JPH021568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は建設機械に搭載された変速機のクラ
ツチを制御するクラツチ油圧回路に関する。

従来の技術 従来建設機械に搭載された変速機のクラツチ油
圧回路として例えば第４図に示すものが公知であ
る。上記油圧回路では油圧ポンプａの吐出圧を２
路に分岐されて、一方はメインレギユレータバル
ブｂを介してトルクコンバータ（図示せず）へ、
そして他方はスロツトリングバルブｃ及びオリフ
イスｄを介して変速機のクラツチ（ともに図示せ
ず）へ供給されており、一部はチエツクバルブｅ
及びクイクリターンバルブｆを介してアキユムレ
ータｇへ達している。またチエツクバルブｅは、
第５図に示すようにクイツクリターンバルブｆの
上流に設けられていて、油圧ポンプａからの油が
チエツクバルブｅのオリフイスｉにより絞ること
により、クラツチフイル時アキユムレータｇへ流
入するのが中断された際クラツチ側の圧力が急激
に上昇するのを防止している。

考案が解決しようとする問題点 しかし上記従来の油圧回路では、クイツクリタ
ーンバルブｆの戻り動作及びアキユムレータｇへ
供給される油圧がともにチエツクバルブｆのオリ
フイスｉにより流量制限されるため、クイツクリ
ターンバルブの戻り時間（モジユレーシヨンを開
始するまでの時間）やモジユレーシヨン定数など
が個別に調整できず、その結果変速時にシヨツク
やタイムラグを発生する不具合があつた。

この考案は上記不具合を改善する目的でなされ
たものである。

問題点を解決するための手段及び作用 クラツチへ供給される油圧の一部をアキユムレ
ータへ供給してクラツチのモジユレーシヨンを行
うクイツクリターンバルブのスプールにチエツク
バルブを組込んで、クラツチフイル時のフイルタ
イムをチエツクバルブのオリフイスで、またモジ
ユレーシヨン定数をクイツクリターンバルブのオ
リフイスでそれぞれ制御することにより、タイム
ラグやシヨツクを生ずることなく変速を可能にし
た建設機械のクラツチ油圧回路。

実施例 この考案を図示の一実施例を参照して詳述する
と、図において１は油圧ポンプで、このポンプ１
より吐出された油圧は２路に分岐されて、一方は
メインレギユレータバルブ２を介して図示しない
トルクコンバータへ、そして他方はスロツトリン
グバルブ３及びオリフイス４を介して図示しない
クラツチへ供給されていると共に、一部はクイツ
クリターンバルブ５を介してアキユムレータ６へ
達している。上記クイツクリターンバルブ５は第
２図に示すように弁本体７内にチエツクバルブ８
と一体に組込まれている。すなわち油圧ポンプ１
の吐出圧はポート７₁に達し、クイツクリターン
バルブ５のスプール５ａ内に設けられたばね室５
ｂ内に導入されている。ばね室５ｂ内には圧縮ば
ね８ａより閉弁方向に付勢されたボール８ｂが収
容されていると共に、ばね室５ｂ内に導入された
油圧は一部がチエツクバルブ８側のオリフイス８
ｃより圧力室８ｄへ、またその他はクイツクリタ
ーンバルブ５側のオリフイス５ｃよりポート７₃
を経てアキユムレータ６へ供給されるようになつ
ている。また上記クイツクリターンバルブ５のス
プール５ａはドレンポート７₂と上記ボート７₃の
間を開閉するようになつている。

次に作用を説明すると、変速機のクラツチ切換
え前は油圧ポンプ１からの吐出圧P₁と圧力室８
ｄの圧力P₂及びアキユムレータ６に通じるポー
ト７₃の圧力P₃はそれぞれ等しい。この状態から
図示しないクラツチ操作弁が操作されると、油圧
ポンプ１の吐出圧がクラツチへ供給されるため、
ポート７₁の圧力P₁が低下し、P₁＜P₃となると共
に、圧力室８ｄの圧力P₂はボール８ｂを押開け
てポート７₁へ流入するため、P₁＝P₂となる。こ
れによつてスプール５ａは左方へ移動してポート
７₃をドレンポート７₂へ連通するため、アキユム
レータ６の油圧はドレンされて、アキユムレータ
６は初期状態となる。また空のクラツチシリンダ
へ油圧が充満されるまでのフイルタイムはP₁＝
フイル圧（第３図参照）となつてポート７₁の油
圧はオリフイス８ｃより圧力室８ｄへ流入し、ス
プール５ａを右方向へ押圧し、ポート７₁の油圧
の一部はオリフイス５ｃよりポート７₃を経てド
レンポート７₂へドレンされる。次にスプール５
ａがポート７₃とドレンポート７₂の間を閉鎖する
と、いままでドレンされていた油圧はアキユムレ
ータ６へ供給される。このときアキユムレータ６
の供給圧P₃とクラツチへ供給されている油圧P₁
はフイル差圧を保ちながら第３図に示すように上
昇し、この間にクラツチのモジユレーシヨンが行
なわれるようになる。

考案の効果 この考案は以上詳述したように、クイツクリタ
ーンバルブにチエツクバルブを組込んだことによ
り、クイツクリターンバルブの戻り動作をチエツ
クバルブのオリフイスにより制御することができ
る。これによつてオリフイスの口径を調整するこ
とにより、クラツチのフイルタイムを任意に調整
することができるため、変速時タイムラグを生じ
ることがない。またアキユムレータへの供給流量
はクイツクリターンバルブのオリフイスにより制
御することから、上記オリフイスによりフイルタ
イムと別個にモジユレーシヨン定数が任意に調整
でき、これによつてシヨツクのない変速も可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す回路図、第
２図はクイツクリターンバルブの詳細図、第３図
は作用説明図、第４図及び第５図は従来の説明図
である。 １は油圧ポンプ、３はスロツトリングバルブ、
５はクイツクリターンバルブ、５ａはスプール、
５ｃはオリフイス、６はアキユムレータ、８はチ
エツクバルブ、８ｄはオリフイス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧ポンプ１の吐出圧をスロツトリングバルブ
   ３を介して変速機のクラツチへ供給すると共に、
   一部をチエツクバルブ８及びクイツクリターンバ
   ルブ５を介してアキユムレータ６へ供給するもの
   において、上記チエツクバルブ８をクイツクリタ
   ーンバルブ５のスプール５ａ内に組込んで、クラ
   ツチフイル時のフイルタイムをチエツクバルブ８
   のオリフイス８ｄで、またクラツチのモジユレー
   シヨン定数をクイツクリターンバルブ５のオリフ
   イス５ｃで制御してなる建設機械のクラツチ油圧
   回路。