JPH0215354B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、少なくとも１つの軸に沿つて移動可
能なリング状の下刃によつて、紙、シート、織物
などの帯状を縦方向で切断するさいに、帯材を巻
掛けた状態で切断するための刃、特に下刃の位置
を変える装置に関する。

従来の技術 紙、織物、シート、金属製帯材を縦方向で切断
するさいには、これら帯材を真直ぐにした状態で
切断するばあいと、帯材を巻掛けた状態で切断す
るばあいとがある。真直ぐにした切断の場合に
は、個々の条片に切断しようとする帯材は、少な
くとも１つの上刃と少なくとも１つの下刃との間
をほぼ接線方向で通過され、従つてこのような切
断形式では、１つの帯材から少なくとも２つの条
片が生ぜしめられる。しかし、比較的幅広い帯材
を多数の比較的狭い条片に切断するために、唯１
つの刃対だけでなく、複数の刃対を互いに協働さ
せることもできる。

切断された条片を最終的に加工する業者側から
は、しばしば種々の幅の条片が所望され、それ故
に、たとえば比較的幅広い帯材を、たとえば比較
的幅広い条片を製造する一方の製造過程と、比較
的幅狭い条片を製造する他方の製造過程とで切断
することが要求される。たとえばこれらの条片
を、簡単かつ楽な形式でそれぞれの最終加工業者
に送ることができるために、通常は、切断された
条片はローラに巻掛けられる。

最終加工業者のその都度変化する要求は、比較
的幅広い帯材を個々の条片に切断するために、使
用され得る装置を相応に変えなければならないと
いうことを意味する。このような過程は、一般的
に「位置決め」を示す。

帯材を真直ぐにして切断するばあいには、帯材
は上刃又は下刃のどちらか一方に押付けられて、
その運動を阻止するので、下刃と上刃とを位置決
めすることは比較的簡単である。これに対して帯
材を巻掛けて切断するばあいには、帯材が加工の
目的のために必然的に生ぜしめられる張力に基づ
いて下刃を押付けるので、帯材を巻掛けられた下
刃を移動させることは極めて困難である。このこ
とによつて下刃はその運動を阻止され、それ故に
このばあいには、この下刃の位置を変化させよう
とするさいには、下刃は少ししか移動できないと
いうことを配慮する必要がある。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第1802305号明
細書により公知の装置は、刃のスライダの互いに
移動可能な部材の間に圧縮空気が押込まれる。し
かしこのような装置は、重い高価なスライダを前
提としており、さらにこのスライダはそれぞれの
下刃のための高価な固有の駆動装置を必要とす
る。

ヨーロツパ出願第96026号明細書（WO83／
02083）による装置は、ボスによつて広げること
を目的としている。しかしこの目的は、本発明に
よつて得ようとするものではない。つまり本発明
においては、刃ボスを拡げることは考えていな
い。このことはフランス国特許出願2340170号明
細書に関しても同じである。

発明の課題 本発明の課題は、とりわけ下刃が少なくとも部
分的に、切断しようとする帯材によつて巻掛けら
れるばあいのために、下刃を移動させるためので
きる限り簡単かつ軽い装置を提供することであ
る。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決するために講じた手段は、下
刃を支持する軸内に、１つの下刃毎に少なくとも
１つの半径方向孔が一体成形されており、該半径
方向孔の出口は、軸の長手方向で前記下刃がわず
かに移動するさいにも該下刃によつて常に被われ
ているような、軸の軸方向範囲に配置されてお
り、さらに半径方向孔の出口が、軸の停止時に軸
の上方半部内に位置決めされており、さらに前記
位置決めをするために軸と係合される位置決め装
置と、圧力媒体を半径方向孔内に導入するための
供給部材とが設けられていることにある。

発明の効果 本発明によつて、簡単な形式で軸に沿つて軸方
向で移動されることができるだけ下刃を、これを
支持する軸に対して相対的に半径方向で、しかも
製造によつて生じる遊び内で持ち上げることがで
きる。このことによつて、比較的重い下刃、とり
わけ切断ブツシユも軽く一方の位置から他方の位
置に移動させることができる。さらに、本発明の
装置全体を、簡単かつ迅速な形式で一方の製造形
式から他方の製造形式に、すなわち切断される条
片の幅を別の幅に変えることができる。

実施例 第１図による装置のばあい、複数の条片１に短
冊状に切断しようとする帯材２は刃対を通つて走
行する。それぞれの刃対は、１つの上刃３と、少
なくとも１つの下刃４とから成つている。単数又
は複数の上刃は軸５に固定されており、単数又は
複数の下刃４は軸６に固定されている。また、下
刃は保持部材に埋込まれて形成されることもで
き、従つて保持部材が軸に固定されていてもよ
い。それぞれの軸５又は６は、相応して構成され
た機械フレームに回転可能に支承されており、さ
らに駆動させることができる。刃の所定の位置の
変化させるために、すなわち切断しようとする条
片１の幅を変化させるために、上刃３は軸５に沿
つて、要するに第１図において図平面に対して垂
直に移動せしめられ、かつ下刃４は軸６に沿つ
て、条片の要求される幅に応じて移動せしめられ
る。このような移動は、下刃毎に複数の切断個所
が設けられているばあいには特に、比較的わずか
である。たとえば下刃は、所謂切断ブツシユの形
で構成されており、このばあいそれぞれの切断ブ
ツシユは複数の切断エツジを有している。それぞ
れのこれらの切断エツジと上刃が選択的に協動す
ることができ、従つて大きさを変えるばあいには
しばしば、上刃を比較的長い距離で軸方向に移動
させる必要があり、これに対して下刃は、上刃
が、所謂切断みぞの、前に協働していたとは別の
切断エツジと協働することが可能になるように極
めて短い距離だけ移動させる必要がある。

第２図から判るように、帯材２及びそれから切
断された条片１は単数又は複数の下刃４に部分的
に巻掛けられている。このような形式で、切断し
ようとする帯材は、切断過程中に、第１図による
帯材を真直ぐにさせて切断するばあいにより有利
に保持される。第２図のように巻掛けて切断する
ばあいに、下刃４を軸６の軸方向で移動しなけれ
ばならないと、切断しようとする帯材２及びそれ
らから切断された条片１は、これに与えられる機
械的な張力に基づいて単数又は複数の下刃４を押
付け、この下刃の重量は、それが切断プツシユと
して構成されているばあいには特に、単数又は複
数の下刃を支持する軸に対して無視できない程大
きくなり、このことによつて下刃の軸６に沿つた
軸方向での移動を阻止する。

第３図から判るように、それぞれの軸６には複
数の下刃４ａ，４ｂ，４ｃを互いに並んで配置さ
せることができる。さらに軸６には少なくとも１
つの軸方向の孔が一体成形されている。孔の一方
の端部には球弁８が設けられており、かつ孔の他
端部はねじ９によつて閉鎖されている。孔７には
半径方向孔１０，１１，１２が開口しており、こ
れらの半径方向孔の外側端部が出口を形成してお
り、該出口から、球弁８を介して吸込まれた圧縮
空気が流出することができる。これらの出口は符
号１３，１４，１５で示されている。出口１３，
１４，１５は、第３図においてはそれぞれの下刃
のほぼ中央に配置されており、従つてそれぞれの
所属の下刃を軸６の軸方向である程度の限度内で
移動させるようにするばあいにも、それぞれの出
口はそれぞれの下刃によつて常に被われている。
言い換えれば、それぞれの下刃は軸６に対して相
対的に、これらの下刃がそれぞれの出口を丁度ま
だ被つているだけ移動させることができる。

半径方向孔１０，１１，１２は、軸の断面図に
おいて軸が停止する状態でこれらの半径方向孔が
この軸の上方半部１６内に位置するように軸６に
一体成形されている。このことを簡単にするため
に位置決め装置が設けられており、この位置決め
装置によつて、極めて簡単な形式で軸６を下刃４
のそれぞれの位置の直前で、半径方向孔１０，１
１，１２が上方半部１６内に位置するように停止
させることができる。

位置決め装置はたとえば、軸６の相対する凹所
又はみぞ１８内に係合することのできる爪１７か
ら成つている。たとえば、爪１７は圧縮ばね１９
によつてみぞ１８内に係止される。カム２０によ
つて、爪１７は凹所又はみぞ１８から外れること
ができる。このばあい、カム２０は軸２１に、こ
れと一緒に回転できるように支承されることがで
き、かつ軸２１はレバー２２によつて回転せしめ
られる。制御装置２３は、爪１７が軸６の回転を
停止するばあいのために、機械の始動を阻止す
る。

みぞ１８は、有利には軸６の一方端部に形成さ
れており、従つて軸６の大部分は、軸に下刃を位
置決めするために解放されたままである。

軸６の位置決めを機械的に可能にする他に、こ
のような軸に回転角度発生器を備えて、このこと
により軸６を、この軸６に作用してスイツチオ
ン・オフされるブレーキと協働して電気的な形式
で、半径方向孔１０，１１，１２の出口１３，１
４，１５がほぼ上方に向くように、要するに軸６
の上方半部内に配置されるように停止することも
考えられる。このような形式により、たとえば圧
縮空気のような圧力媒体を導入することによつて
下刃を軸６に対してわずかな寸法だけ上方へ持ち
上げ、かつ圧力媒体のクツシヨンを形成すること
ができ、このクツシヨン上でそれぞれの下刃を浮
動式に手によつて移動させることができる。

さらにこのような形式にすれば、すでに固有の
重量により操作員の手によつてはもはや、軸６に
対して相対的に移動させることができないような
重い切断ブツシユも簡単に移動させることができ
る。

このばあい刃又は切断ブツシユは、それぞれの
刃のみがこの刃に配属されたそれぞれの半径方向
孔を被う限りでは、軸６に沿つてわずかな距離で
も、長い距離でも移動させることができる。それ
ぞれの半径方向孔から流出する圧力媒体、たとえ
ば圧縮空気によつて、それぞれの刃又は切断ブツ
シユはわずかな寸法だけ軸に対して持上げられ、
軸と刃との間に導入された圧力媒体によつて薄い
クツシヨンが形成される。このために、刃、切断
ブツシユ又は刃保持部材の内部に、圧力媒体を受
容するための特別な室を形成する必要はない。た
とえば、刃、切断ブツシユ又は刃保持部材を、関
与する機械部分の機械的な製造によつてすでに与
えられるような遊び内で持上げることもできる。

このばあいも同時に、規定の切断過程の際には
それぞれの上刃を、それぞれの下刃又はそれぞれ
の切断ブツシユの一方のエツジと協働させ、かつ
別の切断過程の際にはそれぞれの上刃を他方のエ
ツジと協働させることができる。このことによ
り、切断ブツシユの耐用寿命が高められると共
に、それぞれの切断ブツシユを上刃に対して相対
的に同時に移動させる際に、連続紙から切断しよ
うとする素材の種々の幅の条片を製造することが
簡単になる。このような形式により、本発明の装
置は、切断しようとする帯材、かつばあいによつ
ては巻掛けられた帯材の大きさから別の大きさへ
換えるばあいに使用できる。

さらに、ばあいによつては刃の軸と刃保持部材
との間に集められた切断ダストは、圧力媒体によ
つて、とりわけ圧縮空気を使用して装置から吹き
出すことができる。

それぞれの下刃又は軸６と接触する刃保持部材
が、たとえば下刃４ａ又は４ｃのように比較的幅
広く構成されているか、又は比較的幅狭く構成さ
れているかはそれほど重要ではない。移動しよう
とするそれぞれの下刃にそれぞれ１つの別個の圧
力媒体導管を配属させることもでき、従つて圧力
媒体導管を配属された下刃又は刃保持部材のみを
軸６に対して相対的に軸方向で移動させることが
でき、これに対して軸６に存在する別の下刃は所
定の位置に維持されたままである。

【図面の簡単な説明】

第１図は帯材を真直ぐにして切断するばあいを
示す原理図、第２図は帯材を巻掛けて切断するば
あいを示す原理図、第３図は下刃を支持する軸の
縦断面図、第４図は下刃を支持する軸のための位
置決め装置を示す概略的側面図、第５図は第４図
による装置の平面図である。 １……条片、２……帯材、３……上刃、４，４
ａ，４ｂ，４ｃ……下刃、５，６……軸、７……
孔、８……球弁、９……ねじ、１０，１１，１２
……半径方向孔、１３，１４，１５……出口、１
６……上方半部、１７……爪、１８……みぞ、１
９……圧縮ばね、２０……カム、２１……軸、２
２……レバー、２３……制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも１つの軸に沿つて移動可能なリン
   グ状の下刃によつて、紙、シート、織物などの帯
   状を縦方向で切断するさいに、帯材を巻掛けた状
   態で切断するための刃の位置を変える装置におい
   て、下刃４，４ａ，４ｂ，４ｃを支持する軸６内
   に、１つの下刃４，４ａ，４ｂ，４ｃ毎に少なく
   とも１つの半径方向孔１０，１１，１２が一体成
   形されており、該半径方向孔の出口１３，１４，
   １５は、軸６の長手方向で前記下刃４，４ａ，４
   ｂ，４ｃがわずかに移動するさいにも該下刃４，
   ４ａ，４ｂ，４ｃによつて常に被われているよう
   な、軸６の軸方向範囲内に配置されており、さら
   に半径方向孔の出口１３，１４，１５が、軸６の
   停止時に軸６の上方半部１６内に位置決めされて
   おり、さらに前記位置決めを可能にするために軸
   ６と係合される位置決め装置と、及び圧力媒体を
   半径方向孔１０，１１，１２内に導入するための
   供給部材８とが設けられていることを特徴とす
   る、刃の位置を変える装置。