JPH021648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、例えば現金自動預金支払機、両替
機、各種自動販売機などに適用される硬貨振分装
置に関する。

＜従来の技術＞ 従来の硬貨振分装置は、硬貨通路の下端に２方
向の分岐通路を形成すると共に、各分岐通路につ
き、５円、10円、100円、500円などの多種硬貨を
振り分けるための通路をさらに直列に分岐形成し
て、各分岐部にゲート板を配備したものである
（実開昭59−96669号）。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら上記の構成のものでは、２方向の
各分岐通路をさらに分岐させるから、それだけス
ペースが増大し、かつ多数個のゲート板を必要と
するばかりでなく、硬貨の振分動作に長い時間を
必要とするなどの問題がある。

この考案は、上記問題を解消するためのもの
で、硬貨通路の下端に左右各２列の分岐通路を形
成して、ひとつの分岐部で多種の硬貨の振分を可
能となすことによつて、装置の小型化、部品点数
の減少および、振分動作の高速化を実現した新規
な硬貨振分装置を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、この考案では、硬貨
を複数の分岐通路に振り分けるための硬貨振分装
置において、硬貨通路の下端に左右各２列に分岐
形成された分岐通路と、この分岐通路の分岐部に
水平面内で回動可能に配備されたホルダと、前記
分岐部に基端が枢支された傾動可能な振分爪とを
設けている。そして前記ホルダは、その上面およ
び両側面が連続して開口する振分通路を具備させ
て、このホルダにその回動により前記振分通路を
対角線上のいずれか左右の分岐通路間に対応位置
させる第１の切替機構を接続すると共に、前記振
分爪にはその傾動により前記硬貨通路に対し左右
のいずれか分岐通路を開放する第２の切替機構を
接続している。

＜作用＞ 硬貨を振り分ける際、硬貨の種類に応じて第
１、第２の各切替機構を作動させ、ホルダの振分
通路を対角線上のいずれか左右の分岐通路間に対
応位置させると共に、振分爪を傾けて左または右
の分岐通路を開放する。これにより硬貨通路にひ
とつの分岐通路が連通して、硬貨はひとつの分岐
部にて振り分けられる。このため、振分動作が高
速化され、また装置の小型化も実現される。

＜実施例＞ 図示例は、この考案が実施された現金自動預金
支払機の概略を示すもので、投入口１に連通した
硬貨通路２上に検銭部３、偽貨振分部４、この考
案の一実施例にかかる硬貨振分装置５が配備され
ている。この硬貨振分装置５には、前記硬貨通路
２に連通した左右各２列の分岐通路２１，２２，
２３，２４が分岐形成され、各分岐通路は例えば
左側より順番に500円、100円、10円、５円などの
硬貨ストア部（図示せず）に接続されている。

前記硬貨振分装置５は、分岐通路２１，２２，
２３，２４の分岐部に、振分爪７を枢支したホル
ダ６を配備して構成されている。このホルダ６
は、上面および両側面が一連に開口した構状の振
分通路６１を有し、この振分通路６１の底壁６２
は、中央部が高く左右に低い傾斜面に形成して左
右の分岐通路２１，２２，２４の傾斜に一致させ
ると共に、対向する両側壁６３はその上端部に傾
斜面６４を形成してある。またホルダ６は、下部
に枢軸６５を備えて水平面内で回動可能に軸承さ
れ、前記枢軸６５に第１の切替機構を構成するピ
ン６６およびリンク６７を介してソレノイド６８
を連繋してある。従つてこのソレノイド６８が作
動すると、ホルダ６が切替動作して振分通路６１
が左右の対角線上のいずれか分岐通路２１，２４
または２２，２３間に対応位置する。

さらにホルダ６には、振分通路６１の底壁中央
部に取付凹部６９を形成し、この取付凹部６９に
枢軸７３を備えた振分爪７の基端を傾動可能に枢
止してある。この振分爪７の両側面には、爪先端
を細かく傾斜させることにより振分ガイド面７
１，７２が形成してあり、また前記枢軸７３には
第２の切替機構を構成するクランクピン７４およ
びリンク７５を介してソレノイド７６を連繋して
いる。従つてこのソレノイド７６が作動すると、
振分爪７が切替動作して左右の分岐通路２１，２
２または２３，２４に対し傾動変位する。

つぎに上記装置例の作用を説明する。図示例に
おいて、いま検銭部３が５円硬貨を検知した場合
を想定すると、ホルダ６の振分通路６１は対角線
上の500円の分岐通路２１と５円の分岐通路２４
との間にに対応位置し、また振分爪７は500円の
分岐通路２１側へ傾いて５円の分岐通路２４を開
放している。従つて硬貨通路２より落下する５円
硬貨８は振分ガイド面７１にて案内され、振分通
路６１を介して分岐通路２４へ振分け搬送され
る。

つぎに検銭部３が500円硬貨を検知した場合、
ソレノイド７６が作動して振分爪７を５円の分岐
通路２４側に傾けて500円の分岐通路２１を開放
する。これにより硬貨通路２から落下する500円
硬貨は振分ガイド面７２にて案内され、振分通路
６１を介して500円の分岐通路２１へ振分け搬送
される。

ついで検銭部３が10円硬貨を検知した場合、ソ
レノイド６８の作動によりホルダ６が水平面内で
回動し、振分通路６１を100円の分岐通路２２と
10円の分岐通路２３との間に対応位置させる。こ
れにより硬貨通路２から落下する10円硬貨は振分
ガイド面７１にて案内され、振分通路６１を介し
て10円の分岐通路２３へ振分け搬送される。なお
100円硬貨が検知された場合も上記と同様であり、
ここではその説明を省略する。

＜考案の効果＞ この考案は上記の如く、硬貨通路の下端に左右
各２列に分岐通路を形成し、この分岐通路の分岐
部にホルダと振分爪とを設けて、ホルダにはその
回動によりホルダの振分通路を対角線上のいずれ
か左右の分岐通路間に対応位置させる第１の切替
機構を接続すると共に、前記振分爪にはその傾動
により前記硬貨通路に対し左右のいずれか分岐通
路を開放する第２の切替機構を接続したから、硬
貨をひとつの分岐部にて４個の分岐通路へ振り分
けることができ、２方向の各分岐通路をさらに分
岐する従来例に比較して装置の小型化、部品点数
の減少並びに振分動作の高速化を実現するなど、
構成簡易にして考案目的を達成した効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の硬貨振分装置が適用された
自動預金支払機の概略構成を示す構造説明図、第
２図はこの考案の硬貨振分装置の原理を示す平面
図、第３図は硬貨振分装置の要部を示す斜視図で
ある。 ２……硬化通路、２１，２２，２３，２４……
分岐通路、５……硬貨振分装置、６……ホルダ、
６１……振分通路、７……振分爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 硬貨を複数の分岐通路に振り分けるための硬貨
   振分装置において、 硬貨通路の下端に左右各２列に分岐形成された
   分岐通路と、この分岐通路の分岐部に水平面内で
   回動可能に配備されたホルダと、前記分岐部に基
   端が枢支された傾動可能な振分爪とを具備し、前
   記ホルダは、その上面および両側面が連続して開
   口する振分通路を備えて、このホルダにはその回
   動により前記振分通路を対角線上のいずれか左右
   の分岐通路間に対応位置させる第１の切替機構を
   接続すると共に、前記振分爪にはその傾動により
   前記硬貨通路に対し左右のいずれか分岐通路を開
   放する第２の切替機構を接続して成る硬貨振分装
   置。