JPH0218207B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は屋根瓦、煉瓦、タイル、ニユーセラミ
ツク製品等の各種窯業製品において主原料の表面
に異種原料をコーテイングせしめた特殊成形体を
連続的に押出成形せしめる様にした窯業用素地に
おける異種原料のコーテイング方法および装置に
関するものである。

一般に屋根瓦、煉瓦、タイル等の窯業製品は単
一の原料により成形されているが、微粒子に精製
された高級原料を使用する場合は原料コストが高
くつき、又可塑性の小さい原料を使用する場合は
成形性が悪いため不良品の発生率が高かつた。

そこで最近は安価な原料、可塑性の大なる原料
を主原料としてその表面に高級原料、可塑性の小
なる原料等をコーテイングせしめることにより高
品質の各種窯業製品を安価に製品せしめることが
行われており、従来かかる異種原料をコーテイン
グせしめる様にしたものとしては特開昭58−
179606号公報に記載されている様な異種原料コー
テイング窯業用素地押出装置が見受けられるも、
かかる装置は母体原料の押出機先端の罐筒部に対
し、コーテイング原料を押出すスクリユー式の押
出機の先端部を垂直に接合せしめ、双方の押出機
を作動せしめて母体原料用の押出機の吐出口より
吐出せしめる様に成しており、コーテイング原料
の圧着は母体原料の圧縮成形過程中において行わ
しめているので、重合された原料が吐出口から吐
出するまでの間に圧縮成形に伴う圧力およびスク
リユー押圧による捩れにより母体原料とコーテイ
ング原料とが混合され、このため母体原料に対し
コーテイング原料を表面層のみにコーテイングす
ることは困難であり、又母体原料に対しコーテイ
ング原料が垂直方向から押出し作用されるためコ
ーテイング厚さがコーテイング原料の押出し圧に
直接影響され、スクリユー式押出機の押出し圧は
調整が困難であることよりコーテイング厚さを均
一ならしめることが出来ず、又かかる装置では第
４図、第５図に図示する様に母体に対しコーテイ
ング原料を全周包囲状にコーテイングせしめるこ
とは出来ない等の欠点を有していた。

本発明はかかる欠点に鑑み、押出シリンダー内
に配設せしめたコーテイング原料用押出スクリユ
ーにてコーテイング原料を押出せしめ、コーテイ
ング原料用押出スクリユーの後方に一体連設され
て連動回転する主原料用押出スクリユーにて主原
料を押送せしめると共に該主原料をコーテイング
原料用押出スクリユーの内部中心に貫通せしめた
通路を通してコーテイング原料用押出スクリユー
の先端部からコーテイング原料内へ吐出せしめ、
主原料とコーテイング原料を押出シリンダー先端
の主吐出口より吐出せしめる様にした窯業用素地
における異種原料コーテイング方法および装置を
提供して上記欠点を解消せんとしたものにして、
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する
と、 １は異種原料のコーテイング装置の本体であ
り、前筒部２と後筒部３より成る押出シリンダー
４を設け、該押出シリンダー４の先端部には縮径
状の溜部５を有し任意形状の主吐出口６を開口形
成せしめた主ノズル７を装着せしめている。

８は押出シリンダー４内に挿通配置せしめた押
出スクリユー本体であり、該押出スクリユー本体
８において前筒部２に対応する部分には外周にス
クリユー翼９を螺設せしめてコーテイング原料用
押出スクリユー１０と成し、該コーテイング原料
用押出スクリユー１０の後端部には前筒部２の内
周に密接して押出スクリユー本体８をコーテイン
グ原料室１１、主原料室１２に区割せしめる隔壁
部１３を形成せしめ、又前筒部２の後方上部には
コーテイング原料室１１へコーテイング原料Ｂを
供給せしめるホツパー１４を取付けせしめてい
る。

又コーテイング原料用押出スクリユー１０の内
部中心軸上には主原料Ａ用の通路１５を貫通形成
せしめている。

又押出スクリユー本体８において後筒部３に対
応する部分には外周にスクリユー翼１６を螺設せ
しめた主原料用押出スクリユー１７をコーテイン
グ原料用押出スクリユー１０に対し同軸上に一体
連設せしめ、コーテイング原料用押出スクリユー
１０と主原料用押出スクリユー１７との連結部１
８は主原料室１２と通路１５との連通孔１９，１
９ａ…を有せしめる様にしてコーテイング原料用
押出スクリユー１０後端に連結杆２０，２０ａ…
を介して軸心部に保持せしめた円錘状の連結部材
２１に対し主原料用押出スクリユー１７の先端を
螺合一体化せしめて成り、該主原料用押出スクリ
ユー１７の後端部は押出シリンダー４の後部に支
持せしめると共に、外方突出せしめて駆動モータ
ー（図示せず）に連繋されて回転制御される駆動
体２２を装着せしめ、又後筒部３の後方上部には
主原料室１２へ主原料Ａを供給せしめるホツパー
２３を取付けせしめている。

２４は主原料Ａを押出せしめる円錘筒状の副ノ
ズルであり、コーテイング原料用押出スクリユー
１０の先端に密接状で回転自在に嵌装せしめると
共に、外周部にコーテイング原料Ｂの通過口２
５，２５ａ…を残して一体突設せしめた取付部２
６を介して押出シリンダー４先端と主ノズル７と
の間に固定支持せしめ、又副ノズル２４の中心部
にはコーテイング原料用押出スクリユー１０内の
通路１５に連通すると共に、押出すべき成形品の
形状に対応して任意形状に設定せしめた副吐出口
２７を貫設形成せしめて該副吐出口２７を主吐出
口６の後方同軸上に開口位置せしめる様に成して
いる。

尚、図中２８は隔壁部１３を通して漏れ出した
主原料Ａを排出せしめる逃がし孔である。

第３図は異種原料のコーテイング装置の他一方
の発明を示し、本発明を説明するに当り押出スク
リユー本体８ａと該押出スクリユー本体８ａに対
する駆動部以外は前記の発明と同様の構成より成
るため、かかる部分の説明は省略する。

押出スクリユー本体８ａは夫々独立して回転自
在に支持せしめたコーテイング原料用押出スクリ
ユー１０ａと主原料用押出スクリユー１７ａより
成り、コーテイング原料用押出スクリユー１０ａ
は後端方を後筒部３側に一体延出せしめて支持部
２９を形成せしめると共に、押出シリンダー４の
中央部に配設せしめた軸受部３０に対し回動自在
に支持せしめ、支持部２９の外周には駆動モータ
ーに連繋されて可変速回転制御される駆動体３１
を装着せしめている。

一方コーテイング原料用押出スクリユー１０ａ
の後方同軸上に配置される主原料用押出スクリユ
ー１７ａは後端の支持部３２を押出シリンダー４
後端部の軸受部３３に回動自在に支持せしめると
共に、外方突出部分にはコーテイング原料用押出
スクリユー１０ａとは別の駆動モーターに連繋さ
れて可変速回転制御される駆動体３４を装着せし
め、又主原料用押出スクリユー１７ａの先端部は
コーテイング原料用押出スクリユー１０ａの支持
部２９内中心部に通路１５に対し連通状に貫通形
成せしめた内空部３５内に挿通配置せしめる様に
成している。

次に本発明に係る窯業用素地における異種原料
のコーテイング方法について説明すると、第１図
においてホツパー２３に主原料Ａを、ホツパー１
４にコーテイング原料Ｂを投入せしめて押出スク
リユー本体８を所定方向に回転駆動せしめると、
コーテイング原料Ｂはコーテイング原料用押出ス
クリユー１０の圧送作用により順次主ノズル７方
向へ押送され、一方主原料Ａは主原料用押出スク
リユー１７の圧送作用により主原料室１２内を押
送されると共に、この押圧力により主原料Ａは主
原料室１２に連通するコーテイング原料用押出ス
クリユー１０内の通路１５へ至り、後方からの押
圧力により圧送されてコーテイング原料用押出ス
クリユー１０の先端に装着せしめた副ノズル２４
の副吐出口２７より主ノズル７の溜部５内に吐出
し、溜部５内にてコーテイング原料Ｂの中心部に
進入し、主原料Ａの外周部をコーテイング原料Ｂ
が包囲した状態となつて主ノズル７の主吐出口６
より複合素地Ｗとして連続的に押出成形されるの
である。

尚、複合素地Ｗは主ノズル７および副ノズル２
４における主吐出口６、副吐出口２７の形状設定
により、第４図に図示する様に帯状の主原料Ａの
外周に対しコーテイング原料Ｂを包囲状にコーテ
イングせしめたもの、第５図に図示する様にスプ
ライン軸状の主原料Ａの外周に対しコーテイング
原料Ｂを包囲状にコーテイングせしめたもの等任
意の形状の複合素地Ｗを成形せしめることが可能
である。

又第３図に図示する他の発明においては同様に
主原料Ａがコーテイング原料用押出スクリユー１
０ａ内の通路１５を通つてコーテイング原料Ｂの
中心部に強制進入した状態で主ノズル７より複合
素地Ｗとして押出成形されるが、コーテイング原
料用押出スクリユー１０ａと主原料用押出スクリ
ユー１７ａは独立して駆動可能であるため、原料
の種類等に応じてコーテイング原料用押出スクリ
ユー１０ａと主原料用押出スクリユー１７ａの回
転速度を任意に調整せしめることにより押出圧
力、押出速度等を適宜調整せしめるのである。

要するに本発明は、押出シリンダー４内に配設
せしめたコーテイング原料用押出スクリユー１０
にてコーテイング原料Ｂを押出せしめ、コーテイ
ング原料用押出スクリユー１０の後方に一体連設
されて連動回転する主原料用押出スクリユー１７
にて主原料Ａを押送せしめると共に該主原料Ａを
コーテイング原料用押出スクリユー１０の内部中
心に貫通せしめた通路１５を通してコーテイング
原料用押出スクリユー１０の先端部からコーテイ
ング原料Ｂ内へ吐出せしめる様にしたので、中心
部の主原料Ａに対しコーテイング原料Ｂが全周包
囲状に圧着され、主原料Ａに対するコーテイング
原料Ｂの圧着力は全周より均等に作用するため主
原料Ａとコーテイング原料Ｂとが混合されること
なくコーテイング原料Ｂを主原料Ａの表面層のみ
に均一にコーテイングせしめることが出来、又圧
着された主原料Ａとコーテイング原料Ｂを押出シ
リンダー４先端の主吐出口６より吐出せしめる様
にしたので、主ノズル７内で包囲状に圧着一体化
された主原料Ａ、コーテイング原料Ｂを主吐出口
６の形状に対応する任意の形状で且つ主原料Ａに
対しコーテイング原料Ｂを全周包囲状にコーテイ
ングせしめた状態で連続的に吐出せしめることが
出来るのである。

又他の発明においては主原料用押出スクリユー
１７ａとコーテイング原料用押出スクリユー１０
ａとを夫々独立して回転駆動せしめて主原料Ａと
コーテイング原料Ｂを押出シリンダー４先端の主
吐出口６より吐出せしめる様にしたので、主原料
押出スクリユー１７ａおよびコーテイング原料用
押出スクリユー１０ａの回転速度を個別的に任意
の速度に調整せしめることが出来、よつて原料の
変更時における押出調整を容易ならしめることが
出来ると共に、押出される複合素地Ｗにおける主
原料Ａとコーテイング原料Ｂの占める割合を任意
に調整せしめることが出来る等その実用的効果甚
だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すものにして、第１
図は本発明に係る窯業用素地における異種原料の
コーテイング装置の断面図、第２図は第１図のＸ
−Ｘ断面図、第３図は他の発明に係る装置の断面
図、第４図、第５図は押出された複合素地の断面
図である。 ４……押出シリンダー、６……主吐出口、７…
…主ノズル、１０……コーテイング原料用押出ス
クリユー、１５……通路、１７……主原料用押出
スクリユー、２４……副ノズル、２７……副吐出
口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 押出シリンダー内に配設せしめたコーテイン
   グ原料用押出スクリユーにてコーテイング原料を
   押出せしめ、コーテイング原料用押出スクリユー
   の後方に一体連設されて連動回転する主原料用押
   出スクリユーにて主原料を押送せしめると共に該
   主原料をコーテイング原料用押出スクリユーの内
   部中心に貫通せしめた通路を通してコーテイング
   原料用押出スクリユーの先端部からコーテイング
   原料内へ吐出せしめ、主原料とコーテイング原料
   を押出シリンダー先端の主吐出口より吐出せしめ
   る様にしたことを特徴とする窯業用素地における
   異種原料のコーテイング方法。 ２ 押出シリンダー内に配設せしめたコーテイン
   グ原料用押出スクリユーにてコーテイング原料を
   押出せしめ、コーテイング原料用押出スクリユー
   の後方に配設された主原料用押出スクリユーにて
   主原料を押送せしめると共に該主原料をコーテイ
   ング原料用押出スクリユーの内部中心に貫通せし
   めた通路を通してコーテイング原料用押出スクリ
   ユーの先端部からコーテイング原料内へ吐出せし
   め、主原料用押出スクリユーとコーテイング原料
   用押出スクリユーとを夫々独立して回転駆動せし
   めて主原料とコーテイング原料を押出シリンダー
   先端の主吐出口より吐出せしめる様にしたことを
   特徴とする窯業用素地における異種原料のコーテ
   イング方法。 ３ 押出シリンダー内にコーテイング原料用押出
   スクリユーを配設せしめ、該コーテイング原料用
   押出スクリユーの後方同軸上には回転駆動される
   主原料用押出スクリユーを一体連設せしめ、コー
   テイング原料用押出スクリユーの内部中心には主
   原料の通路を貫通形成せしめ、該通路先端の副吐
   出口を押出シリンダー先端の主吐出口の後方に開
   口位置せしめたことを特徴とする窯業用素地にお
   ける異種原料のコーテイング装置。 ４ 押出シリンダー内にコーテイング原料用押出
   スクリユーを配設せしめ、該コーテイング原料用
   押出スクリユーの後方同軸上には主原料用押出ス
   クリユーを配設せしめ、コーテイング原料用押出
   スクリユーの内部中心には主原料の通路を貫通形
   成せしめ、該通路先端の副吐出口を押出シリンダ
   ー先端の主吐出口の後方に開口位置せしめ、前記
   コーテイング原料用押出スクリユー、主原料用押
   出スクリユーには独立的に回転駆動せしめる駆動
   部を夫々連繋せしめたことを特徴とする窯業用素
   地における異種原料のコーテイング装置。