JPH0214701B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、電子複写機に係り、特に帯電装置の
改良に関する。

（従来の技術） 電子複写機においては、感光体に原稿像を露光
する以前に帯電装置により帯電させること周知で
ある。上記帯電装置は従来、コロナ放電によるコ
ロナ帯電もしくは、導電性ブラシや帯電ローラを
感光体に圧接して帯電させる接触帯電の手段が用
いられる。上記コロナ帯電は構造が簡単で、かつ
性能が安定しているという利点があるが、5kV〜
10kVという高圧電源を使用しているために、安
全性に難点があるとともに経済性が悪い。さら
に、コロナ放電中にオゾンが発生し、このオゾン
が感光体や現像剤その他の材料の特性を著しく劣
化させるという欠点を有している。また接触帯電
による手段は、0.5kV〜1kVの小さな電源で充分
であり、コロナ放電しないからオゾンの発生もな
い。しかしながら、この場合は連続的に均一な帯
電が得にくいという欠点があり、信頼性が低い。
すなわち、従来の接触帯電による手段では、単数
の帯電器が瞬時に立上がる、すなわち、感光体に
対して帯電に必要な電圧を瞬時に立ち上げて印加
することにより、感光体と導電性ブラシあるいは
帯電ローラの接触開始点で瞬時に最大電圧が印加
されることとなる。このため感光体への接触点で
印加電圧は、０から最大電圧へと急激に変化する
ことにより、感光体表面が破壊されてしまう可能
性がある。そのため、感光体上の帯電荷が均一で
はなくなり、かつ感光体を電気的に傷付けてしま
う可能性がある。

また、導電性ブラシを用いる場合には、長い間
使用していると癖が付いたり方向性がまばらにな
り、感光体に対する接触の信頼性を損い、長期に
亙つての帯電が不可能となる。

（発明が解決しようとする課題） すなわち、従来のコロナ放電による帯電方式に
おいては、オゾンの発生等による影響を受け、さ
らに安全性の点からも問題点があつた。

また、導電性ブラシ等を用いた接触帯電方式に
おいては、感光体を傷付けやすく、また連続的に
均一な帯電性能が得られないといつた問題点があ
つた。さらに長期に亙つての帯電が不可能である
といつた問題点もあつた。

そこで本発明は、感光体を損傷させることなく
均一に連続的な帯電ができ、かつ感光体に対する
接触の信頼性を損なうことなく、簡単な構成で長
期に亙つて良好な帯電が可能な電子複写機の帯電
装置を提供することを目的とする。

また本発明は、オゾンの発生を防止し安全性に
も優れた電子複写機の帯電装置を提供することを
目的とする。

さらに本発明は、操作者の取扱いを容易にした
電子複写機の帯電装置を提供することを目的とす
る。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段及び作用） 本発明は上記課題を解決するために、感光体に
像露光する以前に感光体を帯電する電子複写機の
帯電装置において、感光体の移動方向と順方向に
先端部を傾けて感光体に摺接する複数の導電ブレ
ードと、複写機本体に着脱自在でかつ複数の導電
ブレードを保持する保持手段と、複数の導電ブレ
ードに対し感光体の移動方向に沿つて順次高い電
圧を印加する給電手段と、保持手段に設けられて
いて、保持手段が複写機本体に装着されたとき、
複数の導電ブレードと給電手段とを接続させる受
電手段とを具備したことを特徴とするものであ
る。

（実施例） 以下、本発明の装置を採用するのに適した電子
複写機を第１図に基づいて説明する。本体１の上
面には原稿載置台２が設けられ、これは本体１内
に配置させる駆動モータ３により往復動するよう
になつている。本体１内の略中央部には上記原稿
載置台２と同期的に回転するドラム状の酸化亜鉛
―樹脂分散剤感光体４が枢支される。感光体４と
原稿載置台２との間には、ランプ５、光フアイバ
ーレンズ６などからなる露光系７が設けられ、原
稿載置台２上にある原稿を照射し、その反射光を
感光体４に導いて原稿像の結像を図るようになつ
ている。この結像位置から感光体４の回転方向に
沿つて順に現像装置８、転写装置９、清掃装置１
０および後述する帯電装置１１が配設される。上
記現像装置８は、上記露光系７の作用により感光
体４の表面４に形成される原稿の潜像を顕像化す
るものである。上記転写装置９は感光体４に形成
される原稿トナー像を複写紙Ｐに転写するもので
あり、上記清掃装置１０は感光体４の表面に残留
するトナーを除去するものである。本体１の底部
には複写紙Ｐを収容する着脱自在なカセツト１２
と、上記複写紙Ｐを給出する給紙ローラ１３とか
らなる給紙装置１４が設けられる。この給紙装置
１４と上記転写装置９および本体１の反給紙装置
側の側部に突出するトレイ１５をローラやガイド
板からなる搬送路１６が連通する。したがつて搬
送路１６は給紙装置１４から給出される複写紙Ｐ
を転写装置９と感光体４との間に導いて複写紙Ｐ
に原稿像を転写させ、上記トレイ１５に排出する
ようになつている。転写装置９とトレイ１５との
間の搬送路１６に対向して定着装置１７が配設さ
れる。この定着装置１７は複写紙Ｐに形成される
原稿像を定着するものである。

つぎに上記帯電装置１１を第２図および第３図
に基づいて説明する。５２はたとえばアルミニユ
ウム材からなるケースであり、これは長手方向に
沿つて設けた取付け鍔５２ａ，５２ａを複写機本
体１に設けた支持枠５３の溝部に抜き差し自在に
装着される。ケース５２は断面略コ字状に形成さ
れるとともにその一端部にハンドル５４が一体に
設けられ、かつ他端部には受電部を構成する入力
端子５５（図示せず）、５６（図示せず），５７を
有する受電片５８が突設される。上記ケース５２
内には第１のゴムパツキン５９と第２のゴムパツ
キン６０とが互いに嵌合した状態で充填される。
これらゴムパツキン５９６０に接触帯電子である
ところの第１，第２，第３の導電ブレード６１，
６２，６３が取着される。これら第１，第２，第
３の導電ブレードは、弾性ゴム、例えばSBR（ブ
タジエンスチレンゴム）、NR（天然ゴム）、CR
（クロワプレンゴム）等にカーボン粒子等の導電
粒子を分散させたもので形成されている。またこ
の導電ブレードは、１mm〜５mm程度の厚さを有し
ている。これら導電ブレード６１，６２，６３
は、感光体４の回転方向に所定間隔ずつ離間して
いるとともに、その先端部側面がそれぞれ感光体
４の軸方向に沿う周壁に接触するように設けられ
ている。しかも感光体４の回転方向と順方向に若
干の傾きをもたせるように各導電ブレード６１，
６２，６３を設けることにより、各々の導電ブレ
ード６１，６２，６３の先端部側面と感光体４と
の接触面積を大きくしている。また、各導電ブレ
ード６１，６２，６３の第１のゴムパツキン５９
側端部には、それぞれ導電性材料からなる金具６
４，６４，６４が嵌着され、上記入力端子５５，
５６，５７にそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、各導電ブレード６１，６２，６３は第２
のゴムパツキン６０の挿通部分およびこれからの
突出部分の一部に亘つて両側から保持板である絶
縁薄板６５，６５によつて挾持されている。この
絶縁薄板６５は厚さ約200μｍであり、導電ブレ
ード６１，６２，６３の先端縁より約1.5mm短い、
樹脂たとえばマイラ（商品名）が用いられる。

しかして本体１には図示しない給電部が設けら
れていて、ハンドル５４を持つてケース５２を支
持枠５３に係合すれば、受電片５８は上記給電部
に位置し、入力端子５５，５６，５７がたとえば
第４図に示すような電源装置３０を有する給電手
段２４に電気的に接続する。

この第４図に示されている給電手段２４には、
鉄共振トランス３１及び、ダイオード３３ａおよ
びコンデンサ３３ｂなどを有する整流回路３２を
有する。したがつて鉄共振トランス３１は、入力
端子３４，３５に付与される交流電圧を変圧した
電圧を整流回路３２に付与し、この整流回路３２
は出力端子３７に変圧した交流電圧と直流電圧と
を付与するようになつている。

この出力端子３７は第５図に示すようにして上
記第１乃至第３の導電ブレード６１，６２，６３
に電気的に接続する。すなわち出力端子３７は複
数の抵抗３８，３９，４０，３６を介して接続
し、かつこの回路から上記受電片５８の入力端子
５５，５６，５７，に接続する。

このように電気的に接続することにより第１乃
至第３の導電ブレード６１，６２，６３には、第
６図に示すような電位が印加される。すなわち第
１の導電ブレード６１には約200V、第２の導電
ブレード６２には約350V、第３の導電ブレード
６３には約500Vと、段階的に上昇した電位が印
加される。しかもこれら電位はそれぞれ直流電圧
と、この直流流電圧に対してPeak to Peak値が
約20％以下の交流電圧分が重畳されている。

上記第３の導電ブレード６３を例にとれば、第
７図に示すように直流分約500Vに対し交流分約
80Vが重畳されることとなる。実験結果によれ
ば、交流分が100Vを越えれば過帯電になつて感
光体４に疲労現象が現れ、50Vより小さいと連続
使用による疲労回復に効果がないことが示され
た。したがつて重畳すべき交流分は約80V〜約
100Vの範囲が最適である。

なお上記鉄共振トランス３１の特性として、第
８図に示すように、入力した直後は一旦所定電圧
を越え、約500ｍｓを経た後所定電圧を保持する
ようになつている。すなわち出力の立上りには約
500ｍｓを要するので、感光体４の一部に対し安
定した電位が与えられない虞れがあり、この部分
には画像をのせないようにタイミング制御を図つ
ている。

結局帯電装置１１は第９図に示すように、感光
体４の進行方向に沿つて順次転設する第１、第２
第３の導電ブレート６１，６２，６３が、感光体
４にVo，2Vo，3Voと順次高い電圧を印加する。
これら電圧をグラフ化すれば直線的な上り勾配と
なり、最終的には従来と同量の電位（3Vo、即ち
500V）となる。これに対して従来は第１０図に
示すように単数の帯電器が瞬時に立上つて所定電
位（500V）を印加するものとなつている。

しかして、原稿載置台２に原稿を載せ、図示し
ない複写釦を押すことにより、各装置は上述の作
動を行い、原稿複写像が得られた複写紙Ｐをトレ
イ１５に排出することになる。帯電装置１１にお
いては、感光体４の回転にともない第１、第２、
第３の導電ブレード６１，６２，６３が順に感光
体４の周壁を摺擦する。同時に電源装置３０から
各導電ブレード６１，６２，６３に直流と交流と
が重畳する電圧で、かつ順に高い電圧が付与され
る。このため感光体４は回転にともなつて順次帯
電し、最終的に第３の導電ブレード６３に転接す
ることにより過剰電流が流入することなく必要な
帯電が得られる。そして直流と交流とを重畳する
ことにより、感光体４に発生する空間電荷の効果
を防ぎ、短時間で充分な帯電ができる。なお各導
電ブレード６１，６２，６３の先端部は感光体４
の回転方向と順方向に傾いているので、たとえ長
さが不均一であつても感光体４に対して充分な接
触面積が得られるとともにブレードの剛性により
感光体４を確実に摺接する。

このような帯電作用時、絶縁薄板６５，６５は
それぞれの導電ブレード６１，６２，６３をその
両側からある程度の剛性をもつて保持し、この折
れなどを防止するとともに互いのブレードがシヨ
ートする危険も防止できる。

所定枚数を複写する毎に、もしくは所定期間が
経過する度に操作者はハンドル５４をもつてケー
ス５２を本体１から引出し、第１、第２、第３の
導電ブレード６１，６２，６３に付着するトナー
などを除去すると良い。

またこの実施例においては受電片５８に入力端
子５５，５６，５７を設け、これらを第１、第
２、第３の導電ブレード６１，６２，６３にそれ
ぞれ電気的に接続するようにしたが、これに限定
されるものではなく、第２のゴムパツキン６０を
導電性ゴム材料に換えても良い。この場合導電性
ゴムは入力端子間に介在する抵抗の作用をなし、
電源装置３０の簡単化を図れる。すなわち第１の
導電ブレード６１に所定の電圧を所定量だけ入力
すれば、上記実施例と同様各ブレード６２，６３
に順次電圧の上つた所定の電圧が供給されて帯電
電圧差が約150Vとなる。

なお、上記実施例においては第１，第２，第３
の導電ブレード６１，６２，６３とも直流電圧に
交流電流を重畳させたが、これに限定されるもの
ではなく、第１１図に示すように第１、第２の導
電ブレード６１，６２は直流電圧を印加し、第３
の導電ブレード６３のみ直流電圧に20％分の交流
電圧を重畳させるようにしても良い。この場合第
１２図に示すような電源装置３０ａとなり、鉄共
振トランス３１ａ、整流回路３２ａおよび抵抗を
有する分圧回路３８からなる。３４ａ，３５ａは
入力端子であり、３９，４０，４１は出力端子で
ある。図示しないが、出力端子３９は第１の導電
ブレード６１に、出力端子４０は第２の導電ブレ
ード６２に、出力端子４１は第３の導電ブレード
６３にそれぞれ電気的に接続することとなる。こ
の場合および上記実施例の場合とも、交流は200
〜600Hzの範囲が効果的である。

また、上記実施例においては、第１、第２の導
電ブレードのみではなく、第３の導電ブレード６
３に対しても、交流電圧を重畳させることなく所
定の直流電圧（約500V）のみを印加するように
してもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、感光体に
複数の導電ブレードを摺接させ、これら複数の導
電ブレードに感光体の移動方向に沿つて順次高い
電圧を給電手段から印加することによつて帯電を
行なうことから、導電ブレードはその剛性により
確実に感光体に接触し、感光体を損傷させること
なく均一に連続的な帯電ができるようになる。ま
た、この際にオゾンの発生がなく安全性にも優れ
ている。また、各導電ブレードは材料の硬度や厚
さを選択することによつて望ましい剛性が容易に
得られ、簡単な構成で長期に亙つて良好な帯電が
可能となる。

また、複数の導電ブレードを用いることにより
感光体の感度や流入電流／電圧及び疲労特性等の
特性に応じて適切な補償ができ、連続使用にも安
定した帯電性を得ることができる。

さらに、本発明によれば、複数の導電ブレード
の先端部を感光体の移動方向と順方向に傾けたの
で、長さがたとえ不揃いであつても感光体に対す
る接触の信頼性を損なうことがない。

さらにまた、複数の導電ブレードは受電手段を
有するとともに複写機本体に着脱自在な保持手段
に保持され、この保持手段が複写機本体に装着さ
れたとき、複数の導電ブレードと受電手段を介し
て給電手段に電気的に接続させるようになつてい
るため、操作者の導電ブレードに対する取扱いが
容易であり、ブレードに汚れが生じても簡単にク
リーニング等の処置を施すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電子複写機の
概略的縦断面図、第２図は帯電装置の斜視図、第
３図はその縦断面図、第４図は給電手段である電
源装置の電気回路図、第５図は給電手段の電気回
路図、第６図はその波形図、第７図は第３図の導
電ブレードに対する給電状態のみの波形図、第８
図は鉄共振トランスの特性を示す図、第９図は給
電状態説明図、第１０図は従来の給電状態説明
図、第１１図は本発明の他の実施例を示す給電手
段による波形図、第１２図はその給電手段である
電源装置の電気回路図である。 ４…感光体、６１，６２，６３…（第１、第２
第３の）導電ブレード、２４…給電手段、５２…
ケース、５８…受電部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光体に像露光する以前に感光体を帯電する
   電子複写機の帯電装置において、 感光体の移動方向と順方向に先端部を傾けて、
   先端部側面を感光体に摺接する複数の導電ブレー
   ドと、 複写機本体に着脱自在であり、前記複数の導電
   ブレードを保持する保持手段と、 前記複数の導電ブレードに、前記感光体の移動
   方向に沿つて順次高い電圧を印加する給電手段
   と、 前記保持手段に設けられ、前記保持手段が複写
   機本体に装着されたとき、前記複数の導電ブレー
   ドと前記給電手段とを電気的に接続させる受電手
   段と、 を具備したことを特徴とする電子複写機の帯電装
   置。