
カム機構14の回転駆動により揺動可能に構成さ
れた1本のスピンドル13を連接し、このスピン
ドル13によつて短辺1の水平方向への移動と旋
回動作を同時に行う構造のものを用いることも可
能である。第22図において15は電動モーター
であり、スクリユウシヤフト16を介して前記ス
ピンドル13を水平方向に移動せしめる。 しかしながら本発明者らの経験では、前記第2
2図に示すような装置では、例えば幅変更速度を
大きくとつたり、短辺1は球面座12より離れ
る、つまり鋳片幅を狭くすうに従つて短辺1の上
端又は下端が鋳造方向にずれを生じ、特に最近、
積極的に採用されている湾曲型鋳型においては前
記ずれによつて長辺と短辺との間に間隙を生じ、
鋳造欠陥発生を誘発する可能性がある。かかる点
などを勘案すると前記第2図に示すような鋳造方
向に対して上下2本のシリンダー装置によつて駆
動する構造のものが総ての鋳型において本発明の
機能を発揮でき、優れていた。 而して、まず始めに、前述した増速率α及び速
度差△Vを制御因子とすることにより鋳造欠陥を
生じることなく最短時間で幅変更が実施できる理
由について説明する。 前述したように、幅変更時の速度を高速化する
には幅変更中にBOや鋳片に欠陥等を生じさせな
いための配慮が必要である。このためには幅変更
実施の全期間中において鋳片と短辺との間にエア
ーギヤツプを生じさせず、かつ短辺によつて過度
に鋳片を押し込むことがないように常に適正な押
し込みを確保することが肝要である。第7図は短
辺の移動と前記エアーギヤツプの生成条件を説明
する概念図であつて、Xu、Xlは短辺上端部及び
下端部の任意時点(幅変更開始から任意時間t経
過した時点)における移動量を示し、βは当該時
点での前述した短辺と水平線zとの傾斜角を、又
θは垂直線に対する傾斜角(θ=β−90゜)を表
すものである。 さて、微少時間dtの間に短辺上端がdXu、下端
がdXl移動するものとし、この間鋳片は鋳造速度
をUcとすると〔Uc・dt〕だけ下方に移動し、第
7図aにおけるd点はd1点へ、e点はe1点へ移動
する。この間に短辺1の進む距離が小さいと、短
辺と鋳片との間に前記エアーギヤツプ(第7図a
におけるη)を生じる結果となる。これを避ける
ためには第7図bに示すようにdtの間に短辺が
〔Uc・dt・tanθ〕以上移動すればよい。即ち、短
辺上端部の移動量と下端部移動量に関して下記
(2)、(3)式が成り立てばよいことになる。 dXu≧Uc・dt・tanθ −(2) dXl≧Uc・dt・tanθ −(3) ここにtanθは下記(4)式で表せる(θが小さいた
めL・cosθ≒Lとする)ことから、前記(2)、(3)式
をdtで割り、整理することによつて下記(5)、(6)式
が得られる。 tanθ=(Xu−Xl)/L −(4) dXu/dt=Vu≧(Xu−Xl)・Uc/L −(5′) Vu−(Xu−Ll)・Uc/L≧0 −(5) dXl/dt=Vl≧(Xu−Xl)・UC/L −(6′) Vl−(Xu−Xl)・Uc/L≧0 −(6) 従つて、上端部速度Vu及び下端部速度Vlを前
記(5)、(6)式を常に満足することに設定すると前記
エアーギヤツプηが生じることなく幅変更を行な
えることが判つた。 次に鋳片上の任意の点が鋳型内を通過する間に
受ける総変形量(これを以下押込量δと言う)を
第8図に基づいて説明する。 任意時刻tにおいて短辺上端で生成された点d
はL/Uc時間後に短辺下端を通過する。この時
短辺が移動していると鋳片はT=t+L/Ucの
時点の短辺下端位置との差分だけ変形されて鋳型
を出る。この鋳型内通過時に鋳片が受ける総変形
量、つまり前記押込量δは下記(7)式で表すことが
できる。 δ=Xl(t+l/Uc)−Xu(t) −(7) l;メニスカスからの垂直距離 而して該押込量δと前述したエアーギヤツプを
生じない条件によつて鋳片の押込状態は表され、
この二つの条件を幅変更中の経過時間に対して変
化させないように制御することにより前述した鋳
造欠陥の生じることのない安定した押込状態を維
持出来ることが判つた。そこで、本発明者等は前
記条件を満足させるために更に研究を継続した。 前記条件を満足させるためには、前記(5)〜(7)式
を同時に満足するVu、Vlを求める必要がある。
下記(8)、(9)式及び(10)式は前記(5)、(6)式及び(7)式

それぞれ時間で微分して得られた式であり、この
(8)〜(10)を連立して下記(11)式が得られる。 dVu/dt−Uc/L・(Vu−Vl)=0 −(8) dVl/dt−Uc/L・(Vu−Vl)=0 −(9) Vl(t+l/Uc)−Vu(t)=0 −(10) dVu/dt={Vu(t)−Vu(t −L/Uc)}/(L/Uc) −(11) 前記(11)式の解を一般解の式で表すと下記(12)式と
なる。 Vu=A・t+B −(12) (12)式においてA、及びBは定数である。 又、前記(12)を前記(9)に代入することによつて
Vlが下記(13)式で表される。 Vl=A・t+(B−A・L/Uc)−(13) つまり、該(12)及び(13)式より、前述した安定
した押込状態を維持するにはVu及びVlを幅変更
開始からの経過時間tとの1次関数で設定すれば
良く、又VuとVlは常に一定の速度差に保てば良
いと言う新知見が得られた。 本発明者等は該知見に基づき実操業の連続鋳造
中における幅変更においてさらに研究を重ねた結
果、前記(12)及び(13)式の定数Aを許容変形抵抗
力をパラメーターとして求めた値に設定すること
により、前記知見を工業的規模で適用することが
可能であることを確認した。 而して本発明における前記定数Aは前傾期及び
後傾期では零以外の値であつて、このためVu及
びVlは時間と共に増速もしくは減速される。こ
の幅変更期間中Vu及びVlを増速もしくは減速さ
せる定数Aを本発明では増速率αとして用いた。
又、前記(12)及び(13)式における定数Bは短辺上
端部の幅変更開始時の初期速度であり、幅変更や
その時の操業条件によつて予め適宜決定すればよ
い。前記増速率αが設定されるとVuとVlの速度
差は前記(13)式の短辺長さL及び鋳造速度Uc
から △V=Vu−Vl=α・L/Uc −(1) と求められ、前述した(1)式が得られる。 因に増速率αが零の場合は前記(1)式の△V=0
となり、Vu=Vl、即ち短辺の上下端部速度が同
一速度となる。これは従来法の幅変更における平
行移動と結果的に同一の状態になる。確かに従来
法の平行移動期間中は押込状態が安定した状態に
保たれるこの部分での鋳造欠陥の発生はなく、従
来はこの平行移動を中心とした幅変更パターンが
実施されていたわけである。しかしながらこのよ
うな従来法では前述したように平行移動期の前後
に傾斜角度変更期が必要となり、この期間で適正
な押込量を確保することが困難となつたり、幅変
更時間の短縮に限界が生じる等の問題があつた。
本発明は、係る従来の問題を、増速率αを零以外
でかつ許容シエル変形抵抗力から求められる値に
設定すると共に前記平行移動期間を幅変更開始前
のテーパー量と幅変更終了時の目標テーパー量の
差から生じる目標幅変更量に対する誤差を吸収す
るためにのみ活用することにより抜本的な解決を
可能としたものである。 次に増速率αの具体的な求め方について説明す
る。 増速率αを高くしていくと幅変更時間は短縮さ
れていくが、或る値を越えると鋳片が座屈を生じ
て表面のシエルが破断したり、或いは変形抵抗が
大きくなり短辺を移動せしめる駆動力が不足し幅
変更が出来なくなる等の現象を生じるようにな
る。本発明者等は多くの実験を繰返した結果、前
記増速率αとして許容シエル変形抵抗力から最適
の範囲を求めることが可能であることを確認し
た。許容シエル変形抵抗力はシエル強度から決定
される場合と前記鋳型短片駆動力から決定される
場合とがある。 まず鋳片シエルの強度から求める方法について
説明する。 鋳型短辺により鋳片を押し込むと、鋳片表面に
生成された凝固殻即ちシエルには歪が生じる。こ
の際、前記シエルにはその歪速度に応じた抵抗力
が発生する。ところで該抵抗力がシエルの限界強
度以上である場合にはシエルが座屈変形をおこし
て鋳造欠陥を生じる結果となる。このような欠陥
の発生を避けるためにはシエルに生じる歪速度を
シエル強度に対応する限界歪速度以下にしなけれ
ばならない。 本発明の幅変更法における前記シエルの歪速度
を第9図に基づいて説明する。短辺上端部からの
任意の距離Eの位置における微小押込量をdX(E)
とし、微少時間dtの間で上端部がdXu、下端部が
dXl動いたとすると、前記E点にある鋳片が受け
る微小押込量dX(E)は下記(14)式で表せる。 dX(E)={(dXl−dXu)/L}・E +dXu−Uc・dt・tanθ −(14) 従つて単位時間当りの押込率は下記(15)式で
表せる。 dX(E)/dt=(Vl−Vu)・E/L +Vu−Uc・tanθ −(15) ところで幅変更の前半期(幅縮小時は前傾期、
幅拡大時は後傾期)では前述のようにVu、Vlは
下記(16)、(17)式で表せる。 Vu=α1・t+B1 −(16) Vl=α1・t+B1−α1・L/Uc −(17) 但し α1;幅変更の前半期における増速率 B1;幅変更の前半期における短辺上端部の初期
速度 又、幅変更の後半期(幅縮小時は後傾期、幅拡
大時は前傾期)では下記(18)、(19)式で表せ
る。 Vu=α2・(t−Tr)+B2 −(18) Vl=α2・(t−Tr)+B2−α2・L/Uc−(19) 但し α2;幅変更の後半期における増速率 B2;幅変更の後半期における短辺上端部の初期
速度 Tr;前半期の開始から終了までの時間 従つて前記(16)、(17)式を前記(15)式に代
入すると共に tanθ=(Xu−Xl)/L を考慮すると前半期の押込率は下記(20)式とな
る。 dX(E)/dt=B1−α1・E/Uc −(20) 同様に後半期の押込率は下記(20′)式となる。 dX(E)/dt=B2−α2・E/Uc−α1・Tr −(20′) 前記(20)、(20′)式の{dX(E)/dt}を片側の
短辺が受け持つ鋳片幅2Wの半量{(1/2)・2W}
で割ると幅変更前半期と後半期の鋳片の歪速度ε〓1
(E)とε〓2(E)は下記(21)、(22)式のように求めら

る。 ε〓1(E)=(B1−α1・E/Uc)・1/W −(21) ε〓2(E)=(B2−α2・E/Uc−α1・Tr)・1/W
−(22) これを図示すると第10図及び第11図のよう
に表せる。即ち第10図は幅縮小を示し、第10
図aが前半期、第10図bが後半期である。又、
第11図は幅拡大を示し、第11図aが前半期、
第11図bが後半期である。第10図及び第11
図において縦軸はメニスカスからの垂直距離、横
軸は歪速度ε〓であり、それぞれ上下端部の速度ε〓
を設定することによつてα、Bは決定される。 ところで前記歪速度ε〓はそれが負(−)となる
とエアーギヤツプが生じ、或る値以上となると鋳
片が座屈現象を起こし、前述したように安定した
鋳造ができなくなる。而して歪速度ε〓の適正範囲
は零以上で、かつ許容される最大値ε〓max以下
(0≦ε〓≦ε〓max)である必要がある。 本発明者等は前記ε〓maxについて種々調査した
結果、ε〓maxは鋳片の上部と下部とで異なり、通
常の連続鋳造で製造される鋼種では第1表に示す
値を適用することにより、本発明の機能を確実に
発揮できることが確認できた。
【表】 従つて前記(21)、(22)式より前半期における
上端部には下記(23)が、下端部には下記(24)
式が成立し、同様に後半期における上端部には下
記(25)、下端部には下記(26)式がそれぞれ成
立する。 0<B1/W≦ε〓max1 −(23) 0<(B1−α1・L/Uc)・1/W≦ε〓max2 −(24) 0<(B2−α2・Tr)・1/W≦ε〓max1 −(25) 0<(B2−α2・L/Uc −α1・Tr)・1/W≦ε〓max2 −(26) 以上の各式を満足する、即ち幅変更中において
安定鋳造を維持するための相関を整理すると下記
(a)〜(h)の各式が求まる。 B1>0 (a) B1>α1・L/Uc (b) B1<W・ε〓max1 (c) B1<W・ε〓max2+α1・L/Uc (d) B2≧α1・Tr (e) B2≧α1・Tr+α2・L/Uc (f) B2≦W・ε〓max1+α1・Tr (g) B2≦W・ε〓max2+α1・Tr+α2・L/Uc (h) 第12図はこの(a)〜(h)の関係を前述した前半期
と後半期とに区別して表したもので、第12図a
が前半期を、また第12図bが後半期を示す。更
に横軸は増速率α1,α2を、縦軸は初期速度B1
B2である。第12図におけるハツチング部Dが
鋳造欠陥の発生することのない、つまり安定した
鋳造を継続しつつ幅変更が可能な範囲を示してい
る。従つて、増速率α1,α2として前記ハツチング
部Dの範囲内の任意の値を選択して設定すること
により、前述した本発明の幅変更が実施できる。
又、前記α1,α2を設定することによつてB1,B2
も決定される。 ところで、幅変更は前述したように可能な限り
において短時間で実施することが要求されてお
り、係る要求を満足すべき増幅率αを前記ハツチ
ング部Dの範囲内より求めることが必要である。
而して幅縮小の前半期では増速率α1及び初期速度
B1が共に正で、その絶対値が大きい程よい。こ
のことより第12図aに示した点アが最適条件と
なる。即ち、 B1=α1・L/Uc=W・ε〓max1 −(27) であればよい。後半期においては前半期で通常操
業時より傾斜せしめた傾斜角を元に戻さねばなら
ないことから α1・Tr=−α2・(Tw−Tr) −(28) Tw−Tr=−(α1/α2)・Tr −(29) となり、幅変更時間を小さくするためにはα2の絶
対値は大きい程よいことになり、第12図bに示
した点ウが最適点となる。即ち、 B2=α1・Tr=W・ε〓max2+α1・Tr +α2・L/Uc −(30) であればよい。 次に、幅拡大の前半期において幅変更時間を短
縮するにはα1、B1とも小さい程よい。従つて第
12図aに示した点イが最適条件となり、初期速
度B1は以下のようになる。 B1=0=W・ε〓max2+α・L/Uc−(31) また、幅拡大の後半期においては Tw−Tr=−(α1/α2)・Tr −(32) の関係式においてα1<0、α2>0となることから
幅変更時間を小さくするにはα2が大きい程よい。
従つて第12図bに示した点エが最適点となり、
初期速度B2は以下の通りとなる。 B2=α1・Tr+α2・L/Uc=W・ε〓max1 +α1・Tr −(33) 以上のように幅変更時間を最短にするための増
速率α及び初期速度Bが求められるが、下記第2
表はそれを一覧として表したものである。
【表】 前記第2表の条件下における上下端速度Vu、
Vlは下記第3表(幅縮小)及び第4表(幅拡大)
のようになる。 第3表及び第4表より明らかなように幅縮小を
開始するに当つては、短辺上端部の初期速度B1
を前傾期における速度差△V1とすればよく、(B1
=△V1=α1・L/Uc)、この速度差△V1を確保
するためには短辺下端の初期速度を以下の式に示
すように「0」とすることが幅変更時間を短縮す
るうえからは最も効果的である。
【表】
〔実施例〕
350屯/Hの湾曲形連続鋳造機において低炭素
Alキルド鋼の製造中に本発明を実施した。この
連続鋳造機の設備仕様及び操業条件は第5表に示
す通りである。
【表】 まず、鋳片幅を1200mmから1000mmに幅縮小した
実施例について述べる。この幅縮小を実施する場
合、テーパー量も8mmから5mmに変更する必要が
ある。 ところで前述した説明においては短辺の上下端
部速度を、上端部はメニスカス部で、下端部は短
辺下端で設定し、該上下端部速度Vu、Vlを基準
に増速率α及び速度差△V等を求めたが、短辺の
駆動を上下のシリンダーで行う場合にはこの上下
のシリンダーの速度を基準にする方が駆動制御等
の上から好ましい。係る場合は前記上下端速度
Vu、Vlを以下の如く上下シリンダーの速度に置
換して行えばよい。第13図に基づき上下シリン
ダーの間隔をL1、短辺上端から上シリンダーま
での距離jをすると、上下シリンダーの速度
Vuc、Vlcは下記(61)、(62)式で表せる。 Vuc=(Vl−Vu)・j/L+Vu −(61) Vlc=(Vl−Vu)・(j+L1)/L+Vu −(62) 従つて上下シリンダーの速度差は Vuc−Vlc=(Vl−Vu)・L1/L =α・L/Uc −(63) となり、短辺の長さLに代えて上下シリンダーの
間隔をL1を用いればよい。 本実施例では幅変更時間の最短化を狙つて前記
(27)、(30)式より前傾期の短辺上端部初期速度
B1、及び後傾期短辺上端部初期速度B2を以下の
ように設定した。 B1=α1・L1/Uc B2=α1・Tr 一方、αはシエル強度から設定される値ではシ
リンダーの能力が不足したので、改めてシリンダ
ー能力から決定した。下下のシリンダー能力
Fuu、Fllは前記(43)、(44)式より7屯となつ
た(10屯−1.5屯−1.5屯)。又、当該鋼種の引張
試験結果よりGo=2.5×10-12{(Kg/mm2n・sec}、
n=0.32、q=28000(1/〓)が求められた。
又、シエル厚の測定によりHo=20(mm/min1/2
であつた。この条件下で増速率αを逐次変化さ
せ、前記(37)〜(41)式に基づいて必要駆動力
Fu、Flを求めた。 第18図がその結果を示すもので、上下シリン
ダーの必要駆動力Fu、Flがその能力Fuu、Fll以
下である条件を満たすために増速率αは50mm/
min2とした。従つて、上下シリンダー速度差△
Vcは(1)式に相当する(63)式より △Vc=α・L1/Uc=50×640/1600=20
(mm/min) となつた。 前傾期の増速率α1と後傾期の増速率α2は前述し
たように制御性を高めるためにα1=−α2とした。
従つて前傾期及び後傾期における上下シリンダー
の速度は以下のように求められる。 幅縮小時の前傾期(0≦t≦Tr) Vuc=20+50t(mm/min) −(64) Vlc=50t(mm/min) −(65) 幅縮小時の後傾期(Tr≦t≦Tw) Vuc=50(Tw−t)(mm/min) −(66) Vlc=20+50(Tw−t)(mm/min) −(67) 尚、幅変更開始時と終了時のテーパー量を同一
と仮定して、幅変更時間Tw、および幅変更時間
Twの半量、つまり前傾期の所要時間Trを、前記
(52)式に相当する(58)式に基づき以下の
(68)、(69)式で求めた。 Tr=0.2×{(1+0.5×100)1/2−1} =1.23(min) −(68) Tw=0.4×{(1+0.5×100)1/2−1} =2.46(min) −(69) 又、幅変更開始時と終了時のテーパー量の差に
よつて生じる目標変更量に対する誤差は、片側で
前記(54)、(55)式に基づいて下記(70)、(71)
式で求めた結果3.135mm(片側)となり、平行移
動時間Thは平行移動速度を前傾期終了時の下シ
リンダー速度とすると前記(57)式より下記
(72)式となる。 T△k=(640/800)×(5−8)/20=0.12(min)
−(70) △W=(1/2)×50×0.122+{1+(100/640)} ×20×0.12=3.135(mm) −(71) Th=3.135/(50×0.12)=0.05(min) −(72) 更に前傾期終了時のテーパー量k1と平行移動終
了時のW2(鋳片幅/2)は前記(59)、(60)式よ
り下記(73)、(74)式となる。 k1=−(800/640)×(20×1.23) +8=−22.75(mm) −(73) W2=500+〔(1/2)×50×(1.232−0.122) +{1+(100/640)}×20 ×(1.23−0.12)〕=563.13(mm) −(74) 前述のように上下部速度Vu、Vlを設定して幅
変更を開始し、テーパー量がk1と一致するまで前
傾移動させ、上シリンダー速度を下シリンダー速
度と同一とし、鋳片幅が(W2×2)となるまで
平行移動させ、然るのち下シリンダー速度を前傾
期終了時の上シリンダー速度にしてテーパー量が
目標テーパー量k2に一致するまで後傾移動を行い
幅縮小を実施した。第19図は目標幅変更(縮
小)量に対する幅変更時間を従来法と比較して表
わしたもので、実線が前記本発明の実施例、破線
が従来法である。第19図において横軸は幅縮小
量Qmm/片側を示し、縦軸は幅変更時間Tw分を
示す。 また、従来法による幅縮小は第3図に示す方法
で実施した。この場合発生エアーギヤツプ量を大
きな鋳造欠陥を生じない程度に押さえ、かつ必要
駆動力を7屯以下として幅縮小を行うためには平
行移動速度Vmは35mm/分が限界であつた。 第19図により、幅縮小量の大小にかかわら
ず、本発明の実施例の方が従来法に比べて幅変更
時間が短いことがわかる。また、幅縮小量が大き
くなるほど本発明の実施例による幅変更時間短縮
効果は増大する。 第20図a及びbは前記従来法a及び本発明の
実施例bの幅縮小における上シリンダー及び下シ
リンダーに作用するシエル変形抵抗力の幅変更開
始からの時間による変化を示すもので、図中、実
線は上シリンダー、破線は下シリンダーに作用し
た必要駆動力を示す。 第20図a及びbに示す上下シリンダーの最大
必要駆動力Fumax、Flmaxは従来法及び実施例
ともにほぼ同等であり、本発明の実施によつて必
要駆動力が増大することはなかつた。尚、本実施
例では平行移動時間Thは前、後傾期の時間に比
し極小であるため前記図では省略した。又、発生
エアーギヤツプについては、従来法の場合最大
1.5mm発生するのに対し、本発明による場合殆ど
零であり、内部及び表面欠陥は全く認められなか
つた。 次に鋳片幅を1000mmから1200mmに拡大した実施
例について述べる。この場合テーパー量は5mmか
ら8mmに変更する必要がある。この幅拡大におい
ても前記幅縮小と同様に前記(37)〜(41)式よ
り、短辺1の上下シリンダー速度Vuc、Vlcが設
定され、上下シリンダーの速度パターンが以下の
(75)〜(78)式で求められる。 幅拡大時の後傾期(0≦t≦Tr) Vuc=−50t(mm/min) −(75) Vlc=20−50t(mm/min) −(76) 幅拡大時の前傾期(Tr≦t≦Tw) Vuc=20−50(Tw−t)(mm/min) −(77) Vlc=−50(Tw−t)(mm/min) −(78) 又、幅変更開始時と終了時のテーパー量を同一
と仮定すると、幅変更時間Tw及び後傾期の時間
Trは次の(79)、(80)式で与えられる。 Tr=0.2×{(1+0.5×100)1/2 +1}=1.63(min) −(79) Tw=0.4×{(1+0.5×100)1/2 +1}=3.26(min) −(80) 又、幅変更開始時と終了時のテーパー量の差によ
つて生じる目標幅変更量に対する誤差は、前記
(54)、(56)式に基づいて下記(81)、(82)式で
求めた結果0.735mmとなり、平行移動時間Thは平
行移動速度を前傾期終了時の下シリンダー速度と
すると前記(57)式より下記(83)で求められ
る。 T△k=(640/800)×(|8−5|)/20=0.12
(min) −(81) △W=(1/2)×50×0.122+(100/640) ×20×0.12=0.735(mm) −(82) Th=0.735/(50/1.63−20)=0.01(mm) −(83) 第21図は、本実施例に基づく幅変更時間を従
来法と比較して表わしたものである。第21図に
おいて横軸は幅拡大量Qmm/片側を示し、縦軸は
幅変更時間Tw分を示す。また図中実線は本発明
の実施例、破線は従来法を示す。従来法による幅
拡大は第4図に示す方法で実施し、平行移動速度
Vmは、幅縮小の場合と同様にエアーギヤツプ量
を許容値以下にし必要駆動力を7屯以内とするた
めに15mm/分が限界であつた。この幅拡大でも幅
縮小の場合と同様に、幅拡大量の大小にかかわら
ず、本発明の実施例の方が従来法に比べて幅変更
時間が著しく短いことがわかる。 又、発生エアーギヤツプ量及び必要駆動力につ
いても、発生エアーギヤツプ量は殆ど零であり、
下シリンダーの必要駆動力は7屯以下であり、幅
縮小の場合と同様にそれぞれ許容値以内であつ
た。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明の実施により、鋳
型の幅変更が最小時間で可能となる。このため幅
変更による鋳片の幅が変化する部分を少なくで
き、歩留を著しく向上できる。 加えて幅変更開始前と終了時におけるテーパー
量の差から生じる目標幅変更量に対する誤差を幅
変更実施過程で効率的に吸収できるようになつた
ため、鋳片幅1300〜650mmの間で任意量の幅変更
が、その幅変更中におけるエアーギヤツプ量やシ
エル変形抵抗力を常に許容値以下にして実施でき
るようになる。この結果高速の幅変更を実施して
も鋳片割れやブレークアウト等のない安定した操
業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは本発明に基づく幅変更時におけ
る短辺の上端部及び下端部の水平方向移動速度を
説明するための線図、第2図は周知の幅可変鋳型
の一例を示す斜視図である。第3図(a,b,
c)及び第4図(a,b,c)は従来の幅変更方
法の一例を示す模式図でり、第3図は幅縮小、第
4図が幅拡大である。第5図〜第21図は本発明
に基づく実施例を示す図であり、第5図は幅縮小
時の短辺の移動状況を示す模式図、第6図は幅拡
大時の短辺の移動状況を示す模式図、第7図a,
bは短辺の移動と前記エアーギヤツプの生成条件
を説明する概念図、第8図は鋳片上の任意の点が
鋳型内を通過する間に受ける総変形量を説明する
概念図、第9図は本発明の幅変更法におけるシエ
ルの歪速度を説明する概念図である。第10図
a,b及び第11図a,bはシエルの歪速度と増
速率との関係を示す線図であり、第10図が幅縮
小を、第11図が幅拡大を示す。第12図a,b
は鋳造欠陥の発生することのないα及びBの範囲
を示す線図、第13図は短辺を駆動する上下シリ
ンダーの配列状態を示す構造図、第14図は幅縮
小時の短辺上下端部移動速度の他の実施例を示す
線図、第15図はテーパー量変更によつて発生す
る幅変更量の誤差を説明するための線図、第16
図は幅縮小の実施例を示す線図、第17図は幅縮
小における具体的制御手段の一例を示すブロツク
図、第18図は必要駆動力からαを求める方法の
一例を示す線図、第19図は目標幅変更(縮小)
量に対する幅変更時間を従来法と比較して表わし
た図、第20図a,bは従来法と本発明の実施例
の幅縮小における上シリンダー及び下シリンダー
に作用するシエル変形抵抗力の幅変更開始からの
時間による変化を示す図、第21図は本発明実施
例に基づく幅変更時間を従来法と比較して表わし
た図である。第22図は短辺の駆動装置の他の例
を示す断面構造図である。 1,1a,1b;鋳型短辺、2;鋳型長辺、3
a,3b;駆動装置、4;鋳片。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 連続鋳造中に鋳型短辺を移動せしめて鋳片幅
    を拡大もしくは縮小するに際し、前記短辺の移動
    を該短辺を鋳型中心側へ順次傾ける前傾期と、鋳
    型反中心側へ順次傾ける後傾期とに区分し、前記
    各期間における短辺上下端部の水平方向移動速度
    の増速率αを予め許容シエル変形抵抗力をパラメ
    ータとして求めると共に前記上下端部の移動速度
    の差△Vを下記(1)式で定め、当該期間中、前記増
    速率α及び速度差△Vを一定に維持して幅変更を
    行う方法において、幅変更開始時のテーパー量と
    幅変更終了時の目標テーパー量の差から生じる目
    標幅変更量に対する誤差を、前傾期から後傾期へ
    移行する間に平行移動期間を設けることにより吸
    収することを特徴とする連続鋳造中における鋳片
    幅変更方法。 △V=α・L/Uc (1) 但し △V;短辺上端と下端の速度差(mm/min) α;短辺上下端の増速率(mm/min2) L;鋳型短辺長さ(mm) Uc;鋳造速度(mm/min)
JP26038184A 1984-11-09 1984-12-10 鋳片幅変更方法 Granted JPS61137659A (ja)

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CA000490523A CA1233011A (en) 1984-11-09 1985-09-12 Method of changing width of slab in continuous casting
EP85306509A EP0182468B1 (en) 1984-11-09 1985-09-13 Method of changing width of slab in continuous casting
DE8585306509T DE3578554D1 (de) 1984-11-09 1985-09-13 Verfahren zum aendern der breite eines gussstranges beim kontinuierlichen giessen.
BR8504644A BR8504644A (pt) 1984-11-09 1985-09-23 Processo para mudanca da largura sob fundicao continua e aparelho para molde de fundicao continua composto,do tipo de largura variavel
ES547211A ES8702811A1 (es) 1984-11-09 1985-09-23 Un metodo para variar la anchura en condiciones de colada continua moviendo para ello la cara estrecha del molde de colada continua.
US06/783,589 US4660617A (en) 1984-11-09 1985-10-03 Method of changing width of slab in continuous casting
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