JPH0219394A - 粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造法 - Google Patents

粉末状高hlbショ糖脂肪酸エステルの製造法

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JPH0219394A
JPH0219394A JP17131788A JP17131788A JPH0219394A JP H0219394 A JPH0219394 A JP H0219394A JP 17131788 A JP17131788 A JP 17131788A JP 17131788 A JP17131788 A JP 17131788A JP H0219394 A JPH0219394 A JP H0219394A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分!?】
本発明は、高HLBショ糖脂肪酸エステルの工業的な製
造法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、精製用有機溶媒を使用せず
に、高純度の粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルを工
業的に取得するための技術に関するものである。
【従来の技術】
(背景) 現在、界面活性剤として有用なショ糖脂肪酸エステル(
以後((S E )>とも略す)は、工業的に、ショ糖
とC8〜C22の高級脂肪酸メチルエステルとを溶媒(
ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなど)中
で適当な触媒下で反応させるか(溶媒法:特公昭35−
13.102)又は溶媒を用いずに、水を使ってショ糖
を脂肪酸石齢と共に溶融混合物とした後、触媒の存在下
に高級脂肪酸メチルエステルと反応させること(水奴法
:特公昭51−14485号)により得られている。 しかし、これら二種の合成法のいづれによっても、その
反応混合物中には、目的とするSEの他に、未反応の糖
、未反応の脂肪酸メチルエステル、残留触媒、石鹸、遊
離脂肪酸、揮発分等の夾雑物が含まれており、これらの
夾雑物のうち、含量が規定量を越す不純分は、製品と成
る以前に除去されなければならない、特に、上記夾雑物
のうち、前者の溶媒法に伴う残留溶媒(揮発分)の除去
は、近来規制が厳しくなって来ている  だけに極めて
重要である。 注)米国FDAの規格によれば、SE中許容される残存
ジメチルスルホキシドは2 ppm以下である(Fed
、 Regist、、51(214)、40160−1
)。 そこで従来から、粗SEからの残留反応溶媒の除去とい
う目的で多量の有機溶媒(例えばブタノール、トルエン
、メチルエチルケトン、酢酸メチル等;特公昭42−1
1588、同4B−10448等参照)が慣用されてき
たが、かかる溶媒の多用は、SEの工業的な生産に対し
以下のような著しい不利益をもたらす。 ■ 爆発、火災の危険性。 ■ 上の■に備えた電気装置の防爆化。 ■ 上の■に備えた製造装置の密閉化。 ■ 上の■に備えた建物全体の耐火構造化。 ■ 上の■、■、■による固定費の上昇。 ■ 溶媒の損耗による原価の上昇。 ■ 製品SE中に残留する残留溶媒による負効果。 ■ 従業員の健康上への悪影響、ひいてはその予防のた
めのシフト数の増加に伴う固定費の上昇。 このような事情から、SE精製時における有機溶媒の使
用を不必要化する技術の開発は、当業界における切実な
要望であった。 (従来技術の問題点) そこで、従来から有機溶媒を利用しない精製法が検討さ
れ1例えば代表的なものとして。 (+)酸性水溶液によるSEの沈殿方法(英国特許80
9’、815 (195f3))(2)一般の中性塩水
溶液によるSEの沈澱法(特公昭42−8850) などが知られている。 しかし方法(+)のように、例えば塩酸水溶液を反応混
合物中に加えると、成る程SEは直ちに沈澱するが、未
反応のショ助は容易にグルコースと果糖とに分解、転化
し、たとえ本操作を低温(0〜5℃)で行っても分解を
避けることができない、このため未友応糖の回収、再利
用が至難となる。 また、方法(2)のように、食塩や芒硝などの中性塩の
水溶液を反応混合物中に加えてもSEは直ちに沈澱する
。この場合、未反応糖の分解は起こらないが、SE中の
有用な成分であるモノエステルが水相側に溶解してしま
うため、大きなロスを生じるのみでなく、特に近来需要
の多い、かつ本発明の目的でもある高いHLB(Ifi
−を持つSE(以下(高HLB−3E))ともいう)を
得たいとき妨げとなる。 本親木性−親油性バランス、略1〜20の範囲の値を採
る。この値が大きい程親水性が強い。 さらにより最近の特開昭51−29417によれば、水
とパ精製溶媒°゛(反応溶媒と区別するために、特にそ
う呼ぶ)の混合溶液が軽液層(主計)と重液層(下層)
に分相する性質が利用される。即ち、一般に重液層(下
層)には水が多く含まれているので、親水性の未反応砧
、触媒由来の塩などがこの重液層(下層)に溶解してい
る。一方軽液層(上層)は、精製溶媒が多く含まれてい
るので、SE、脂肪酸、未反応脂肪酸メチルエステル等
の極性の小さいものは、この軽液層に溶解してくる。 ところが、ジメチルスルホキシドなど反応溶媒は、下層
の重液層にも溶解するが、都合の悪いことに、上層の軽
液層にも溶解するので、この方法だけで反応溶媒を完全
に分離するのは不可能である。従って、微量の反応溶媒
を除去するだけの目的で、非常に多量の精製溶媒が必要
となる。 このように、水による粗SEの精製を工業的に可能なら
しめるためには、溶媒の除去が完全で、しかも糖及び製
品SEのロスを生じない精製方法を開発することが大前
提となるが、かかる方法は未だ開発されていない。 次に、水による精製を工業的に可能とするためなお考慮
すべきことは、木を精製溶媒とすることに附随する含水
SEの乾燥手段である。 即ち、ここに乾燥の対象となる含水SEは、通常、水分
80%以上のものは水溶液状態に、また水分80%未満
のものはスラリー(泥漿)状をなしているのが普通であ
る。これらSEの含水物は。 殻に40℃近辺から急激に粘度が上昇し、 50’O近
辺で最高値となるが、同温度を越えると急激に粘度が下
がるという極めて特異な粘性挙動を呈する(上掲書10
8頁参照)、このほか、単に真空下で加熱して水分を蒸
発させることは、著しい発泡性のため、実質的に不可能
である。そして、もし加熱時の温度が高く、かつ加熱体
との接触時間が長い場合には、SEが分解を起こし1強
度の着色及びカラメル化を引き起すのみでなく、分解に
より遊離した脂肪酸により酸価も上昇してくる(特公昭
37−9968参照)。 特に水分が発の終期には、SEの持つ軟化点又は融点の
低さという特性(例えば、ショ糖モノステアレートの軟
化点は52℃近辺、ショ糖ジステアレートの融点は11
0℃付近)のため、SE自体が残存している水を抱水す
る傾向を持ち、このことが脱水を著しく困難としている
。加えて、溶媒と比較して、水の蒸発潜熱が異常に高い
(500kcal/kg−820以上)こと、及び蒸発
温度の高いこと等も乾燥を困難ならしめる一因となって
いる。それ故1例えば別形式の乾燥法として、スラリー
を加熱して連続的に真空室へ供給、放出させる所謂フラ
ッシュ式の乾燥機を用いた場合においても、水の持つ大
きな潜熱のため、充分な脱水、乾燥には種々の困難がつ
き纏い、たとえこれらの困難を克服できたとしても、真
空下で脱水、乾燥された後のSEは、溶融状態にあるた
め、それを乾燥機より取出してから融点以下まで冷風等
を吹きつけて冷却し、固化させ、最後に粉砕機で粉砕す
るという多くの工程を必要とし、しかも最終の粉砕工程
では粉!!M爆発の懸念が附随する。 従って1以上のような乾燥に伴う諸問題点を解決するこ
とも、木木奴法精製を実現するための重要なステップと
なる。
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明が解決しようとする課題は、精製用溶媒
を使用しないで、工業的に、SE反応混合物中の未反応
糖のみならず、残留溶媒、触媒からの副生塩その他の夾
雑物除去された、精製された粉末状高HLB−5Eを取
得するための技術を開発することによって1反応溶媒及
び精製溶媒の使用に起因する一切の問題点を解決するこ
とである。 (発明の概念) そこで本発明者は、(イ)水相側に溶解するSE量を最
少限に押えるのみならず、可能ならば顔量を零として全
量のSEを沈澱させること及び(a)未反応糖の分解を
避けること、(ハ)H,留する反応溶媒を水相外に溶解
させることにより、SEから分離すること、(ニ)沈殿
したSEを精製された状態で粉末化すること、(ネ)上
の沈殿を分離した吐液(又は上澄み)中の未反応糖を効
率的に回収することの互恵の解決を目標として多くの塩
析実験を行なった結果、シ:ltl!iと中性塩を反応
混合物の水溶液中に溶解させたとき、適当なpo、温度
、中性塩及びショ糖の濃度及び水量の組合せの下で、意
外なことに、SEが水相中に溶出せず、その略々全量が
沈澱するのみならず、水相には、未反応の情景外に、除
去が望まれる触媒由来の塩が溶出するに至るという、都
合の良い現象を見出した。 そして、ここに沈殿したSEを再度木に溶解後、中性塩
及びシ、S水溶液による再沈澱操作を反復しても、SE
は水相中に移行することなく沈殿状態を保つこと、及び
この沈殿に適当9pHを持つ酸性の水を加えて洗浄する
ことによって、残余の沈殿中の高HLB画分及び可溶性
不純物が酸性水相中に移行し、残余の沈殿中には高純度
の低HLB画分が残留することが判明した。そして更に
、ここに水相中へ移行した高HLB−3Hの回収及び粉
末化が、限外濾過膜及び噴霧乾燥法の利用により工業的
に可能となることも分った。かくしてSE反応混合物中
から、有機溶媒を全く使用せず(+)不純物を除去する
こと、 (2)高HLBの粉末状SEを(1)ること、ひいては
SEを用途に合わせて分別することが工業的に可能とな
ったが、これらは従来不可能視されてきたことであって
、−従来技術から予想できなかったことである。 (概要) 本発明は、上記知見に基づくもので、目的物のショ糖脂
肪酸エステルの他、未反応の糖、未反応の脂肪酸メチル
エステル、触媒1石帥、脂肪酸及び揮発分を含む反応混
合物を、中性望域のp)Iに調整し、木、中性塩及びシ
ョ糖を加えることにより生じる沈設物を酸性の水で洗浄
し、洗液を中和後、限外位過し、噴霧乾燥することを特
徴とする粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの製造方
法を要旨とする。 (発明の骨格) 従って、本発明は以下の諸工程から成り立つ。 (I)粗製のSE反応混合物からの不純物の除去工程(
111!析工程)。 (I+ )不純SE沈殿を洗浄する工程(分別工程)。 (m)高HLB−3Eを水溶液状態で回収する工程(限
外濾過工程)。 (■)回収された液状高HLB−5Eを脱水。 粉末化する工程(噴霧乾燥工程)。 以下1発明に関連する重要な事項につき分設する。 (溶媒法によるSHの合成) 溶媒法によるSEの合成においては1通常、シ、aiと
脂肪酸メチルエステルとの混合物を、これらの合計量に
対し数倍量の反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドに
添加、溶解させ、炭酸カリウム(K2 CO3)等のア
ルカリ性触媒の存在下、真空20〜30Torr近辺で
数時間80〜80℃に保持することにより、容易に90
%以上の反応率(脂肪酸メチルエステル基準)にてSE
反応混合物が生成する。 次に、SE反応混合物中のアルカリ性触媒の活性を消失
させるため、乳酸、S酸等の有機酸又は+1!酸、硫酸
等の鉱酸を当量だけSE反応混合物に添加する。この中
和により、触媒は、乳酸カリウム等の相当する中性塩類
に変化する。 最後に1反応溶媒、例えばジメチルスルホキシドを真空
下に留去すると、大略、下記組成範囲の混合物(中和及
び蒸留後の反応混合物)となる。 ショ糖脂肪酸エステル   =15〜95%未反応糖 
        =1.0〜80%未反応脂肪酸メチル
エステル=0.5〜10%炭酸カリウム由来の中性塩 
= 0.05〜7%石絵           =1.
0〜10%脂肪酸           =0.5〜l
O%揮発分(残留する反応溶媒)=3.0〜30%この
とき、SEのエステル分布は、モノエステル10〜75
%(ジエステル以上が90〜25%)である、そして、
脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の夫々に主とし
て含まれる脂肪酸根は、飽和であって、共通のCI6〜
G72の炭素数を持つ。 (加水) 次に、上の反応混合物に対して水を、 水1反応混合物=5二l〜40:l(重量比)・・(1
)式の割合になるように、更に望ましくは、水:反応混
合物= 20 : I(重量比)・・・・・・・(2)
式の割合に加えると共に、pHを6.2〜8.2、望ま
しくはpH7,5とする。 この場合、水の添加割合が上の範囲から外れ。 例えば、水と反応混合物との量比が5未満となった場合
は、得られた水溶液の粘度が大となり、実質的に以後の
操作が困難となる。また、逆に、水と反応混合物との量
比が40超過となる程に過剰の水を加えた場合は、粘度
が小となって以後の操作が容易となり、かつ、目的とす
る反応溶媒の除去も好適に行われるが、反面、未反応糖
等の回収に際して水分の除去に多大のエネルギーコスト
を必要とすることになって、経済性が失われるに至る。 更に、水溶液のpHは、目的とするSEの分解を避ける
ため、 pH6,2〜8.2の間に調整されるのが好ま
しい、 pH8,2以上の水素イオン濃度下では、アル
カリによる定員的なSEの分解が起こる心配があり、ま
たpH8,2以下の弱酸性域でも1例えば90℃以上の
高温にさらされると、酸分解の恐れがある。 (塩析) 以上の如<pH調整されたSE反応混合物の水溶液をな
るべく50〜80℃に保って、更に中性塩及びショ糖を
加える。この場合、加えるべき中性塩は、先ず下式(3
)を満たしているのが好ましい。 = 0.015〜0.12(重量比)・・・・・・・・
(3)ここで、 合計基量”=加えるべき中性塩量+触媒から形成される
基量・・・・・・・・・・・・・・(4)合計動量=加
えるべきショ糖量+当初からの未反応糖量 ・・・・・
・・・・・・・・・(5)次に、加えるべきショ糖の量
は、式(6)により定められるのがよい。 = 0.025〜0.20 (重量比)・・・・・・・
・・・(6)更に、上記の両式に加え、合計iiX量と
合計糖量の重量比率もまた、下式(7)を満足している
のが好ましい。 本発明者らは、上記式(3) 、 (8)及び(7)を
三者共に満たすように中性塩及びショ糖を加えて得たS
Hの沈澱を含む水溶液を、50〜80℃まで加熱昇温さ
せると、添加された中性塩が乳酸塩、酢酸塩、食塩又は
芒硝のいずれであっても、略々近似的に全量のSEが沈
澱することを発見した。この現象はこれまで知られてい
なかった特異な現象であると共に、発明目的上、重要な
価値を有するものである。そしてこの事実を巧妙に利用
することによって、 ■ 未反応部を含む全シ31糖(合計糖)■ 揮発分 ■ 触媒由来の塩 ■ 添加された中性塩 の四者は水相に移行し、沈殿したSEのケーキ(即ち、
泥漿状スラリー)と分離できるようになるのである。因
に、この際の液性は酸性ではないから、ショ糖が分解す
ることはなく、従って、必要に応じて回収・再利用する
のも容易である。 添付の第1図は、この現象をより詳しく示す三元グラフ
である。この図において。 水相側に溶解しているSHの重fi=Y [gl沈澱し
ているSEの重量=X [gl 全SE (X+Y)[g] に対して、水相側に溶解し
ているSEの重量割合=φ[%] とすれば、φは下式(8)で定義される。 ここで、以下の条件; 温度=80℃、pH−7,5 水:反応混合物=7.4 : 1 (重量比)脂肪酸残
基;ステアリン酸 反応混合物の組成 ショ糖脂肪酸エステル   =28% 未反応糖         =35% 未反応脂肪酸メチルエステル−2% 触媒由来の塩       = 1% 石峙           23% 脂肪酸          = 1% 揮発分(残留する反応溶媒)=29% SE中のエステル分布:モノエステル265%ジエステ
ル以上=35% において、φの値がどのように変化するかが三角座標で
示される。 ここに、合計塩は式(4)により、合計糖は式(5)に
より夫々で定義された量であって、水量十合計基量+合
計糖量=100% として表示しである。 水弟1図の斜線の部分は1本発明者らが発見した式(3
)、式(6)、及び式(7)を同時に満たす領域である
。 この斜線の部分に入るような中性塩及びショ糖の溶解量
を決めることによって、実質的にφ#0即ち、近似的に
全量のSEを沈澱化することができ、沈殿したSEの鑓
取又は遠心分離により、水相側に溶解しているショ糖、
揮発分、中性塩等を除去することができる。 (洗浄) 前記塩析工程において、中性塩及びショ糖の添加により
反応混合物水溶液中から略々近似的に全量沈殿せしめら
れたSEは、含水状態、即ち、泥漿(スラリー)状のも
のである。このものは、比較的少量ではあるが、なお揮
発分、塩類、ショ糖などの夾雑物を含む0発明者はこの
不純泥漿の精製法につき鋭意研究した結果、これを酸性
の水で洗浄することによって良好な結果が得られること
を見出した。 即ち、上記不純SEスラリーを、 pH−3,0〜5.
5に調整された酸性水で洗浄することによって、不純物
が溶去される。ここに使用される酸は、例えば塩酸、硫
酸等の鉱酸及び酢酸、乳酸等の有機酸が適当であるが、
可食性の酸であれば、別設例示のもののみに限る訳では
ない、なお、酸性水の温度は、 10〜40℃が適当で
ある。 このような条件の下で洗浄することにより、ケーキ側か
ら除去を希望する不純物(即ち、揮発分、合計糖、添加
中性塩及び触媒由来の塩等)を水相側に移行させること
ができる。 以上の洗浄操作に当たり、酸性水の温度が40℃以上と
なると、操作が長時間、例えば数ケ月にも及んだとき、
SEの酸分解が懸念されるだけでなく、粘度が上昇して
操作が困難となる。他方、10℃以下の低温の保持には
、経済性を軽視した冷凍機の設備が必要となる。従って
、普通は10〜40℃、殊に常温付近での操業が好まし
い。 なお、この酸性水によるSEケーキの洗浄に際しては、
本ケーキ中に含まれている揮発分(反応溶媒)や、未反
応糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により副生した
塩の凹溝を成るだけSEケーキから除く必要があるので
、被処理SEケーキは、該ケーキから包摂する不純物の
粒子を遊離し易くするため、該酸性水中で可能な限り小
さい粒子径になるまで細断されているのが望ましい。 この目的は、例えば、分散混合機(例えば特殊機器工業
鰭製(ホモミキサー))、ホモジナイザー又はコロイド
ミル(例えば商品名(マイコロイダー))等の細分化装
置により効率的に達成でき、揮発分(反応溶媒)、未反
応糖、触媒由来の塩及び中性塩の凹溝は、全量沈澱SE
のケーキから酸性水相中に移行する。このとき、沈澱物
から、高いHLBのSEが酸性の水側へ溶は始めるとい
う注目すべき現象が起こる。この高HLB−3Hの水に
対する溶解傾向は、系の温度、pH等の要因によって変
化するが1例えば常温でpHが3.5程度の場合、添付
第2図の通りである。 ここで、高いHLBのSEは高い水溶性を持っているの
で、仮にこれを(水溶性SE)と名付け、符合としてY
”を与える。Yは高いHLBを持ち、従って高い水溶性
を示す、このため、酸性の水溶液中でも沈殿せず、該溶
液内に普通に溶解する。 こにに反し、低いHLBのSEは低い水溶性を持つので
、一般に、一定の酸性の水素イオン濃度下では沈殿する
傾向がある。そこで、仮にこれを(沈澱性S E >>
と名付け、符合として“X”を午える。Xは低いHLB
を持ち、従って酸性水溶液中から沈殿し易い。 上記第2図は、モノエステル、ジエステル及びトリエス
テル三者の合計を100%で表わした三角座標である。 同図において2M点は、元のサンプルSEの組成を表す
、X点は、低いHLBのSEで沈澱性SHのA[1戊を
表す、Y点は、高HI、BのSEで、水溶性SEの組成
を表す、添字l、2゜3は、夫々エステル分布の異なる
SEを表す。 今、例えば同図において、X2なるエステル分布(モノ
エステル;73%、ジエステル2タ2として3%になる
ようにpH 3.5の水溶液を加えれば、該SEは沈澱
性5E(X2)なるエステル分布(モノエステル=88
%,ジエステル=25%、トリエステル=7%)と、水
溶性5E(Y2)なるエステル分布(モノエステル=8
4%、ジエステル=13%、トリエステル=3%)に分
割されることが示される。 分割されるX2とY2のfI!fftは、三角座標の性
質がWN2  =WX2  +  WY2・・・・・・
・(a)wy2・Y2M2 = WN2・訂i・・・・
・・(b)(但し、Y2助は、M2点とY2点間の距離
、X2 M2は、xz点トM2点間の距離、WN2はM
2)重量、WXzはx2の重量、WY2はY2の重量、
但し1以上乾物の重量とする。)なる(a)、(b)両
式を解くことによって、臀x2及びWY2が求められる
。 このように、相対的にモノエステル含量の高いSE(即
ち、HLBの高いSE)は、酸性水の方に溶解し易く、
相対的にモノエステルの低いSE(即ち、HLBの低い
SE)は、沈澱側に存在し易いという性質を巧妙に利用
することによって、SEを高)(LBのものと低1(L
Bのものとに定量的に分割できる。なお、−膜性にSE
中のモノエステル含有率が高い程、水へ溶解するS E
 (Y)の量が増加し、その逆の場合は水へ溶解する5
E(Y)の量が減少するという傾向も併せて発見した。 そして任意の組成のSEがどれ程、酸性水の中に溶解す
るかは、第2図のデータで与えられるφの値を式(a)
及び(b)に代入して讐x及びWYの値を解くことによ
って、定量的に求めることができる。 かくして1本洗浄工程で得られた酸性水溶液は、相対的
に多量の高HLB−3Eを含むので、低HLBのSEを
主体とする沈[SEと濾過又は遠心して分離する。得ら
れた濾液(又は上澄み)は、高HLBのSEの他に、よ
り少量の残存揮発分(ジメチルスルホキシド等)、塩、
ショ糖等を含んでいるので更に精製される必要がある。 (以下余白) (限外濾過) そこで本発明者らは、上記の不純な高HLB−3E含有
癌液中より夾雑する少量の揮発分、塩。 ショ糖を除去する手段につき鋭意検討を加えた結果、限
外濾過膜の利用がこの目的に有効であることを知った。 SEが、水溶液中で一定の条件下で相互に合一して高分
子量のミセル構造の集合体を作ることは、公知(前掲書
102頁参照)である。 ところで、SHの種類であるが、ショ糖の分子の3個の
第一級水酸基の酸素原子に、夫々1〜3個の脂肪酸残基
が結合したものを夫々モノエステル、ジエステル及びト
リエステルと称している。 そして周知の如く、モノエステルは、親木性がジエステ
ルやトリエステルに比較して大きい代りに、水中におけ
るミセル形成の度合いが小さいので、比較的低分子量の
(分子の直径の小さい)SEミセル集合体を形成する。 逆に、ジエステルやトリエステルは、親木性が比較的小
さい代りにミセル形成能が極めて大さいので、水中では
、極めて大きな分子量の(即ち、分子径の大きい)SE
ミセル集合体を形成する。市販のSEでは、モノエステ
ル単品として製造されることは桃であって、通常はモノ
エステルの含量が、例えば70%、50%、30%・・
・といった混合組成物として製造されている。 本発明者らは、例えば、モノエステルの含量が70%と
多いSEは、モノエステル含量が50%と少ないSEに
比べて、より低分子量のSE集合体を作るので、その分
、集合体のWL視的径が小さいこと、従って、一定の孔
径を有する限外濾過膜に対してモノエステル含有量50
%のSEよりも通過し易く、このため、未反応の糖や触
媒からの副生塩(触媒を酸で中和して塩としたもの)、
揮発分等と一緒に膜を通過してしまい易いという望まし
くない傾向を有することを知った。そこで本発明者らは
、これに対する対策として、モノエステル含量の高い不
純SEから未反応の糖、触媒由来の塩、揮発分等を除去
したい場合は、分画分子量の小さい(即ち、孔径の小さ
い)症過膜を選定するのがよいこと、及び逆にモノエス
テル含量の低いSHの場合には、分画分子量の大きい(
即ち、孔径の大きい)濾過膜を選定するのが処理速度を
速めるのに好都合であることを見出した。 なお1発明者らは、反応混合物に含まれている物質のう
ち、未反応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の
王者は、SEのミセル構造集合体中に内包された状態で
存在するため、SEとそれらの王者を濾過手段により分
離するのは事実上不可能であることも、多くの実験結果
から確認した。 そして、多くの実験からの帰結として言えることは、圧
力を駆動源として限外濾過膜(適当な分画分子量を持つ
)を水と共に通過できる不純物質は、未反応の糖を含む
ショ糖、触媒由来の塩、添加された中性塩類、及び揮発
分(ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等、
SE合成に際し溶媒として用いられた、極性が強く、水
溶性が大で、かつシ!糖と親和性の大きい物質)の囲者
であり、一方、高分子量のミセル集合体中に取り込まれ
て癌過膜を通過できない物質は、SE、未反応の脂肪酸
メチルエステル、石鹸及び′M敲脂肪酸等である。 本工程は、これらの知見を巧妙に利用すると共に、適当
な分画分子量を持つ限外濾過膜の選定によって、未反応
の糖、触媒由来の塩及び揮発分の王者をSE、未反応の
脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸の囲者から分離
、除去しようとするものである。 (濾過対象物質の分子量) 適当な分画分子量を持つ限外濾過膜を選定するためには
、対象物質の大略の分子量を知っておく必要がある0本
件発明と関連するこれら単一物質の分子量は、以下の通
りである。 Oシgtl!I=342 0未反応の脂肪酸メチルエステル ステアリン酸メチルエステル=290 Q触媒(K2CO3)の中和により発生する塩乳酸を使
う場合→乳酸カリウム=128酢酸を使う場合→酢酸カ
リウム=98 ○揮発分 ジメチルスルホキシド=78 ジメチルホルムアミド−73 0SE(ミセル集合体を作らない単量体として) ショ糖モノステアレート=600 ショ糖ジステアレート =858 ショ糖トリステアレート=!118 0石鹸 ステアリン酸ナトリウム=288 ステアリン酸カリウム =314 0脂肪酸 ステアリン酸=276 0水=18 ところで、SEのミセル構造の集合体の見掛は分子量(
以下((SEミセル集合体の分子量)と称す)について
は、以下のように仮定する。 実際の水溶液中のSEは、水中にてミセル集合体を形成
しているから、例えば、SEのミセル会台数が10個の
場合、該ミセル集合体の分子量は、モノエステル100
%として、 ◇モノエステル単量体の分子、B (eoo)x i。 =s、oo。 ジエステル100%として、 ◇ジエステル単量体の分子1(850)XIO−8,5
80トリ工ステル100%として、 0 ) IJ j−スフ−Jtz(7)分子量(1,1
18)XIO−11,180実際のSEは、モノエステ
ル、ジエステル及びトリエステルの混合物であるから、
SEのミセル集合体の分子量としては、その平均分子量
を定義するのがよい。 (限外濾過膜の分画分子量) 発明目的に適った膜の選定は、次のようにして行なう。 先ず1分画分子量が200の濾過膜では、水膜へ水溶液
状態の反応混合物を与圧しながら供給して、未反応糖と
触媒(K2 C03)から生じた塩及び揮発分の除去を
狙っても、その限外濾過膜で、分離され得るのは、限外
濾過膜の分画分子量200よりも低い分子量を持つ水、
触媒(K2c03)から生じた塩及び揮発分のみである
0万両分子量200より大きい分子量342のショ糖は
、全く限外濾過膜を透過しないから、未反応糖はSEか
ら分離、除去できない。 次に、分画分子量がs、oooの限外濾過膜の場合は、
ショ糖、触媒からの塩及び揮発分は、夫々の分子量が5
.000より小さいので、限外濾過膜の微孔を容易に通
過できる。SEは、前述の通すミセル東合体を構成し、
ミセル会台数を例えば10個と仮定すると、そのSEミ
セル集合体の分子量はe 、ooo以上と推定されるか
ら、濾過膜の分画分子量が5,000より大きいと該ミ
セル集合体が微孔を通過できないものと推定されるが、
この推定は実験的に確認された。 別に、分画分子量i、oooの濾過膜の場合についても
検討したが、結果は予想の通りであった。 このように、限外濾過膜の分画分子量を適当に選定する
ことによって、不純なSEから未反応糖を含む不純物の
除去が可能となる。 (限外濾過膜の具備すべき条件) SE反応混合物に含まれる未反応糖と、触媒(K2 C
ox )から副生じた塩と、揮発分との王者をSE、石
鹸、未反応の脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸の凹溝よ
り分離しようとする場合、限外濾過膜の具備すべき条件
は、該膜が適当な分画分子量を有する場合、 ■ 物理的な外力に対し、抵抗力があること。 ■ 耐熱性を有し、微生物によって分解されないこと。 ■ 適当な分画分子量を持ち、処理能力の大きいこと。 ■ 耐用年数が長いこと。 ■ 経済的な価格で入手できること。 等である。 近年の限外濾過膜の製造における技術の進歩には著しい
ものがあるから、市販のものでも上の条件を満たしてい
るものが見出される。 (限外濾過条件) 前工程で得られた水溶性の高HL B −S E (Y
)を含む水溶液は、本限外濾過に先立ち酸を加えて中和
し、液性をpH8,2〜8.2、望ましくはpH7,5
付近に調整しておく、中和された被処理液のpHが8.
2を超えるとSHの分解が進み、またpH6,2未満で
はSEのミセル集合体が形成され難くなるため、限外濾
過膜からSEが流れ出したり、細孔が詰まったりするの
で好ましくない。 濾過時の水溶液の温度は、脂肪酸メチルエステルの種類
とは無関係に80℃以下の温度が好ましく、同温度を超
えるとSEが分解する懸念がある0発明者らは、該温度
が、特に40〜60℃の温度範囲内に在るとき、最大の
濾過速度が得られることを見出した。即ち、濾過温度を
40〜60℃、好ましくは約50℃に調節すると、後述
の理由で、未反応糖を含むショ糖、触媒(K2 C03
)由来の副生塩及び添加中性塩並びに揮発分(ジメチル
スルホキシドやジメチルホルムアミド)の凹溝は、水と
共に最も効率良く濾過膜を通過する。この理由としては
40〜60℃の温度領域においてSEのミセル集合体の
分子が巨大化する結果、ミセル集合体の総数が減少し、
未反応糖等の元来ミセル集合体の形成に関与しない物質
がSHの抵抗を受は難くなり、その分、未反応軸等が通
過し易くなることに因るものと推ΔIllされる。囚に
、公知の如く、SE水溶液は一般に40〜60℃の間で
最大の粘度を示す(上掲書103頁参照)が、これは、
その温度範囲内で最大の分子量を持ち得ることを示唆す
るものであり、この事実からも、40〜60℃の範囲で
未反応糖等が最大の膜通過速度を示す理由を説明するこ
とが可能である。 かくして、40〜60℃に維持されたSEを含む反応混
合物水溶液を、ポンプにより1〜20 Kg/cm2G
まで加圧して駆動源としての圧力をかけ、pH8,2〜
8.2の水素イオン濃度領域で限外濾過膜に接触させる
。ここに濾過膜として、セルロース系のものは物理的に
弱いだけでなく、かつ微生物にも侵され易いので、実用
上余り望ましくない、実用的に好適であるのは、支持層
で補強されたポリスルホン製もしくはポリ弗化ビニリデ
ン製の膜である。 これら両種の濾過膜は、現在重版されており、氷膜は、
#熱性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れるのみでなく、
物理的外力にも強く、シカ1も微!を物が膜面で増殖す
ることもない。 前述の通り、il!過膜の分画分子量の決定1こ際して
は、SHの洩れなしに未反応糖等の分離が効率よく行な
われ、かつ濾過速度も大である範囲のものを選定するこ
とが重要である0発明者らは、検討の結果、SHの洩れ
がなく、未反応糖、副生塩及び揮発分の分離性が損なわ
れず、しかも濾過速度が大であるという希望条件を満た
す膜の分画分子量として、1,000〜100,000
の範囲内のものが好適であること、及び、とりわけSE
の洩れがなく、しかも工業的な規模での処理に適したも
のとして1万両分子fi15,000の濾過膜が最も好
ましいことを発見した。 5,000超過の分画分子量
のものでは、僅かではあるがSEの洩れが発生し、逆に
5.000未満の分画分子量の膜では、濾過速度が減少
する。しかしいづれの場合でも、工業的に採算に乗らな
い程の不利益をもたらすものではない。 現在重版の濾過膜のうちで、発明目的に適うもノドして
は、例えば東しエンジニアリング■の販売に係る限界症
過膜のうち、商品名<(TERP−E−5>>(ポリ弗
化ビニリデン系)、(丁ERP−HF−10)(ポリス
ルホン系)及び<(TERP−11F−100>>  
(ポリスルホン系)等がある。 以上の限外濾過処理により、塩析沈殿の酸洗液中から揮
発分、ショ糖分、塩類当の夾雑物を除去された高純度の
高HLB−3E (Y)が普通5〜15%の水溶液の形
で回収される。 (噴霧乾燥) 以上の高HLB−3Eの水溶液は、乾燥に付される。 しかるに、本発明者は、多数の実験の結果から、上記高
HLB−3E水溶液の脱水、乾燥のため、噴霧乾燥手段
の利用が最適であることを見出した。因に、既述の如く
、所謂溝型の攪拌型乾燥機で代表される通常の真空乾鰻
機を用いた場合もまた、泥漿を連続的に供給して加熱し
て真空室に放出させる所謂フラッシュ式の乾燥機を用い
た場合も、SEの持つ粘度特性や低融点という性質のた
め、被処理SHの酸価の上昇、着色、カラメル化などの
品質低下現象を回避することができず、さらに後者の場
合には、なお粉塵爆発の危険性も無視できない。 しかるに、発明者が見出した噴霧乾燥手段を採用するこ
とにより、既往乾燥手段の欠点を一挙に解決することが
できる。 本発明における乾燥工程では、水溶液状態の含水ショ糖
脂肪酸エステルを、ポンプを介して噴霧乾燥塔へ連続的
に供給し、ノズルによる噴霧又は回転円盤(ディスク)
の遠心力により微細な霧状微粒子に分割して乾燥気流と
接触させる。これにより水の蒸発面積が著しく大きくな
り、このため極めて短時間内(噴霧してから数秒以内)
に脱水、乾燥を完了し得る。なお霧化手段としては、含
水ショ糖脂肪酸エステルの粘度が大であるため、回転円
盤の利用が望ましい。 (噴霧乾燥条件) ショ糖脂肪酸エステルの水溶液の供給温度は40〜80
℃の間で任意に変更できるが、品質面の考慮から望まし
くは40〜60℃の範囲内の温度を選ぶ。 上記溶液又は水溶液を回転円盤により霧化させる場合、
例えば円盤の直径が5〜10CIlφのときは、15,
000〜24.00Orpmの回転数が適当である。 塔内へ送風される空気は、溶液又は水溶液中の水分を蒸
発させるに必要な熱量以上を保有すべきであり、従って
空気温度が低い場合は、より多重の空気量が必要である
。この際の空気温度は10〜100℃の広範咀であって
よいが、対象ショ糖脂肪酸エステルの乾燥効率と熱分解
防止とを考慮して、60〜80℃の間の温度を選ぶのが
有利である。 送風空気中の湿度も前記の空気温度と共に乾燥効率に関
係する1作業上好適な絶対湿度は、大略、 の範囲にあるのが経済的である。 噴霧乾燥塔の所要容積、所要塔経、所要高さなどの諸条
件は、以上の噴霧条件を前提に設計される。塔の設計及
び作業条件が適当であれば、水分5%以下の粉末化され
た乾燥ショ糖脂肪酸エステルが、噴霧乾燥塔の下部より
連続的に排出される。得られた製品は、熱履歴が短いた
め、品質的に極めて優れ、かつ乾燥作業用の人員を殆ど
必要としない。
【作用】
未反応の糖、未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石
鹸、脂肪酸及び揮発分(残留する反応溶媒)を含むシ!
f粕脂肪酸エステル生成反応混合物に酸を加えて中性領
域のp)lに調整後、水、中性塩及びショ糖を加えて適
当な温度下に塩析すると、ショ糖脂肪酸エステル、未反
応の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂肪酸が沈澱する
と共に、揮発分(残留する反応溶媒)が水相側に移行す
るので、全く有機溶媒を使用せずに残留揮発分を除去す
ることができる。特に1式(3)、式(6)、及び式(
7)の条件を満足させるように操作することによって、
SEの損失が実質的に絶無の状態で残留溶媒を除去する
ことができる。 次いで、この沈澱を酸性の水で洗い、洗液を限外禮過す
ることによって、該洗液中に移行した沈澱中の夾雑揮発
分や、ショ糖、加えられた中性塩及び触媒の中和により
副生じた塩等の不純物が除去された高純度の高HLB−
SEの水溶液が得られる。 最後に、この水溶液を噴霧乾燥することにより、高品質
の高HLB−5Eが、流動性の良い粉末として連続的に
生産される、かくして全く精製用溶媒を使用せずに高い
HLB値を持つ粉末状SEの工業的生産が可能となる。 なお、上の酸洗工程に際し、沈澱側に残留したSEは、
高純度の低HLB−SEであるから、ここに粗製のSH
の精製を兼ねて高HLBのものと低HLEのものとに分
別する目的が併せて達成されることになる。
【実施例】
以下、実施例により発明実施の態様及び効果を説明する
が1例示は勿論説明のためのものであって、発明思想の
限定又は制限を意図したものではない。 犬施眉 下表−1の組成で表される溶媒法SE反応混合物から反
応溶媒を留去した残渣を、乳酸で中和後、乾燥させた乾
物(ドライマター) 100kgに水1.000kgを
加えて溶解させた。 表−1 沈澱したケーキを呟別後、真空下80℃で乾燥し、固形
物の組成を調べたところ、下表−2の通りであった。な
お、上記ケーキ中の水分は45%であった。 表−2 本エステル分布:モノエステル70%、ジエステル以上
30%。 Itジメチルスルホキシド(反応溶媒:以下同様)。 上の水溶液に、ショ糖82.5kg及び50%乳酸カリ
ウム137.8kgを加えて、75℃まで加熱、昇温さ
せ。 なお、ケーキより濾別された濾過液中のSEiを、ゲル
濾過クロマトグラフィー(GPC)法(上掲四63頁参
照)で測定したところ、SEの存在は全く認られなかっ
た他、反応溶媒のジメチルスルホキシドの85%が除去
されていた。 次に、上表−2のケーキ(瓜(i180kg)をpH3
,5の常温酢酸水400kgに懸濁させ、ホモミキサー
で細断しつつ10分間攪拌した後、細分化された沈澱を
症取し、これを再び酢酸水で洗浄する操作を計4回繰り
返した。得られた注液(pH3,5)の組成は下表−3
の通りであった。 表−3 送液温度=50.5℃〜53.0℃ 癌過膜の排出速度=4.1〜5.7kg/分癌過膜の循
環速度= 18.9〜17.3 kg/分約310分後
、膜を透過しなかった濃縮液に水1.800kgを加え
、攪拌後、再び同一条件で限外濾過膜に送液した。 以りの操作を4回縁返したところ、濃縮された液の組成
(乾物)は下表−4の通りとなった。 表−4 この鑓液(1,625kg)を苛性ソーダでpH7,5
に調整後、上掲限外癌過膜(TERP−E−’J  (
分画分子量5.000)を装置した膜面a8 rn’の
スパイラル型4”円筒形加圧濾過ユニットへ以下の条件
で送液した。 送液圧力= 7.5〜9.2 kg/cm2G表−4記
載の水溶液をp)17.5に調整して下表−5の組成(
乾物として)の水溶液(固形分含量11.5%)を得た
。 表−5 噴霧乾燥塔の直径: 2.Omφ 直t、)部の長さ+ 1.5m 回転円盤(ディスク)径: 10cmφ円盤回転数:2
4,00Orpm 入口空気温度: 51’O。 本モノエステル83.2%、ジエステル以上= 18.
8%この水溶液を真空下に加熱、濃縮したところ、モノ
エステル含量的83%の高HLB−3Hの24.0%を
含むetIIi!物が得られた。 なお、表−2記載のSEを酢酸で洗浄、精製した残りの
沈澱物は、モノエステル含量67%の低HLB−3Eで
あった。 最後に、上の濃縮物を、以下の条件下で噴霧乾燥した。 噴霧乾燥塔の下部から得られた粉末状の高HLB−3E
は、下表−6の組成を有し、水分2.10%、嵩比重0
.41で、過熱による着色も無く、流動性のよいもので
あった。なお、乾燥は1.5時間安定して継続できた。 (以下余白) (以下余白) 表−6 本SE中のモノエステル=83.1%、ジエステル以上
= 18.9% このように、当初の反応混合物のエステル分布において
、モノエステル= 70.0%(ジエステル以上=30
%)のSEからモノエステル含[83,1%の高HLB
−5Eが得られた。なお、酸洗沈澱から得られたSEは
、既述のように、モノエステル含量67%の低HLB品
であるので、本例により、当初反応混合物中に存在して
いたSEが、高HLB品と低HLB品とに分別されたこ
とになる。 【発明の効果] 以上説明した通り、本発明は、溶媒法ショ糖脂肪酸エス
テル反応混合物から精製用溶媒を使用しないで、工業的
に、精製された高HLBの粉末状ショ糖脂肪酸エステル
の製造すると共に、併せて低HLBショ糖脂肪酸エステ
ルの分別を可能ならしめ得たことによって、工業的に以
下のような多大の直接及び間接効果を奏する。 (1)安価な水のみを用いて粉末状高HLBショ糖脂肪
酸エステルの製造が可能となること。 (2)低HLBショ糖脂肪酸エステルの分別できること
。 (3)ショ糖脂肪酸エステルの乾燥を、常圧下に短時間
内に行うことができるため、製品の熱劣化がないこと。 (4)溶剤の爆発、火災の心配がなく、従って防爆仕様
の高価な電気装置も不要となること。 (5)反応溶媒及び精製用溶媒が製品に混入する懸念が
ないこと。 (6)職場の衛生環境が向上すること。 (7)低費用で工業化できること。 (以下余白)
【図面の簡単な説明】
第1図は、水、合計糖及び合計塩各量の変化と、水相中
に溶在するSE量との関係を示す三元グラフ、第2図は
、SEのエステル組成と酸性水への溶解度の関係を示す
三元グラフ↑ある。 第1図 一合計塩(’/、) 水◆合111ム令令itN&= 1o。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 目的物のショ糖脂肪酸エステルの他、未反応の糖、
    未反応の脂肪酸メチルエステル、触媒、石鹸、脂肪酸及
    び揮発分を含む反応混合物を、中性領域のpHに調整し
    、水、中性塩及びショ糖を加えることにより生じる沈澱
    物を酸性の水で洗浄し、洗液を中和後、限外濾過し、噴
    霧乾燥することを特徴とする粉末状高HLBショ糖脂肪
    酸エステルの製造法。2 反応混合物の組成が、 未反応のショ糖=1.0〜80.0% 未反応の脂肪酸メチルエステル=0.5〜10.0% 触媒=0.05〜7.0% 石鹸=1.0〜10.0% 脂肪酸=0.5〜10.0% 揮発分=3.0〜30.0% ショ糖脂肪酸エステル=15.0〜95.0%である請
    求項1記載の方法。 3 反応混合物が、pH6.2〜8.2に調整される請
    求項1記載の方法。 4 pH調整後の反応混合物が、50〜80℃に加熱さ
    れる請求項1記載の方法。 5 反応混合物に加えられる水と反応混合物の重量比が
    、水:反応混合物=5:1〜40:1である請求項1記
    載の方法。 6 下記の関係式に従って、中性塩及びショ糖がpH調
    製後の反応混合物に添加される請求項1又は3記載の方
    法。 合計塩量/水量+合計塩量+合計糖量=0.015〜0
    .12かつ、 合計糖量/水量+合計塩量+合計糖量=0.025〜0
    .20かつ、 合計塩量/合計糖量=0.4〜0.8 ここで、 合計塩量=加えられるべき中性塩量+触媒の中和によっ
    て生成する塩量 合計糖量=加えられるべきショ糖量+当初からの未反応
    糖量 7 反応混合物のpHの調整に使用される酸が、乳酸、
    酢酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれた酸のいずれ
    かである請求項1又は3記載の方法。 8 反応混合物中の脂肪酸メチルエステル、石鹸及び脂
    肪酸の夫々に主として含まれる脂肪酸根が、炭素数が1
    6〜22の共通飽和脂肪酸根を持つ請求項1又は2記載
    の方法。 9 反応混合物中の揮発分(残留する反応溶媒)の成分
    が、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドで
    ある請求項1又は2記載の方法。 10 反応混合物に加えられる中性塩が、食塩、芒硝、
    乳酸カリウム及び酢酸カリウムからなる群から選ばれた
    塩のいずれかである請求項1又は6記載の方法。 11 ショ糖脂肪酸エステルのエステル分布が、モノエ
    ステル含分として、10〜75%(ジエステル以上が9
    0〜25%)である請求項1又は2記載の方法。 12 酸性の水のpH値が、3.0〜5.5である請求
    項1記載の方法。 13 酸性の水の温度が、10〜40℃である請求項1
    又は12記載の方法。 14 限外濾過膜が、ポリスルホン系又はポリ弗化ビニ
    リデン系の樹脂からなる請求項1記載の方法。 15 限外濾過膜の分画分子量が、1,000−100
    ,000である請求項14記載の方法。 16 限外濾過時の駆動源としての圧力が、1.0〜2
    0.0kg/cmGである請求項1記載の方法。 17 限外濾過時の反応混合物水溶液のpHが、6.2
    〜8.2である請求項1記載の方法。 18 限外濾過時の反応混合物水溶液の温度が、40〜
    60℃である請求項1又は17記載の方法。 19 噴霧乾燥されるスラリー(泥漿)が、固形分=4
    〜40%、水分=96〜60%のものである請求項1記
    載の方法。 20 噴霧乾燥時の送風空気の湿度と温度が、絶対湿度
    =0.008〜0.05kg・水/kg・乾燥空気温度
    =10.0〜100.0℃ の範囲内に在る請求項1記載の方法。 21 製品の粉末状高HLBショ糖脂肪酸エステルの組
    成が、下記範囲内に在る請求項1記載の製法。 水分=0.5〜5.0% 未反応脂肪酸メチルエス テル=0.5〜10.0% 石鹸=0.5〜60.0% 脂肪酸=0.5〜10.0% ショ糖脂肪酸エステル=98.0〜15.0%
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