JPH02154813A - 転がり軸受及びその使用方法 - Google Patents

転がり軸受及びその使用方法

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JPH02154813A
JPH02154813A JP30531688A JP30531688A JPH02154813A JP H02154813 A JPH02154813 A JP H02154813A JP 30531688 A JP30531688 A JP 30531688A JP 30531688 A JP30531688 A JP 30531688A JP H02154813 A JPH02154813 A JP H02154813A
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JP
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groove
recesses
rolling
bearing
ring
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JP30531688A
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Hisashi Kawamura
河村 久
Koichi Yatani
耕一 八谷
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、玉軸受1円すいころ軸受2円筒ころ軸受、自
動調心ころ軸受などのころがり軸受の改良に関し、運転
中の耐摩耗性、耐焼付性を向上させたものである。
〔従来の技術〕
近年、高度な技術分野では軸受の使用条件は橿めて苛酷
になりつつある。例えば油潤滑で高速回転中の軸受に対
して、数十秒間潤滑油の供給が中断されるといった条件
下でも、焼付等の損傷を生じない軸受が求められている
こうした、−時的に潤滑油の供給が遮断されるという条
件下での一般的な軸受の挙動は、次のように考えられる
一般に、高速回転軸受においては、転動体に作用する遠
心力により、外輪側の方が内輪側に比べて転動体に負荷
される荷重が大きい。
潤滑油が順調に連続的に供給されている通常の高速運転
状態であれば、転動体と軌道輪との間には油膜形成が十
分に行われていると考えてよい。
したがって外輪側と内輪側とで摩擦係数には大差がな(
、外輪側では転動体荷重が大きい分だけ摩擦力が内輪側
より大きくなる。そのため転動体は、外輪側では純転が
りに近い状態で回転する。
ところが、−時的に潤滑油の給油が遮断された場合、内
輪回転で使用されている軸受では内輪側において表面の
潤滑油が遠心力により振り飛ばされるため、内輪側の摩
擦係数が急激に増大する。
一方、外輪側では潤滑油はなお残存しており、内輪側程
の急激な摩擦係数の増大は生じない。
そのため、潤滑油の供給が遮断されたまま成る時間を経
過すると、内輪側の摩擦力が外輪側の摩擦力を上回るよ
うになる。すると今度は、転動体は内輪側で純転がりに
近い状態で回転すると共に、外輪側では微小滑りを伴っ
た状態で回転する。潤滑油の遮断によるこのような回転
状態の移行時に、大きなスキュー及びジャイロすべり等
を伴う場合には転動体の動きが不安定となり、同時に公
転及び自転すべりも伴うため、接触部で発熱する。
その発熱で転動体は温度が急上昇して、転動体表面の油
の粘着力が弱まる。その結果、外輪側から内輪側へ転動
体を介して行われていた潤滑油の補給が欠乏し、転動体
と内輪との間で油膜の破断が生じて焼付いてしまう。
このような、高速回転中の潤滑油遮断に伴い発生ずる転
動体の不安定な運動に起因する焼付きの現象は、軸受内
・外輪の軌道面あらさが0.01〜0.08μmRaで
ある通常の転がり軸受の場合に容易に発生する。これに
対して、上記の軌道面あらさを0.08μmRa以上に
あらくした場合は、上記転動体の不安定運動を規制でき
る程度に摩擦係数を大きくできるため、幾らか有利であ
るが、潤滑油遮断が繰り返されるうちにその微小凹凸が
つぶされる結果、軌道面あらさ0.08μmRa以下の
場合と同様に焼付きが発生する。かといって、軌道面あ
らさを極端にあらくした場合は、摩擦による発熱で容易
に焼付きが起こる。
これに対して、転がり軸受の内、外輪の軌道面や転動体
面に、潤滑剤中の添加剤成分と同一成分の化合物で予め
潤滑膜を形成しておくことにより、摩擦摩耗の低減を図
り、耐摩耗性を向上させることが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、予め内、外輪の軌道面と転動体との接触
部に潤滑膜を形成しても、潤滑剤の供給が停止され、潤
滑油膜が切れて金属接触する部分が増加している境界潤
滑の状態では、その潤滑膜が損傷を受けても潤滑剤中の
添加剤による補充ができないため、十分な潤滑が確保さ
れないという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、転がり軸受の軌道輪、
転動体、保持器等の接触部の表面に所定の溝状凹部と平
滑面とを形成すると共に、更にその接触部に予め潤滑膜
を形成することにより、運転中に潤滑剤の供給が中断さ
れるような過酷な使用条件下においても、長期間にわた
って焼付きを防止できる転がり軸受とその使用方法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明の転がり軸受は、
外輪、内輪の各軌道面および転動体の表面のうち少なく
ともその一つが、多数の溝状凹部と、該溝状凹部で仕切
られた平滑面とで形成されており、前記溝状凹部は、軌
道輪の円周方向に対して角度をもち、凹部同士で互いに
交差するように形成され、かつ、前記溝状凹部と前記平
滑面とが、厚さ0.05〜0.5μmの化合物反応膜の
表面層を有することを特徴とする。
上記転がり軸受の保持器の軌道輪案内面および保持器の
転動体ポケット面のうち少なくともその一方に、多数の
溝状凹部と、該溝状凹部で仕切られた平滑面とを形成し
、前記溝状凹部は、軌道輪の円周方向に対して角度をも
ち、凹部同士で互いに交差するように形成され、かつ、
前記溝状凹部と前記平滑面とが、厚さ0.05〜0.5
μmの化合物反応膜の表面層を有するようにすることが
できる。
又、前記転がり軸受の外輪、内輪、転動体のうち少なく
とも転動体を、セラミ゛ツク材で形成することができる
又、前記溝状凹部と前記平滑面とは、超仕上げ加工によ
り形成することができる。
本発明の転がり軸受の使用方法としては、外輪、内輪の
各軌道面および転動体の表面のうち少なくともその一つ
が、多数の溝状凹部と、該溝状凹部で仕切られた平滑面
とで形成されており、前記溝状凹部は、軌道輪の円周方
向に対して角度をもち、凹部同士で互いに交差するよう
に形成され、かつ、前記溝状凹部と前記平滑面とが厚さ
0.05〜0.5μmの化合物反応膜の表面層を有する
転がり軸受を、前記化合物反応膜層と同種の成分の添加
剤を含む潤滑剤と共に使用する使用方法がある。
又、外輪、内輪の各軌道面および転動体の表面のうち少
な(ともその一つと、保持器の軌道輪案内面および保持
器の転動体ポケット面のうち少なくともその一方とが、
多数の溝状凹部と、該溝状凹部で仕切られた平滑面とで
形成されており、前記溝状凹部は、軌道輪の円周方向に
対して角度をもち、凹部同士で互いに交差するように形
成され、かつ、前記溝状凹部と前記平滑面とが厚さ0.
05〜0.5μmの化合物反応膜の表面層を有する転が
り軸受を、前記化合物反応膜層と同種の成分の添加剤を
含む潤滑剤と共に使用する使用方法がある。
本発明の溝状凹部は、その深さが0.0005a+m以
上、0.008ma+以下が好適である。これに対し本
発明の平滑面はあらさが0.08μmRa以下であるこ
とが好ましい。
本発明の化合物反応膜層としては、塩素、イオウ、リン
等を含む化合物がある。例えば塩素化合物としては塩素
化パラフィン類、塩素化油脂類等であり、イオウ化合物
としては硫化油脂類1例えば硫化ブチレン等の硫化オレ
フィン類1例えばn−プチルメルカブタン等のメルカプ
タン類1例えばジブチルモノサルファイド等のサルファ
イド類、例えばジブチルスルホキシド等のスルホキシド
類。
例えばジブチルスルホン等のスルホン類などがある。
リン化合物としては例えばトリフェニルフォスファイト
等の亜リン酸エステル類やトリクレジルフォスフェート
等の正リン酸エステル類、或いは2−エチルへキシルア
ラシドフォスフェート等の酸性リン酸エステル類がある
又、有機金属化合物としては、例えばZnジメチルジチ
オフォスフェート等の金属ジヒドロカルビルジチオフォ
スフェ−1例えばZnジメチルジチオカーバメート等の
金属ジヒドロカルビルジチオカーバメート例えばナフテ
ン酸鉛等のナフテン酸塩類などがある。
これらの化合物で転がり軸受の金属面を表面処理するこ
とにより、例えばリン化合物であれば、軸受金属の鉄と
反応してリン化鉄を生成するなどして化合物反応膜層が
形成される。
本発明にあっては、上記化合物反応膜層の厚さは、0.
05〜0.5μmに制御されている。この範囲より薄く
ても、又厚くても、潤滑油の供給が中断されるというよ
うな過酷な条件下での耐焼付性能の著しい改善は実現さ
れない。
本発明の転がり軸受の使用に際しては、軸受表面に予め
形成した上記化合物反応膜層と同種の反応膜を形成させ
る添加剤(例えば、化合物反応膜層がリン酸鉄の場合に
は、トリクレジルホスフェートの如きリン酸エステル系
の極圧添加剤、摩耗防止剤等)を含む潤滑剤を供給しつ
つ運転すると、最も良い効果が得られる。
〔作用〕 上記のように構成された転がり軸受にあっては、潤滑油
の供給が行われている状態において、例えば内輪回転の
軸受の転動体は外輪側で純転がりに近い状態にあり、溝
状凹部で仕切られた平滑面に形成される油膜の圧力で負
荷を支える。
一方、潤滑油の供給遮断時は、外輪の軌道面の摩擦係数
が大きくなるように形成した深い溝状凹部で、外輪側の
平滑面における上記油膜の圧力形成が阻止され、溝状凹
部のエツジと転動体面との間の僅かな金属接触により、
外輪側に適当な大きさの摩擦係数が得られる。そのため
、先に述べたような外輪側から内輪側への急激な摩擦力
の変動に基づく転動体の不安定なすべり運動が制御され
る。
この場合、溝状凹部は副次的に油溜りの機能も果たすか
ら、平滑面での金属凝着は生じない。その結果、短時間
の給油中断を繰り返す使用状態においても軸受の焼付き
は防止される。
上記溝状凹部の主機能は、摩擦力で転動体の運動を制御
することにあり、油の保持は副次的なものであるから、
運転中に溝状凹部が消滅してしまってはならない。その
意味で溝状凹部の深さを定めることが好ましい。すなわ
ち溝深さがo、 o o 。
5mmより浅いと、油遮断を繰り返すうちに平滑面との
エツジ部分の塑性変形分が溝状凹部に侵入し、凹部は埋
められて消滅し、滑らかな平滑面のみが残る。その後は
、通常の転がり軸受と同様に内・外輪の軌道面の摩擦係
数が小さくなり、給油遮断時に転動体の不安定運動が規
制できなくなって、すべりの増大による発熱の結果焼付
きが起こり易くなる。
一方、0.008+mnより深いと、給油状態において
負荷を支えるべき平滑面で油圧を発生させる能力が極端
に低下する。そのため正常な給油状態での回転中に、軌
道輪の軌道面と転動体との間で金属接触を引き起こし、
軸受寿命が低下する傾向がある。
又、溝状凹部を除いた平滑面のあらさが0.08μmR
a相当以上にあらい場合は、発熱と摩耗が著しくなる傾
向がある。
上記溝状凹部同士は、互いに交差させることにより、給
油遮断時の接触楕円内の各方向のすべり摩擦係数をおお
むね均一化でき、不安定な転動体の運動の抑制に、より
有効に作用する。
本発明の化合物反応膜層は、転がり軸受運転中に、潤滑
剤の供給が一時的に中断されたとき、極めて有効に作用
する。すなわち、転がり軸受の軌道輪と転動体との転が
り接触面や、保持器と軌道輪および転動体とのすべり接
触面ば、潤滑膜が破断されても、予め上記接触面に形成
しておいた化合物反応膜層および潤滑剤中の添加剤から
補給的に生成される同種の潤滑膜により、ある期間損傷
することなく運転される。
この作用の詳細を説明すると、上記の転がり接触面やす
べり接触面に設けた互いに交差する溝状凹部には、潤滑
剤の供給が中断された直後も潤滑剤が溜まっている。そ
の潤滑剤は、軸受の回転運動によるポンプ作用と、転が
り接触やすべり接触する二面間の接近・離反により生じ
る吸引力とにより、溝状凹部から汲み出されて二面の接
触部に自動的に供給される。このとき、二面の接触部は
高温・高面圧の反応性の高い状態にあるから、そこに供
給された潤滑剤中に含まれた添加剤成分が軸受金属と容
易に反応する。その結果、接触面には、予め形成した化
合物反応膜層と同様の反応膜が新たに形成される。かく
して、たとえ潤滑剤の外部からの供給が中断されるよう
な過酷条件でも、潤滑膜が順次連続的に形成されること
となり、長時間にわたり良好な潤滑状態を維持すること
が可能である。
又、これと関連して、軌道輪、転動体のうち、少なくと
も転動体をセラミックにすることにより、潤滑剤の外部
からの供給が中断される条件での潤滑膜の連続的形成を
一層効果的に促進させることができる。その理由は次の
通りである。
セラミック材の弾性率が金属のそれより高いから、転が
り接触部の面圧が高くなる。しかも、セラミックと金属
は高面圧になっても金属同士に比べて焼付きにくい、そ
れゆえ、セラミックと金属との転がり接触部における有
機化合物等の反応性は、接触部が金属同士の場合に比べ
て向上する。
したがって、化合物の反応性がより高められた状態の転
がり接触部に、潤滑剤中の添加剤に含まれる有機化合物
が供給されることとなり、その有機化合物の反応膜の形
成が促進されて、潤滑状態が一層向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。第1
図は内径150■の単列玉軸受の部分断面を示すもので
、1は外輪、2は転動体(玉)、3は分割形の内輪、4
は保持器である。
外輪lの軌道面1aには、第2図に示すように深さ0.
005mm〜0.008 mmの範囲の、多数の溝状凹
部5と、その溝状凹部5で仕切られた平滑面6とが形成
されていると共に、厚さ約0.3μmの化合物反応膜か
らなる表面層7が、第3図に示すように形成されている
。溝状凹部5の数はヘルツの接触楕円内で間隔1mm当
たり10〜40本とした場合が特に効果的であった。
上記の溝状凹部5と平滑面6とは、超仕上げ加工で形成
されている。
但し通常の超仕上げ加工では、前記の深いあらさの溝状
凹部5を加工することは困難である。
そこで本実施例においては、深いあらさの溝状凹部5と
、これに仕切られた平滑面6とを以下に述べる多段超仕
上加工法で形成した。
すなわち、先ず平均粒径20〜40μmの粗粒砥石を使
用して、軌道輪と砥石との相対回転運動、軸方向相対運
動を制御しつつ、軌道輪1の軌道面1aに先ず深い溝状
凹部を形成した。
次いで、平均粒径O〜8μmの仕上加工用微粒砥石を使
用し、第一工程で得た深い溝状凹部で仕切られた平滑面
のあらさを、溝状凹部を除き0.08μmRa以下とな
るように形成した。
かくして、溝状凹部5は、外輪lの円周方向に対して角
度αをもち、かつ互いに交差させて形成され、したがっ
て平滑面6は個々に独立して形成されている。なお角度
αは、特に限定する・ものではないが、実験の結果lO
°〜20°の範囲が有効であった。
表面N7は、上記のようにして形成された溝状凹部5の
内部表面と平滑面6の表面を全面的に覆って形成されて
いる。この実施例の表面層7は、酸性リン酸エステルで
あるトリデシルアラシドフォスフェートを用い、温度4
0°Cで4時間反応させて形成したものである。
更に外輪のみでなく、第4図のように内輪3の軌道面3
aにも溝状凹部5と平滑面6、および表面層7を同様に
形成するようにしてもよい。
又第5図は、溝状凹部5と平滑面6、および表面層7を
、保持器4の軌道輪案内面4aと転動体ポケット面4b
とに形成した場合を示しており、このとき保持器表面に
は従来同様に銀めっきを施しておいてもよい。
以下に、この実施例による玉軸受と従来型の玉軸受との
比較試験例を述べる。
被試験体の玉軸受を、添加剤としてリン酸エステルを含
む潤滑油を潤滑剤の一つとして使用して試験機にかけ、
高速回転中に、前記潤滑油の供給を−時的に停止する試
験を行ったもので、給油停止時間と外輪温度の上昇との
関係をみた。
第6図はその結果を表したもので、図中(イ)は外輪軌
道面あらさ0.02μmRaの従来品、(ロ)は本実施
例のものである。
従来品(イ)は、給油停止後20秒を越えたときに、急
激に温度が上昇して焼付きが発生した。
これに対しく口)のものは、滑りによる発熱は最小に押
さえられ、滑らかな温度上昇を示し、給油遮断時間が3
0秒を越えても焼付きは認められなかった。更に、同様
に給油停止を10回繰り返した後も、何ら異常は認めら
れなかった。
上記試験後に、本実施例のもの(ロ)を観察したところ
、第7図に示すように、表面層7を予め形成しておいた
平滑面6に、新たな潤滑膜7aの生成が確認された。
又、外輪軌道面に溝状凹部5と平滑面6の加工または表
面層7の形成加工のいずれか一方のみを施した玉軸受を
被試験体として、上記と同様の潤滑油の供給を一時的に
停止する試験を行った。
その結果、いずれの玉軸受も、給油停止後30秒を越え
ても焼付きは認められなかった。しかし、溝状凹部5と
平滑面6の加工のみの玉軸受の方は、本実施例のものと
比較すると摩擦が大きく、外輪の温度上昇も高くなった
一方、表面層7の形成加工のみ行った玉軸受の方は、供
給停止試験を繰り返すうちに、外輪の温度上昇が本実施
例のものと比較すると高くなった。
又、溝状凹部5と平滑面6の加工のみの玉軸受と、表面
層7の形成加工のみ行った玉軸受とのいずれも、試験後
の軌道面にばあらさの増加や軽度の摩耗が見られた。
別に、内輪、外輪の材質を軸受鋼として、その軌道面に
溝状凹部5と平滑面6及び表面N7を形成し、転動体で
ある玉をセラミック材で形成して、その玉表面に表面層
7のみ形成した玉軸受を用いて、同様の潤滑油供給停止
試験を実施した。その結果は、焼付きは認められず、軌
道面には第7図のような新たな潤滑膜7aの生成が確認
された。
なお、本発明にあっては、上記実施例に限られるもので
はなく、溝状凹部と平滑面を外輪、内輪の軌道面および
転動体表面のうち少なくとも一つの面に形成し、これに
対して化合物反応膜からなる表面層を上記3種の面のう
ちのどれかに、溝状凹部に有無に関わらず形成するよう
にしてもよい。
又、上記実施例は玉軸受の場合について説明したが、そ
の他の転がり軸受である円すいころ軸受。
円筒ころ軸受、自動調心ころ軸受などにも同様に適用す
ることができる。
また、上記溝状凹部5及び平滑面6は、軌道面のみでな
く転動体の表面にも形成することが可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、軸受の外輪、内輪の軌道面および転動
体の表面の少なくとも一つに、所定の溝状凹部と平滑面
と表面層とを形成したため、高速回転中に潤滑剤の供給
が成る程度の時間中断される状態が繰り返されるような
使用条件においても、軸受内の転がり接触部やすべり接
触部に良好な潤滑膜が形成され、焼付きを防止して長寿
命が達成されるという効果が得られる。
また、溝状凹部を軌道輪の円周方向に対し角度をつけて
互いに交差させたため、溝状凹部に溜まっていた潤滑剤
を効率よく軌道面の平滑面に補給して、潤滑膜層を反応
生成させて補充することが可能であり、耐焼付性をより
長く維持できる効果が得られる。
また、軸受の外輪、内輪の軌道面および転動体の表面の
少なくとも一つに、所定の溝状凹部と平滑面と表面層と
を形成すると共に、軌道輪、転動体のうち少なくとも転
動体をセラミック材で形成すると、セラミックと金属又
はセラミック同士という接触面が形成され、金属同士の
接触面に比べて面圧が高くなり反応性が向上することか
ら、潤滑膜の生成・補充がより効率よく行われて、耐焼
付性が一層向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である玉軸受の要部の縦断面
図、第2図はその外輪軌道面の一例の模式図、第3図は
その外輪軌道面の部分拡大断面図、第4図は第1図の玉
軸受の内輪の模式図、第5図は第1図の玉軸受の保持器
の部分斜視図、第6図は従来品と第1図のものとの比較
試験における給油停止時間と外輪の温度上昇との相関グ
ラフ、第7図は上記試験後における第2図に示すものの
軌道面の状態を示した部分拡大斜視図である。 図中、lは外輪、1aは軌道面、2は玉(転動体)、3
は内輪、5は溝状凹部、6は平滑面、7は表面層である

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)外輪、内輪の各軌道面および転動体の表面のうち
    少なくともその一つが、多数の溝状凹部と、該溝状凹部
    で仕切られた平滑面とで形成されており、前記溝状凹部
    は、軌道輪の円周方向に対して角度をもち、凹部同士で
    互いに交差するように形成され、かつ、前記外輪、内輪
    の各軌道面および転動体の表面のうち少なくともその一
    つが、厚さ0.05〜0.5μmの化合物反応膜の表面
    層を有することを特徴とする転がり軸受。
  2. (2)転がり軸受の保持器の軌道輪案内面および保持器
    の転動体ポケット面のうち少なくともその一方が、多数
    の溝状凹部と、該溝状凹部で仕切られた平滑面とで形成
    されており、前記溝状凹部は、軌道輪の円周方向に対し
    て角度をもち、凹部同士で互いに交差するように形成さ
    れ、かつ、前記保持器の軌道輪案内面および保持器の転
    動体ポケット面のうち少なくともその一方が厚さ0.0
    5〜0.5μmの化合物反応膜の表面層を有することを
    特徴とする請求項(1)記載の転がり軸受。
  3. (3)転がり軸受の外輪、内輪、転動体のうち少なくと
    も転動体がセラミック材からなる請求項(1)又は(2
    )記載の転がり軸受。
  4. (4)溝状凹部と平滑面とは、超仕上げ加工されている
    請求項(1)、(2)、(3)又は(4)記載の転がり
    軸受。
  5. (5)外輪、内輪の各軌道面および転動体の表面のうち
    少なくともその一つが、多数の溝状凹部と、該溝状凹部
    で仕切られた平滑面とで形成されており、前記溝状凹部
    は、軌道輪の円周方向に対して角度をもち、凹部同士で
    互いに交差するように形成され、かつ、前記外輪、内輪
    の各軌道面および転動体の表面のうち少なくともその一
    つが厚さ0.05〜0.5μmの化合物反応膜の表面層
    を有する転がり軸受を、前記化合物反応膜層と同種の成
    分の添加剤を含む潤滑剤と共に使用することを特徴とす
    る転がり軸受の使用方法。
  6. (6)外輪、内輪の各軌道面および転動体の表面のうち
    少なくともその一つと、保持器の軌道輪案内面および保
    持器の転動体ポケット面のうち少なくともその一方とが
    、多数の溝状凹部と、該溝状凹部で仕切られた平滑面と
    で形成されており、前記溝状凹部は、軌道輪の円周方向
    に対して角度をもち、凹部同士で互いに交差するように
    形成され、かつ、前記外輪、内輪の各軌道面および転動
    体の表面のうち少なくともその一つと、保持器の軌道輪
    案内面および保持器の転動体ポケット面のうち少なくと
    もその一方とが厚さ0.05〜0.5μmの化合物反応
    膜の表面層を有する転がり軸受を、前記化合物反応膜層
    と同種の成分の添加剤を含む潤滑剤と共に使用すること
    を特徴とする転がり軸受の使用方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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