JPH0217940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車の外部用ミラーの取付け装置に
関する。

従来技術 自動車用のサイドミラーなどの取付け装置につ
いては、その殆んどが球関節軸支機構によりアー
ム端にミラーの背板を取付けるようになつてお
り、そのため取付け部品が多くなる。或いは取付
け杆の途中に三次元的にミラーが動き得るよう、
外面の一部を球状にした二個のピースで挟み付け
て、取付け部を取付け杆に首振り可能に固着した
もの、たとえば実公昭46−15928号公報により開
示されているようなものがある。しかしこのよう
な形状では取付け個所に制限を受けるので不便で
ある。特に安全性の点から走行中人体などと接触
することがあつたときには簡単に外脱するか、回
動変位して危害を与えないようになつていなけれ
ばならないので、このサイドミラー取付け機構に
ついては基本的に簡単な構成のものであるが、改
善のためには多くの問題点がある。

考案の目的 本考案は斯かる現況にかんがみてなされたもの
であつて、合成樹脂成形による可撓性を利用し
て、最少の部品点数で自動車用の外部ミラーの取
付け装置としての機能を満足できる簡単な構成と
したものを提供することにある。

考案の構成 斯かる目的を達成するために、本考案にては、
可撓性の比較的高い合成樹脂にて形成するミラー
背板の端部適所に、適宜間隔で対称にブラケツト
を突設し、該ブラケツト対の内側面には円形の浅
い凹所を相対向して設け、かつブラケツト対間の
背板部を、少なくとも前記円形の外周に相当する
曲面にえぐつた状態とし、斯かるブラケツト対間
には、二つ割りにした円柱形の支持片を嵌設し
て、該両支持片にて先端部に抜け止め鍔部を備え
た取付け杆を円周方向回動可能に挟持し、両支持
片には前記取付け杆挟持部の上下を跨いで穿設し
た円弧孔に、ブラケツトから取付け小ねじを貫通
締着して、該支持片を基準にしてミラー背板が回
動可能なように取付け杆に取付けたものである。

実施例 以下本考案を一実施例について図面により詳述
すれば、次の通りである。

第１図乃至第３図において示すのは丸型のサイ
ドミラー（大型車におけるアンダーミラーなどに
適している）に本考案を採用したものの一具体例
である。図において、１はサイドミラー全体を示
し、２はミラー背板であつて、円形突曲面のミラ
ー３を公知構造の装着手段で縁部２′に嵌めるよ
うになつており、ABS樹脂・ポリペロピレン樹
脂のように比較的可撓性の大なる合成樹脂で成形
されている。４，４は取付け部を形成するブラケ
ツトであつて、背板２の一部に適宜間隔で一体に
突出形成してあり、基部は両ブラケツトが相互に
つながつた状態とし、相対向する内側面には、浅
い円形窪所５，５を同軸心で対称に設けてある。
なお、該ブラケツト４，４間の背板２上面部は前
記円形窪所５の円形内周５′と接する部分を延長
して円弧凹曲面２″に形成してある。両ブラケツ
ト４，４の間隔Ｗは第２図に示すように、後述す
る取付け杆１０に被嵌挟持するための支持片６，
６を組み合せた状態での幅W′よりも狭い寸法に
なつており、円形窪所５，５の底面間の寸法とほ
ぼ等しい幅寸法になるように形成してある。

支持片６は、円柱状のものを二分割した状態に
して、前記ブラケツト４の円形窪所５内に端面が
嵌まつて回動可能な寸法になつており、内側面に
は取付け杆１０の先端部と係合する半円形の挟持
溝６′を形成し、かつ取付け杆１０先端部に設け
た抜け止め鍔１１と係合する凹部６″をも備えて
いる。７，７は締着用円弧孔であつて、その円弧
長さがミラーの回動角を制限するようにしてあ
る。このような構造の支持片６，６は対称に配し
て、組み合せたとき取付け杆１０を挟持できるよ
う両者の対向面間に僅かな間隙ｔが生ずるように
なつている。

取付け杆１０は所要長さの実体棒まは中空棒
で、先端に抜け止め鍔１１を形成してある。８は
締着用の長寸小ねじであつて、ブラケツト４，４
にそれぞれ設けた座ぐり孔９間を、組み立て時両
ブラケツト４，４間に介在する支持片６，６穿設
の円弧孔７を貫通して、一方の孔９に嵌めたナツ
トと螺合し固定する長さを有している。

このような構成の本考案ミラー取付け装置は、
車輌側に固着した取付け杆１０の端部に取付ける
に際し、その先端抜け止め鍔１１に凹部６″を係
合させて支持片６，６の挟持溝６′，６′を被せ
て、両支持片６，６と組み合せ、この状態でサイ
ドミラー１のブラケツト４，４間に挿入する。こ
の際、該ブラケツト４，４間の寸法Ｗは組み合せ
た支持片６，６の幅寸法W′よりも狭いが、背板
２と一体のブラケツト４，４は可撓性のある材料
で形成されているから、容易に弾性変形して両ブ
ラケツト４，４間に前記組み合せ支持片６，６が
受入れられ、円形窪所５，５内に両支持片６，６
の外側端部が嵌合して組み立てられることにな
る。もちろん、この嵌め合せ後ブラケツト４，４
は復元する。そして長寸小ねじ８を、両ブラケツ
ト４，４に設けた座ぐり孔９，９から支持片６，
６の円弧孔７，７を貫通して締結するのであり、
こ締結時の締付け力を加減することで、取付け杆
１０に対するサイドミラー１の向き設定保持の摩
擦力が得られる。

このようにしたので、サイドミラー１の向きを
設定するに際しては、背板２をそのまま第１図に
おいて上下方向に動かすと、支持片６は取付け杆
１０に対して固定状態にあるので、係合するブラ
ケツト４，４が、該支持片６，６の周面に沿つて
回動できる。従つて、この方向には支持片６，６
に設けた円弧孔７の範囲で締結小ねじ８が移動で
きて回動範囲を制限する。また取付け杆１０を基
準にすれば、該取付け杆１０の外周に沿つて360゜
任意の位置に回動して位置決めできる。それ故
に、両者の動きを複合させれば、任意の向きにミ
ラー３を設定することができる。

もし走行中に異物と接触したときには、取付け
杆１０の軸線に対しては前記したように支持片
６，６外周とブラケツト４，４の円形窪所５，５
との嵌合による回動許容範囲にサイドミラー１が
逃げ、かつ取付け杆１０軸線の周囲に回動して、
緩衝することになり、破損はまぬがれ、また被衝
突体に対しての衝撃力も低減する。

以上は丸形のサイドミラーによつて説明した
が、該サイドミラー等外部取付けミラーの形状が
角形、楕円形であつても同様にして使用できるも
のであり、ミラーの寸法が大きい場合には保持力
が充分得られるよう、支持片とブラケツトの取付
け窪所（円形窪所）の寸法を大きくし、摩擦力が
高められる構造にすればよい。

考案の効果 本考案によれば、ミラー背板突設のブラケツト
対間に円柱形の二つ割り支持片を嵌め合せて、取
付け杆端部を挟持するだけでＸ−Ｙの両軸方向に
外部用ミラーが回動できて、この支持片の広い表
面積でもつてブラケツトとの適度な摩擦力が得ら
れ、構造簡単にして最少の部品点数のもので所要
の目的が達成できるのであり、支持片も同一形状
のものを相対向して使用できるようになつている
ので、製作費は著しく低減でき、安価にして有効
な製品となし得たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案取付け装置を備えたサイドミラ
ーの一実施例縦断面図、第２図は取付け杆を断面
しないで表わした第１図の−視断面図、第３
図は分解斜視図である。 １……サイドミラー、２……ミラー背板、３…
…ミラー、４……ブラケツト、５……円形窪所、
６……支持片、６′……挟持溝、６″……凹部、７
……円弧孔、８……長寸小ねじ、９……座ぐり
孔、１０……取付け杆、１１……抜け止め鍔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂成形によるミラー背板の端部適所に、
   適宜間隔で対称にブラケツトを突設し、該ブラケ
   ツト対の各内側面には浅い円形窪所を相対向して
   設け、かつブラケツト対間の背板部をえぐつた状
   態にし、斯かるブラケツト対間には、前記円形窪
   所に端部を係合して二つ割りにした円柱形の支持
   片を嵌設し、該両支持片にて先端部に抜け止め鍔
   部を備えた取付け杆を円周方向回動可能に挟持
   し、両支持片には前記取付け杆挟持部の上下に穿
   設した円弧孔に、ブラケツトから小ねじを貫通締
   着して、取付け杆を基準にしてその全周に、また
   支持片を基準にしてその外周に沿い、外部用ミラ
   ーが回動可能に取付けたことを特徴とする自動車
   の外部用ミラー取付け装置。