JPH0216903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ≪考案の技術分野≫ 本考案はリヤシートバツクに車体取付用フツク
を引出し自在に内装したリヤシートバツクフレー
ムの車体取付用フツク構造に関する。

≪従来技術とその問題点≫ 一般に、自動車のリヤシートバツク（以下、リ
ヤバツクと略称する。）は直接車体に取付けられ
る。その場合、従来は第５図及び第６図に示すよ
うに、リヤバツク１の内部に埋設されるリヤバツ
クフレーム２の下端端部の一部を延長し、この延
長部２ａをＵ字状に折り曲げて車体取付用フツク
３を一体成形し、このフツク３をリヤバツク１の
外部に突出せしめた構造のものであつて、前記フ
ツク３をねじ等の固定具４を介して車体に固定す
ることにより、リヤバツク１を車体に取付けてい
た。

ところで、従来のこの種車体取付用フツク３
は、上述したように、リヤバツクフレーム２と一
体的に成形固定され、しかもリヤバツク１から常
時外部に突出固定した状態になつている。従つ
て、この種のリヤバツク１が組立工程内の搬送ラ
インで搬送されていく途中において、近傍の諸物
体にリヤバツク１から突出した前記フツク３が引
つ掛かつて折れ曲がつたり、あるいはリヤバツク
１を一時保管したり、他の場所へ運搬したりする
際に、リヤバツク１の自重がもろにフツク３にか
かり、該フツク３が第５図に破線で示すように曲
がるといつた事態が発生した。このように折れ曲
がつたフツク３は、車体への取付け時に元の形状
に戻さなければならず、これがために、この種の
リヤバツクの取付作業の能率を著しく低下させ
る。また、このように突出固定されたフツク３
は、運搬時等において作業者に余分な神経を使わ
せる結果ともなり、時として作業者等に傷害など
を負わせることもある。

≪考案の目的≫ 本考案は、上述したように事情に鑑みなされた
もので、車体取付用フツクを常態でリヤバツク内
に収納しておき、車体への取付け時に該リヤバツ
クから引出し得るようにして、フツクに起因する
従来の上記諸問題を解決した、リヤシートバツク
フレームの車体取付用フツク構造を提供すること
を目的とする。

≪考案の構成≫ 上記目的を達成するために、本考案はリヤシー
トバツクフレームにＵ字状の車体取付用フツクを
摺動自在に取付けると共に、該フツクをリヤシー
トバツク内に引出し自在に配設したことを特徴と
する。

≪実施例の説明≫ 以下図面を参照しながら、本考案の具体的な実
施例について詳細に説明する。

第１図は自動車のリヤバツク１の内部に、車体
取付用フツク５が同図矢印方向に押込まれた状態
を示し、第２図は、リヤバツク１の内部から車体
取付用フツク５を同図矢印方向に引出し、ねじ等
の固定具４を介して車体（図示せず）に取付ける
状態を示している。

前記リヤバツク１は、第３図及び第４図にその
一部を示したように鋼線等から成るリヤバツクフ
レーム６にウレタンフオーム等の弾性部材（図示
せず）を取付け、この弾性部材と前記リヤバツク
フレーム６とを一体に適宜の表装材で被覆形成さ
れて成り、ヘツドレスト１ａ、バツクレスト１ｂ
及びサイドレスト１ｃの各部より構成されてい
る。

前記車体取付用フツク５は、第３図及び第４図
に示すように、リヤバツクフレーム６とは別体の
ものであつて、鋼線等の線材の先端部５ａを略直
角に折り曲げて延長し、この延長部５ｂの先端を
再に湾状に折り曲げて前記延長部５ｂと平行にな
るように延長し、この延長部５ｃの先端を再度略
直角に折り曲げて先端部５ｄとした、長目のＵ字
状に構成されたものである。

上述のように構成された車体取付用フツク５
は、リヤバツクフレーム６の下端部適所に、摺動
自在に取付けられ、かつ該フツク５をリヤバツク
１より引出した場合、該リヤバツク１から前記フ
ツク５が第２図に示す如く外部へ露出するよう
に、リヤバツク１の内部に配置されている。

車体取付用フツク５をリヤバツクフレーム６に
摺動自在に取付ける取付手段の一例を第３図に示
す。この例では、Ｕ字状フツク５の先端部５ａ，
５ｄをリヤバツクフレーム６の内側（図面に向つ
て上方向）に向けて、該フツク５の延長部５ｂ，
５ｃをリヤバツクフレーム６の下部横フレーム６
ａ，６ｂに直交させて重ね合せ、この各直交部に
前記フツク５の延長部５ｂ，５ｃを摺動できるよ
うにやや緩く挟持する挟持金具７ａ，７ｂをあて
がい、この挟持金具７ａ，７ｂを、溶接等の固定
手段を介して前記横フレーム６ａ，６ｂに固着し
ている。

従つて、車体取付用フツク５は、リヤバツクフ
レーム６に安定かつ確実に取付けられ、しかも第
３図矢印方向に摺動自在になつており、該フツク
５を引出した際、その先端部５ａ，５ｄが挟持金
具７ａに当接して抜出しが防止される。

第４図は、車体取付用フツク５とリヤバツクフ
レーム６との摺動自在な取付手段の他の例を示す
もので、この例では、リヤバツクフレーム６のサ
イド側の縦フレーム６ｃ，６ｄの外側フレーム６
ｃに、長・短２枚の帯状保持板８ａ，８ｂの一端
部をそれぞれ強固に巻き付けると共に、前記縦フ
レーム６ｄと適宜間隔を置いて平行に配置した車
体取付用フツク５の一方の延長部５ｂに、前記長
い帯状保持板８ａの他端部をやや緩く巻き付け、
前記フツク５の他方の延長部５ｃに、前記短い帯
状保持板８ｂの他端部をやや緩く巻き付けて、前
記フツク５を第４図の矢印方向に摺動自在として
いる。尚、同図中、９ａ，９ｂはスポツト溶接を
施した個所を示している。

≪考案の効果≫ 以上詳述したように、本考案は、リヤバツクフ
レームに別体のＵ字状をした車体取付用フツクが
摺動自在に取付けられ、このフツクが常態におい
てリヤバツク内に収納され、必要時（車体への取
付時）に引出される構成にしたから、当該リヤバ
ツクの保管時乃至は運搬時には、その車体取付用
フツクをリヤバツク内に収納しておくことがで
き、また当該リヤバツクを車体に取付ける等の際
には、該フツクをリヤバツク内から簡易迅速に引
出すことができる。

従つて、本考案によれば、従来のように車体取
付用フツク自体がリヤバツクの自重等によつて折
れ曲がり変形するということがなく、リヤバツク
の車体への取付作業の効率向上に役立つ効果が大
きい。また従来のような車体取付用フツクに起因
する種々の障害事故等も完全に防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車体取付用フツクがリヤ
シートバツク内に収納された状態の要部を示す斜
視図、第２図は同車体取付用フツクをリヤシート
バツクから引出した状態の要部を示す斜視図、第
３図は本考案に係る車体取付用フツクをリヤシー
トバツクフレームに摺動自在に取付ける取付手段
の一例を示す斜視図、第４図は同じく取付手段の
他の例を示す斜視図、第５図は従来の車体取付用
フツクを備えたリヤシートバツクの要部を示す斜
視図、第６図はリヤシートバツクフレームと一体
成形された従来の車体取付用フツクを示す斜視図
である。 １……リヤシートバツク、５……車体取付用フ
ツク、６……リヤシートバツクフレーム、７ａ，
７ｂ……挟持金具、８ａ，８ｂ……保持板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤシートバツクフレームにＵ字状の車体取付
   用フツクを摺動自在に取付けると共に、該フツク
   をリヤシートバツク内に引出し自在に配設したこ
   とを特徴とするリヤシートバツクフレームの車体
   取付用フツク構造。