JPH02149525A - 抗発癌プロモーター組成物とそれを含有する飲料組成物並びに外用剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鳥類の卵の全卵及び卵黄、卵白からの有機溶
媒抽出物を有効成分とする抗発癌プロモーター組成物と
それを含有する飲料組成物並びに外用剤組成物に関する
ものである。

〔従来の技術〕

近年、化学発癌にはイニシェーションとプロモーション
という質的に異なる二つのプロセスが関与しているとす
る１発癌二段階説」が一般に認められている。イニシェ
ーションは、イニシエーターによって誘起されるＤＮＡ
の不可逆的な変化のプロセスである。一方、プロモーシ
ョンは、イニシェーションにより生じた潜在的腫瘍細胞
を癌細胞へと促進する長期のプロセスである。

現在、我々成人においては既に相当数の細胞がイニシェ
ーションの状態にあり、実際に発癌に至るか否かはプロ
モーションの過程に大きく依存するものと考えられてい
る。また、プロモーションを誘起するプロモーターが我
々を取り巻く環境中に広く分布することも明らかにされ
ており、プロモーターの作用を抑制する物質、すなわち
抗発癌ブロモ−クーの開発が切実に望まれている。特に
従来は発病後の治療に重きを置いていた点を考慮すると
、癌予防の見地から抗発癌プロモーターの利用は今後増
々重要となる。

しかし、これまで見出されている抗発癌プロモーターは
、化学合成品もしくは天然資源からのものではあっても
我々が日常食していないものであり、安全性の点でいず
れも不明確なものであった〔発明が解決しようとする課
題〕 本発明は、上記の実状に鑑み、効果が強く安全性の極め
て高い抗発癌プロモーター組成物を提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、安全性が極めて高く、かつ強い抗発癌プ
ロモーター作用を有する物質を探すべく鋭意研究を重ね
た結果、我々が日常有用な動物性蛋白源として食してい
る鳥類の卵の抽出物が優れた抗発癌プロモーター作用を
示すことを見い出し、本抽出物を有効成分とする抗発癌
プロモーター組成物が本発明の目的を達成するものであ
るとの結論に到達した。

本発明における鳥類の卵とは、例えばニワトリ（Ｇａｌ
ｌｕｓ　　ｇａｌｌｕｓ　　ｄｏｍｅｓｔｉｃｕｓ）及
びウズラ［Ｃｏｔｕｒｎｉｘ　　ｃｏｔｕｒｎｉｘ　　
（Ｌ、）］、アヒル（Ａｎａｓ　　ｐｌａｔｙｒｈｙｎ
ｃｈａ　　ｖ、　　ｄｏｍｅｓｔｉｃａ　　ＬＩＮ、）
等の卵を指し、これらのいずれを用いてもよい。

本発明における卵の抽出物とは、全卵粉末及び卵黄粉末
、卵白粉末からのそれぞれの抽出物を指し、これらのい
ずれを用いてもよい。

まず、全卵及び卵黄、卵白をそれぞれホモミキサーにて
均一にし、凍結乾燥した後、適量の有機溶媒を加え抽出
する。残査を濾過後、有機溶媒を留去し目的の抽出物を
得る。

ホモミキサーの強度、乾燥法、抽出時の温度・時間は特
に限定するものではなく、それぞれの場合で最も効率の
良い条件を選べばよい。

また抽出に用いる有機溶媒は、特に制限するものではな
いが、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、酢
酸エチル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル等のエー
テル類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類
等が挙げられるが、操作性、抽出効率の面からアルコー
ル類が好ましい。

本発明の卵の抽出物は、我々が日常食しているものであ
り、安全性が極めて高いので飲料及びスープ類、さらに
は化粧品、医薬部外品等へ添加し、癌予防用製剤として
所期の目的を達成することができる。

これらの製剤を製造するのに使用される賦形剤または補
助剤は、通常この主の目的に使用されるものから剤形に
応じて適宜選択すればよく、特に制限されるものではな
いが、乳糖、デンプン、コーンスターチ、ステアリン酸
マグネシウム、塩化マグネシウム、果糖、無水ブドウ糖
、クエン酸。

ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ソルビタンモノ
パルミテート、流動パラフィン、メチルパラベン、脱水
ラノリン等が使用される。

この様にして製造される製剤中に占める本発明の抗発癌
プロモーター組成物の含量は、剤形によっても異なるが
、通常的０．０５％（重量／重量）以上であることが望
ましい。

〔実施例〕

以下に実施例及び試験例により本発明を説明する。

実施例１゜ 新鮮なニワトリの卵６５０ｇより全卵を得、ホモミキサ
ーにて均一にした後、凍結乾燥した。このようにして得
られたニワトリの全卵粉末１４２ｇにエタノール８００
ｍ１を加え、室温で１日浸漬抽出した。抽出液を濾過後
、エタノールを留去し乾燥して抽出物１６．４ｇが得ら
れたにニワトリの全卵のアルコール抽出物）。

実施例２゜ 新鮮なニワトリの卵６５０ｇより卵黄を得、ホモミキサ
ーにて均一にした後、凍結乾燥した。このようにして得
られたニワトリの卵黄粉末１０２ｇにエタノール８００
ｍｊ２を加え、室温で１日浸漬抽出した。抽出液を？濾
過後、エタノールを留去し乾燥して抽出物１５．４ｇが
得られたにニワトリの卵黄のアルコール抽出物）。

実施例３゜ 新鮮なニワトリの卵６８０ｇより卵白を得、ホモミキサ
ーにて均一にした後、凍結乾燥した。このようにして得
られたニワトリの卵白粉末４７゜６ｇにエタノール５０
０ｍｆｆ１を加え、室温で１日浸漬抽出した。抽出液を
？濾過後、エタノールを留去し乾燥して抽出物１．３ｇ
が得られたにニワトリの卵白のアルコール抽出物）。

実施例４゜ 新鮮なウズラの卵６５０ｇについて実施例１と同様の操
作を行うことにより、全卵抽出物１５゜１ｇが得られた
（ウズラの全卵のアルコール抽出物）。

実施例５゜ 新鮮なウズラの卵６５０ｇについて実施例２と同様の操
作を行うことにより、卵黄抽出物１４゜３ｇが得られた
（ウズラの卵黄のアルコール抽出物）。

実施例６゜ 新鮮なウズラの卵６８０ｇについて実施例３と同様の操
作を行うことにより、卵白抽出物１．０ｇが得られた（
ウズラの卵白のアルコール抽出物）。

実施例７゜ 新鮮なアヒルの卵について実施例１と同様の操作を行う
ことにより、全卵抽出物１７．１ｇが得られた（アヒル
の全卵のアルコール抽出物）。

実施例８゜ 新鮮なアヒルの卵６５０ｇについて実施例２と同様の操
作を行うことにより、卵黄抽出物１５゜９ｇが得られた
（アヒルの卵黄のアルコール抽出物）。

実施例９゜ 新鮮なアヒルの卵６８０ｇについて実施例３と同様の操
作を行うことにより、卵白抽出物１．６ｇが得られた（
アヒルの卵白のアルコール抽出物）。

試験例１゜ 強力な発癌プロモーター１２−０−テトラデカノイルホ
ルボール−１３−アセテート（ＴＰＡ）カ誘導するニブ
シュタイン−パール（Ｅｐｓｔｅｉｎ−Ｂａｒｒ）ウィ
ルスの早期抗原を抑制する効果をラジ（Ｒａｊｉ）細胞
を用いたｉｎ　　ｖｉｔｒｏの系で試験した。

ラジ細砲をＲＰＭ１１６４０−７％牛脂児血清培地にて
培養後、遠心分離により細胞を回収する。次に、この細
胞をｌＸｌ０’個／ｍｅとなるように４ｍＭｎ−酪酸を
含むＲＰＭ１１６４０−４％牛脂児血清培地に移し、Ｔ
ＰＡ（２５ｎＭ）もしくはＴＰＡと共にジメチルスルホ
キシド１０μ！に溶解した試料を加える。４８時間培養
後、早期抗原を誘導した細胞を公知の間接螢光抗体法［
ヘンレオジー、及びヘンレ、ダブリュー、　（Ｈｅｎ　
１　ｅ　、Ｇ、ａｎｄ　　Ｈｅｎ　ｌｅ　、Ｗ、、）、
ジャーナル　才ブ　バクテリオロジー（Ｊｏｕｒｎａｌ
　　ｏｆ’　　Ｂａｃｔｅｒｉｏｌｏｇｙ）、第９１巻
、１２４８〜１２５６頁、１９６６年コにより検出した
。各試料の効力は、ＴＰＡによる早期抗原の誘導を基準
として抑制率（％）で表示した。

測定結果を第１表に示す。

試料（実施例１〜９の方法により調製した抽出物） １、ニワトリの全卵のアルコール抽出物２、ニワトリの
卵黄のアルコール抽出物３、ニワトリの卵白のアルコー
ル抽出物４、ウズラの全卵のアルコール抽出物 ５、ウズラの卵黄のアルコール抽出物 ６、ウズラの卵白のアルコール抽出物 ７、アヒルの全卵のアルコール抽出物 ８、アヒルの卵黄のアルコール抽出物 ９、アヒルの卵白のアルコール抽出物 第１表 ＊ｌ　濃度２００μｇ　／　ｍ　１！ ＊１２回の実験結果の平均値 ニワトリ及びウズラ、アヒルのいずれのアルコール抽出
物においても、ＴＰＡによるニブシュタイン−パールウ
ィルス早期抗原の誘導を抑制する効果が認められた。

試験例２゜ ニワトリの卵より調製した全卵抽出物（実施例１）のマ
ウス皮膚発癌における抑制効果をＩＣＲマウスを用いて
試験した。

６週齢のＩＣＲマウス（雌）の背部を剃髪し、７．１２
−ジメチルベンツ［ａｌアントラセン（ＤＭＢＡ）をア
セトンに溶解して５０ｍｇ／ｌ。

Ｏｎｌとし、これを０．１ｍｌ／マウス塗布した。次に
ＴＰＡをアセトンに溶解し、１ｍｇ７１００ｍｐとし、
ＤＭＢＡ塗布後塗布口目から週２回ｏ、１ｍｆ／マウス
塗布を繰り返し、パピローマを発現せしめ、これをフン
トロールとした。一方、ニワトリの卵より調製した全卵
抽出物（実施例１）は、ＴＰＡ塗布塗布１而 １ｍｆｔアセトン塗布した。

各群を３０匹ずつとし、２０週間試験を続け、全マウス
中の腫瘍発生マウスの割合を求め、コントロールと比較
して腫瘍発生抑制効果を調べた。

測定結果を第２表に示す。

第２表 塩化マグネシウム 粉末天然香料 ビタミンＣ ニワトリの全卵の アルコール抽出物 ０、　１　２ １、　２０ ０、０１Ｂ ０、　５〜５ また、マウス１匹あたりの平均腫瘍発生個数はコントロ
ールで１２．３であったのに対して、ＴＰＡ塗布塗布１
而 た群では４．３であった。

以上の如く、ニワトリの全卵アルコール抽出物に抗プロ
モーター作用のあることが明かとなった実施例１０。

飲　料　（単位はｇ） 無水ブドウ！！ｆ　　　　　　　　　　４Ｂ果糖　　　
　　　７．７６ 粉末クエン＃　　　　　　　　　　　１．４４クエン酸
ナトリウム　　　　　　　　１．０２乳酸カルシウム　
　　　　　　　　０．１２合　　計　　　　　　　　　
　　ＩＱ ニワトリの全卵のアルコール抽出物を０．５ｇ／ｌ〜５
ｇ／！配合した上記の組成の飲料（水に溶かして１１と
する）を調製した。

実施例１１。

乳　液　（単位はｇ） ポリオキシエチレン　　　　　　　２．４ベヘニルエー
テル ソルビタンモノパルミテート　　　１．６バルミチン酸
インステアリル　　　５．０ミリスチン酸イソプロピル
　　　　３．０脱水ラノリン　　　　　　　　　　　１
．５ステアリン酸　　　　　　　　　　１．０セタノー
ル　　　　　　　　　　　　１．０ミツロウ　　　　　
　　　　　　　　２．０流動パラフイン　　　　　　　
　　４．０メチルパラベン　　　　　　　　　０．１ブ
チルパラベン　　　　　　　　　０．１上記成分を８０
℃で加熱溶解し、これに８２℃以上に加熱した、 プロピレングリコール　　　　　１０．０エタノール　
　　　　　　　　　　１０．０ニワトリの全卵の　　　
　　　　　１．０アルコール抽出物 精製水　　　　　　　　　　　５７．３の混合液を撹拌
しながら加え、冷却して乳液１００ｇを調製した。

〔発明の効果〕

鳥類の卵のアルコール抽出物が、前記の試験例の説明か
ら明らかなごとく、強い抗発癌プロモーター作用を示す
こと、本発明に用いる原料の卵は、古来より動物性蛋白
源として食されているものであり、安全性が高く、かつ
入手が容易で実用上も適切な原料であること、また本発
明の組成物を得る方法が極めて簡単で大量に操作できる
方法であることから、本発明は効果の高い抗発癌プロモ
ーター組成物を大量にかつ安価に供給することが可能で
あり、産業上有用であることは勿論、国民の健康に寄与
するところ大である。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）鳥類の卵の有機溶媒抽出物より成る抗発癌プロモ
   ーター組成物。
2. （２）卵は全卵を使用する請求項１記載の抗発癌プロモ
   ーター組成物。
3. （３）卵は卵黄を使用する請求項１記載の抗発癌プロモ
   ーター組成物。
4. （４）卵は卵白を使用する請求項１記載の抗発癌プロモ
   ーター組成物。
5. （５）請求項１記載の抗発癌プロモーター組成物を含有
   する飲料組成物。
6. （６）請求項１記載の抗発癌プロモーター組成物を含有
   する外用剤組成物。