JPH0313819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、硬貨選別装置、特に、大径および小
径硬貨選別用クレードルを具える硬貨選別装置に
関するものである。

従来、この種の硬貨選別装置として、例えば実
公昭48−7114号公報に記載されているように、選
別すべき硬貨直径より僅かに小さい間隔で互に離
間した２個の係合片を硬貨通路内に突出させて有
し、両係合片に同時に掛合した硬貨の重みによつ
て枢支軸の回りに回動して正規の直径および重量
を有する硬貨を所定の硬貨通路内に転動送出し得
るようそれぞれ構成された大径および小径硬貨選
別用クレードルを第１０図にＡおよびＢで示すよ
うに同一面上で作動するよう上下に整列して設
け、上方に設けた大径硬貨選別用クレードルによ
つて大径の硬貨を選別し、このクレードルの２個
の係合片間を下方に通過した小径硬貨を下方に位
置する小径硬貨選別用クレードルによつて選別す
るよう構成したものが既知である。

また、実開昭57−198670号公報に開示されてい
るように、大径硬貨選別用クレードルＡと小径硬
貨選別用クレードルＢとを第１１図に示すように
２個の平行な通路側板ａおよびｂに上下にずらし
てそれぞれ設け、大径硬貨選別用クレードルの２
個の係合片間を通過した小径硬貨を小径硬貨選別
用クレードルによつて選別するよう構成すること
が提案されている。

しかしながら、上述したように、大径硬貨選別
用クレードルを小径硬貨選別用クレードルより上
方位置に設け、大径および小径硬貨を大径硬貨選
別用クレードルに通して先ず規定の大径硬貨を選
別して大径硬貨受入れ通路に通過させ、大径硬貨
選別用クレードルの両係合片間を通過した小径硬
貨から規定の小径硬貨を小径硬貨選別用クレード
ルによつて選別する構成では、従来既知のよう
に、規定より小径の硬貨がクレードルの片方の係
止片に乗つてクレードルを回動させることによつ
てこの規定より小径の硬貨を規定直径硬貨として
誤選別する誤作動を生じるクレードル本来の欠点
のため、例えば、規定の大径硬貨が500円硬貨の
ように高額硬貨である場合に、これよりも小径の
10円、100円のような低額の硬貨が500円硬貨とし
て受け入れるという問題がある。

このようにして小径の低額硬貨が大径の高額硬
貨選別用クレードルを誤作動するのを防止するた
めの種々の手段が従来提案されている。しかし、
いづれも信頼性が低く欠点があり、例えば、上述
の実開昭57−198670号公報に開示されている従来
技術においても、大径硬貨選別用クレードルに到
達した小径硬貨が一方の係合爪すなわち係合片に
掛合するとともにクレードルの両係合片間に位置
するクレードルストツパの係合部に衝突してクレ
ードルストツパを解除位置に動かし、この結果、
低額の小径硬貨が大径用硬貨選別用クレードルを
回動して高額の大径硬貨として受け入れられる可
能性があるという問題がある。

（考案が解決しようとする課題） これがため、本考案の目的は、大径および小径
硬貨選別用クレードルを具える硬貨選別装置にお
いて、大径硬貨だけが大径硬貨選別用クレードル
に到達し、小径硬貨は大径硬貨選別用クレードル
に到達しないようにすることによつて従来技術に
おいて問題となつている低額の小径硬化によつて
高額大径硬貨選別用クレードルが誤作動されて低
額小径硬貨が高額大径硬貨として受け入れられる
可能性を完全になくそうとするものである。

（課題を解決するための手段） これがため、本考案によれば、図面に示すよう
に、垂直硬貨通路仕切板１５によつて仕切られた
小径および大径硬貨選別通路７，８を具え、小径
硬貨選別通路側板６上に小径硬貨選別用クレード
ルがその係合片３，４を小径硬貨選別通路７内に
突出させて、枢支軸１１により取付けられ、大径
硬貨選別通路側板１５上に大径硬貨選別用クレー
ドル２がその係合片５．６を大径硬貨選別通路内
に突出させて枢支軸１２により取付けられた硬貨
選別装置において、小径硬貨選別用クレードル１
が大径硬貨選別用クレードル２より上方位置で大
径硬貨選別用クレードル２に向けて傾動可能に枢
支２１され、小径硬貨選別用クレードル１を正常
作動位置に掛止する保持手段２６ａ，２７ａと、
規定大径硬貨は大径の硬貨が小径硬選別用クレー
ドル１の両係合片３，４上に乗る際に保持手段２
６ａ，２７ａの掛止を外ずす手段２６，２７を具
えることを特徴とする。

（作用） 上述の構成になる本考案の硬貨選別装置におい
ては、小径硬貨は上方位置にある小径硬貨選別用
クレードル１によつて選別され、下方位置にある
大径硬貨選別用クレードルには到達しない。した
がつて、小径硬貨によつて大径硬貨選別用クレー
ドルが誤作動されることがない。

他方、規定直径の大径硬貨は小径硬貨選別用ク
レードル１の一対の係合片３，４上にのることに
より、保持レバー２６，２７の上端３０，３１
（第６図参照）に掛合し、これにより、第７図に
示すように、保持レバー２６，２７下部２６ａ，
２７ａと小径硬貨選別用クレードル１，２５との
掛合が外れて小径硬貨選別用クレードル１は枢支
ピン２１（第５図参照）の周りに回動可能とな
り、小径硬貨選別用クレードル１は大径硬貨の重
みにより、枢支ピン２１の周りに下方の大径硬貨
選別用クレードル２に向け、第８図に示すよう
に、傾動して小径硬貨選別用クレードル１の一対
の係合片３，４が下方に傾動し、これにより大径
硬貨は小径硬貨選別用クレードル１から大径硬貨
選別通路８内に通過し、大径硬貨は大径硬貨選別
用クレードル２に到達し、これにより大径硬貨選
別用クレードル２は第９図に示すように、大径硬
貨だけを選別して受け入れる。

（実施例） 図面は本考案の１実施例を示す。

図面において、１および２は選別すべき硬貨直
径より僅かに小さい間隔で互に離間した２個の係
合片３，４および５，６をそれぞれ小径および大
径硬貨選別通路７および８内に突出させて有し、
両係合片に同時に掛合して保持された硬貨の重み
によつてバランスウエイト９および１０による釣
合位置から枢支軸１１および１２の周りに回動し
て正規の直径および重量を有する硬貨を所定の硬
貨通路１３および１４内に転動送出し得るようそ
れぞれ構成された小径硬貨選別用クレードルおよ
び大径硬貨選別用クレードルを示す。

１５は垂直硬貨通路仕切板で、この仕切板によ
つてその両側にそれぞれ小径および大径硬貨選別
通路７および８が仕切られ、小径硬貨選別用クレ
ードル１が上方位置で小径硬貨選別通路側板１６
上に取付けられ、小径硬貨選別用クレードル２が
下方位置で大径硬貨選別通路側板１５上に取付け
られている。上方の小径硬貨選別用クレードル１
から大径の硬貨が垂直硬貨通路仕切板１５に設け
られた振分け通孔１８を経て下方の大径硬貨選別
用クレードル２に通過するような位置で振分け通
孔１８が設けられている。

上方位置にある小径硬貨選別用クレードル１は
その枢支軸１１が第４図および第５図に示すよう
クレードル取付板１６に折曲形成した支承部２０
に設けた枢支ピン２１の周りに回動自在に枢支さ
れた枢支片２２に取付けられ、これにより枢支軸
１１によつて枢支された小径硬貨選別用クレード
ル１が下方の大径硬貨選別用クレードル２に向け
て傾動可能に支承されている。

枢支片２２には下方延長部２５を設け、この下
方延長部２５に一対の保持レバー２６，２７の下
端部２６ａ，２７ａがそれぞれ掛合し得るよう保
持レバー２６，２７を枢支ピン２８，２９により
小径硬貨選別通路側板１６に枢着し、保持レバー
２６，２７の上端に係合片３０，３１を設け、こ
れらの係合片３０および３１を小径硬貨選別用ク
レードル１の係合片３および４によりそれぞれ上
方位置で硬貨選別装置７内に突出させ、これによ
り常時は保持レバー２６，２７の下端部２６ａ，
２７ａが枢支片２２の下方延長部２５に掛合して
枢支片２２、したがつてクレードル１が第２軸線
２４の周りに回動しないように保持するも、クレ
ードル１の両係合片３，４上に乗つた大径硬貨が
規定の直径を有する場合に、この大径硬貨が両保
持レバー２６，２７の上端係合片３０，３１に同
時に掛合し、これにより、第７図に示すように、
保持レバー２６，２７が枢支ピン２８，２９の周
りに回動して下端部２６ａ，２７ａと下方延長部
２５との掛合が外れ、これにより、小径硬貨選別
用クレードル１が第２軸線２４の周りに回動可能
の状態となり、小径硬貨選別用クレードル１の一
対の係合片３および４上に第７図に示すように大
径硬貨Ｂの重みにより小径硬貨選別用クレードル
１が乗つた枢支ピン２１の周りに第８図に示すよ
うに垂直硬貨通路仕切板１５に向け回動して小径
硬貨選別用クレードル１の一対の係合片３，４が
下方に傾斜することにより小径硬貨選別用クレー
ドル１上の大径硬貨Ｂは垂直硬貨通路仕切板１５
の振分け通孔１８を通り抜けて大径硬貨選別用ク
レードル２に通過し、このクレードル２の両係合
片５および６に第９図に示すように掛合してこの
クレードル２を回動し、所定の大径硬貨通路１４
上に転動送出されるようになつている。

上述の構成になる小径および大径硬貨選別用ク
レードル１および２を具える硬貨選別装置によれ
ば、規定の大径硬貨直径より大径の大径硬貨は、
従来一般に行われているように投入口において排
除され、規定の小径硬貨より大きいが規定の大径
硬貨より小さい中間硬貨は従来一般に行われてい
るように、リミツター片等を用いることによつて
小径硬貨選別用クレードルの回動を阻止すること
によつて小径硬貨受入れ通路に通過するのを防止
し、キヤンセルレバーまたはボタンによつて小径
硬貨選別通路側板を開放することによつて返却さ
れ、規定の小径硬貨は一般に既知のように小径硬
貨選別用クレードルの両係合片上に乗つてこのク
レードルが回動することによつて小径硬貨受入れ
通路内に通過して受入れられ、規定直径より小径
の硬貨は小径硬貨選別用クレードルの両係合片間
を下方に落下して返却通路に既知のように返却す
ることができる。そして、規定の大径直径の硬貨
およびこれより僅かに大径または小径の硬貨だけ
が大径直径選別用クレードル２によつて再チエツ
クされて高精度で選別される。

（考案の効果） 本考案によれば、小径硬貨選別用クレードルを
上方位置に設け、規定の直径を有する硬貨が両保
持レバーの係合片に同時に掛合することによつて
始めて大径硬貨選別用クレードルに硬貨を通過さ
せる構成としたことによつて小径硬貨が誤作動に
よつて大径硬貨通路に通過するという問題を完全
になくし、高額の大径硬貨の選別精度が著しく高
い硬貨選別装置を得ることができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による硬貨選別装置の縦断面
図、第２図は第１図に示す装置の左側面図、第３
図は第１図に示す装置の右側面図、第４図は第１
図の−線上で断面とし、保持レバーを省略し
て、矢の方向に見た断面図、第５図は第２図の
−線上で断面として矢の方向に見た断面図、第
６図は規定の直径を有する小径硬貨Ａと規定外の
小径硬貨Ｃとが小径硬貨選別用クレードルにより
選別される状態を示す作動説明用図、第７図は規
定の直径を有する大径硬貨Ｂが保持レバーの上端
の係合片および小径硬貨選別用クレードルの係合
片に掛合している状態を示す作動説明図、第８図
は第７図の状態を側面から見た作動説明図、第９
図は大径硬貨Ｂが大径硬貨選別用グレードルによ
り選別される状態を示す作動説明図、第１０図お
よび１１図は従来の硬貨選別装置のクレードルを
通る断面での部分縦断面図である。 １……小径硬貨選別用クレードル、２……大径
硬貨選別用クレードル、３，４，５，６……クレ
ードル係合片、７……小径硬貨選別通路、８……
大径硬貨選別通路、Ａ……小径硬貨、Ｂ……大径
硬貨、９，１０……バランスウエイト、１１，１
２……枢支軸、１３……小径硬貨通路、１４……
大径硬貨通路、１５……垂直硬貨通路仕切板、１
６，１７……硬貨選別通路側板、１８……振分け
通孔、２０……支承部、２１……枢支ピン、２２
……枢支片、２３……第１軸線、２４……第２軸
線、２５……下部延長部、２６，２７……保持レ
バー、２６ａ，２７ａ……保持レバー下部、２
８，２９……枢支ピン、３０，３１……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直硬貨通路仕切板１５によつて仕切られた小
   径および大径硬貨選別通路７，８を具え、小径硬
   貨選別通路側板１６上に小径硬貨選別用クレード
   ル１がその係合片３，４を小径硬貨選別通路７内
   に突出させて枢支軸１１により取付けられ、大径
   硬貨選別通路側板１５上に大径硬貨選別用クレー
   ドル２がその係合片５，６を大径硬貨選別通路内
   に突出させて枢支軸１２により取付けられた硬貨
   選別装置において、小径硬貨選別用クレードル１
   が大径硬貨選別用クレードル２より上方位置で大
   径硬貨選別用クレードル２に向けて傾動可能に枢
   支２１され、小径硬貨選別用クレードル１を正常
   作動位置に掛止する保持手段２６ａ，２７ａと、
   規定大径硬貨より大径の硬貨が小径硬貨選別用ク
   レードル１の両係合片３，４上に乗る際に保持手
   段２６ａ，２７ａの掛止を外ずす手段２６，２７
   を具えることを特徴とする硬貨選別装置。