JPH02194054A - 高温下における色相の安定なポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

高温下における色相の安定なポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JPH02194054A
JPH02194054A JP1191589A JP1191589A JPH02194054A JP H02194054 A JPH02194054 A JP H02194054A JP 1191589 A JP1191589 A JP 1191589A JP 1191589 A JP1191589 A JP 1191589A JP H02194054 A JPH02194054 A JP H02194054A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリフェニレンサルファイド樹脂(以下rPP
S、という)その他のポリアリーレンサルファイド樹脂
の高温下における色相の安定化に関する。更に詳しくは
、ポリマーの分解や熱架橋に起因する溶融成形時の着色
を防止すると共に当該成形物の高温下における経時変色
が防止されたPPSその他のポリアリーレンサルファイ
ド樹脂の組成物に関する。
PPSは耐熱性、耐薬品性、成形品の寸法安定性等の特
性に優れた熱可塑性樹脂であり、主として自動車部品、
電気・電子部品、機械部品等として利用されている。し
かしながら、これら成形品の色相は茶褐色であったり、
または白色であっても100°C以上の高温下では徐々
に茶褐色に変色するという現象があり、カラーリングは
著しく制限され、用途が限定されていた。一方、PPS
は耐熱性のフィルムや繊維への応用も検討されている。
これらの用途には、直鎖状で分子量が十分に高いこと、
着色が少ないすなわち白色であることおよび高温下での
色相の変化が少いことが必要であり、従来の低分子量ポ
リマーを熱架橋させて分子量を増大せしめたものでは十
分な物性が得られず且つ茶褐色に着色するという欠点を
有していた。本発明はこれら問題点を解決したポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物を提供するものである。
〔従来の技術〕
従来の市販PPSは、比較的低分子量のものを酸素の存
在下で高温処理することによって架橋、分岐反応等を起
こさせて高分子量化したものがほとんとであった。この
ような方法で高分子量化したPPSは着色が激しいこと
、架橋分岐構造が多いために機械的強度が不十分である
ことなど多くの問題点があった。
上記問題点を解決する方法として、重合反応時に各種の
重合助剤を用いる方法(特開昭52−12240号、特
開昭59−219332号、米国特許4,038,26
3号など)、および成る程度重合反応を行った後、水を
添加し、更に昇温しで後段の重合を行う方法(特開昭6
l−7332)が提案されている。これらの方法によれ
ば、架橋、分岐等を起こさせることなしに線状構造を維
持したまま高分子量化することが可能であり、生成した
PPSも着色の小さいものとなる。しかしながら、この
ようにして得られ線状構造を有し、十分に高分子量化さ
れた着色の小さいPPSを用いた場合でも、成形に先立
って、工業的に通常実施されるペレット化、すなわち押
出機を用いて粉末状ポリマーをシリンダー内で加熱・溶
融して押出しペレット化するに際し、酸素等の影響によ
りラジカルや過酸化物が発生して着色が起こり易く、着
色の少ない成形物を得ることは困難であった。
このようにペレット化時の着色の改善方法として、特開
昭47−1735号ではフェニルホスフィン酸等の有機
ホスフィン酸またはジオクチルホスファイト等の有機ホ
スファイト類をペレット化前に添加する方法、および特
開昭59−213759号ではアミン誘導体、フェノー
ル誘導体、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、
亜リン酸エステル、アルキルチオエーテルの中から選ば
れた1種以上を添加する方法が提案されている。さらに
特開昭63−159470ではスピロ環を有するリン化
合物を添加する方法が提案されている。しかしながら、
本発明者らの研究によれば、これらの方法の場合、上記
着色防止剤の耐熱性が不十分であって、ペレット化時の
温度300°C以上では分解や揮散が生じ、着色防止の
効果が満足できるものではなく、また、成形時のガスが
異常に多くなったり、金型のベント部に分解物がヤニと
して付着する様な問題点を生ずる。
さらに、特開昭62−97821号には、重合反応時、
反応液との接液部がチタンで構成された反応機を用いる
とともに、反応後、有効量のハロ置換有機化合物を添加
して再反応し、分子末端を安定化させる方法が開示され
ている。しかしながら、この方法の場合、ある程度の着
色防止効果は得られるものの、PPS中の残存有機アミ
ド溶媒量を成る量以下にすると共に着色防止剤の併用な
くしては白色またはそれに近い色相を得ることは困難で
ある。
さらに、成形直後の成形品が白色であった場合において
も100″C以上の高温下では時間の経過と共に徐々に
変色するという現象があり、着色防止剤を使用した場合
にこの傾向は顕著となる。従来技術ではこの高温下での
経時着色を防止することは困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、白色度が高く、溶融成形時その他の高
温下においても経時変色が非常に小さいベレットひいて
は成形品を得ることができるポリアリーレンサルファイ
ド樹脂組成物であって、工業的有利に得られる樹脂組成
物を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、ポ
リアリーレンサルファイド樹脂と、該ポリアリーレンサ
ルファイド樹脂100重量部に対して、0.05〜5重
量部のリン系着色防止剤と0.02〜5重量部の水素化
ホウ素化合物及び無機イオウ化合物の中から選ばれた還
元剤とからなることを特徴とする。
本発明で安定化されるポリアリーレンサルファイド樹脂
は、実質的に繰り返し単位−R−3−(Rニアリール基
)からなるポリマーである。好ましくは、パラフェニレ
ン基を繰り返し単位とし、式−eo−+−で表されるポ
リマー、ならびに主成分としてパラフェニレン基を含み
、少量成分として、その他のアリーレン基、例えば、m
−フェニレン基(−(リ−8−)、 フエニ p′−ジフェニレンスルフォン基 p 、 p ジフェニレンカルボニル基 体およびブロック共重合体が挙げられる。また、これら
のポリアリーレンサルファイド樹脂は混合物であっても
よい。特に好ましい樹脂は、ポリパラフェニレンサルフ
ァイド樹脂(PPS)である。
PPSとしては、例えば、特公昭45−3368号に開
示されている有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物と
ポリハロ芳香族化合物を反応させる方法により得られる
PPS、各種の重合助剤、例えばアルカリ金属カルボン
酸塩、芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ金
属ハライド等を用いて得られる高分子量のPPS、アル
カリ金属硫化物とポリハロ芳香族化合物とをまず180
〜235°Cにて50〜98%まで反応した後、水を添
加し、更に昇温しで2段階で重合して得られるPPS、
アルカリ金属硫化物とポリハロ芳香族化合物とを有機ア
ミド溶媒中で反応させたのち、有機アミド溶媒で熱時洗
浄して重合阻害物質及び未反応物質を除去し、さらに2
00〜260’Cにて反応させて得られるPPS、更に
、反応時1,3.5−)リクロロベンゼン等の分岐剤を
添加して重合して得られる分岐したPPSなどが挙げら
れる。
本発明において使用するリン系着色防止剤の具体例とし
ては、3,4.5 2−オキサホスファン−2 (n)で表される。以下、 る。); ■ 、6−ジヘンゾー1゜ オキサイド(下記式 rD、o、P、0. Jと略記す 下記一般式(T)で表される第三ホスフィンオキサイド
類 〔式中、R,R’、R″は置換基をもっていてもよいア
リール基またはアルキル基であって、R2Hl  、 
RIIは同一であっても相違してもよい。](例えば、
トリメチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフ
ィンオキサイド、メチル・エチル・フェニルホスフィン
オキサイド、ジメチル・エチルホスフィンオキサイド、
トリエチルホスフィンオキサイド、メチル・エチルペン
チルホスフィンオキサイド、トリーn−プチルホスフィ
ンオキサイド、トリオクチホスフィンオキサイド等);
トリフェニルホスファイト、トリイソオクチルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、ジステアリルペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジーte
n t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジーホスファイト等ノ亜すン酸エステル類;ト
リフェニルホスフィン、トリーn−ブチルホスフィン、
n−ブチルジフェニルホスフィンなどのホスフィン類;
ジアルキルジチオホスフィン酸金属塩、およびトリアル
キルホスフィンサルファイドが挙げられる。
上記リン系着色防止剤の中でも、D、O,P、0及び式
(I)で表されるホスフィンオキサイド類は熱安定性が
よく、耐酸性が良いところから、300’C以上におけ
る溶融混練、成形時における過酷な条件に耐える点で特
に好ましい。
本発明で使用する着色防止剤の添加量はポリアリーレン
サルファイド樹脂100重量部に対して0.05〜5重
量部、好ましくは0.1〜1重量部である。着色防止剤
の添加量が0.05重量部未満では着色を防止する効果
が十分でなく、5重量部を越えると、これ以上の着色防
止効果を期待することは難しく、経済的見地からも好ま
しくない。
本発明において還元剤を使用する目的は高温下における
変色を防止するところにあり、還元剤を添加することに
より成形品の高温下での色相の安定性を増すことができ
る。
本発明で使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリ
ウムおよび水素化ホウ素カリウムのような水素化ホウ素
化合物、ならびにハイドロサルファイドおよび亜硫酸ソ
ーダのような無機イオウ化合物が挙げられ、特に水素化
ホウ素ナトリウムが好ましい。
本発明で使用する還元剤の添加量はポリアリーレンサル
ファイド樹脂100重量部に対して0.02〜5重量部
、好ましくは0.1〜1重量部である。還元剤の添加量
が0.02重量部未満では高温下での変色を防止する効
果が十分でなく、5重量部を越えるとこれ以上の変色防
止効果を期待することは難しく、経済的見地からも好ま
しくない。
ポリアリーレンサルファイド樹脂に対する着色防止剤及
び還元剤の添加の時期はペレット化する直前または樹脂
製造過程の最終工程である。乾燥工程前に行うのが良い
。また、着色防止剤及び還元剤を添加する方法としては
、ヘンシェルミキサ、リボンプレンダー等の通常の混合
機を用いて、樹脂と着色防止剤と還元剤をそのまま混合
する方法、または、適当な溶媒を用いて、常温または加
温下に混合熔解し、その後使用した溶媒を蒸発等により
除去する方法が採られる。溶媒としては水、メタノール
、エタノール、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、トル
エン、テトラクロルエチレン、クロロホルム等を単独又
は二種類以上の混合溶媒として使用できる。まお、乾燥
工程前のウェットケーキの段階で添加する場合には、ウ
ェットケーキが多量の水を含んでいるので、混合効果を
増すためにオレイン酸ソーダ等の界面活性剤を使用して
もよい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂の製造には通常重合反
応時に有機アミド溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロ
リドン)が使用されるが、このアミド溶媒が樹脂中に多
量に残存すると、ペレット化時に酸化や分解により発色
団を形成し、樹脂を着色させる。この着色を防止するた
めにはできるだけ有機アミド溶媒を除去する必要があり
、樹脂中の有機アミド溶媒含有量は1 、 OOOpp
m以下に下げておくことが好ましい。有機アミド溶媒を
除去する方法としては、反応後のスラリー(ポリアリー
レンサルファイド樹脂、副生食塩及び有機アミド溶媒の
混合物)を有機溶媒で洗浄するのが好適である。使用す
る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパツール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,1.2.2−テ
トラクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
洗浄方法としては、反応後のスラリーにスラリーの重量
に基づき1〜2倍量の有機溶媒を加え、常圧又は加圧下
に20〜120°Cなる温度で0.5〜l時間洗浄する
方法が好ましい。ポリアリーレンサルファイド樹脂中の
有機アミド溶媒量を1 、000ppm以下にするため
は上記操作を3〜4回繰返す必要がある。また、洗浄は
窒素ガス気流中で行うのことが好ましい。
また、ポリアリーレンサルファイド樹脂中の重金属イオ
ン類の量はできるだけ少ないことが望ましい。ここで重
金属イオン類とは鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、
マンガン等のイオンをいい、主として鉄イオンを指す。
これらの重金属イオンは原料に含まれる不純物としで、
また、反応器等の製造装置からの溶出イオンとして樹脂
中に混入する。樹脂中に重金属イオンが含有するとペレ
ット化時にキレート化合物を形成して発色すると考えら
れる。従って、樹脂中の重金属イオンの総合有量は20
ppm以下におさえることが望ましい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂中の金属イオンの総合
有量を20ppm以下におさえるためには反応器等の製
造装置の接液部を非鉄金属(例えば、チタン)で構成し
、且つ主原料であるアルカリ金属硫化物(例えば硫化ソ
ーダ)及びポリハロ芳香族化合物(例えば、ジクロロベ
ンゼン)として実質的に重金属イオンを含有しないもの
を使用する必要がある。
さらに、ペレット化前に酸または酸性塩の水溶液で処理
しておくことが望ましい。ポリアリーレンサルファイド
樹脂の分子末端にはSNa基またはSH基で構成されて
いるものが存在する。分子末端がSNa基で構成された
場合、ペレット化時の架橋反応を促進するとともに少量
の有機アミド溶媒や重金属イオンの存在により、発色団
を形成しがちである。従って、酸または酸性塩の水溶液
で処理し、SH基に変換しておくことが好ましい。
上記処理に使用する酸としては塩酸、リン酸、硫酸等が
挙げられるが、装置の腐食、樹脂の変質防止を考慮する
と、水溶液が酸性を示すリン酸塩を使用することが好ま
しい。このようなリン酸塩としてはリン酸二水素ナトリ
ウムNa)12PO,、ヘキサメタリン酸ナトリウム(
NaPO:+) PI酸性へキサメタリン酸ナトリウム
NaaH,、(PO:+)s−、、、HHヘキサメタリ
ン酸ナトリウムNaJIn(POi)m+7、リン酸二
水素アンモニウム(NH4)82P04等が挙げられる
これらの水溶液による処理は濃度1〜5重量%において
常圧または加圧下に50〜200“C1好ましくは10
0〜150°Cの温度で0.5〜3時間撹拌下に行うこ
とが望ましい。
〔作用および発明の効果〕
着色防止剤の使用は溶融成形時の着色を防止するに効果
があり、また、還元剤の使用は溶融成形後の成形物の高
温下での経時変色を防止するのに効果がある。
一般に溶融成形時の着色を防止するためにはフリーラジ
カル連鎖禁止剤と過酸化物分解剤を使用することが知ら
れており、一般に、前者としてはアミン誘導体、ハイド
ロキノン誘導体が、また、後者としては亜リン酸エステ
ル類、アルキルチオエーテル類等が用いられる。しかし
ながら、PPSの溶融成形時には300″C以上の温度
が必要であり、低沸点(低分子量)の着色防止剤は溶融
成形時に分解したり、揮散したりして多量に用いないと
効果を発揮せず、また、使用できる着色防止剤の種類も
限定される。また高沸点(高分子量)の着色防止剤を使
用した場合、着色防止の効果は満足できるものでなくな
り、必然的に多量の使用が必要となる。この着色防止剤
を多量に使用した場合、溶融成形時に架橋反応を促進し
、溶融粘度が上昇するという現象を招くので好ましくな
い。
本発明で使用するリン系着色防止剤、特に、o、o、p
、o、及び一般式(1)で表わされるホスフィンオキサ
イド類はフリーラジカル連鎖禁止剤と過酸化物分解剤の
両方の効果を発揮し、300°C以上の耐熱性を有し、
少量で十分な着色防止効果を示し、架橋反応等の好まし
くない反応を生じることがない。
本発明の樹脂組成物はベレット化後の白色度が高く、特
に本発明によるリン系着色防止剤を配合することに加え
て、樹脂中の有機アミド溶媒量を11000pp以下、
重金属イオン量を20ppn以下に制御し、かつリン酸
二水素ナトリウム水溶液で処理したもののペレット化後
のハンター白色度は40%以上である。
ところで一般に、PPSの成形物はその高耐熱性から多
くの場合、高温下で使用される。しかしながら、PPS
は成形直後の色相が白色であっても、高温下(例えば1
00°C以上)においては徐々に茶褐色に変色し、カラ
ーリングした成形物であっても高温下に長時間放置した
場合、元の色とは異なった色に変化するという現象があ
り、この傾向は着色防止剤を配合した時に顕著となる。
本発明においては、着色防止剤とともに還元剤を添加す
ることにより上記の課題が解決される。
還元剤による高温下における変色防止機構の理論的解明
はなされていないが以下のごとく推察される。着色防止
剤のみを使用した場合、高温下においては成形物中の着
色防止剤が徐々に分解してその着色防止の効果が減少し
、PPSそのものの着色とともに着色防止剤の分解生成
物により着色が促進される。しかしながら、還元剤を併
用した場合、この着色防止剤の分解を防止し、高温下に
おける変色を防ぐことができる。
一般に、着色防止剤のみを配合した成形物の場合、20
0°Cの温度に設定したオーブン中で1ケ月間放置した
後のハンター白色度は43%から約15%に減少するの
に対し、還元剤として例えば水素化ホウ素ナトリウムを
併用した場合のハンター白色度は43%から39%に減
少するにすぎない。
上記のように白色かつ高温下において色相の安定化され
た本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、
耐熱性フィルム、シート、繊維等に成形できるほか、射
出成形、押出し成形などによって自動車部品、電気・電
子部品、機械部品等に成形することができる。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物には紫
外線吸収剤、金属不活性剤、着色剤、滑剤、結晶核剤、
カーボン黒、炭酸カルシウム、シリカ粉末等の粉末状充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維等の繊維状充填剤を配合す
ることもできる。
更に本発明の樹脂組成物はポリカーボネート、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、A
BS等の合成樹脂の一種以上と混合して使用することも
できる。
〔実施例〕
以下、実施例について本発明を具体的に説明する。
実施例において、樹脂の色相(ハンター白色度)および
溶融粘度は以下の方法、条件により測定した。
班−■ 樹脂の色相は色差計〔東京重色(株)製TC−8600
型〕を用いて測定したハンター(Hun ter)白色
度によって評価した。ハンター白色度測定用の樹脂試料
は以下の方法で調製した。すなわち窒化鋼シリンダーを
備えた二軸押出機を用い300“Cの温度にてペレット
化し、このペレットをホットプレスを用いて窒素気流下
325℃にて3分間予熱し、さらに325°Cにて1分
間加圧してシート状に成形し、これを急冷して得られた
約2mII+の無定型シートを試料として用いた。
H社皿度 上記色相の判定の項で得られたペレットをフローテスタ
ー〔(株)島津製作所CFT−500型〕を用いて測定
した。温度300°C1予熱6分、荷重20kg / 
all 、ノズルlφXl0M。
r に゛し  の゛ 色相の項で得られた約2nm+の無定型シートを200
°Cに設定した熱風循環乾燥機(楠本化成(株)製HI
SPECHT220型)に入れ、30日間放置した後の
色相の変化を色差計を用いて測定したハンター白色度に
よって評価した。
1〜10    1〜9 100 ffiチタン内張りオートクレーブにフレーク
状の硫化ソーダ12.91kg (純度60.47%)
、Nメチル−2−ピロリドン30kgを仕込み、窒素気
流下に内温が204°Cに達するまで加熱撹拌して脱水
した。流出液7.4 kg中の水量は37.8重量%で
あった。脱水工程中の硫化水素としての損失分は硫化ソ
ーダに換算して1.56モル%であった。脱水後160
°Cまで冷却し、p−ジクロロベンゼン144.72嘘
をN−メチル−2−ピロリドン10kgに溶解して加え
、窒素ガスにて1kg/dの加圧にし、系を閉じて21
0℃にて5時間、さらに250℃にて3時間反応後、1
50°Cまで冷却して、400メツシユの金網を濾材と
して熱時加圧濾過した。得られた固形物にN−メチル−
2−ピロリドン50kgを加え、窒素気流下に150’
Cにて30分間撹拌洗浄後、熱時加圧濾過した。以下同
様な洗浄、濾過操作を2回行ったのち、固形分を前記オ
ートクレーブに移し、N−メチル−2−ピロリドン40
kgを加えて窒素置換後、240°Cにて4時間高分子
化反応を行った。
150’Cまで冷却後濾過し、固形分にメチルエチルケ
トン50kgを加え、70゛Cにて30分間撹拌洗浄後
熱時加圧濾過した。以下同様な洗浄、濾過操作を3回行
って残存するN−メチル−2−ピロリドンを除去した。
得られた固形分を60aaHg、120″Cの条件下で
乾燥したのち、前記オートクレーブに移し、純水40k
g、リン酸二水素ナトリウム2水和物0.8 kgを加
えて150°Cにて1時間水洗して濾過した0食塩がな
くなるまで水洗いを繰返し、乾燥して粉末状のP P 
310.3kgを得た。このものの溶融粘度は3,80
0ポイズ、残存するN−メチル−2−ピロリドン量は7
00ppn+、鉄イオン含量は8pp−であった。
上記PPSに表−1に示す所定量の着色防止剤と還元剤
をメタノールと水からなる混合溶媒に溶解した溶液を加
え、よくかき混ぜたのち、乾燥してメタノール及び水を
除去した。得られたPPSの物性と200°Cの熱風循
環乾燥機で処理した後のハンターを白色度の変化を表−
1に示す。
2崖斑上上 重合反応時1.3.5−トリクロロベンゼン54.45
g (p−ジクロロベンゼンに対して0.3モル%)を
加えたこと、及び反応終了後N−メチル−2−ピロリド
ン洗浄及び高分子化反応を行なわなかったこと以外は実
施例1と同様な方法によって粉末状のP P 310.
3kgを得た。このものの溶融粘度は2.200ボイズ
、残存するN−メチル−2ピロリドン量は780ppm
、鉄イオン含量は71)I)Illであった。
このPPSに所定量のり、O,P、O,と水素化ホウ素
ナトリウムをメタノールと水からなる混合溶媒に溶解し
た溶液を加え、よくかき混ぜたのち、乾燥してメタノー
ル及び水を除去した。得られたPPSの物性と200°
Cの熱風循環乾燥機で処理した後のハンター白色度の変
化を表−1に示す。
1脂開上I 実施例1と同様な方法で反応して得た反応液スラリーに
水6.1 kgを加え、さらに窒素気流下にて250″
Cに昇温しで10時間反応させた。150″Cまで冷却
後、濾過し、固形分にメチルエチルケトン50kgを加
え、70°Cにて30分間撹拌洗浄後熱時加圧濾過した
。以下、同様な洗浄、濾過を3回行って、残存するN−
メチル−2−ピロリドンを除去した。以下実施例1と同
様な処理を行い粉末状のP P 310.2kgを得た
。このものの溶融粘度は1.500ボイズ、残存するN
−メチル−2−ピロリドン量は680ppm−鉄イオン
含量は7 ppmであった。
このPPSに所定量の0.0.P、0.と水素化ホウ素
ナトリウムをメタノールと水からなる混合溶媒に熔解し
た溶液を加え、よくかき混ぜたのち、乾燥してメタノー
ル及び水を除去した。得られたPPSの物性と200″
Cの熱風循環乾燥機で処理した後のハンター白色度の変
化を表−1に示す。
表−1の結果から判るように、着色防止剤としてり、0
.P、0.、ホスフィンオキサイド類を配合することに
よりハンターを白色度の高い樹脂が得られる。すなわち
、着色防止剤を添加しなかった場合(比較例1)のハン
ター白色度が24%であるのに対して、本発明の着色防
止剤を0.3〜I PHR添加した場合(実施例1〜1
2)のそれは43〜53%と優れており、ペレット化す
る際の溶融粘度の上昇もないことが判る。
従来広く用いられた着色として2.6−ジー第三ブチル
−p−クレゾール、トリフェニルホスファイトを用いた
場合(比較例8,9)のハンター白色度は本発明の着色
防止剤を使用した場合に比較して劣ると共にペレット化
した際の溶融粘度が上昇していることが判る。
着色防止剤に還元剤を配合することにより200°Cに
て30日間処理した後のハンター白色度の低下が少く、
変色を防止していることが判る。還元剤を併用しなかっ
た場合(比較例2)は200“Cにて30日間処理した
後のハンター白色度が43から15に低下しているのに
対して還元剤を併用した場合(実施例1)のそれは43
から39に低下しているにすぎない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ポリアリーレンサルファイド樹脂と、該ポリアリー
    レンサルファイド樹脂100重量部に対して、0.05
    〜5重量部のリン系着色防止剤と、0.02〜5重量部
    の水素化ホウ素化合物及び無機イオウ化合物の中から選
    ばれた還元剤とからなる樹脂組成物。 2、ポリアリーレンサルファイド樹脂がポリフェニレン
    サルファイド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。 3、リン系着色防止剤が3,4,5,6−ジベンゾ−1
    ,2−オキサホスファソ−2−オキサイドおよび下記一
    般式( I ): ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) 〔式中、R、R′、R″は置換基をもっていてもよいア
    リール基またはアルキル基であって、R、R′、R″は
    同一であっても相違してもよい〕で表される第三ホスフ
    ィンオキサイドの中から選ばれた少くとも一種である請
    求項1記載の組成物。 4、還元剤が水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
    リムウ、ハイドロサルファイドおよび亜硫酸ソーダの中
    から選ばれる請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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