JPH02187202A

JPH02187202A - 熱延酸洗鋼板およびその製造方法

Info

Publication number: JPH02187202A
Application number: JP816289A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Fukutome; 福留　博
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-01-17
Filing date: 1989-01-17
Publication date: 1990-07-23

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、表面性状（微視的な凹凸パターン）を調整
して耐型かじり性と化成処理性を著しく向上させた熱延
酸洗綱板およびその製造方法に関する。

（従来の技術）熱延酸洗鋼板は、下回り部品やホイールリムのような自
動車用部材、電気機器のケース、建材などに使用されて
いるが、これらの部材はプレス成形され、且つ塗装され
るものが大部分である。従って、これらの用途向けの熱
延酸洗鋼板には、優れたプレス成形性と塗装性が必要と
される。プレス成形性としては耐型かじり性が重要であ
り、また、塗装性の向上には下地処理としての化成処理
性が優れていることが重要である。

通常、熱延酸洗鋼板は熱間圧延後直ちに酸洗処理を施し
てそのまま製品とするか、または酸洗の前もしくは後に
平坦矯正として研削仕上げロールで平坦矯正圧延（スキ
ンバス）を施して製品とする。

鋼板の表面を見た場合、熱延酸洗鋼板は、■酸洗による
表面酸化層の存在による潤滑効果、■酸洗による表面エ
ツチングによる凹凸効果、等により耐型かじり性をある
程度確保している。

しかし、従来の熱延酸洗鋼板の表面の微視的な凹凸パタ
ーンは極めて不規則なものであるため、上記■および■
のような効果が期待できるとしても、その耐型かじり性
は不十分である。

一方、塗装下地としてりん酸塩皮膜やクロメート皮膜を
着ける化成処理においても、表面の微視的凹凸パターン
が大きな影響をもつことが知られているが、熱延酸洗ｒ
Ｉ４仮の化成処理性を改善するためにその表面性状を鯛
整するという捉案は見られない。

（発明が解決しようとする！！題）従来の熱延酸洗鋼板の表面性状は、鋼種や酸洗条件（酸
の種類、酸洗温度、ｐｌ＋、酸洗速度、等）によって大
きく左右される。

熱延酸洗ｒＩＡ仮の型かじり性に影響する因子としては
、母材の機械的性質以外に鋼板表面側の因子として、表
面の凹凸と表面の酸化物皮膜がある。

成る程度の表面凹凸は、プレス加工の際の潤滑油保持性
を高め、金属微粉のトラップサイトになって耐型かじり
性を向上させる。また、鋼板表面の酸化皮膜はその潤滑
効果によって耐型かじり性を向上させるといわれている
。

しかしながら、従来の製造方法では、前述したように酸
洗条件が変動するため、表面粗さを好ましい程度に安定
させることは困難である０例えば、平坦矯正ロールにシ
ョツトブラストロールを用いて鋼板表面粗さを粗くする
ことも可能であるが、その場合、鋼板表面の酸化皮膜が
破壊されるうえに、極めて象、峻な凹凸パターンとなり
プレス加工時に突出した凸部が剥離するため、むしろ型
かじり性は悪化する。また、余りにも粗度の大きな表面
は、化成処理性をも悪化させる。

化成処理性を良好にするには、化成反応時のアノード部
とカソード部とを鋼板表面に均一に分散させるのが良い
、しかし、酸洗のままの熱延鋼板は前述したように鋼板
表面が均一な酸化層でおおわれており、そのままでは化
成処理性に劣る。また、これに平坦矯正圧延を施した場
合でも、酸化皮膜は不規則に破壊されて前記のアノード
部とカソード部が均一に分布した状態にはなり難く、化
成処理性の向上には限界がある。

上記のとおり、従来の熱延酸洗綱板では優れた型かじり
性と化成処理性を安定して得ることができない。

本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、表面に規
則的な凹凸模様を有し安定して優れた型かじり性と化成
処理性とを有する熱延酸洗ｌｉ機およびその製造方法を
提供することを目的とする。

（ｉ！ｌ！題を解決するための手段）本発明は、１表面の微視的形状が、平坦面と少なくとも
一方向について直線状に並んだリング状の凹部からなり
、リング中心間の距離を！、リング外径をｄ５、凹部深
さをｈとしたとき、０．７５≦ｌ／ｄ１≦１．２５７　≦　ｈ　≦２５（μｍ）を満足することを特徴とする耐型かじり性と化成処理性
に優れた熱延酸洗鋼板Ｊを要旨とする。

また、本発明は、上記の熱延酸洗鋼板の製造方法として
の、ｆ酸洗処理を施した熱延鋼板に、高エネルギー密度
ビームを使用して表面に凹凸の模様を形成したロールを
使用して平坦矯正圧延を施し、ロール表面の模様を鋼板
表面に転写することを特徴とする製造方法ｊを要旨とす
る。

第１図は、本発明の熱延酸洗鋼板の表層部の模式図で、
（ａ）が平面図、（ｂ）が（ａ）の八−Ａ線断面図であ
る。このような表面性状を有する熱延鋼板は、上記の本
発明の製造方法で得られるものである。

第１図において、本発明の熱延酸洗鋼板は、その表面に
リング状の凹部ｌが規則的に配置されている。リング状
の凹部の中央部は台地状の平坦部２になっている。今、
リングの外径をｄｌ、隣合うリングの中心間の距離をｌ
、凹部の深さをｈ（μｍ）とすれば、０．７５≦１／ｄ、≦１．２５・・・・・・・■７　≦
　ｈ　≦２５（μｍ）　　・・・■の関係にある。第１
図は、ｆｆｉ　／ｄ、　＝０．９６の場合を示している
。なお、第１図にはリング状凹部を１列しか示していな
いが、このようなリング状の四部が板の全面に均一に分
布しているのである。ただし、凹部の平面形状は、必ず
しも図示のような完全なリングである必要はない、中央
の平坦部が一方に偏心していてもよいし、四部が半月状
、三日月状であってもよい、この場合は、凹部を仮想円
として！およびｄｉを定める。

凹部の配置も、縦横均等に規則的である必要はない、要
するに■の式を満たす範囲であれば、多少の不規則性は
許容できる。

＊Ｆｉの表暦部（特に平坦部２）には、酸洗工程ででき
た酸化皮膜３がある。この酸化皮膜は、凹部Ｉ、特にそ
の底部、では平坦矯正圧延の際に破壊除去されて殆ど残
っていない。

上記のような表面の凹凸パターンをもつ熱延酸洗鋼板は
、次のようにして製造する。

通常の熱間圧延の後、酸洗を行う、酸洗の後は高エネル
ギー密度ビームで凹凸加工（ダル加工）を施したロール
をワーク°ロールとして平坦矯正圧延を行う０例えば、
特公昭６２−１１９２２号公報に紹介されているように
、レーザービームを使用してダル加工したロールの表面
には、クレータ−状の凹凸が規則的に形成されている。

このロールで鋼板を圧延すれば、クレータ−の外周のリ
ング状の凸部が、鋼板表面に反転してプリントされ、前
記第１図のリング状の四部１が形成される。

レーザービーム等によるロールの加工では、ビームのエ
ネルギーの調整、パルスの間隔の１Ｊｉｌ整などにより
、前記のクレータ−の形状や分布をかなり正も１に制御
できるから、そのロールを用いて圧延すれば鋼板の凹凸
パターン（前記のＬｄ、、ｈなど）の制御も容易である
。

この平坦矯正圧延によって、第１図に示すように、規則
的に凹部が配列されるだけでなく、酸洗工程で生じた酸
化皮膜がロールの凸部が押し込まれた部分で破壊されて
、酸化皮膜のある部分とない部分とが規則的に分布する
表面状態が得られる。

このようにして得られる本発明の熱延酸洗鋼板では、リ
ング状の四部が油溜まりと金属微粉のトラップサイトに
なって、従来の熱延酸洗鋼板よりも耐型かしり性が著し
く向上する。また、前記のように、酸化皮膜の残った部
分と酸化皮膜破壊部とが均一に分散しているために、化
成反応を促進するカソード部とアノード部とが適切に配
置されていることになり極めて良好な化成処理性が得ら
れる。

（作用）本発明における、前記のおよび■の式の条件は次の試験
結果から決定したものである。

低炭素アルミキルド鋼の熱延酸洗鋼板を供試材として、
これをレーザービームによるダル加工（以下、レーザー
ダル加工という）を施した平坦矯正用ロールを用いて１
．０％の圧下率で圧延した。

この時、レーザーダル加工法を種々変えることにより、
平坦矯正圧延後の綱板表面凹凸パターンの１、ｄ、　、
ｈを変化させた。これらの供試材について、耐型かじり
性と化成処理性を調査した。

耐型かじり性については、第２図に示す治具を用い、し
ごき率を７％に調整した。評価はこの加工後の材料（第
３図）について外表面にあられれる焼付部　ｂ＋、　ｂ
＊　＋ｌ］ｌ　、、、　ｂ−を除＜　、５０ｍｍ当たり
の正常部残存率により行った。なお、耐型がじり性が良
好と判断できるのは、正常部残存率が８０％以上の場合
である。

ｂ、ｌ正常部残存率（％）−（１−Σ−）　ｘ　１００評価の
結果を第４図に示す、耐型かじり性はｅ　／　ｄｉに強
く依存し、０．７５≦ｌ／ｄ、≦１．２５の範囲で良好
な耐型かじり性が得られる。

化成処理性ついては、脱脂、酸洗ののちりん酸塩処理（
日本バー力うイジング製ＢＴ３０２０を使用）を施し、
電子顕微鏡により化成結晶の正常性を調べて化成処理性
を評価した。その結果を第５図に示す。化成処理性は凹
部の深さｈに強く依存し、７≦ｈ≦２５（μｍ）とする
ことにより、良好な化成処理性が得られる。

前記のｌ／ｄ、が１．２５より大きくなると、鋼板表面
の凹凸部以外の面（研削仕上げロールの圧延面に相当）
が増加するとともに四部の面積率が減少するため、耐型
かじり性が悪化すると考えられる。

ｅ　／　ｄ＋が０．７５より小さい場合は、凹凸模様の
隣接する凹部が重複し、鋭いピーク部が出現するため、
プレス加工の際にこれが欠は落ちて、型かじりが生じや
すくなるものと考えられる。

本発明鋼板の優れた化成処理性は、前記のとおり、酸化
皮膜のある部分と酸化皮膜が破壊された部分との均一分
散が、鋼板表面のカソード部とアノード部の均一分散に
なるためである。凹部の深さｈが７／／１１より浅いと
酸化皮膜の破壊が充分でなく、化成処理性が不良になる
と考えられ、一方、ｈが２５μ鍋より深い場合は、脱脂
処理の際に凹部の底の油分が充分に除去されないため、
化成処理性が不良になるものと考えられる。

（実施例）第１表に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造し
てスラブとし、それを１２５０’Ｃに加熱して通常の熱
間圧延を行い３．２ｍｍ厚の熱延鋼帯とした。

それを塩酸溶液で酸洗した後、平坦矯正圧延（圧下率１
．０％）を施した。

平坦矯正圧延には、研削ロール（ブライドロール）、シ
ョツトブラスト加工ロール（ショットダルロール）およ
びレーザービーム加工ロール（レーザーダルロール）を
使用し、レーサータルロールは凹凸パターンを種々変え
て鋼板の２、ｄｌｌおよびｈを調整した。なお、平坦矯
正圧延なしの試料も参考のため試験した。

こうして得られた各種の熱延酸洗鋼板について、両型か
じり性と化成処理性を試験した。試験方法および評価方
法は前述のとおりである。

評価の結果を第２表に示す。

第　　１　　表　　　（１１ｔ％）（以下、余白）第２表第２表のＮ［Ｌｌは研削ロールを使用した場合の比較例
、Ｎａ２はショットダルロールを使用した場合の比較例
である。隘６〜Ｎａ１５はレーザーダルロールを使用し
ているが、ｌ／ｄｔまたはｈが本発明の条件外の比較例
であり、ＮＣＬ１６と１７は平坦矯正圧延を実施してい
ない例である。

本発明の実施例に相当するＮα３〜５は、両型かじり性
では正常部残存率が８７〜９４％と良好であり、また酸
化皮膜の破壊された部分と酸化皮膜のある部分とが均一
に分散しているため、化成処理性も良好であった。

これに対して、１１ｋ１６〜８およびＮα１４．１５は
ｈの値が過小または過大であるため、酸化皮膜の破壊が
不十分であったり、油分の除去が不十分となったりして
、化成処理性は不良であった。

隘９〜１４では、１／ｄ、の値が適正でないため、両型
かじり性が劣る。特に、阻９．１１．１２．１３．１４
は正常部の残存率が６０％以下と、極めて悪い。

平坦矯正をしていないＮ［Ｌｌ６．１７が、両型かじり
性および化成処理性のいずれにおいても劣るのはいうま
でもない。

（発明の効果）本発明によれば、熱延酸洗鋼板表面に規則的な凹凸パタ
ーンを付与し、その形状を規制することにより、同一材
質の鋼板であっても両型かじり性と化成処理性が格段に
向上したものが得られる。

本発明の熱延酸洗綱板は、難度の高い成形が可能であり
、化成処理性、ひいては塗装性に優れているため、熱延
綱板の使用分野の一層の拡大に寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の熱延酸洗綱板を説明する拡大模式図
であり、（ａ）が平面図、（ｂ）が（ａ）のＡ−Ａ線断
面である。第２図は、型かじり試験方法の説明図、第３図はその試
験結果の評価方法を説明する図である。第４図は、ｌ／ｄｌと組型かじり性との関係を示す図、
第５図はｈと化成処理性との関係を示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）表面の微視的形状が、平坦面と少なくとも一方向
について直線状に並んだリング状の凹部からなり、リン
グ中心間の距離をｌ、リング外径をｄ＿１、凹部深さを
ｈとしたとき、０．７５≦ｌ／ｄ＿１≦１．２５７≦ｈ≦２５（μｍ）を満足することを特徴とする耐型かじり性と化成処理性
に優れた熱延酸洗鋼板。
（２）酸洗処理を施した熱延鋼板に、高エネルギー密度
ビームを使用して表面に凹凸の模様を形成したロールを
使用して平坦矯正圧延を施し、ロール表面の模様を鋼板
表面に転写することを特徴とする特許請求の範囲第１項
記載の熱延鋼板の製造方法。