JPS6245239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動販売機、ゲーム機等に取付けて
用いられる硬貨選別装置、特に、硬貨の直径およ
び重量をチエツクするクレードルを具える硬貨選
別装置の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種硬貨選別装置としては第１図およ
び第２図に示すようなものがある。図中、１およ
び２は、硬貨選別通路３を限定するよう平行に離
間して設けられた２個の側板を示し、通常一方の
側板１を固定側板とし、他方の側板２を固定側板
１に対してヒンジ連結された可動側板で構成し、
既知の適当な返却レバーまたは押しボタンの操作
に際して可動側板２がヒンジ連結部において固定
側板１に対して回動して開放され、両側板間に保
留されている硬貨等を下方に落下して返却するよ
う構成されている。

側板２にはクレードル４が枢支ピン５によつて
回動自在に枢着され、このクレードル４は選別す
べき規定の硬貨の直径に対応する所定間隔で前後
に離間して突設された２個の係合片６および７を
有し、これらの係合片６および７は側板２に形成
された円弧状溝孔８および９をそれぞれ経て硬貨
選別通路３内に突出され、硬貨選別通路３内に矢
Ａで示すように実質的に垂直に落下する投入硬貨
に両係合片６および７が係合し得る位置にクレー
ドル４はバランスウエイト１０によつて常時附勢
されて位置し、投入硬貨が規定直径を有するとと
もに規定重量を有する場合に、この硬貨が両係合
片６および７に係合してクレードル４上に乗り、
クレードル４が硬貨重量によりバランスウエイト
１０によるバランスを失なつて枢支ピン５の周り
に前側に点線矢Ｂで示すように回動し、第３図に
示すように、クレードル４が前側に回動された硬
貨送出位置で、クレードル４上の前側係合片６に
掛合している硬貨１１が側板２上の傾斜レール１
２の入口端１２ａ上に送出され、クレードル４上
の前側掛合片６が入口端１２ａ上の硬貨１１の後
側下部に接触し、クレードル４がバランスウエイ
ト１０の作用によつて矢Ｃで示すように第１図示
の位置に復帰する方向に附勢されていることによ
つて、傾斜レール１２の入口端１２ａ上に位置す
る硬貨１１に矢Ｄで示すような斜め上向きの押力
が前側掛合片６により加わり、これにより硬貨を
矢Ｅで示すように回転しながら傾斜レール１２上
に送り込んで転動させるよう構成されている。

さらに、上述したクレードル４によつて外径お
よび重量をチエツクされて傾斜レール１２上に送
出された硬貨は、この傾斜レール１２上を転動す
る間に適当な磁気的または電子的材質選別手段に
よつて材質をチエツクされるよう一般に構成され
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、わが国において発行された外周
ギザのない500円硬貨と直径および材質が全く同
じ低額のギザ付硬貨が外国で発行されており、
500円硬貨の代わりに低額の外国硬貨が使用され
るという問題が生じている。

この対策として、硬貨を外周ギザによつて選別
する手段を設けることが考えられる。しかしなが
ら、従来から硬貨の外周ギザに掛合し得るギザ掛
合片を種々の態様で硬貨の外周に掛合させて外周
ギザの有無をチエツクする多くの外周ギザ選別手
段が既知であるが、これら従来既知のものはいず
れもギザ付硬貨を正貨として受け入れるよう構成
されている。

本考案の目的は、外周ギザをチエツクして外周
ギザの無い硬貨を正貨として受け入れ得る硬貨選
別装置を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明によれば、図面に示すように、硬貨選別
通路３を限定する平行に離間した２個の側板１，
２の一方２に枢支ピン５により枢着されたクレー
ドル４を具え、このクレードル４が硬貨選別通路
内に突出された前後に離間した一対の係合片６，
７を有し、クレードル４が前側に回動された硬貨
送出位置においてクレードル４の前側係合片６に
掛合されている硬貨をクレードル４から受け取る
入口端１２ａを有する傾斜レール１２が両側板
１，２間で硬貨選別通路３内に設けられている硬
貨選別装置において、一方の側板２に接するクレ
ードル４の側に枢支ピン５と同心円の環状突起１
５が突設され、薄板の細条片の揺動腕１６がその
基端部１６ａに設けた取付孔１７によつてクレー
ドル４の環状突起１５上に回転自在に嵌合して取
付けられ、揺動腕１６がクレードル４の前側係合
片６を越えて延長され、この延長遊端１６ｂにク
レードル４の前側係合片６とほぼ平行に常時保持
されるギザ掛合爪１８が設けられていることを特
徴とする。

（作用） 上述の構成になる本発明による硬貨選別装置は
クレードルによる硬貨送出作用を利用して外周ギ
ザの無い正貨を外周ギザを有する不正貨から選別
するものである。

硬貨選別装置に投入されて、硬貨選別通路内に
実質的に垂直に落下する硬貨はクレードル４の両
係合片６および７に係合し、クレードル４が硬貨
によつてバランスを失つて前側に回動し、硬貨が
傾斜レール１２の入口端１２ａ上に送出される。

上述のクレードル４の前側への回動に際し、前
側係合片６が第５図に６Ａで示す位置から第７図
に６Ｂで示す位置に移動する間に、前側係合片６
の上面にウエイト１９の作用によつて係合してい
る揺動腕１６は前側係合片６の動きに追従して枢
支ピン５の周りに同様に回動し、揺動腕１６の遊
端１６ｂのギザ掛合爪１８は下方に移動して第５
図に１８Ａで示す位置から第７図に１８Ｂで示す
位置に移動する。この位置１８Ｂにおいてギザ掛
合爪１８は、クレードル４の前側への回動によつ
て傾斜レール１２の入口端１２ｂ上に送出された
硬貨１１の前側上部に斜め下方から掛合し得る状
態になつている。

これがため、第７図に示すように、硬貨がクレ
ードル４によつて傾斜レール１２の入口端１２ｂ
上に送出される際、この硬貨１１の後側下端部に
掛合しているクレードル４の前側掛合片１６Ｂに
対して硬貨１１の直径的反対側に位置する硬貨前
側上部にギザ掛合爪１８Ｂの爪先が掛合する。

この際、係合片１６Ｂは前述したように硬貨に
回転力を与えて傾斜レール１２上に転動させよう
とする押し上げ力を矢Ｄで示すように作用し、こ
れによつて硬貨を矢Ｅで示すように回転しようと
する。

したがつて、硬貨が、第７図に示すように、外
周にギザ２０を有する場合には、ギザ掛合爪１８
Ｂの爪先がギザ付硬貨１１の外周ギザ２０に斜め
下方から確実に掛合し、前側係合片６Ｂによる回
転力が外周ギザ２０を介してギザ掛合爪１８Ｂに
矢Ｆで示すような押し力を作用し、この押し力Ｆ
は揺動腕１６の基端部１６ａ、クレードル環状突
起１５を介して枢支ピン５によつて支持され、こ
れによつてギザ付硬貨１１の前進を阻止する作用
力が働く。これがため、ギザ付硬貨は、傾斜レー
ル１２の入口端１２ａとクレードル４上の前側係
合片６とギザ掛合爪１８との３個の係合点によつ
て係合された状態で保持され、傾斜レール１２上
への転動が阻止され、硬貨選別通路内に保留され
る。

これに反し、投入硬貨の外周にギザが無い500
円硬貨の場合には、前側係合片６Ｂによる回転押
上げ力によつて、硬貨１１の前側上部外周面に係
合するギザ掛合片１８Ｂには矢Ｇで示すような押
上げ力が作用し、これによつて揺動腕１６は枢支
ピン５の周りに回動し、この結果、硬貨１１は矢
Ｅで示すように回転しながら矢Ｈで示すように傾
斜レール１２上に転動前進することができる。

（実施例） 以下、本考案を図面につき説明する。

第４図に示す例では、クレードル４の側板２に
接する側に枢支ピン５への取付孔１４と同心円の
環状突起１５を突設し、薄板の条片状の揺動腕１
６をその基端部１６ａに設けた取付孔１７によつ
てクレードル４の環状突起１５上に回転自在に嵌
合して取付け、揺動腕１６をクレードル４の前側
係合片６を越えて延長し、この延長遊端１６ｂに
上下に延びる延長部を設け、上方延長部を折曲げ
てクレードル４上の係合片６とほぼ平行に延長す
るギザ掛合爪１８を設け、延長遊端１６ｂの下方
延長部にウエイト片１９を取付ける。２０はクレ
ードル４と側板２との間に挾持される揺動腕１６
の部分の側板２側に突出して設けられた小突起を
示し、揺動腕１６がクレードル４と側板２との間
で容易に回動し得るようにする作用を有する。

揺動腕１６の延長遊端１６ｂにおけるギザ掛合
爪１８は、第５図に示すように側板２に設けられ
た円弧状溝孔２１を経て第６図に示すように硬貨
選別通路３内にクレードル４上の係合片６および
７と同様に突出されている。

揺動腕１６はクレードル４の前側係合片６の上
側に位置され、第５図に示すように、クレードル
４がバランスウエイト１０の作用によつてバラン
スされた位置にある際には、揺動腕１６の延長遊
端１６ｂ上のウエイト１９の作用によつて揺動腕
１６は前側係合片６の上面に係合しており、ギザ
掛合爪１８は円弧状溝孔２１の上端２１ａにほぼ
接している。

ギザ掛合爪１８の上下揺動はクレードル４の前
側係合片６の移動量に関係なく、円弧状溝孔２１
の上端２１ａと下端２１ｂとによつて制限され、
この下端２１ｂにギザ掛合爪１８が掛合してウエ
イト１９によつて保持されるギザ掛合爪１８の作
用位置において、ギザ掛合爪１８は硬貨送出位置
にあるクレードル４上の前側係合片６の位置６Ｂ
（第７図参照）と送出位置にある硬貨１１のほぼ
直径的対向位置にあるよう構成され、これによ
り、後述するようにクレードル４から傾斜レール
１２の入口端１２ａへの送出位置にある硬貨１１
の前側上部にギザ掛合爪１８がその作用位置にお
いて掛合するよう構成されている。

次に、上述の構成になる硬貨選別装置の作用を
説明する。

硬貨選別装置に投入されて、硬貨選別通路内に
実質的に垂直に落下する硬貨１１がクレードル４
の両係合片６および７に係合し、クレードル４が
硬貨によつてバランスを失なつて前側に回動し、
硬貨が傾斜レール１２の入口端１２ａ上に送出さ
れることは第３図につき説明したと同様である。

しかし、クレードル４の前側への回動に際し、
前側係合片６が第５図に６Ａで示す位置から第７
図に６Ｂで示す位置に移動する間に、前側係合片
６の上面にウエイト１９の作用によつて係合して
いる揺動腕１６は前側係合片６の動きに追従して
枢支ピン５の周りに同様に回動し、遊端１６ｂに
設けられているギザ掛合爪１８は円弧状溝孔２１
内をその上端２１ａから下端２１ｂに下方に移動
し、ギザ係合爪１８が下端２１ｂに係合する作用
位置で停止し、かようにしてギザ掛合爪１８は第
５図に１８Ａで示す位置から第７図に１８Ｂで示
す位置に移動する。この位置１８Ｂにおいてギザ
掛合爪１８は、クレードル４の前側への回動によ
つて傾斜レール１２の入口端１２ｂ上に送出され
た硬貨１１の前側上部に斜め下方から掛合する状
態になつている。

これがため、第７図に示すように、投入硬貨が
クレードル４によつて傾斜レール１２の入口端１
２ｂ上に送出された状態において、硬貨の前側下
端部に傾斜レール１２の入口端１２ｂが掛合し、
この硬貨１１の後側下端部にクレードル４上の前
側掛合片１６Ｂが掛合し、この掛合点に対して硬
貨１１の直径的反対側に位置する硬貨前側上部に
ギザ掛合爪１８Ｂの爪先が掛合する。

この際、係合片１６Ｂは前述したように硬貨に
回転力を与えて傾斜レール１２上に転動させよう
とする押し上げ力を矢Ｄで示すように作用し、こ
れによつて硬貨を矢Ｅで示すように回転しようと
する。

したがつて、硬貨が、第７図に示すように、外
周にギザ２０を有する場合には、ギザ掛合爪１８
Ｂの爪先がギザ付硬貨１１の外周ギザ２０に斜め
下方から確実に掛合し、前側係合片６Ｂによる回
転力が外周ギザ２０を介してギザ掛合爪１８Ｂに
矢Ｆで示すような押し力を作用し、この押し力Ｆ
は揺動腕１６の基端部１６ａ、クレードル環状突
起１５を介して枢支ピン５によつて支持され、こ
れによつてギザ付硬貨１１の前進を阻止する作用
力が働く。これがため、ギザ付硬貨は、傾斜レー
ル１２の入口端１２ａとクレードル４上の前側係
合片６とギザ掛合爪１８との３個の係合点によつ
て係合された状態で保持され、傾斜レール１２上
への転動が阻止され、硬貨選別通路内に保留され
る。

次に、投入硬貨の外周にギザが無い場合には、
前側係合片６Ｂによる回転押し上げ力によつて、
硬貨１１の前側上部外周面に係合するギザ掛合片
１８Ｂには矢Ｇで示すような押上げ力が作用し、
これによつて揺動腕１６は枢支ピン５の周りに回
動し、この結果、硬貨１１は矢Ｅで示すように回
転しながら矢Ｈで示すように傾斜レール１２上に
転動前進する。

（考案の効果） 本考案によれば、外周ギザを有する硬貨を硬貨
選別通路内に保留して返却し、外周にギザの無い
硬貨を受け入れるというギザチエツク機能を有す
ることによつて、500円硬貨と同じ外径および材
質の低額の不正貨による不正使用を防止すること
ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の硬貨選別装置のクレードル取付
部分の側板を内側から見た部分正面図、第２図は
第１図に示すクレードル取付部分の一部を断面と
して示す側面図、第３図は従来の硬貨選別装置の
クレードルの作用説明図、第４図は本考案のギザ
チエツク用揺動腕をクレードルと関連して示す斜
視図、第５図は本考案による硬貨選別装置のクレ
ードル取付部分の側板を内側から見た部分正面
図、第６図は第５図に示すクレードル取付部分の
一部を断面とした側面図、第７および８図は本考
案による硬貨選別装置の作用説明図である。 １，２……側板、３……硬貨選別通路、４……
クレードル、５……枢支ピン、６，７……係合
片、８，９……円弧状溝孔、１０……バランスウ
エイト、１１……硬貨、１２……傾斜レール、１
２ａ……入口端、１６……揺動腕、１８……ギザ
掛合爪、１９……ウエイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬貨選別通路３を限定する平行に離間した２個
   の側板１，２の一方２に枢支ピン５により枢着さ
   れたクレードル４を具え、このクレードル４が硬
   貨選別通路内に突出された前後に離間した一対の
   係合片６，７を有し、クレードル４が前側に回動
   された硬貨送出位置においてクレードル４の前側
   係合片６に掛合されている硬貨をクレードル４か
   ら受け取る入口端１２ａを有する傾斜レール１２
   が両側板１，２間で硬貨選別通路３内に設けられ
   ている硬貨選別装置において、一方の側板２に接
   するクレードル４の側に枢支ピン５と同心円の環
   状突起１５が突設され、薄板の細条片の揺動腕１
   ６がその基端部１６ａに設けた取付穴１７によつ
   てクレードル４の環状突起１５上に回転自在に嵌
   合して取付けられ、揺動腕１６がクレードル４の
   前側係合片６を越えて延長され、この延長遊端１
   ６ｂにクレードル４の前側係合片６とほぼ平行に
   常時保持されるギザ係合爪１８が設けられている
   ことを特徴とする硬貨選別装置。