JPH02156078A - 薄膜の製造方法及び電子線蒸着装置 - Google Patents

薄膜の製造方法及び電子線蒸着装置

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JPH02156078A
JPH02156078A JP30996488A JP30996488A JPH02156078A JP H02156078 A JPH02156078 A JP H02156078A JP 30996488 A JP30996488 A JP 30996488A JP 30996488 A JP30996488 A JP 30996488A JP H02156078 A JPH02156078 A JP H02156078A
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film
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JP30996488A
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Yukio Honda
幸雄 本多
Masaaki Futamoto
二本 正昭
Kazumasa Takagi
高木 一正
Kazushige Imagawa
今川 一重
Katsumi Miyauchi
宮内 克己
Toshiyuki Aida
会田 敏之
Akira Tsukamoto
晃 塚本
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、薄膜の製造方法およびその装置に係り、特に
蒸気圧の異なる異種の材料を同時もしくは交互に蒸発せ
しめて、性能の良い超伝導薄膜や〔従来の技術〕 最近、5r−La−Cu酸化物やY−Ba−Culil
化物あるいはB1−5r−Ca−Cu酸化物などの材料
が40に−100に以上の高い超伝導臨界温度(Tc)
をもつことが明らかにされた。
これらの材料からなる薄膜は、超伝導材料と近い組成の
酸化物焼結体、もしくはY、O,、Bad。
CuOなどの個々の金属酸化物の焼結体ペレットの集合
体から成るターゲットを用いて高周波スパッタやマグネ
トロンスパッタ法で酸化マグネシウム(MgO)などの
基板上に成膜することによって形成される。あるいは、
真空蒸着法により酸化物超伝導材料の構成元素の金属も
しくは単体酸化物を同時に基板上に形成し、しかるのち
番こ加熱酸化処理することにより酸化物超伝導材料の薄
膜を形成する方法が試みられている。なお、この分野の
最近の技術動向の例は、ジャパニーズ・ジャーナル・オ
ブ・アプライド・フィジックス、26巻。
4号(1987年)頁L318−L523(Japan
eSe Journal of Applied Ph
ysics。
Vol、26.No、4 (1987)pp、L318
−L523)に報じられている。
また、CoCr、CoCrZr、CoCrFe。
CoCrNi、CoCrNb、CoMoZr、Coo。
CoFe0なとの磁性材料は、高密度の磁気記録媒体あ
るいは磁気ヘッドの構成材料として用いられ、高周波ス
パッタ法や真空蒸着法で形成されている。
これらの技術のなかで、スパッタ法は、元素の種類によ
ってスパッタ速度が異なるため、ターゲット組成と形成
した膜の組成がずれ、組成制御が難しいという問題があ
る。酸化物超伝導材料の組成が最適組成からずれると、
Tcが急激に低下する問題がある。また、磁性膜の組成
が最適組成からずれると、飽和磁化、保磁力、磁歪など
が最適条件からずれ、再現性の良い膜が得られない欠点
がある。さらに、スパッタ法は、蒸着法に比べ成膜速度
が劣るという別の問題がある。一方、真空蒸着法には複
数の金属を同時に基板上に形成する場合に、個々の金属
の蒸着速度を正確に制御しないと基板上に形成される金
属膜の組成が目的の値からずれるという問題があるe 
Y −B a  CuあるいはB1−5r−Ca−Cu
もしくはCoCrのように構成元素の蒸気圧や融点の異
なる系では。
複数の金属材料の蒸着速度を常に安定に保つことは難し
い、このため高いTcをもつ超伝導薄膜や、最適の磁気
特性をもった磁性膜を再現性良く形成する技術は確立さ
れていないといってもよい。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来技術における電子線蒸着装置は、第6図に示したよ
うに電子線1を発生させる陰極2、電子線を加速する陽
極3、電子線を蒸着源4に照射するために偏向する偏向
コイルS、および蒸着源を設置するために設けられたハ
ースを冷却する冷却系6とから構成される。従来技術で
は、複数の構成元素から成る薄膜を形成するには、蒸着
源には例えばY、Ba、Cuの複数の構成元素から成る
合金または化合物インゴットを用いる。この場合、構成
元素の蒸気圧が異なるため、膜形成中に薄膜の組成が目
的の組成が目的の組成からずれる問題があった。従って
、従来技術では、構成元素の蒸気圧が大幅に異なるYB
a−Cu−0系あるいはB1−8 r−Ca−Cu−0
系の超伝導薄膜やCoCr磁性薄膜などの組成を再現性
良く制御することが極めて困難であった。
従来の蒸着法の他の技術として、第6図に示した蒸着系
を複数個、同一真空容器中に配置して、各々の蒸着源に
例えばY、Ba、Cuを設置して各々に電子線の強度を
変えて蒸着する方法がある。
この構成では、装置が大型化され取扱いが不便となり、
また各々の蒸着系に高圧電源が必要となり、装置のコス
トが高くなる問題がある。
本発明は、薄膜特に酸化物系超伝導薄膜や磁性薄膜等の
機能性薄膜を形成するのに、組成制御性。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、電子線を発生させる陰極と
これを加速する陽極の間に制御電極を設け、この制御電
極にパルス電圧を印加し、蒸着源に照射される電子線の
強さを変化させる方法を採用した。この場合、複数の金
属元素から成る膜全体の組成の制御は、蒸着源材料の蒸
気圧に応じて、制御電極に印加するパルス電圧の周波数
およびパルス電圧の振幅を調節し、複数種の蒸着材料を
同時、もしくは交互に蒸発させる方法により、正確にコ
ントロールすることができる。
〔作用〕
本発明を第1図を参照して説明する0本発明の蒸着源は
、陰極2.陽極3.蒸着法4.偏向コイル5.冷却系6
に加えて新たに、陰極と陽極の間に制御電極7を設置し
ており、かつこの構成の蒸着系を複数個備えていること
を特徴の一つとしている。他の特徴は、第2図に示すよ
うに、上記制御電極7をパルス駆動し、薄膜を構成す−
る元素の蒸気圧に応じて、制御電極に印加するパルス電
圧の周波数およびパルス電圧の振幅を調節し、蒸着源に
照射される電子線の強さと量を制御することによって、
薄膜の組成を再現性良く制御できる。
さらに、制御電極をパルス駆動することにより、電子線
照射時の電力を低減できるので、高圧電源が多元系で共
通に利用でき、従って装置の小型化が図れる利点を持つ
、ここでは、M、−M、−Cu酸化物(Ml:希土類金
属1M2:アルカリ土類金属)系超伝導薄膜を製造する
場合を例に第1図。
第2図の作用を説明する。いま、Cuの蒸気圧にタイシ
て、10″″2倍の蒸気圧をもっY (Mよ)と103
倍の蒸気圧をもっBa(M、)からなる材料を用いて説
明する。この場合、第1図に示した構成の蒸着系を同一
真空中に3組配置する。この場合、偏向コイル5は、3
組の蒸着系で共通に利用できるように同心円状に配置さ
れた構造にするのが良く、さらに各々の蒸着系に対して
補助の偏向コイルを設けるのが望ましい0次に、第2図
(a)〜第2図(c)により、制御電極の作用の一例を
説明する。制御電極7は、第2図(a)に示したように
、負の電位にバイアスする直流バイアス系vbと、パル
ス駆動系Vpに接続するのが望ましい。まず、陽極3を
アース電位とし、陰極2を通電加熱してこれに負の高電
圧(例えば−10kV)を印加すると、電子線1は制御
電極7および陽極3の孔を通して蒸着源に照射される。
この時、制御電極7に接続した直流バイアス系vbに負
の電圧を印加すると、vbの増加とともに電子線の照射
量reは第2図(b)に示したように減少し。
vb0の電圧を印加したときIe=Oとなる。この状態
でパルス駆動系Vpに正のパルス電圧V Pay ’V
 Pay V P3を印加すると各々のパルス電圧に対
応してI e、、 I e、、 I e、の照射電流を
制御することができる。
この作用を利用して、Y、Ba、Cuのように、蒸気圧
が大幅に異なる材料を同時にもしくは交互に蒸着できる
。蒸気圧の高い材料(例えばBa)を蒸着するときは、
第2図(c)の(i)に示したように小さなパルス電圧
Vp□を印加して照射電流を少なくシ、さらに電子線の
照射時間t1を短く設定する。逆に蒸発しにくい材料で
は、第2図(c)の(iiyおよび(ni)に示したよ
うに、パルス電圧VpztVpsを大きく設定して照射
電流を大きくするとともに、照射時間1..1.を長く
設定することによって、蒸発量を精度良く制御できる。
この場合、蒸着材料は、各々専用の蒸着系によりパルス
的に電子線の照射を受けているので、表面が変質するこ
とがなく、安定な蒸着速度で膜形成ができる利点がある
。また電子線の電力はパルス状に印加されるので、単一
の高圧電源で複数個の蒸着系を制御でき、装置全体の小
型化と低コスト化が図れる利点がある。
この膜形成過程において基板の温度を加熱して(例えば
600℃)、基板周囲の酸素ガス分圧を例えば10′″
1Paに保ちながら、上記方法により、Y、Ba、Cu
を同時に蒸着することにより酸化物超伝導膜を形成でき
る。基板周囲の酸素ガス分圧は、形成する薄膜により所
望の蒸に設定され、酸化物超伝導薄膜の場合、10−”
Pa以上IPa以下が望ましく、磁性薄膜の場合は、1
0−”Pa以上10−”Pa以下が望ましい、基板温度
は、形成する薄膜の特性と反応性の点から選ばれ、室温
から700℃が望ましい。
第1図の構成の蒸着系を用いた他の膜形成方法をCoC
r合金膜を例に説明する。COとCrの蒸気圧は約10
倍Crの方が高いため、通常のCoCr合金を用いた蒸
着法では膜形成中に組成がずれる問題がある1本発明に
よれば、第1図の構成の蒸着系を2個同一真空中に配置
し、一方にCO1他方にCrを設置する。蒸着に際して
、制御電極7の印加電圧を第2図(a)のごとくパルス
開動し1両者の蒸着源の蒸気圧に応じて、電子線の0N
−OFFの時間を設定するとともに、制御電極7に印加
するパルス電圧の振幅を制御して、2種類の蒸着源に照
射する電子線の量を変えて。
蒸発するCOとCrの量を制御した。制御電極7に印加
するパルス電圧の大きさは、0〜1200Vが望ましく
、また制御電極7の孔を通過する電子線を0N−OFF
するためのパルスの効率は1〜10−@の間で任意に設
定できる。
第1図の構成の蒸着系を複数個設置して異種の材料の多
層膜が形成できる0例えば、第1図の構成の蒸着系を同
一真空中に4個配置し、各々にB x y S r w
 Ca t Cuの材料を設置する。まず、各々の制御
電極7に直流バイアス電圧vb0を印加するe B x
の膜を形成するときは、Biの蒸着系に設置した制御電
極7に接続したパルス駆動系でパルス電圧VPiを印加
して、所望の厚さのBiを蒸着する。このとき他の制御
電極には小さなパルス電圧V P 1を印加して蒸着材
料を予熱しておくことが望ましい、これは蒸着材料表面
の変質を防止し、再蒸着のときに蒸発を安定化するため
である。同様にして順次Sr、Ca、Cuの積層膜を形
成する。ついでこの積層膜を空気中で熱処理するとTc
が100K以上のB1−8r−Ca−Cu−0系の超伝
導膜を再現性良く形成できる。積層膜の一層の厚さは0
.1〜50nmが望ましく、これ以上になると積層膜の
凹凸が大きくなり、また化合物や合金系の薄膜では構成
元素同志の混合が悪くなり単一相の薄膜が得られにくい
欠点がある。
以上述べたように、制御電極をパルス−動した構成の蒸
着系を用いることにより小型で安価な多元蒸着系が構成
でき、蒸気圧が大幅に異なる材料を同時にもしくは交互
に蒸着して、組成を再現性良く制御した薄膜、特に超伝
導膜や磁性膜などの機能性薄膜を形成できる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例で説明する。
実施例1゜ 第1図に示した構成の蒸着系を4組第3図のごとく配置
した。4組の蒸着源41,42,43゜44には蒸着源
料として各々B 1103 (8) p成した。電子線
を加速する4組の陽極3はいずれもアース電位とした。
つぎに4組の陰極2を通電加熱するとともに一10kV
の高電圧を印加した。
この時、4組の陰極2に対して共通の高圧電源を用いた
。さらに、4組の制御電極7には、各々−100OV、
−800V、−500V。
−100Vの直流バイアス電圧を印加して、陰極2で発
生した電子線の照射量を少なくシ、蒸着材料が蒸発しな
い温度で予熱状態にしておく、このように多元系の膜の
形成において、1つの材料の蒸着中に他の材料は予熱さ
れているので、再蒸着の時蒸着速度が安定化できる利点
がある。まず第4図(a)に示した構造の積層膜の作製
手順を示す。Mg0(1,00)基板12を400℃ニ
加熱しておき、上記蒸着系の1つの制御電極7に接続し
たパルス駆動系に正のパルス電圧を印加して電子線の照
射量を増大して、Bi2O,8を基板12上に厚さ?、
5nm蒸着した。次に5r09を設置した蒸着系の制御
電極7のみに、正のパルス電圧を印加して、前記Bi2
O,膜8の上に厚さ4.3層mの5r09を蒸着した。
同様にしてこの上にCu1Oを2.8層m、さらにCa
1lを6.5層mの厚さに積層した。つづいて、この膜
を単位積層膜として、このプロセスを20回繰り返して
第4図(a)に示した構造の膜厚422nmの積層膜C
a’)を作製した。このように制御電極7の電位をパル
ス闘動して、多元の蒸着源に同時に照射する電子線の電
力を小さくして使用できるため、高圧電源を複数個の蒸
着系で共通に利用できる利点がある。同様にしてBi、
0,8,5r09.Cu10、Ca1lの1層の厚さを
各々30nm。
17.2層m、11.2層m、26nmとして単位積層
膜を形成した。つづいて、これを5回繰り返して第4図
(b)に示した構造の膜厚422nmの積層膜(b)−
を作製した。さらに同様のプロセスでBi、0,8,5
r09.Cu10.Ca11のIMの厚さを各々150
nm、86nn’+、56nmp130nmとして1目
積層し第4図(C)に示した構造の膜厚422nmの積
゛層膜(c)を作製した。このようにして形成した膜厚
の等しい3種類の積層膜の平均組成をEDAX (En
ergyDispersive Analysis o
f X−rayの略)で分析した結果、いずれもBi:
Sr:Ca:Cu=2:2:2:3の原子分率であった
。比較用として、第6図に示した従来の蒸着系を用いて
、上記(a)、(b)および(Q)の構造を有する積層
膜を作製した。各々の材料の1層の厚さの設定値は前記
と同じとした。この方法で形成した試料の平均組成をE
DAXで分析した結果、Bi:Sr:Ca : Cu=
 (2±0.2):(2±0.3):(2±0.5):
(3±0.2)となっており、本発明に比べて組成のば
らつきが大きくなっていた。つぎにこれらの積層膜を空
気中で870℃−2時間熱処理し、B1−8r−Ca−
Cu−0系超伝導膜を作製した。これら超伝導膜の臨界
温度Tcを四端子法で測定した結果を表1に示す0表1
から明らかなように、本発明によれば、従来方式に比べ
て組成制御の再現性が良く、さらに積層膜の構造を細か
く精度よく制御した膜を形成でき、その結果、厚が小さ
いほどTcが高い超伝導特性を示すことを確認できた。
さらに、膜組成(Bi:Sr:Ca:Cu==2:2:
2:3)および積層膜の膜厚(422層m)を一定に保
ち、単位積層膜の中で最も薄い膜(Cu)の膜厚を0 
、1〜100 n mの範囲で変えて積層膜を形成し、
同様の実験を行った結果を第7図に示す、この場合、C
uの膜厚の変化に依存して他の構成元素(Bi、Sr、
Ca)の膜厚も前記組成を保つように変えた。また、単
位積層膜の繰り返し回数をその膜厚の増減に従い増減さ
せ、積層膜の膜厚をほぼ一定に保った。最も薄い膜の膜
厚が大きくなるとTcが低下する傾向があり、特に10
0K以上のTcを示す良好な超伝導特性を示す最も薄い
膜の膜厚は、0.1層m以上、50nm以下であること
がわかる。また、超伝導膜を生成するための熱処理温度
も最も薄い膜の膜厚を小さくすると共に低下する傾向が
あることがわかる。さらに、熱処理のときの酸素分圧が
低いほど、生成温度も低下する傾向があることもわかっ
た。これは、最も薄い膜の膜厚を薄くすることにより構
成元素間の反応性が促進される効果があるためである。
表  1 実施例2゜ 第3図に示した蒸着系を用いて、蒸着源41にEr、蒸
着源42にBa、蒸着源43にCuを充填した。陽極3
をアース電位とし、陰極2を通電加熱するとともに一1
0kVの電圧を印加した。
3組の蒸着系に設けた各々の制御電極7には、負の直流
バイアス電圧vbを印加し、さらにこれに加えて矩形波
状の正のパルス電圧V Plt V PatV P z
を印加した。3種類の材料の蒸発速度に対応して、上記
直流バイアス電圧とパルス電圧の大きさおよび蒸着源へ
の電子線の照射時間を変えた。
本実施例では、熱伝導の良いCuに対しては、vb□=
−500Vの直流バイアス電圧と矩形波状のパルス電圧
Vp工=500Vを印加し、矩形値パルスの80%の時
間はvplを印加して電子線の照射量を増大させCuを
蒸発させた。残りの時間はCuが蒸発しない程度の電子
線を照射した予熱状態とした。Erに対しては、直流バ
イアス電圧Vb、=−1000Vと矩形波パルス電圧V
p、=800Vを印加し、矩形波パルスの50%の時間
電子線を強く照射してErを蒸着した。
蒸気圧の高いBaに対しては、直流バイアス電圧Vb、
=−1000Vと矩形波パルス電圧V P 3 =50
0vを印加し、矩形波パルスの5%の時間電子線を強く
照射してBaを蒸着した。なお3組の蒸着系において電
子線の照射を完全に停止させるための直流バイアス電圧
vb、は一1200Vであったが、本実施例では、Cu
、Er、Baに対する直流バイアス電圧はこれより小さ
い値に設定することにより、つねに各々の蒸着材料を予
熱しておいた。これらのEr、Ba、Cu膜の形成に際
シテは、まずMg0(100)基板を600℃に加熱し
ておき、基板周囲の酸素ガス分圧を10”Paに保った
。ついで上記の条件でEr、Ba。
Cuを同時に蒸着して、厚さ0.7μmのEr−Ba−
Cu−0薄膜を形成した。ついでこの試料を酸素雰囲気
で600℃−8時間熱処理して、Er−Ba−Cu−0
系超伝導膜を作製した。この方法で形成した膜の組成を
EDAXで分析した結果、Er:Ba:Cu膜1:2:
3の割合となりており、この組成比の膜が再現性良く形
成できることを確認した。また四端子法によりこの試料
の臨界温度(Tc)と臨界電流密度(J c)を測定し
た結果、Tc−83〜89に、77KにおけるJcの値
が10’A/cm”以上を再現性良く得ることができた
実施例3゜ 第3図に示した蒸着系を用いて、蒸着源41にCo、蒸
着源42にCrを充填し、蒸着中の真空度を10″″’
Paに保った以外は、実施例2と同様の方法で150℃
に加熱したポリイミドフィルム基板上に厚さ0.3μm
のCoCr薄膜を連続的に5枚作製した。比較用として
、Co−8wt%Cr合金インゴットを用いて、第6図
に示した従来の蒸着系を用いて、厚さ0.3μmのCo
Cr薄膜を連続的に5枚作製した。第5図に本発明の蒸
着系で作製したCoCr膜と、従来方式で作製したCo
Cr膜のCr濃度および飽和磁化を比較して示した0本
発明によれば、繰り返し蒸着して蒸着回数が増えても、
膜の組成や磁気特性の変化はほとんど生じず、再現性の
良い膜が作製できた。一方、従来技術では、蒸着のたび
に膜組成が変化し、その結果磁気特性の再現性の悪い膜
となった。
実施例4゜ 第1図に示した蒸着系を2〜5個、第3図と同様の構成
で配置した装置を用いて、実施例2と同様の方法でBi
、Sr、Ca、Cu、Ba、Na。
Pb−、に、Sc、Tl、Sb、In、、Y、La。
Ho、Nd、Gd、Dy、Ybの中から選んだ材料を1
0″″″Paの酸素ガス雰囲気中で同時に蒸着して酸化
物超伝導膜を作製した。膜形成時の基板温度は600℃
トシ、基板はMgo (100) を用いた。また、膜
形成機必要に応じて酸素雰囲気中で800〜900℃で
熱処理した。これらの試料の構成元素および臨界温度T
cを表2に示す。
本実施例では、同様の試料を5個作製したが再現性良い
特性を得た。
表 時の基板は、サファイヤを用い、基板温度は300℃と
した。得られた磁性膜の飽和磁束密度Bsの測定結果を
表3に示す。本実施例では、同一組成の試料を5個作製
したが再現性良く同様の特性を示した。
表  3 実施例5゜ 第1図に示した蒸着系を、第3図と同様の構成で配置し
た装置を用いて、実施例3と同様の方法でCo、Zr、
Mo、Nb、Ni、Faの中から選んだ材料を10−P
aの真空中で同時に蒸着して表3に示す3種類の磁性膜
を作製した。膜形成〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明によれば、蒸気圧が大幅に異
なる複数の材料で構成された超伝導膜や磁性膜などの機
能性薄膜の組成を再現性良く制御した。性能の良い膜を
安定して作成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の詳細な説明図、第2図は本発明の制御
電極の作用の説明図、第3図は本発明の複数の蒸着系を
配置した膜形成法の説明図、第4図は積層膜の形成法の
説明図、第S図は本発明を磁性膜に応用した結果の説明
図、第6図は従来の蒸着系の説明図、第7図は本発明の
実施例1における積層膜の臨界温度と単位積層膜の中で
最も薄い膜の膜厚の関係を示す図である。 符号の説明 1・・・電子線、2・・・陰極、3・・・陽極、4・・
・蒸着源、5・・・偏向コイル、6・・・冷却系、7・
・・制御電極。 8・・・B1301.9−8r0.1O−Cu。 11・・・Ca、12・・・基板。 41.42.43.44・・・蒸着源。 vJ7図 第3目 第 図 (ス) (り) (C) 第5目 基18駁(回〕 第2図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、蒸着源と、電子線を発生させる陰極と、上記電子線
    を加速する陽極と、上記電子線を偏向させる偏向コイル
    と、上記陰極と上記陽極の間に設置した制御電極の各々
    を2組以上備えた電子線蒸着装置を用い、上記制御電極
    にパルス電圧を印加し、該パルス電圧の周波数および振
    幅を蒸着材料毎に調節して蒸着を行なうことを特徴とす
    る薄膜の製造方法。 2、上記蒸着材料として蒸気圧の異なる材料を2種類以
    上準備し、該蒸着材料を上記蒸着源に別々に充填した後
    、上記蒸着材料を同時もしくは交互に蒸発せしめる特許
    請求の範囲第1項記載の薄膜の製造方法。 3、上記薄膜は、M_1−M_2−Cu−O系(M_1
    :Bi、Tl、Pb、Sb、In)、(M_2:Sr、
    Ba、Ca、K、Na、Sc)の群から選ばれた1種類
    以上の材料の組み合わせから成る酸化物超伝導薄膜、も
    しくはLn−Ba−Cu−O系(Ln:Y、La、Ho
    、Nd、Gd、Dy、Yb)の群から選ばれた1種類以
    上の材料の組み合わせから成る酸化物超伝導薄膜である
    特許請求の範囲第2項記載の薄膜の製造方法。 4、上記薄膜は、Co、Cr、Mo、Zr、Nb、Ni
    、Feより成る材料の組み合わせの群から選ばれた2種
    類以上の材料の組み合わせより成る磁性薄膜である特許
    請求の範囲第2項記載の薄膜の製造方法。 5、上記M_1、M_2の中から選ばれた1種類以上の
    材料とCuの金属あるいはこれらの酸化物、もしくは上
    記Ln、Ba、Cuの金属あるいは酸化物を酸化性雰囲
    気あるいは非酸化性雰囲気中で積層して積層膜を形成し
    、該積層膜を酸化性雰囲気で熱処理することを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項記載の薄膜の製造方法。 6、上記Cu膜の一層の膜厚は上記積層膜を構成する膜
    の中で最小であり、かつ該膜厚は0.1nm以上50n
    m以下である特許請求の範囲第5項記載の薄膜の製造方
    法。 7、蒸着源と、電子線を発生させる陰極と、上記電子線
    を加速する陽極と、上記電子線を偏向させる偏向コイル
    と、上記陰極と上記陽極の間に設置した制御電極の各々
    を2組以上備え、かつ上記制御電極にはパルス電圧を印
    加することを特徴とする電子線蒸着装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0718424A (ja) * 1993-07-05 1995-01-20 Nissin Electric Co Ltd 薄膜形成装置
JP2008503854A (ja) * 2004-06-17 2008-02-07 イーストマン コダック カンパニー 温度に敏感な材料の気化
WO2009080092A1 (en) * 2007-12-19 2009-07-02 Carlo Taliani Method for depositing metal oxide films
US7785671B2 (en) 2003-02-17 2010-08-31 Japan Fine Ceramics Center Thermal barrier coating system and method of manufacturing the same

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