JPH0214816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はプレス機械のベツド部に設けたノツク
アウトピンをノツクアウト後その上限位置に一定
時間保持した後下降させるために用いるノツクア
ウトピン上限保持装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、プレス機械のベツド部に設けられたノツ
クアウトピンは、プレスの回転軸に設けたカムに
より揺動レバーを揺動させ、揺動レバーの他端部
と連結されたロツドによりベツド部に設けた別の
揺動レバーを揺動させ、その揺動レバーの他端部
に設けたローラでノツクアウトピンの下面を押し
上げ、ノツクアウトピンを昇降させていた、この
ようなノツクアウトピンを有するプレス機械で単
発プレス加工を行なう場合は、第３図に示すよう
にプレスのスライドはＡ曲線のように１ストロー
ク下降上昇して停止し、Ｔ時間の間隔をあけて次
のストロークを行なつている。この間にノツクア
ウトピンはＢ曲線のように上昇してプレス加工し
た製品を金型から押し出した後下降する。押し出
した製品はエアエジエクタで吹き飛ばし、次の素
材を金型上に供給し作業を継続していた。

「発明が解決しようとする問題点」 ところが、エアエジエクタで吹き飛ばすと損傷
し不良品となるおそれがある製品を取り扱う場合
はノツクアウトピンで押し上げた状態で一時保持
し、搬出装置で取り出し、その後ノツクアウトピ
ンを下降させ次の素材を供給する必要がある。従
来のノツクアウトピンではこの要求には応えるこ
とができない。そこでプレスの回転軸に設けたカ
ムの形を変えてノツクアウトピンを上昇した状態
で一時保持させる方式にすることも考えられる
が、素材を供給するときは、素材の転倒を防ぐた
めにノツクアウトピンを若干下げておく必要が生
じ、そのために製品を取出後プレスを若干回転さ
せてノツクアウトピンを下降させた後プレスを停
止させ、素材を供給して次のプレス加工を行なう
手順となり、プレスの運転が複雑となり実用的で
ない、などの問題があつた。

「問題点を解決するための手段及び作用」 本考案はこの要求に応えるもので、プレスの回
転軸に設けたカムに駆動され揺動するレバーと、
プレスのベツド部に昇降自在に設けたノツクアウ
トピンの下端を押し上げる揺動レバーとの夫々の
端部を連結するロツドの中間に流体圧シリンダ装
置を設ける。このシリンダ装置のストロークをロ
ツドがレバーを介してカムに駆動されるストロー
クと等しくし、カムがロツドを駆動してノツクア
ウトピンを上昇させ戻りストロークに入る同じ時
期にシリンダ装置を動作させ、ロツドのストロー
クを相殺することによつてノツクアウトピンを上
限に保持させ、所要の時間上限に保持した後シリ
ンダ装置を復旧してノツクアウトピンを下降させ
る。このようにすることにより第３図に示すＣ曲
線のようにノツクアウトピンを上限にｔ時間保持
させ、プレス機械の単発プレス加工の作業間隔Ｔ
時間に、ノツクアウトピンが上限に保持された間
に製品を搬出し、下降した後に素材を供給すると
いう動作を完了することができる。よつて製品を
損傷することなく搬出しつつ単発プレス加工が円
滑に継続できる。

「実施例」 第１図及び第２図において、本考案によるノツ
クアウトピン上限保持装置の構造を示している。
プレス１の回転軸２には駆動用のカム３が設けら
れている。カム３はノツクアウトのタイミングを
調整できるように若干角度回転軸２回りに回転可
能に固定されている。カム３に当接するカムフオ
ロア４をその一端に回転自在に設けたレバー５が
プレス１の機体の軸６に揺動自在に支持されてい
る。レバー５の他端部はロツド７の一端部に連結
されている。ロツド７の他端部はプレス１のベツ
ド１ａ部に回転自在に設けた支点軸８に固定した
アーム９の先端部に連結されている。支点軸８に
はその先端部に回転自在に支持したローラ１０を
有する別のアーム１１が固定されている。

ローラ１０はベツド１ａ及びその上面に固定し
たボルスタ１２に昇降自在に設けたノツクアウト
ピン１３の下端面に当接している。ロツド７のレ
バー５を連結した端部にはエアシリンダ１４のピ
ストンロツドが連結され、エアシリンダ１４の他
端部にはプレス１の機体に枢着されている。エア
シリンダ１４はロツド７に押す方向（図では右方
向）の付勢力を常に与え、レバー５のカムフオロ
ア４をカム３から離れないように追従させてい
る。

ロツド７の中間部には第１図に示す構造を有す
る流体圧シリンダ装置１５が設けられている。ロ
ツド７の一端部７ａにはピストン１６をナツト１
７で固定し、ロツド７の他端部７ｂにはピストン
１６を適合させたシリンダ部１８が設けられてい
る。シリンダ部１８のピストン１６両側の室には
夫々圧力流体を給排するポート１９及び２０が設
けられている。ポート１９及び２０には圧力流体
を給排に切り換える電磁弁２１を介して流体源２
２に連絡する流体回路が接続されている。電磁弁
２１がａ側励磁の場合は図のようにポート１９に
圧力流体が供給され、ロツド７ａ，７ｂはピスト
ン１６のストロークだけ伸びた状態となる。また
電磁弁２１がｂ側励磁の場合は、ポート２０に圧
力流体が供給されポート１９は排出されるように
切り換わり、ピストン１６は右端まで移動しロツ
ド７ａ，７ｂはピストン１６のストロークだけ短
かくなつた状態となる。ピストン１６のストロー
クはカム３によりレバー５を介してロツド７が駆
動されるストロークと等しくしてある。

次に作用について述べる。プレス１が第３図に
示すＡ曲線に従つて単発プレス加工を始めると
き、電磁弁２１はａ側励磁に保持されている。プ
レス１が回転しカム３がレバー５のカムフオロア
４を駆動するとレバー５、ロツド７、アーム９、
支点軸８、レバー１１、及びローラ１０を介して
ノツクアウトピン１３を曲線Ｂに従つて上昇させ
る。カムフオロア４がカム３を昇り切つて下りに
かかる瞬間、すなわちノツクアウトピン１３が上
限に達したとき、電磁弁２１を電気信号によりｂ
側励磁に切り換える。カムフオロア４がカム３を
下り、エアシリンダ１４の付勢力でロツド７が右
にストロークするのと同期して、流体圧シリンダ
装置１５のピストン１６が右にストロークして相
殺してロツド７の７ｂ側の運動を阻止し、ノツク
アウトピン１３を上限に保持させる。電磁弁２１
のｂ側励磁の電気信号をｔ時間保持した後ａ側励
磁に復帰させるとノツクアウトピン１３はＣ曲線
に従つて下降する。電気信号をｔ時間保持するこ
とはタイマなどを有する公知の電気回路により、
またカム３をカムフオロア４が下り始める信号は
プレス１の回転軸２に設けた公知のロータリカム
スイツチにより容易に得られる。上述の動作を単
発プレス加工の作業間隔Ｔ時間内に行なわせるこ
とにより、ノツクアウトピン１３により押し上げ
られ上限に保持された製品を搬出し、ノツクアウ
トピン１３が下降後に金型上に次の素材を供給す
ることができる。

「考案の効果」 本考案によればプレス加工した製品をノツクア
ウトピンで上限に保持した状態で搬出装置により
搬出し、ノツクアウトピンが下降後素材の供給が
できるので、製品を損傷することなく搬出でき作
業が安定である。比較的簡単な構造の流体圧シリ
ンダ装置により、ロツド７ａ側の復動に対しロツ
ド７ｂ側の復動を相殺して停止させ一定時間後に
復帰させることにより、ノツクアウトピンとその
駆動系とを接触状態としてノツクアウトピンを昇
降させ、かつ上限に一定時間保持できる。従つて
部品間に隙間を生ずることがないので部品間の衝
突による雑音の発生がなく、部品の損耗も少なく
なる。従来不可能或は極めて複雑なプレスの運転
によつて可能となる問題を解決することができ、
実用上の効果と利点は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の要部を示す縦断面図とその流
体回路図、第２図は実施例を設けたプレスの要部
を断面とした側面図、第３図はプレスのスライド
及びノツクアウトピンのストローク線図である。 １はプレス、２は回転軸、３はカム、４はカム
フオロア、５はレバー、６は軸、７はロツド、８
は支点軸、９はレバー、１０はローラ、１１はレ
バー、１２はボルスタ、１３はノツクアウトピ
ン、１４はエアシリンダ、１５は流体圧シリンダ
装置、１６はピストン、１７はナツト、１８はシ
リンダ部、１９はポート、２０はポート、２１は
電磁弁、２２は流体源、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プレス回転軸のカムにそのカムフオロアを追従
   させて揺動するレバー５の他端に連結したロツド
   ７の往復動を、プレスのベツドに枢支したレバー
   ９の端部に伝達し、レバー９のローラ１０でノツ
   クアウトピン１３を昇降させるノツクアウト装置
   において、 ロツド７の途中に設けられ、ロツドの一端をピ
   ストンとし、ロツドの他端をこのピストンを適合
   させるシリンダとし、ロツド７の往復動ピツチと
   等しいストローク長さを有する流体圧シリンダ装
   置１５と、 流体圧シリンダ装置１５のピストン前後のシリ
   ンダ室に圧力流体を切換えて給排し、ロツド７の
   復動を相殺するようにピストンを伸長させ、一定
   時間後に短縮させる電磁弁２１と、 を具備することを特徴とするノツクアウトピン上
   限保持装置。