JPS6355286B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はフロアケーブルの配線に使用される
ケーブルの立ち上げ具に関するものである。

従来、室内の床に電話、電子機器の配線を行な
う方法として、主として以下の２つの方法が行な
われている。第１の方法は、あらかじめ床に埋込
んで配管したコンジツトパイプ中にケーブルを通
す方法であり、第２の方法は、床上にケーブルを
配線したのちにワイヤプロテクタを被せる方法で
ある。

しかしながら、前者の方法はケーブルを床面か
ら突出させずに配線できるという長所があるが、
コンジツトパイプを配管する施工コストが高く、
かつ配線変更などに対する融通性に欠けるという
問題があり、また後者の方法は、施工が容易かつ
施工コストが低いが、ワイヤプロテクタが床面に
突出して、歩行者の通行や物品の運搬を防たげる
という問題がある。

出願人はこれらの事情を考慮して、実願昭56−
142814号、実願昭56−142815号などにおいて「フ
ロアケーブル」を提案した。このフロアケーブル
は、多数本の心線を互いに間隔をおいて横一列に
並べ、これらの心線を一対ずつ相互にシールド
し、さらにこれらの心線に一体に絶縁被覆を施し
て全体としてテープ状に形成したもので、厚さが
薄いためじゆうたんなどの下に敷いて床面から突
出させずに配線することができるとともに、漏話
特性が良好であるため電話配線などに好適である
が、このフロアケーブルをいかにして床から立ち
上げるかという問題、あるいは立ち上げた部分を
いかにして保護するかという問題が残されてい
た。

この発明は前記の事情を考慮して提案されたも
ので、床などに固定される基板との間にフロアケ
ーブルを挿通させるための間隙を有する支持板に
フロアケーブルを巻回させるとともに、これら基
板および支持板をキヤツプで覆い、このキヤツプ
に形成した挿通孔にフロアケーブルを挿通させる
ことにより、フロアケーブルの配線に最適なケー
ブル立上げ具を提供することを目的とするもので
ある。

以下、この発明に係るケーブル立ち上げ具を図
面に示す一実施例に基づいて説明する。

第１図〜第４図は、ケーブル立上げ具を使用し
たフロアケーブルの配線例を示すものである。

この配線に使用されるフロアケーブル１は、例
えば多数の心線を横一列に並べてこれらに一体に
絶縁被覆を施したものである。そして、このフロ
アケーブル１は端子ボツクス２に接続されるとと
もに、第１図に示すように必要な本数（例えば押
ボタン電話機の場合は４本）の心線ごとに両側部
から順次引裂かれて分岐させられている。

また、分岐させられたフロアケーブル１は、第
２図に示すようにじゆうたん３の下に敷いて配線
され、じゆうたんを切欠して床４に取り付けられ
たケーブル立上げ具５によつて立ち上げられ、机
６の上に配置された電話機７にローゼツト８を介
して接続されている。

以下、このケーブル立上げ具について説明す
る。

このケーブル立上げ具５は、床などに取り付け
るための取り付け板（基板）９と、この取り付け
板９に一体に形成されて前記フロアケーブル１を
巻回させる支持金具（支持板）１０と、これら取
り付け板９および支持金具１０を覆うキヤツプ１
１とから構成されている。

取り付け板９および支持金具１０は、ともに板
状に形成され、これらの間にはフロアケーブル１
を挿通させるための間隙１２が形成されている。
また、支持金具１０のフロアケーブル１を巻回さ
せるための縁部１０ａは、フロアケーブル１の折
曲が許容される最小の曲率より大きな曲率に形成
されている。一方、前記キヤツプ１１は、嵌合、
ボルト締めなどの手段によつて取に付け板９に脱
着自在に取り付けられており、このキヤツプ１１
の内面には、前記支持金具１０の縁部１０ａとの
間にフロアケーブル１を挿通させるための間隙１
３を形成する段部１１ａが形成されている。そし
て、このキヤツプ１１には、前記支持金具１０の
上方に開口してフロアケーブル１を挿通させるス
リツト状の挿通孔１１ｂが形成されている。ま
た、この挿通孔１１ｂには、前記フロアケーブル
１を保護するためのプロテクタ１４が嵌め込まれ
ており、このプロテクタ１４はゴムなどによつて
形成されるとともに、フロアケーブル１を挿通さ
せるための孔１４ａと、前記挿通孔１１ｂの周縁
部を上、下から挾持するフランジ１４ｂ，１４ｂ
とが設けられている。

また、第５図はこの考案の他の実施例を示すも
ので、前記第１実施例の支持板１０を棒状に形成
したものである。この棒状の支持板１０と基板９
との間には、前記一実施例と同様に、フロアケー
ブルを挿通させ得る間隙が設けられている。

このように構成されたケーブル立上げ具を使用
してケーブルを立ち上げる場合は、まず、取り付
け板９をボルト締めあるいは接着によつて床４に
取り付け、間隙１２にフロアケーブル１を通し、
このフロアケーブル１を支持金具１０に巻回しつ
つ厚さ方向に折曲させて立ち上げる。次いで、フ
ロアケーブル１をキヤツプ１１の挿通孔１１ｂお
よびプロテクタ１４の孔１４ａに通したのち、プ
ロテクタ１４を挿通孔１１ｂに取り付けつつキヤ
ツプ１１を被せてキヤツプ１１の段部１１ａと支
持金具１０との間にフロアケーブル４を挾むので
ある。

なお、前記両実施例においては、ケーブル立上
げ具を使用してテープ状のフロアケーブルを立ち
上げる場合について説明したが、取り付け板９と
支持金具１０との間隙１２、支持金具１０とカバ
ー１１との間隙１３、挿通孔１１ｂの寸法などを
適宜変更することにより丸形ケーブルなどの他の
形状のケーブルの立ち上げ部にも応用することが
できる。すなわち、丸形ケーブルの場合は、前記
間隙１２，１３を丸形ケーブルの外形より若干大
きく形成し、挿通孔１１ｂを丸形ケーブルより若
干大径の丸孔状に形成すればよい。

このように、この考案に係るケーブル立上げ具
によれば、フロアケーブルなどのケーブルを、床
に取り付けた基板との間に間隙をおいて水平に設
けた支持板に巻回しつつ折曲させて容易に立ち上
げることができる。また、ケーブルを折曲させた
部分をキヤツプで覆うとともに、このキヤツプに
支持されたプロテクタに立ち上げられたケーブル
を挿通させることによりケーブル立ち上げ部を保
護することができる。さらに、このケーブル立ち
上げ具は簡単な構造であるから、前記キヤツプを
じゆうたんの厚さより薄くすることによつてケー
ブル立ち上げ部を床からほとんど突出させずに施
工することができ、ケーブルおよびケーブル立ち
上げ部が歩行者の通行の障害になることがなく、
室内の美観を損なうこともないという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明に係るケーブル立上
げ具を利用した配線の一実施例を示すもので、第
１図はケーブルの分岐方法の説明図、第２図は配
線方法の説明図、第３図は第２図Ａ部の拡大断面
図、第４図は第３図の−線に沿う矢視図、第
５図はこの発明に係るケーブル立上げ具の他の実
施例の断面図である。 １……フロアケーブル、３……じゆうたん、４
……床、５……ケーブル立上げ具、９……取り付
け板（基板）、１０……支持金具（支持板）、１１
……キヤツプ、１２……間隙、１３……間隙、１
４……プロテクタ、１１ｂ……挿通孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 床面に固定される基板９とこの基板の一方の
   側縁部の近くから基板に対してほぼ平行に延長さ
   れる支持板１０を有し、かつ前記基板と支持板と
   の間にはフロアケーブル１を挿通させるための間
   隙１２が形成され、さらに前記基板９上にはこの
   基板９の全部または一部および支持板１０を覆つ
   てキヤツプ１１が取り付けられ、このキヤツプの
   上方にはフロアケーブルを挿通させる挿通孔１１
   ｂが形成されて成るフロアケーブルの立上げ具。