JP2014040447A - 受精卵の構成成分の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の工程を含む、少なくとも1個の受精卵の内容物の一部または内容物全体から粉末状サンプルを調製する方法:(i)少なくとも1個の受精卵の内容物を卵殻から実質的に分離する工程、(ii)任意で実施する、上記の内容物を濾過し、固形残渣、または固形と半固形が混合した残渣を得る工程、(iii)上記の内容物または残渣を凍結する工程、(iv)上記の内容物または残渣を凍結乾燥する工程、(v)任意で実施する、1つ以上の凍結乾燥した内容物または残渣を合わせる工程、および(vi)上記の内容物または残渣を粉砕して粉末化する工程。
【選択図】図1
Description
(i)少なくとも1個の受精卵の内容物を卵殻から実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記の内容物を濾過し、固形残渣、または固形と半固形が混合した残渣を得る工程、
(iii)上記の内容物または残渣を凍結する工程、
(iv)上記の内容物または残渣を凍結乾燥する工程、
(v)任意で実施する、1つ以上の凍結乾燥した内容物または残渣を合わせる工程、および
(vi)上記の内容物または残渣を粉砕して粉末化する工程。
この粉末に防腐剤を加えてもよい。
(i)スラリーと水溶液を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない水溶液を得る工程、
(iii)上記の水溶液を固形物から分離する工程、
(iv)上記の水溶液を凍結する工程、および
(v)上記の水溶液を凍結乾燥して粉末化する工程。
この粉末に防腐剤を加えてもよい。
(i)スラリーと疎水性溶媒を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない溶液を得る工程、
(iii)上記の溶液を固形物から分離する工程、
(iv)疎水性溶媒部分を水性溶媒部分から完全に分離する工程、および
(v)上記の疎水性溶媒部分を濃縮する工程。
(i)少なくとも1個の受精卵から少なくとも1つの胚を実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記少なくとも1つの胚を洗浄する工程、
(iii)上記少なくとも1つの胚を凍結する工程、
(iv)上記少なくとも1つの凍結胚を凍結乾燥する工程、および
(v)上記少なくとも1つの凍結乾燥した胚を粉砕して粉末化する工程。
この粉末に防腐剤を加えてもよい。本方法において、胚とともに卵白部分の一部または卵白部分全体を用いてもよい。その場合には、洗浄工程を変更または省略してもよい。
(i)スラリーと水溶液を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない水溶液を得る工程、
(iii)上記の水溶液を固形物から分離する工程、
(iv)上記の水溶液を凍結する工程、および
(v)上記の水溶液を凍結乾燥して粉末化する工程。
この粉末に防腐剤を加えてもよい。
(i)スラリーと疎水性溶媒を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない溶液を得る工程、
(iii)上記の溶液を固形物から分離する工程、
(iv)疎水性溶媒部分を水性溶媒部分から完全に分離する工程、および
(v)上記の疎水性溶媒部分を濃縮する工程。
(i)少なくとも1個の受精卵の内容物を卵殻から実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記の内容物を濾過して残渣を得る工程、
(iii)上記の内容物または残渣を容器内で合わせる工程、
(iv)溶媒を加えまたは加えずに、上記の内容物または残渣を混合してスラリーを調製する工程、および
(v)任意で実施する、さらなる処理に備えて上記のスラリーを凍結して保存する工程。
上記の濾過工程で2個以上の受精卵の内容物を合わせてもよい。その場合は、工程(iii)は任意で実施すればよい。
8〜9日目の雌ニワトリの受精卵を選択した。受精卵ごと70%エタノールで殺菌し、ドラフト内に置いて70%エタノールを蒸発させた。これらの受精卵を割って、内容物を滅菌済みの1.0mmメッシュに通した。卵殻と濾液は廃棄した。固形および液状のいずれの残渣も回収し、氷上で冷却した。この残渣を5℃でホモジナイズした。このホモジネート(スラリー)をステンレス製の滅菌トレーへ注ぎ、さらなる処理に備えて凍結した。
雌ニワトリの受精卵から、下記の方法によってニワトリの8日胚を摘出した。
(i)24個の褐色卵を得た。
(ii)上記の卵を割ったところ、24個のうち22個のみが受精しており、発達した胚を含んでいた(受精率91.6%)。
(iii)胚を摘出して、滅菌PBSで軽く2回洗浄し、それぞれ50mL試験管に入れて直ちに−20℃で凍結した。
(iv)次いで10本の試験管を真空凍結乾燥機(棚温度:−40℃、コンデンサー温度:−52℃)に入れて凍結乾燥した。
(v)凍結乾燥サイクルが終了したところで、試験管内の胚をそれぞれ滅菌ガラス棒で粉砕し、得られた粉末(1.7g)を放射線照射用に包装した。
(vi)完成した粉末を2〜8℃(短期)または−20℃(長期)で保存した。
残った12つの胚を小さなビーカーに集め、ハンドミキサーを用いて少量の水と混合した。
乾燥後、粉末(1.7g)を分散し、ガラス棒を用いて均質化して放射線照射用に準備した(ロット番号EM200601とした)。この粉末の胚1つあたりの収量は0.17gである。
乾燥したスラリー(1.6g)を分散し、ガラス棒を用いて均質化して放射線照射用に準備した(ロット番号EM200602とした)。この粉末の胚1つあたりの収量は0.14gである(水分量は不明)。
60個の受精卵(8日胚)を得た。水性抽出物とエーテル抽出物の調製方法について下記に説明する。
すべての受精卵に70%(v/v)エタノールを噴霧して卵殻表面を殺菌し、層流式のドラフト内に卵を置いてアルコールを蒸発させた。
卵を割り、胚と、胚に付随し、透明な水様性内容物を含む透明な嚢とを、卵黄の残りの部分および血管成分から注意深く分離した。次いでこれらの試料、すなわち胚および透明な嚢をすべて、あらかじめ氷上で冷却したビーカーに集めた。摘出が終了した後、これらの試料を上記と同じハンドミキサーを用いて混合し、スラリーを得た。
得られたスラリー(約200mL)を同量ずつ半分に分けて、一方を水性抽出用に、もう一方をエーテル抽出用に用いた。
100mLのスラリーに100mLのRO水を加えて、これを30分間室温で撹拌した。この液を遠心分離によって清澄化し、上層にある水層を回収した(200mL、固形分1.1%)。次いでこの水層を凍結し、続いて凍結乾燥した。この乾燥粉末1.0gをロット番号EM200603とし、放射線照射して滅菌した。
100mLのスラリーにあらかじめ冷却したエーテルを100mL加えた。この混合液を室温で振とうさせて、次いで遠心分離した。5℃で15分間遠心分離した後、上部の水/エーテル層を分液漏斗に移した。上層にあるエーテル層をサイフォン式で回収するか、または−20℃で一定時間冷凍して下層にある不透明な水層を凍結させ、この温度で凍結しない上層にある透明な黄色のエーテル層をデカントして回収した。
下層にある水層を上記と同様に、同量のエーテルで再度抽出し、これを3回繰り返した。次いで、得られたエーテル抽出液をRotavap(登録商標)を用いて少量(約1mL)になるまで濃縮乾燥した。このサンプルを5℃で保存したが、出荷するまでに何ら別の処理をする必要はなかった。このサンプルをロット番号EM200604とした。
先に出荷した水性抽出物(EM200603)の10倍量およびエーテル抽出物(EM200604)の5倍量を用意するためには、さらに多くの卵が必要であった。420個の受精卵(8〜9日胚)を得た。水性抽出物とエーテル抽出物の調製方法について下記に説明する。
すべての受精卵に70%(v/v)エタノールを噴霧して卵殻表面を可能な限り殺菌し、ドラフト内に卵を置いてアルコールを蒸発させた。
卵を割ったところ、420個のうち62個が未受精卵であった(受精率85.2%)。胚と、胚に付随し、透明な水様性内容物を含む透明な嚢とを、卵黄の残りの部分および血管成分から注意深く分離した。これらの試料、すなわち胚および透明な嚢をすべて、あらかじめ氷上で冷却したビーカーに集めた。受精卵を得た日の翌日に使用するまで、この摘出した試料(約2L)を5℃で保存した。
摘出が終了した後、これらの試料をハンドミキサーを用いて混合し、スラリーを得た。得られたスラリー(約2L)を金属ふるい(MESH No.20)に通した。さらに濾液を紙製のフィルターパッドとDE6000を用いて清澄化した。フィルターパッドに残った固形物は廃棄した。濾液にSuperflow DE(登録商標)を加えて、これをフィルターパッドに通し、さらに清澄化した。濾過はすべて、ベンチスケールレベルでブフナー漏斗を使用して行った。得られた濾液の大部分(約1200〜1300mL)をトレーに取り、凍結乾燥用に直ちに凍結した(固形分1.9%)。残りの濾液500mLを1Lのボトルに入れて、あらかじめ冷却した同量のエチルエーテルと混合し、2層に分離するまで5℃で保存した。得られた乾燥粉末をロット番号EM200605とし、放射線照射した。
500mLのスラリーにあらかじめ冷却したエーテルを500mL加え、この混合液を室温で振とうした後、遠心分離した。5℃で15分間遠心分離した後、上部の水/エーテル層を分液漏斗に移した。上層にあるエーテル層をサイフォン式で回収するか、または−20℃で一定時間冷凍して下層にある不透明な水層を凍結させ、上層にある透明な黄色のエーテル層をデカントして回収した。
下層にある水層を上記と同様に、300mLのエーテルで再び抽出し、抽出液をあらかじめ冷却した丸底フラスコに集めた。次いで、得られたエーテル抽出液をRotavap(登録商標)を用いて少量になるまで濃縮乾燥した。このサンプルを5℃で保存したが、出荷するまでに何ら別の処理をする必要はなかった。このサンプルをロット番号EM200606とした。
Claims (11)
- 下記の工程を含む、少なくとも1個の受精卵の内容物の一部または内容物全体から粉末状サンプルを調製する方法:
(i)少なくとも1個の受精卵の内容物を卵殻から実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記の内容物を濾過し、固形残渣、または固形と半固形が混合した残渣を得る工程、
(iii)上記の内容物または残渣を凍結する工程、
(iv)上記の内容物または残渣を凍結乾燥する工程、
(v)任意で実施する、1つ以上の凍結乾燥した内容物または残渣を合わせる工程、および
(vi)上記の内容物または残渣を粉砕して粉末化する工程。 - 粉末に防腐剤を加えることをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 下記の工程を含む、少なくとも1個の受精卵の内容物の一部または内容物全体からスラリーを調製する方法:
(i)少なくとも1個の受精卵の内容物を卵殻から実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記の内容物を濾過して残渣を得る工程、
(iii)上記の内容物または残渣を容器内で合わせる工程、
(iv)溶媒を加えまたは加えずに、上記の内容物または残渣を混合してスラリーを調製する工程、および
(v)任意で実施する、さらなる処理に備えて上記のスラリーを凍結して保存する工程。 - 下記の工程を含む、請求項3に従って調製されたスラリーから粉末状の水性抽出物を調製する方法:
(i)スラリーと水溶液を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない水溶液を得る工程、
(iii)上記の水溶液を固形物から分離する工程、
(iv)上記の水溶液を凍結する工程、および
(v)上記の水溶液を凍結乾燥して粉末化する工程。 - 粉末に防腐剤を加えることをさらに含む請求項4に記載の方法。
- 下記の工程を含む、請求項3に従って調製されたスラリーから溶媒抽出濃縮物を調製する方法:
(i)スラリーと疎水性溶媒を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない溶液を得る工程、
(iii)上記の溶液を固形物から分離する工程、
(iv)疎水性溶媒部分を水性溶媒部分から完全に分離する工程、および
(v)上記の疎水性溶媒部分を濃縮する工程。 - 疎水性溶媒が、エーテルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 下記の工程を含む、少なくとも1つの胚から粉末状サンプルを調製する方法:
(i)少なくとも1個の受精卵から少なくとも1つの胚を実質的に分離する工程、
(ii)任意で実施する、上記少なくとも1つの胚を洗浄する工程、
(iii)上記少なくとも1つの胚を凍結する工程、
(iv)上記少なくとも1つの凍結胚を凍結乾燥する工程、および
(v)上記少なくとも1つの凍結乾燥した胚を粉砕して粉末化する工程。 - 粉末に防腐剤を加えることをさらに含む請求項8に記載の方法。
- 下記の工程を含む、少なくとも1つの胚のスラリー、または少なくとも1つの胚および卵白部分の一部もしくは卵白部分全体のスラリーから粉末状の水性抽出物を調製する方法:
(i)スラリーと水溶液を一定時間混合する工程、
(ii)上記の混合液を清澄化し、実質的に固形物を含まない水溶液を得る工程、
(iii)上記の水溶液を固形物から分離する工程、
(iv)上記の水溶液を凍結する工程、および
(v)上記の水溶液を凍結乾燥して粉末化する工程。 - 粉末に防腐剤を加えることをさらに含む請求項10に記載の方法。
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