JPH0216642B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はフロアケーブルを縦割り状に分岐す
ることによつて、床面から突出させずに配線する
ようにした配線方法に関するものである。

従来、室内の床面に電話、電子機器の配線を行
なう方法として、主として以下の２つの方法が行
なわれている。第１の方法は、あらかじめ床に埋
込んで配管したコンジツトパイプ中にケーブルを
通す方法であり、第２の方法は、床上にケーブル
を配線したのちにワイヤプロテクタを被せる方法
である。

しかしながら、前者の方法はケーブルを床面か
ら突出させずに配線できるという長所があるが、
コンジツトパイプを配管する施工コストが高く、
かつ配線変更などに対する融通性に欠けるという
問題があり、また後者の方法は、施工が容易かつ
施工コストが低いが、ワイヤプロテクタが床面に
突出して、歩行者の通行や物品の運搬を妨たげる
という問題がある。

出願人はこれらの事情を考慮して、実願昭56−
142814号、実願昭56−142815号などにおいて「フ
ロアケーブル」を提案した。このフロアケーブル
は、多数本の心線を互いに間隔をおいて横一列に
並べ、これらの心線を一対ずつ相互にシールド
し、さらにこれらの心線に一体に絶縁被覆を施し
て全体としてテープ状に形成したもので、厚さが
薄いためじゆうたんなどの下に敷いて床面から突
出させずに配線することができるとともに、漏話
特性が良好であるなど室内の電話配線に好適な特
徴を有している。

ところで、このフロアーケーブルを実際に施工
する場合には、フロアケーブルを分岐させる技
術、立上がらせる技術などの種々の施工技術が必
要とされるが、たとえば、フロアケーブルを分岐
させる場合に、従来の丸形ケーブルを分岐させる
場合と同様に、床に取り付けたコネクタなどの接
続具を介して分岐させると、分岐のために新たな
接続個所が出じるとともに、前記接続具が床から
突出して、フロアケーブルの前述の長所が損なわ
れるおそれがある。

この発明は前記の事情を考慮して提案されたも
ので、床面に沿つて配線したフロアケーブルを両
側縁部より順次引き裂いて分岐させることによ
り、フロアケーブルの長所を損なうことのない施
工方法を提案することを目的とするものである。

以下、この発明を図面に示すフロアケーブル配
線の実施例に基づいて説明する。

第１図ないし第４図はこの発明に係る配線方法
によつて施工したフロアケーブルの配線例を示す
ものである。

この配線に使用されるフロアケーブル１は、例
えば多数の心線を横一列に並べてこれらに一体に
絶縁被覆を施したもので、本出願人が先に提案し
た実願昭56−118420号、実願昭56−142814号、実
願昭56−142815号、実願昭56−157497号などに開
示された「フロアケーブル」である。そして、こ
のフロアケーブル１は端子ボツクス２に接続さ
れ、床面に沿つて敷設された後、第１図に示すよ
うに必要な本数（例えば押ボタン電話機の場合は
４本）の心線ごとに、分岐させるべき側の側部か
ら順次縦割り状に引裂かれて分岐させられてい
る。

また、分岐させられたフロアケーブル１は、第
２図に示すようにじゆうたん３の下に敷いて配線
され、じゆうたんを切欠して床４に取り付けられ
たケーブル立上げ具５によつて立ち上げられ、机
６の上に配置された電話機７にローゼツト８を介
して接続されている。

以下、このケーブル立上げ具について説明す
る。

このケーブル立上げ具５は、床などに取り付け
るための取り付け板（基板）９と、この取り付け
板９に一体に形成されて前記フロアケーブル１を
巻回させる支持金具（支持板）１０と、これら取
り付け板９および支持金具１０を覆うキヤツプ１
１とから構成されている。

取り付け板９および支持金具１０は、ともに板
状に形成され、これらの間にはフロアケーブル１
を挿通させるための間隙１２が形成されている。
また、支持金具１０のフロアケーブル１を巻回さ
せるための縁部１０ａは、フロアケーブル１の折
曲が許容される最小の曲率より大きな曲率に形成
されている。一方、前記キヤツプ１１は、嵌合、
ボルト締めなどの手段によつて取り付け板９に脱
着自在に取り付けられており、このキヤツプ１１
の内面には、前記支持金具１０の縁部１０ａとの
間にフロアケーブル１を挿通させるための間隙１
３を形成する段部１１ａが形成されている。そし
て、このキヤツプ１１には、前記支持金具１０の
上方に開口してフロアケーブル１を挿通させるス
リツト状の挿通孔１１ｂが形成されている。ま
た、この挿通孔１１ｂには、前記フロアケーブル
１を保護するためのプロテクタ１４が嵌め込まれ
ており、このプロテクタ１４はゴムなどによつて
形成されるとともに、フロアケーブル１を挿通さ
せるための孔１４ａと、前記挿通孔１１ｂの周縁
部を上、下から挟持するフランジ１４ｂ・１４ｂ
とが設けられている。

そして上記ケーブル立ち上げ具５は、じゆうた
ん３の切り欠き部に配置されることにより床４に
対して固定され、さらに、立ち上げ具５の支持金
具１０（厳密にはその縁部１０ａ）は、フロアケ
ーブル１を巻回させる支持部材として機能してい
る。すなわち、フロアケーブル１は、前記支持金
具１０を介して重ね合わせられるようにして巻回
されることにより、床に対して固定され、さら
に、この重ね合わせ部分よりフロアケーブル１の
先端側を屈曲させることにより上方へ立ち上げら
れることになる。

以上の説明で明らかなように、この発明によれ
ば次のような効果を奏することができる。

(i) フロアケーブルを側縁部から順次引き裂いて
水平に、つまり床面に沿つて分岐しているか
ら、心線を上下に重ねることなく、フロアケー
ブルとしての平面形状を維持しつつ整然と分岐
することができ、歩行者の通行の障害となつた
り、室内の美観を損ねたりすることがない。ま
た側縁部から順に機器が接続されることになる
から、分岐側の機器と本線側の心線とを対照す
る場合も容易である。そして、これらの効果
は、じゆうたんを被せて使用する場合に特に有
効に発揮することができる。

(ii) 支持部材にフロアケーブルを重ね合わせるよ
うにして巻回状態に屈曲させて立ち上げている
から、その屈曲部分によつて先端側の分岐ケー
ブルから本線側への張力の影響を排除すること
ができ、該張力によつて分岐部分が引き裂かれ
てしまうこと等を有効に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明に係る配線方法によ
る配線の一実施例を示すもので、第１図はケーブ
ルの分岐方法の説明図、第２図は配線方法の説明
図、第３図は第２図Ａ部の拡大断面図、第４図は
第３図の−線に沿う矢視図である。 １……フロアケーブル、３……じゆうたん、４
……床、５……ケーブル立上げ具、９……取り付
け板（基板）、１０……支持金具（支持板）、１１
……キヤツプ、１２……間隙、１３……間隙、１
４……プロテクタ、１１ｂ……挿通孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数本の心線を平行に並べて一体化してなる
   フロアケーブル１を床４の上に敷設し、このフロ
   アケーブルの心線を側縁部から順次縦割り状に引
   き裂いて、水平に分岐させつつ必要箇所で前記床
   から立ち上げて配線する方法であつて、前記フロ
   アケーブルは、立ち上げ箇所近傍の床に対して平
   行に設けられた支持部材１０に巻回されることに
   より、その一部を互いに重ね合わせる如く屈曲さ
   せた後、該屈曲箇所よりフロアケーブルの先端側
   で上方へ屈曲させることにより立ち上げられるこ
   とを特徴とするフロアケーブルの配線方法。