JPH02163383A

JPH02163383A - 燐酸塩処理性の優れたＺｎ―Ｎｉ系合金電気めっき鋼板の製造方法

Info

Publication number: JPH02163383A
Application number: JP31986488A
Authority: JP
Inventors: Shingo Nomura; 伸吾野村; Hirohiko Sakai; 堺　裕彦; Masatoshi Iwai; 正敏岩井; Hirohisa Kawamoto; 裕久川本; Toshihiko Miyamoto; 俊彦宮本
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1988-12-19
Filing date: 1988-12-19
Publication date: 1990-06-22

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野］本発明は燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金′１が
気めっき鋼板の製造方法に関し、さらに詳しくは、塗装
のｒ’＋７ｉ処理として行なわれる燐酸塩処理において
優れた処理性を示すＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっきＡ４仮
の製造方法に関する乙のである。

［従来技術］近年になって、Ｚｎ−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板は、自
動車用防ＲＭ板として広く使用されてきており、さらに
、ナンバーパネル、メンバー等の内板ばかりでなく、ド
ア、フェンダ−、フード等の外板パネルの外面側に０使
用されるようになってきている。

そして、このように自動車外板の外面側に、Ｚｎ−Ｎｉ
系合金電気めっき層が設けられて使用される場合、自動
車用塗装工作の内で下地処理として行なイつれる燐酸塩
処理工程において、燐酸塩処理液の流れの不均一等に起
因する表面の処理ムラが発生ずることかある。

この処理ムラの発生が斤しくなると、塗装後の表面にら
処理ムラの影響が残る。そのため、自動車用外板用Ｚｎ
−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板には、燐酸塩処理により表
面に処理ムラの発生しないものか要求されている。

このＺｎ　　Ｎｒ系合金１こ気めっき鋼板の燐酸塩処理
性におよぼす燐酸塩処理液の流速の影響については、既
に研究が行なイつれており（加藤ほか１材料とプロセス
（ＣＡＭＰ　−Ｉ　Ｓ　Ｉ　Ｊ’）Ｖｏｌ、　ｌ　（１
９８８）ＰＩ６３８）、Ｎｉ含有量が９ｗｔ％以下と低
いものでは、燐酸塩処理液の流速が遅い場合に被膜の生
成速度が遅く、流速の影響を受は易いために処理ムラの
発生し易いことが知られている。

この研究からは、Ｎｉ含１′￥量を高くすれば処理ムラ
の発生が減少することは明らかであるが、Ｎ１含有爪が
１１〜１３ｗｔ％のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっきにおい
ても燐酸塩処理のムラを完全に消滅させることは困難で
あり、また、Ｎ１含有量を上記以上に増加させるとＺｎ
−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板の耐蝕性が劣化するという
問題がある。

［発明が解決しようとする課題］本発明は上記に説明した従来のＺｎ−Ｎｉ系合金電気め
っき鋼板の燐酸塩処理において、処理ムラが発生し、か
つ、耐蝕性が劣化するという問題点に鑑み、本発明者が
鋭き研究を行い、検討を重ねた結果、Ｚｎ−Ｎｉ系合金
電気めっき鋼板の塗装の前処理として行なわれる燐酸塩
処理において優れた燐酸塩処理性を有するＺｎ−Ｎｉ系
合金電気めっき鋼板の製造方法を開発したのである。

［課題を解決するだめの手段］本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっき鋼板は、Ｎｉ含￥ＬＧＩ　７〜１．５ｗｔ％のＺｎ−Ｎｉ系合金
のめっき層をＬｏｇ／ｍ’以上電気めっきを行なった鋼
板を、燐酸を含ｒＴ　する溶液によりこのＺｎ−Ｎｉ系
合金めっき層を０２〜２ｇ／ｍ２溶解することにある。

本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっき鋼板の製造方法について、以下詳細に説明する
。

本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっきａ板の製造方法において、ＺｎＮ１系合金電気
めっき鋼板を燐酸を含有する溶液に浸漬すると、このＺ
ｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層は溶解され、溶解後の表面
はＰを含有する極めて薄い被覆層が形成される。

そして、この被覆層は自動車用の燐酸塩処理工程におい
て、燐酸塩結晶の核生成を促進して均一かつ、緻密な燐
酸塩皮膜が形成されるため、流れ模様か発生し難くなる
。

また、鋼板上のＺｎ　　Ｎｉ系合金電気めっき層は、燐
酸を含有する溶液に溶解される際に卑な金属であるＺｎ
が優先的に溶解されるため、Ｎｉ含有量が増加すること
になり、従って、燐酸を含有する溶液に上り綱板上のＺ
ｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層を溶解すると、溶解後はＺ
ｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層のＮｉ含ａ１は増加し、既
に説明したように燐酸塩処理後の流れムラの発生を抑制
する効果がある。

上記の説明で明らかなように、鋼板上のＺｎＮｉ系合金
電気めっき層を溶解するために、燐酸を含ａしない酸性
溶液を使用した場合には、ｎＮｉ系合金電気めっき層に
はＮｉ含有量の増加が起るがＰを含む彼！￥２層の形成
は行なわれず、従って、Ｚｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層
の溶解には燐酸を含有する溶液を使用するのである。

本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっき鋼板の製造方法においては、鋼板上のＺｎ−Ｎ
ｉ系合金１気めっき層のＮｉ含有量は耐蝕性の面からは
少なくとらｈｔ％は必要であり、また、プレス加工時の
摺動抵抗、即し、摩擦係数の而からは１Ｏｖｔ％以上を
必要とし、かつ、舖素地の変形により生じるＺｎ−Ｎｉ
系合金電気めっき層の粉化現象、即ち、耐パウダリング
性の而からは１５　ｗｔ％以下とするのかよく、従って
、綱板」―のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層のＮｉ含有
量は７〜１５ｖｔ％とする。

また、鋼板」−のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層の付着
量はｌｏｇ／ｍ”以上とするのかよく、このことは上記
に説明したように燐酸を含有する溶液によりＺｎ−Ｎｉ
系合金電気めっき層の溶解時にＺｎが漫先的に溶解され
て、Ｎｉ含ｒｊ量か増加するが、鋼板上のＺｎ−Ｎｉ系
合金電気めっき層の付着”＋ｔが１０ｇ７ｍ”未満では
溶解によりＮｉ含有量が著しく増大して、Ｚｎ−Ｎｉ系
合金電気めっき層の耐蝕性が良好となるＮｉ含有量の上
限の１５ｗ【％を著しく越えてしまうからである。

次に、綱板上のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層を燐酸を
含ａする溶液により溶解する際の溶解量は０．２〜２ｇ
／ｍ２とする必要かあり、この溶解１１が０．２ｇ／ｍ
’未満では鋼板上のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層の上
に形成されるＰを含む被覆層が薄く、また、Ｚｎ−Ｎｉ
系合金電気めっき層の溶解によるＮ１含ａ１の増加ら少
ないため、燐酸塩処理性を改善することができず、また
、２ｇ／ｍ”を越えて溶解すると、溶解後のＺｎ−Ｎｉ
系合金電気めっき層に割れが著しく発生し、プレス成形
時のめっき層の耐パウダリング性を劣化させることにな
り、さらに、Ｚｎの優先溶解のためＮｉ含含量１増加か
仔しく、上記の割れ発生と相まって耐蝕性の劣化を招来
する。

また、鋼板上のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層の溶解に
使用する溶解液は、燐酸を含有することが必須であるこ
とは上記に説明した通りであり、この場合の燐酸として
は、オルト燐酸（■ｌ３ｐｏ、）で代表される燐のオキ
ン酸を使用するが、このオルト燐酸以外に、メタ燐酸（
（ＨＰ　Ｏ３）ｎ）、ピロ燐酸（８４ＰｇＯ□）、次亜
燐酸（８３ＰＯｔ）、亜燐酸（Ｈ３ｒ’ｏ、）、次項酸
（Ｈ，Ｐｅ０１ｌ）等が使用できる。また、これらの燐
酸の可溶性塩や燐酸以外の酸を含有させることら可能で
ある。

そして、この溶解液による溶解量の制御は、溶解液の温
度、溶解時間および燐酸含有量により行なうが、溶解反
応の進行によりＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層のＺｎ、
Ｎｉが溶解液中に増加し、また、水素イオンは消費され
るので、溶解反応に有効な燐酸含有量は減少していき、
そのため溶解液の濃度管理には燐酸塩処理の管理に使用
されている遊離酸度（Ｆ　Ａ）、全酸度（ＴＡ）を利用
するのである。

この遊離酸度（Ｆ’　Ａ）は、サンプル１０ｍ１をブロ
ムフェノールブルーを指示薬として、０．ＩＮ−Ｎ　ａ
　ＯＩ−■により滴定した場合の、Ｏ，１，ＮＮａＯＨ
滴定量（ｍｌ）であり、これは下式の反応で明らかであ
るように、Ｚｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層の溶解に関与
する遊離酸の含有量に対応するものである。

Ｈｓ　Ｐ　０４　＋　ＮａＯＨ→Ｎ　ａＨ２Ｐ　Ｏａ　
＋Ｉ（ｔ　Ｏ従って、この遊離酸度（ＦＡ）を測定し、
これが一定となるように燐酸を追加すれば遊離酸は一定
となる。

しかし、時間の経過と共に溶液中のＺｎイオン、Ｎｉイ
オンの含有量が増加すると、溶解後のＺｎ−Ｎｉ系合金
電気めっき層表面に形成されるＰ含有！＆覆層の厚さが
増加し、遂には結晶性の析出物とｆ工ってＺｎ−Ｎｉ系
合金電気めっき層表面に析出する。この析出物はＸ線回
針の結果、燐酸塩処理により生成する皮膜と同一物質で
あるｚ　ｎ（Ｐ　０４）４・４１−ｆ、Ｏ（ポパイト）
であることは判明している。

このようにして析出する結晶は、Ｚｎ−Ｎｉ系合金電気
めっき層表面を部分的に不均一に被覆するが、この結晶
が析出した部分には燐酸塩処理の際にＩＥ常な燐酸塩結
晶が生成せず、燐酸塩付１ｆｆｆｉの減少、ポパイト（
０２０）而の鋼板面方向への著しい背向等、燐酸塩処理
に対しと好ましくない影響をおよぼず。

この溶解反応時の結晶性被覆層の析出を防止するために
は、遊離酸度（ＦＡ）と共に全酸度（ＴＡ）をら測定し
、酸比（Ａ　Ｒ）−Ｔ　Ａ／Ｆ　Ａを管理することが必
要である。

そして、全酸度（ＴＡ）は、サンプル液１０ｍ１をフェ
ノールフタレインを指示薬として、０．１ＮＮａＯＨ水
溶液で滴定した時のＯ，ＩＮ　−ＮａＯＨ水溶液滴下ｆ
ｆ１（ｎ＋１）を示し、下式の反応に示すように遊離酸
と共に可溶性の金属の第一燐酸塩も反応に関与している
。

ＨＩＰ　　０４　＋　　２　　ＮａＯＨ→ＮａｔＦＩ　
　Ｐ　　０４　＋　　ＨｙＯＭ　（ｔｌ　ｔ　Ｐ　Ｏ４
）　ｔ÷２ＮａＯＨ→Ｍ　ＨＰＯ，＋Ｎａ２ＨＰＯ，＋
２ｘ−１ｚＯＭは２価の金属イオン従って、溶解液か燐酸のみの場合には、酸比（ＡＲ）は
２となるが、ＺｎおよびＮ１が溶解するのにしたがって
、この酸比（ＡＲ）は増加する。実験の結果、酸比（Ａ
Ｒ）は５程度、好ましくは４以内では結晶性被覆層は形
成されないことがわかった。

結局、燐酸含有溶解液は温度、処理時間およびａｍ酸度
（Ｆ’　Ａ）を一定範囲に管理し、酸比（ＡＲ）全酸度
（ＴＡ）／遊離酸度（ＦＡ）が５好ましい４を越えたら
溶解液の一部らしくは全体を廃棄して、新しい溶解液を
補充すれば、溶解量を一定に制御することができろ。

［実　施　例］本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっき鋼板の製造方法の実施例を説明する。

実施例ＩＮｉ含１ｉｉ１１１ｗｔ％、付着ＩＪＩ　３０ｇ／ｍ’
のＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板を、オルト燐酸含有
量を変化させた溶解液に、５０°ＣＸ１３秒浸漬して試
験片を作成した。

このようにして作成した試験片は、自動車用燐酸塩処理
を行ない（日本ペイント社製、グラノジン５Ｄ−２５０
０）、処理後の外観を評価した。

また、耐蝕性は塩水噴霧試験、耐パウダリング性は伸び
率３０％の単軸引張りを行なった後、その表面をテーピ
ングして粘着テープに付着した金属粉を酸に溶解して、
原子吸光法により測定することによりＨ価した。

第１表にその結果を示す。

Ｚｎ−Ｎｉ系合金電気めっき層の溶解量が０．２〜２ｇ
／ｍ’の範囲内では、燐酸塩処理後の外観、耐蝕性、耐
パウダリング性は共に良好であるが、溶解ｑが０．２ｇ
／ｍ”未満の比較例１では燐酸塩処理後の外観が悪く、
また、２ｇ／ｍ’を越える比較例２では耐蝕性、耐パウ
ダリング性が不良である。

第１表目視により３段階評価 ○・・・流れムラ発生Ｕず。△・・・流れムラ少々発生
。

Ｋ・・・流れムラ斤しく発生。

実施例２Ｎｉ含含量量５〜ｔ８ｗｔ％、付着量が５〜６０ｇ／ｍ
”の第２表に示すＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板を、
オルト燐酸２ｇ／ｌを含有する溶解液に５０°ＣＸ１５
秒浸漬して試験片を作成した。

このようにして作成した試験片を実施例１と同様の試験
を行なった。

本発明に係る燐酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系合金電
気めっき鋼板の製造方法によれば、燐酸塩処理後の外観
、耐蝕性、耐パウダリング性共に良好であるが、比較例
１のＮｉ含有屯５ｗｔ％のλ４（反では燐酸塩処理後の
外観が不良であり、また、比較例２のＮ１含有ｍ　１８
ｗｔ％のらのおよび比較例３の付６１１５ｇ／ｍ’のら
のでは耐蝕性および耐パウダリング性が不良である。

Ｌ１撹により３段階評価 ○・・・流れムラ発生せずヶ△・・・流れムラ少々発生
。

×・・・流れムラｉしく発生。

［発明の効果］以上説明したように、本発明に係る燐酸塩処理性の優れ
たＺｎ−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板の製造方法は上記の
構成であるから、製造された鋼板は自動車用塗装工程に
おいて燐酸塩処理後の流れムラが発生しないので、Ｚｎ
−Ｎｉ系合金電気めっき鋼板を自動車外板の外面側に適
用することが可能になり、自動車外面の腐蝕を防止する
ことができ、自動車寿命の延長ひいては省資源にもつな
がるものであり、工業的な意義は大きいという効果が上
がったのである。

Claims

【特許請求の範囲】

Ｎｉ含有量７〜１５ｗｔ％のＺｎ−Ｎｉ系合金のめっき
層を１０ｇ／ｍ＾２以上電気めっきを行なった鋼板を、
燐酸を含有する溶液によりこのＺｎ−Ｎｉ系合金めっき
層を０．２〜２ｇ／ｍ＾２溶解することを特徴とする燐
酸塩処理性の優れたＺｎ−Ｎｉ系系合金電気めっき鋼板
の製造方法。