JPH02147697A - 浸漬型尿石防止剤および尿石付着防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、尿石防止剤に係り、さらに詳しくは難水溶性
の固体酸を主成分とし、便器トラップ内に浸漬して使用
する浸漬型尿石防止剤に関する。

本発明の浸漬型尿石防止剤は、各種水洗式便所の排水管
、特にトラップ内への尿石の付着防止に極めて有効であ
る。

〔従来の技術〕

便所の便器、特に男子小便器および便器からの排水管に
は、尿の分解により生成するカルシウム系化合物と有機
物との混合物のスケール、いわゆる尿石が固着し、尿お
よび洗浄水の流れを阻害し、甚だしい場合には排水管を
閉塞する。また、尿および尿石中の有機物は、細菌によ
り腐敗分解し悪臭が発生する。

これらの尿石の便器や排水管への付着を防止することを
目的として、本出願人は、固体酸を尿石発生防止の有効
成分とするトイレ排水管のスケール防止剤を提案しく特
開昭６２−０３８２９９号公報参照）、スルファミン酸
を有効成分とし、昇華性勧賞および水溶性有機物質を基
材として成形した男子小便器内に投入する尿石防止剤を
上古した。

また、界面活性剤、イオン封鎖剤等の洗浄成分、香料、
バラジクロルベンゼン等の芳香性物質、殺菌剤などの混
合物を、ポリエチレングリコール等の水溶性物質を基材
として成形した、主に男子小便器内に投入して使用する
便器の芳香洗浄剤が開示されている（特公昭４５−３０
７０６号公報、特開昭５７−１．６８６６８号公報等参
照） 〔発明が解決しようとする問題点〕 前記引用した芳香洗浄剤においては、便器への尿石付着
防止効果は認められるものの、便器からの排水管への尿
石付着防止効果は不十分であり、殺菌剤を含有するもの
では、殺菌剤の浄化槽への影響があり、イオン封鎖剤を
含有するものでは、尿石の便器への付着を完全に防止す
るためには、高価なイオン封鎖剤を尿に対し０．３〜１
重量％も溶解しなければならないことから、はとんど普
及していない。

これらに対し、本出願人の提案した排水管のスケール防
止剤は、便器および排水管への尿石付着防止効果が極め
て優れているだけでなく、尿の分解により生成するアン
モニアが溶解した固体酸と反応して水溶性のアンモニウ
ム塩を生成することから、消臭効果も極めて優れている
。しかしながら、この尿石防止剤は、小便器内の洗浄水
および／または尿が間歇的に流れる流路中に設置して使
用するものであることから、使用の有無に係わらず洗浄
水が定期的に放水される便器においてはを効であるが、
使用時のみに洗浄水を放水する手動式便器では、夜間、
休日等においては長時間使用されないため、トラップ内
に滞留した尿が分解し尿石や悪臭の発生防止が不十分と
なる。

本発明は、長時間使用されない便器においても尿の腐敗
を防止し、尿石の付着防止効果を有する尿石防止剤を提
供することを、その目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結果
、２０℃の水に対する飽和溶解度が一定水準以下の固体
酸を含有する成形体を、小便器のトラップ内に投入して
使用することにより、長時間使用されない場合において
も尿石の腐敗が防止され、尿石の付着防止効果が十分に
得られ、かつ過剰に溶解し排水管や浄化槽に悪影響を与
えないことを見出し、本発明を完成した。

本発明は、２０℃の水に対する飽和溶解度が、１ｇ／１
００ｇ水以下の固体酸を７０重量％以上を含有する成形
体からなることを特徴とする浸漬型尿石防止剤である。

本発明において、固体酸は、水に溶解し水のｐＨを７以
下に下げ得る２０℃の水に対する飽和溶解度が１ｇ／１
００ｇ水以下、好ましくは０．３〜０、　ＯＯＯ５ｇ　
／　１００　ｇ水の常温で固体の酸性物質である。これ
らの固体酸として、たとえばｉ−フタル酸、０−フタル
酸、テレフタル酸、安息香酸、フマル酸、サリチル酸、
シアヌール酸等およびそれらの２種以上の混合物が挙げ
られる。

本発明の浸漬型尿石防止剤（以下、単に「剤」という）
は、前記固体酸を、任意の剤形に成形した成形体であり
、便所、特に男子小便器のトラップ内等の尿および／ま
たは洗浄水の滞留部に直接投入または特定容器に収納し
て設置し使用される。

これらの剤形には特に制限はなく、その使用態様により
、粒状、顆粒状、球状、円柱状、円板状、穴明き円板状
（ドーナツ形）、立方体状、円錐状、角錐状等の任意の
剤形を選択することができる。

本則は、前記固体酸とのみの成形体であってもよいが、
通常、前記固体酸７０重量％以上を含有し、結合剤およ
び各種添加剤を含有する成形体である。

結合剤は、剤の成形に際しその成形性を良好なものとす
るものとして、また、剤の使用に当たり剤の溶解性、剤
中からの酸の溶解速度を調整するものとして使用される
。

これらの結合剤として、常温で固体の水溶性高分子、た
とえばポリビニルピロリドン、ヒドロキジプロピルセル
ロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸およびその塩等
の通常の医薬製剤等に使用される基剤、各種界面活性剤
、イオン封鎖剤などおよびそれらの混合物が使用される
。

本則には、各種添加剤、たとえば２０℃の水に対する飽
和溶解度が１　ｇ　／　１００　ｇ水を越える固体酸、
殺菌、殺黴剤、酵素阻害剤、溶解速度調整剤、界面活性
剤、香料、消臭剤、着色料、腐蝕防止剤、イオン封鎖剤
等を、所望により添加することができる。

２０℃の水に対する飽和溶解度が１　ｇ／ｌ　００ｇ水
を越える固体酸は、少量の添加で水のｐＨを低下し得る
ことから、好ましく添加される。これらの固体酸として
、スルファミン酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリ
ウム、ホウ酸、メタリン酸等の無機酸性物質、コハク酸
、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン
酸、没食子酸、ソルビン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸
等の有機酸類が例示でき、これらは１種の単独または２
種以上の混合物として使用される。

殺菌、殺黴剤は、尿の分解を促進する細菌、真菌類の作
用を抑制し、尿の腐敗を防止することを目的として、好
ましく添加される。これらの殺菌、殺黴剤とし７て、尿
中の各種細蘭類に対して選択せいを有しないホウ酸、四
級アンモニウム塩、各種酸化剤が好ましく使用される。

特にトリクロルイソシアヌル酸、ジクロルイソシアヌル
酸、１．３−ブロム−５，５−ジメチルヒダントイン、
１−ブロム−３−クロル−５，５・−ジメチルヒダント
イン等のハロゲン系酸化剤は、殺菌、殺黴力が強く、か
つ、尿中の有機物も急速に分解し、さらに尿のｐＨを低
下させる酸性物質の一部としても作用するので、最も好
ましく使用される。

酵素阻害剤は、細菌、真菌類から分泌され、尿石の生成
原因となるｐＨの上昇を誘起する尿素分解酵素であるウ
レアーゼの働きを抑制することを目的として添加される
。これらの酵素阻害剤として、公知のうレアーゼ阻害物
質、前記ハロゲン系酸化剤、ハイドロキノン、没食子酸
等が使用される。

熔解速度調整剤は、主に剤の溶解速度を遅延させること
を目的として添加され、たとえば高級アルコール類、高
級脂肪酸類、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウ
ム等の難水溶性物質が使用される。

香料は、便所の臭気をマスキングすることを目的として
添加でき、使用者に好感を抱かせるものであればよ（、
天然香料、合成香料、調合香料などを、特に制限なく使
用することができる。

消臭剤は、尿の分解による悪臭の発生を防止することを
目的として添加でき、硫酸第１鉄、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等が好ましく使用される。

界面活性剤、イオン封鎖剤等は、排水配管やトラップの
洗浄成分として有効であり、また基材としても使用する
ことができるので、好ましく使用される。

腐蝕防止剤は、配管の酸による腐蝕を防止することを目
的として添加される。これらの腐蝕防止剤として、アル
キルチオ尿素系、トリアゾール系等の公知の腐蝕防止剤
が使用される。

本則は、前記各成分の粉末混合物を、打錠成形する方法
、押出圧縮成形する方法、粉末混合物を加熱溶融し注形
して成形する方法、押出造粒して粒剤化する方法、流動
装置等を用いて顆粒化する方法など公知の方法により成
形することにより製造することができる。

〔作　　　用〕

本発明の浸漬型尿石防止剤は、前記したように特定の水
に対する溶解度を有する固体酸を含有する成形体からな
ることを特徴とする。

排泄直後の尿のｐＨは、通常５．５〜６．５の酸性領域
にあるが、時間の経過と共に尿素分解酵素であるウレア
ーゼの影響によりアンモニアと炭酸ガスに分解しそのｐ
Ｈが急速に上昇する。尿と洗浄水との混合物においては
その傾向はさらに大きく、ｐ　Ｈが７．５以上になると
尿中に含まれるカルシウムイオン、リン酸イオンおよび
尿の分解により生成した炭酸ガスとが反応し、水に難溶
性のカルシウムアパタイトおよび炭酸カルシウムが生成
し、これらに尿中の有機物が吸着されて、便器、便器排
水管、トラップ等の尿が接触する部分に固着して尿石と
なる。。

本発明において、前記選択された固体酸は、中性または
酸性領域における溶解度は小さいが、塩基性領域におい
ては溶解速度は大きく、尿および／または洗浄水の滞留
した便器のトラップ部や排水管に浸漬して使用すること
により、尿の分解により滞留水のｐＨが上昇した場合に
は滞留水に溶解しそのｐＨ上昇を抑制し、ｐ　Ｈ７，５
以上で生成する尿石のトラップ部や排水管への付着を防
止する。一方、滞留水のｌ）　Ｈが低下すると溶解速度
は遅くなり、さらに低下すると溶解が停止し必要以上の
薬剤の消耗が抑制される。その結果、従来の尿石防止剤
と異なり、便器の使用頻度や洗浄水量により薬剤消費量
は左右されず、尿石の発生条件に応して薬剤消費量が自
動的にコントロールされ、尿石の排水管やトラップ部へ
の付着および悪臭の発生がが防止される。また過剰の薬
剤の溶解による排水管等の腐蝕や浄化槽へ悪影響を及ぼ
さない。

また、尿または尿と洗浄水との混合液のｐ　Ｆｌの上昇
は、殺菌、殺黴剤、酵素阻害剤の使用により防止するこ
ともできるが、その大量の使用は浄化槽への悪影響が大
きく、また前記ハロゲン系酸化剤の場合には、遊離した
ハロゲンと尿分解によって生成するアンモニアと反応し
、刺激臭を有する反応物を生成するため、これらの殺菌
、殺黴剤、酵素阻害剤等の単独を尿石防止剤に使用する
ことは、溶解速度のフントロールが困９であるが、前記
選択された固体酸と併用することにより、必要最小量の
薬剤を有効に溶解させることができる。

一方、飽和溶解度の大きい固体酸は、前記選択された固
体酸の溶解量を補う目的で少量の添加は可能であるが、
それらのみの使用は、便所の不使用時間が過大となった
場合に、滞留した尿または尿と洗浄水との混合物のｐＨ
が過剰に下降し、配管の腐蝕の原因となるので好ましく
ない。

一方、結合剤は、剤の製造に際し成形性を向−トさせる
だけでなく、その使用に際して固体酸の溶解速度を調整
し、また剤の膨潤や形部れなどを防止する。

〔実　施　例〕

本発明を、実施例および比較例により、さらに詳細に説
明する。

ただし、本発明の範囲は、以下の実施例により何等の制
限を受けるものではない。

なお、以下の例中において、「部」および「％」は、特
に断りのない限り重量基準である。

（１）　　浸漬型尿石防止剤の製造 ｆａｔ　　試料Ａ−１ 安息香酸のフレーク１００部とアルキルチオ尿素系腐蝕
防止剤１部との混合物を加圧成形し、２５ｍｍ口Ｘ８０
ｍｍ長さの四角柱状成形体からなる漫鷹型尿石防正剤：
試料Ａ−１を製造した。

ｆｂｌ　　試料Ａ−２ テレフタル酸粉末１００部に１０％ヒドロキシプロピル
セルロース水溶液１５部を加えてニダーを用いて混練し
た後、押出造粒機を用いて造粒し７０℃の温度で２０時
間乾燥し、平均直径１゜５　ｍ　ｍの顆粒を得た。この
顆粒にステアリン酸カルシウム０．５部を添加して打錠
成形し、中心部にｌＱｍｍの孔の明いた直径３０ｍｍ、
ＴｙＬさ２０ｍｍのドーナツ状成形体からなる浸漬型尿
石防止剤：試料Ａ−２を製造した。

［Ｃ１試料Ａ−３ イソフタル酸７０部、コハク酸３０部およびアルキルチ
オ尿素系腐蝕防止剤り部からなる混合粉末に１０％ポリ
ビニルピロリドン水溶液２０部を添加し、以下試料Ａ−
２と同様の方法で顆粒を製造した。この顆粒にステアリ
ン酸マグネシウム１部を添加して打錠成形し、直径３０
ｍｍ、長さ８０ｍｍの円柱状成形体からなる浸漬型尿石
防止剤：試料Ａ−３を製造した。

（ｄｌ　　試料Ａ−４ テレフタル酸１００部に平均分子＠６．　ＯＯＯのポリ
エチレングリコールの２０％水溶液２０部を加え、試料
Ａ〜２と同様の方法で顆粒を製造した、得られた顆粒９
０部、トリクロルイソシアヌル酸１０部およびステアリ
ン酸カルシウム０．５部からなる混合物を打錠成形し、
試料Ａ−２と同様のドーナツ状成形体：試料Ａ−４を製
造した。

（ｅ）！式　＄４　　Ａ　　−５ イソフタル酸１００部に水２０部を添加し、試料Ａ−２
と同様の方法で顆粒を製造した。得られた顆粒８０部、
ｌ−ブロム−３−クロル−５，５ジメチルヒダントイン
２０部およびステアリン酸カルシウム０，５部からなる
混合物を打錠成形し、直径１２ｍｍ、長さ１０ｍｍの円
柱状成形体：試料Ａ−５を製造した。

ｔｆｌ　　比較試料ＣＡ−１ パラクロルベンゼン３０部、平均分子！６，０００のポ
リエチレングリコール２０部を加熱、）８融し、スルフ
ァミン酸微粉末５０部を添加したスラリーを、金型に注
入、冷却固化し、直径４０ｍｍの球状成形体からなる尿
石防止剤を製造し、比較試料Ｃ八−１とした。

＋ｇ＋　　比較試料ＣＡ−２ スルファミン酸微粉末５０部と安息香酸微粉末５０部と
の混合物を打錠成形し、直径４５ｍｍ、厚さ２０ｍｍの
円板状成形体を製造し、比較試料ＣＡ−２とした。

（ｈｌ　　比較試料ＣＡ−３ レゾルシン４０部、ソルビタンモノパルミテート１０部
およびアルキルチオ尿素系腐蝕防止剤１部からなる溶融
混合物に、スルファミン酸５０部を添加したスラリーを
金型に注入、冷却固化して、直径３Ｑｍｍ、厚さ２０ｍ
ｍの円柱状成形体を製造し、比較試料ＣＡ−３とした。

（１）比較試料ＣＡ−４ トリクロルイソシアヌル酸１００部とステアリン酸カル
シウム１部との混合物を加圧成形し、直径４５ｍｍ、厚
さ２０ｍｍの円板状成形体：比較試料ＣＡ−４を製造し
た。

（２）　　尿石付着防止試験 （５）　１次試験 利用者数がほぼ同等の小便器３基が１２１の洗浄水タン
クと配管で接続されている１０個所の男子小便所の、洗
浄水タイマーを８時から１９時までは１時間に１回洗浄
するように、また夜間は洗浄を中止するように設定した
。これらの各小便器のトラップ部を、腐蝕防止剤を添加
した塩酸を用いて洗浄し、付着している尿石を除去した
。

各小便器のトラップ内に、直径３０ｍｍ、長さ３０ｍｍ
の重量を測定したステンレス金網製円筒を設置した。前
記第（１）項で製造した浸漬型尿石防止剤：試料Ａ−１
およびＡ−３については、１便器当たり１個、試料Ａ−
２、Ａ−４および比較試料Ｃ＾−３については、１便器
当たり各３個、試料Ａ−５については、１便器当たり２
０個をプラスチック容器に収納してトラップ内に設置し
た。また比較試料ＣＡ−１については、１便器当たり１
個を便器の目皿上に、比較試料ＣＡ−２およびＣＡ−４
については、１便器当たり１個をプラスチック容器に収
納してトラップ入口に設置した。

便所を、通常遺りに使用し、悪臭の官能検査および３ケ
月経過後にステンレス金網製円筒を回収し、乾燥後重量
を測定し尿石付着量を算出した。

なお、薬剤重量が初期の２０％を切った時点で新しい薬
剤を追加した。

（ｂ）２次試験 前記＋８１項の１次試験終了後、各便器のトラ・７１部
の塩酸洗浄を行った後、洗浄タイマーを昼夜共に３０分
間に１回洗浄するように設定し、以下前記＋８１項と同
様の方法で試験を行った。

試験結果を、各側の組成と共に、第１表に示す。

なお、第１表中の尿石付着量および薬剤有効日数は、３
便器の平均値である。

また、第１表中下記の略号を用いた。

〔成分〕

ＢＥＺＡ：安息香酸、ＴＰＬ、Ａ：テレフタル酸ＩＰＬ
Ａ：イソフタル酸、５ＣＣＡ；コノ１り酸ＴＣＣＡ：ト
リクロルイソシアヌール酸ＢＣＤＨ：１−ブロム−３−
り■ルー５．５−ジメチルヒダントインＲ３ＣＮニレゾ
ルシン ５ＵＰＡ　：スルファミン酸 ＨＰＣ：ヒドロキシプロピルセルロースＰＶＰＤ　：ポ
リビニルピロリドン ＰＦ、Ｇ６：ポリプロピレングリコール（Ｍｎ＝６００
０）ＰＤＣＢ　：バラジクロルベンゼン Ｓ　Ｍ　Ｐ　Ｅ：ソルビタンモノバルミテートＡＴＯ／
ｌアルキルチオ尿素系腐蝕防止剤Ｓ　Ｔ　Ｍ　ｇ　ニス
テアリン酸マグネシウム５ＴＣａ　ニステアリン酸カル
シウム 〔悪臭の判定〕 Ｏ：悪臭なし Δ：僅かに悪臭あり ×：悪臭が激しい 第１表に示したように、殺菌殺黴剤であるトリクロルイ
ソシアヌール酸のみを使用した系（比較例１−４参照）
においては、尿石お付着防止効果は優れているが、トリ
クロルイソシアヌール酸の分解により生成した塩素と、
尿の分解により生成したアンモニアとの反応により３塩
化窒素等の刺激臭を有する生成物が生成し、便所の悪臭
を増加させている。しかしながら、少量のハロゲン系殺
菌殺黴剤を固体酸と併用した系（実施例１−４１−５参
照）においては、これらが殺菌、殺黴剤とＬ７て作用し
て尿の分解が抑制されるため、固体酸のｐ　Ｈ上昇抑制
作用と相乗的に作用し優れた尿石４１着防止効果が発現
する。

また、その他の比較試料（比較例１−１〜３参照）は、
夜間洗浄を行わない１次試験においては夜間も継続して
洗浄を行う２次試験に比較して尿石の付着防止効果が低
下し、若干の悪臭が残る。

これらに対し、本発明品は、１次試験、２次試験を通し
て尿石付着防止効果、悪臭の除去効果が共に、極めて優
れている。また、洗浄水が大量に使用され、尿石生成量
の少ない２次試験においては、洗浄水量が少なく尿石の
生成し易い１次試験に比較して薬剤消費量が低下し、薬
剤有効日数が延長されている。

〔発明の効果〕

本発明の浸漬型尿石防止剤は、前記実施例にも示したよ
うに、洗浄が不定期になる手動式の水洗便所の便器排水
管やトラップ部へ浸漬して使用した場合、従来の洗浄水
および尿の流路中に設置する形式の尿石防止剤に比較し
て、トラップ部等への尿石付着防止効果が極めて優れて
いる。また、便器の使用頻度に比較して洗浄水量が多く
尿石の生成し難い便器においては、トラップ内の滞留水
のｐＨ上昇が小さく薬剤の溶解が抑制されるため必要以
上の薬剤が溶出がなく、特別の装置を使用しなくても薬
剤の溶解量が必要量に応じて自動的にコントロールされ
、尿石の付着と悪臭の発生が長期間にわたって防止され
、また、排水管等の腐蝕や浄化槽への悪影響もない。

本発明は、手動洗浄式の水洗便所の便器排水管やトラッ
プ等への尿石付着防止に好適な、浸漬型尿石防止剤を提
供するものであり、その公衆衛生上の、また産業上の意
義は極めて大きい。

特許出願人　（４３０）日本曹達株式会社代　　理　　
人 （７１２５）　　横　　山　　吉　　美（９６４８）東
　海裕　作

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）２０℃の水に対する飽和溶解度が、１ｇ／１００
   ｇ水以下の固体酸を７０重量％以上含有する成形体から
   なることを特徴とする浸漬型尿石防止剤
2. （２）請求項第（１）項において、固体酸がイソフタル
   酸、テレフタル酸またはそれらの混合物であることを特
   徴とする浸漬型尿石防止剤
3. （３）請求項第（１）項に記載の浸漬型尿石防止剤の添
   加成分として、殺菌、殺黴剤を含有することを特徴とす
   る浸漬型尿石防止剤
4. （４）請求項第（３）項において、殺菌、殺黴剤が、ハ
   ロゲン系酸化剤であることを特徴とする浸漬型尿石防止
   剤
5. （５）請求項第（１）項または第（３）項に記載の浸漬
   型尿石防止剤を、男子小便器のトラップ内に浸漬して使
   用することを特徴とする尿石付着防止方法