JPH0216745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、座席が揺動できるタイプの椅子に関
する。

（従来の技術） 座席が固定した椅子は、座板にせいぜい座り心
地をよくする工夫がなされているだけで、そこに
坐つて生活していると、自然に体の上半身に無理
がかかり、悪い姿勢が助長されることが多い。

これに対し、座席が揺動可能なものは無理な姿
勢で座ると座席が傾くため、自然に正しい姿勢を
助長する利点がある。

しかし反面、座席が自由に揺動して安定しない
ため、疲労し易く安楽感に乏しいことになりかね
ない。

このため座席を自由に揺動傾斜できるようにし
つつも、自律的に元の位置に戻るように、ばねで
座席を支持する構造の揺動椅子が従来より提案さ
れている（例えば実公昭55−15460号公報、実公
昭34−15051号公報等）。

しかしばねで座席を支持すると座席が回転でき
ないため、安定はしても不自由で座りごごちが大
幅に後退するという問題点をまぬがれなかつた。

本考案はこのような従来の揺動椅子の問題点を
解決するもので、座席のバランスを維持しつつ座
席の揺動と回転を同時に可能にすることを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するために本考案の揺動椅子
は、座板３の裏面より下方に支柱５を突出させ、
該支柱に膨出形成する球形子５０の外周を凹球面
４により支承して支脚１を有する機枠２に連結
し、座板３を任意方向に傾斜可能に支持すると共
に該支柱５の下端部には重錘６を装着したことを
特徴とする。

（作用） 次に、上述のように構成された揺動椅子Ａの作
用を説明する。

第６図に示すように、座板３の上の上肢体を前
方に傾けると、重錘６は球形子５０部分を支点と
してその上肢体軸と支柱５が一直線になるように
後方に傾く。この場合、重錘６には原位置に復元
するモーメントが作用し、上肢体を直立させよう
とする。そのうえ座板３は球形子５０を中心に左
右に360゜も回転できるから、上肢体は自然にその
動きに応じて引力の方向に最も楽な位置姿勢を定
めるようになる。

（実施例） 以下、本考案の詳細を図示する実施例を参照し
ながら説明する。

第１図において、Ａは揺動椅子で、３本の支脚
１，１，１が取付けられる機枠２に座板３が任意
方向に傾斜可能で且つ原位置復元可能に支架され
ている。

即ち、座板３は、それの裏面中央に下方に突出
するよう支柱５が固定され、該支柱５には、第２
図に示すように、球形子５０が膨出形成され、該
球形子５０はボールジヨイント方式で前記機枠２
に任意方向に傾斜可能に保持されている。４は前
記支柱５の球形子５０の外周を支承する凹球面の
軸受である。

そして、該支柱５の球形子５０より下方の部分
５１は床面近くまで長く延びていて、その下端部
に円柱状重錘６が取付けられている。該重錘６の
外周にはゴム又はスポンジのような緩衝体６１が
輪状に巻いてある。該緩衝体６１は前記支脚１，
１，１の下端側に補強枠を兼ねてリング状に付設
されているスイングストツパー７に当接可能とな
つている。

なお、座板３を傾斜した際、重錘６が支脚やス
イングストツパに接触するよりも先きに、座板３
の裏面が機枠２に接触してしまう場合には、前記
の緩衝体６１を省略できることはいうまでもな
い。

また、第３図に示すように前記支柱５の下方部
分５１に当接可能となるよう他のリング状スイン
グストツパー７１を設けることもある。該リング
状スイングストツパー７１は内周に緩衝体７１ａ
が貼着され、前記支柱５の傾斜角度に沿う截頭錐
体状のリングをなし、上下に位置調節自在になる
よう支脚１，１，１に装架されている。該支脚
１，１，１は、第１図に示すように、伸縮可能に
することもある。

なお、第４図、第５図に示すように、該支脚
１，１，１に固定あるいはスライド自在にバツク
レスト８１、エルボレスト８２、フツトレスト８
３を設け、さらに、重錘６の制御装置６２を設け
ることもある。

なお、重錘６の振れはできるだけ自然に近いも
のが望ましく、椅子を生体にたとえた場合、第７
図に示すように、骨格に相当する支柱５、支脚
１、座板３の動きに対して筋肉に相当するスプリ
ング９をもつて調節し、該重錘６の自然な振れを
妨げず、なめらかに振れるよう、かといつて柔ら
か過ぎてスイングストツパーに強く当つたり座板
３の裏側が機枠２に衝突することのないようにす
ることもある。この場合、重錘６を重く形成し、
みだりに振れないようにするとよい。１０はゴム
ストツパーである。

（考案の効果） このように、本考案による揺動椅子では、体重
を支えた座板は腰かけた人の姿勢が崩れるに伴い
あらゆる方向に傾斜するから、自然に悪い姿勢が
判り、無意識に体重を座板の中心にかけるように
なり、この椅子の一番楽な姿勢、すなわち、背骨
と支柱が一直線上に伸びる姿勢を自然にとること
ができる。

また、座板側の球形子５０を凹球面により支承
するので、座板は球形子を中心に任意のあらゆる
方向になめらかに傾斜揺動し、しかも座板のバラ
ンスを保つための重錘６は支柱５のみに連結し他
とは連結しないから、座板は支柱５を中心に360゜
自由に回転できる。

また座板は座つたまま上肢体動作に応じて動
き、重錘６によつて原位置に戻ろうとするから、
自然に身体の運動不足が解消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第一実施例である揺動椅子の
一部破断せる斜視図、第２図は同上揺動椅子の要
部の縦断面図、第３図は本考案の第二実施例であ
る揺動椅子の一部破断せる斜視図、第４図は本考
案の第三実施例である揺動椅子の正面図、第５図
はその一部破断せる側面図、第６図は本考案の揺
動椅子の作用の説明図、第７図は本考案の第四実
施例である揺動椅子の一部破断せる側面図であ
る。 Ａは揺動椅子、１は支脚、２は機枠、３は座
板、４は凹球面、５は支柱、５０は球形子、５１
は支柱の下方部分、６は重錘、６１は緩衝体、６
２は制動装置、７，７１はスイングストツパー、
８１はバツクレスト、８２はエルボレスト、８３
はフツトレスト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座板３の裏面より下方に支柱５を突出させ、該
   支柱に膨出形成する球形子５０の外周を凹球面４
   により支承して支脚１を有する機枠２に連結し、
   座板３を任意方向に傾斜可能に支持すると共に、
   該支柱５の下端部には重錘６を装着して成る揺動
   椅子。