JPH0215140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （関連産業分野） 本考案は、乾式無段変速機の変速操作軸が変速
後に回転するのを防止する装置に関するものであ
る。

（従来技術及びその問題点） 第１図は本考案が実施される乾式無段変速機で
これはモータ軸６ａ上にコーン状の回転円板１を
取付け、この回転円板１に樹脂、又はカーボン等
のリング状の摩擦板２をフエースカム３及びバネ
４で押付け、この回転円板１と摩擦板２との間の
摩擦力により、動力を伝達するものである。

この種の変速機では出力軸５の回転速度は、回
転円板１と摩擦板２との接触半径を無段階に変え
ることにより、所定の回転速度を得るものである
が、この回転円板１と摩擦板２との接触半径を変
える為には回転円板１と一体化したモータ部６を
モータ部６にねじ７で固着されたブロツク８と螺
合している変速操作軸９をハンドル１０を回すこ
とにより回転円板１をケース１１内で上下方向に
摺動させるようになつている。

このようにして無段変速機の変速操作軸９を回
して回転円板１の位置を調節し、所定変速比を得
た場合、そのときのハンドル位置を固定しておか
ないと振動等により回転して回転速度が変化す
る。この回転を防止する構造として次のようなも
のがしられている。

１ 第３図の構造 第３図は従来型乾式無段変速機の摺動部で固定
する例で、無段変速機のケース１１の上下壁間に
左右２本のスライド棒１２が固定されている。ス
ライド１３はモータ部６と一体に設けられてい
て、スライド棒１２に沿つて上下に摺動する。こ
の摺動は前述したと同様に変速操作軸９及びハン
ドル１０によつて操作され、無段変速機の回転速
度を変える。

この場合の変速操作軸９の回転防止は、ケース
１１の側面にねじ孔をあけ、ここに蝶ねじ１４を
螺込んで、スライド１３をケース１１に固定する
ことによつて行つている。

ところが、この方法ではモータ部６、スライド
部１３の摺動部全体をケース１１に対して固定す
る必要があるので、相当な負荷を受けるから蝶ね
じ１４が相当大きなものを必要とする不具合を免
れない。

２ 第４図の構造 第４図は、従来型乾式無段変速機の変速操作軸
部で固定する例で、この場合は変速操作軸カバー
１５にねじ孔を明け、このねじ孔にセツトビス１
６を螺込んで、変速操作軸９を固定するようにな
つている。

しかし、この構造では、セツトビス１６による
為、ネジ締付け時にＬ形レンチ或いはドライバー
等の工具を必要とする。又セツトビス１６は小さ
い為、つい見落しビス締付けを忘れることがあ
り、つい回転止めをしないままに放置し、操作軸
が振動等により自然に回転する場合がある。

（考案の目的） この考案は前述した如き従来技術の問題点に鑑
み、手動操作をし易く、しかも簡単な構造の変速
操作軸の振動等による回転を防止する装置を提供
することを目的とする。

（問題点の解決手段） 回転円板と摩擦板よりなる動力伝達部を有し、
回転速度の変速はモーター部と一体に回転円板を
摩擦板に対し摺動させて行う乾式無段変速機の変
速部をカバーするケースの頂面に、Ｌ型の変速操
作軸カバーを固着し、その立上り部に変速操作軸
と直交するねじ孔を設け、該ねじ孔に手動操作可
能な止めボルトを螺じ込み、回転操作軸を固定す
るようにしたことを特徴とする。

（実施例） 第２図に示した実施例に基いて説明する。な
お、本実施例の説明は、前記した従来例と同一の
構成については割愛し、相違点についてのみ説明
する。１７は変速操作軸カバーで、中央部に変速
操作軸９を貫挿する孔が設けられており、ケース
１１とハンドル１０との間にあつてボルト１８で
ケース１１の頂面に固着されている。この変速操
作軸カバー１７は断面Ｌ型をなし、ケース１１の
反対側に伸びる立上り部１９がハンドル１０の側
部に位置し、その外面はケース１１の外面と面一
にとりつけられている。２０は蝶ねじ等の止めボ
ルトで、上記立上り部１９に設けたねじ孔２１に
外側から素手で螺合し、止めボルト２０の先端を
ハンドル１０の側面に圧着してハンドル１０を固
定できるようになつている。

（作用） 無段変速機をハンドル１０により所定の回転速
度に設定したならば、止めボルト２０を締付け、
変速操作軸９を変速操作軸カバー１７を介してケ
ース１１に固定し、ハンドル１０が運転中に振動
等により自然に回転し変速比が変わるのを防止す
る。

（効果） ケース上にＬ型の変速操作軸カバーを固着し、
しかもその立上り部をハンドルの側部に位置させ
て固着し、この立上り部に手動操作可能な止めボ
ルトを螺合するようにしたので、止めボルトを
回すための工具を用いることなく簡単に固定する
ことができる。目に付き易い位置にあるので、
見落しによる固定忘れがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が実施された乾式無段変速機の
断面図。第２図は第１図の矢視部詳細図。第３
図は公知の変速操作部の固定構造を示す斜視図。
第４図は同じく公知変速操作軸固定装置を示す。 図において、１……回転円板、２……摩擦板、
３……フエースカム、４……バネ、５……出力
軸、６……モータ部、６ａ……モータ軸、７……
ねじ、８……ブロツク、９……変速操作軸、１０
……ハンドル、１１……ケース、１２……スライ
ド棒、１３……スライド、１４……蝶ねじ、１５
……変速操作軸カバー、１６……セツトビス、１
７……変速操作軸カバー、１８……ボルト、１９
……立上り部、２０……止めボルト、２１……ね
じ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転円板と摩擦板よりなる動力伝達部を有し、
   回転速度の変速はモーター部と一体に回転円板を
   摩擦板に対し摺動させて行う乾式無段変速機に於
   て、変速部をカバーするケースの頂面に、Ｌ型の
   変速操作軸カバーを固着し、その立上り部に変速
   操作軸と直交するねじ孔を設け、該ねじ孔に手動
   操作可能な止めボルトを螺じ込んでハンドル側面
   に圧着して変速操作軸を固定するようしたことを
   特徴とする乾式無段変速機の変速操作軸の回転防
   止装置。