JPS6229788B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電子複写機に係り、特に帯電装置の
改良に関する。

電子複写機においては、感光体の原稿像を露光
する以前に帯電装置により帯電させること周知で
ある。上記帯電装置は従来、コロナ放電によるコ
ロナ帯電もしくは、導電性ブラシや帯電ローラを
感光体に圧接して帯電させる接触帯電の手段が用
いられる。上記コロナ帯電は構造が簡単で、かつ
性能が安定しているという利点があるが、5KV〜
10KVという高圧電源を使用しているために、安
全性に難点があるとともに経済性が悪い。さら
に、コロナ放電中にオゾンが発生し、このオゾン
が感光体や現像剤その他の材料の特性を著しく劣
化させるという欠点を有している。また接触帯電
による手段は、0.5KV〜1KVの小さな電源で充分
であり、コロナ放電しないからオゾンの発生もな
い。しかしながら、この場合は連続的に均一な帯
電が得にくいという欠点があり、信頼性が低い、
すなわち、従来の接触帯電による手段では感光体
に対して帯電に必要な電圧をワンステツプでパル
ス状に印加することとなり、感光体と導電性ブラ
シあるいは帯電ローラの接触開始点で最大電圧が
印加されてしまう。このため感光体への接触点で
印加電圧の変化は急激となり、感光体上の帯電荷
が均一ではなく、感光体を電気的に傷付けやす
い。

本発明は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、感光体に固有抵
抗を有する帯電ベルトを接触させ、これに給電手
段から電圧を印加し電位勾配をもたせることによ
り、連続的に均一な帯電性能が得られるとともに
安全性が高く、かつ経済的な電子複写機の帯電装
置を提供しようとするものである。

以下、本発明の装置を採用するのに適した電子
複写機を第１図にもとずいて説明する。本体１の
上面には原稿載置台２が設けられ、これは本体１
内に配置される駆動モータ３により往復動するよ
うになつている。本体１内の略中央部には上記原
稿載置台２と同期的に回転するドラム状の酸化亜
鉛−樹脂分散形感光体４が枢支される。感光体４
と原稿載置台２との間には、ランプ５、光フアイ
バーレンズ６などからなる露光系７が設けられ、
原稿載置台２上にある原稿を照射し、その反射光
を感光体４に導いて原稿像の結像を図るようにな
つている。この結像位置から感光体４の回転方向
に沿つて順に現像装置８、転写装置９、清掃装置
１０および後述する帯電装置１１が配設される。
上記現像装置８は、上記露光系７の作用により感
光体４の表面に形成される原稿の潜像を顕像化す
るものである。上記転写装置９は感光体４に形成
される原稿トナー像を複写紙Ｐに転写するもので
あり、上記清掃装置１０は感光体４の表面に残留
するトナーを除去するものである。本体１の底部
には複写紙Ｐを収容する着脱自在なカセツト１２
と、上記複写紙Ｐを給出する給紙ローラ１３とか
らなる給紙装置１４が設けられる。この給紙装置
１４と上記転写装置９および本体１の反給紙装置
側の側部に突出するトレイ１５をローラやガイド
板からなる搬送路１６が連通する。したがつて搬
送路１６は給紙装置１４から給出される複写紙Ｐ
を転写装置９と感光体４との間に導いて複写紙Ｐ
に原稿像を転写させ、上記トレイ１５に排出する
ようになつている。転写装置９とトレイ１５との
間の搬送路１６に対向して定着装置１７が配設さ
れる。この定着装置１７は複写紙Ｐに形成される
原稿像を定着するものである。

つぎに上記帯電装置１１について説明する。す
なわちこれは第２図に示すように第１のローラ２
０と第２のローラ２１とに掛渡される帯電ベルト
２２と、この帯電ベルト２２を無端走行する駆動
機構２３および給電手段２４とからなる。上記帯
電ベルト２２は導電性を有し、その固有抵抗10⁴
〜10¹⁰Ω・cmのものが選ばれる。上記第１、第２
のローラ２０，２１はそれぞれ導電材で形成さ
れ、その両端部からはやはり導電材からなる支軸
２０ａ，２１ａが突出する。各支軸２０ａ，２１
ａはそれぞれ絶縁材からなる図示しない軸受具に
枢支され、かつその一端部には上記駆動機構２３
を構成する絶縁材からなるプーリ２５，２５が嵌
着し駆動ベルト２６が掛渡される。第２のローラ
２１側の支軸２１ａにのみ従動ギヤ２７が嵌着さ
れ、これに図示しない駆動源に設けられた駆動ギ
ヤ２８が噛合する。したがつて駆動ギヤ２８の回
転にともなつて第１、第２のローラ２０，２１は
回転し、帯電ベルト２２は図中矢印方向（上記感
光体４の回転方向に沿う方向）に無端走行するよ
うになつている。各支軸２０ａ，２１ａの他端部
には上記給電手段２４を構成するターミナル２
９，３０に設けたブラシ２９ａ，３０ａが摺接す
る。そして第３図に示すようにブラシ２９ａを設
けたターミナル２９は電源装置３１を介してアー
スされ、ブラシ３０ａを設けたターミナル３０は
そのままアースされる。第４図に上記ブラシ２９
ａに電圧を印加する電源装置３１を示す。すなわ
ち３２は鉄共振トランス、３３はダイオード３３
ａおよびコンデンサ３３ｂなどを有する整流回路
である。したがつて、鉄共振トランス３２は入力
端子３４，３５に付与される交流電圧を変圧して
出力端子３７に付与するとともに整流回路３３に
付与し、これは出力端子３７に変圧した交流電圧
を付与するようになつている。

このように電気的に接続することにより、ブラ
シ２９ａを介して第１のローラ２０には第５図に
示すように直流電圧と交流電圧とが重畳して印加
される。しかもこれら電位はそれぞれ直流電圧
と、この直流電圧に対してPeak to Peak値が約
20％以下の交流電圧分が重畳される。具体的に
は、直流分約500Vに対して交流分80Vを重畳する
こととなる。実験結果によれば、交流が20％以上
である100Vを越えれば過帯電になつて感光体４
に疲労現象が現われ、50Vより小さいと連続使用
による疲労回復に効果がないことが示された。し
たがつて重畳すべき交流分は約80V〜約100Vの範
囲が最適である。

なお上記鉄共振トランス３２の特性として、第
６図に示すように、入力した直後は一旦所定電圧
を越え、約500ｍｓを経た後所定電圧を保持する
ようになつている。すなわち出力の立上りには約
500ｍｓを要するので、感光体４の一部に対し安
定した電位が与えられない虞れがあり、この部分
には画像をのせないようにタイミング制御を図つ
ている。

結局給電手段２４は、第１のローラ２０を介し
て導電性を備えた上記帯電ベルト２２に所定の電
圧を付与する。したがつて帯電ベルト２２は第３
図に示す感光体４のＢ点に所定の電圧を印加する
こととなる。さらに帯電ベルト２２は固有抵抗を
有しているところから、感光体４のＡ点に向つて
電位勾配を与えることができる。感光体４はＡ点
からＢ点に向つて回転するのであるから、これが
受ける電位は第７図に示すようにＡ点からＢ点に
かけて直線的な上り勾配となり、最終的には従来
と同量の電位となる。これに対して従来は第８図
に示すように単数の帯電器が瞬時に立上つて所定
電圧を印加するのであり、ワンステツプによる帯
電となる。

しかして、原稿載置台２に原稿を載せ、図示し
ない複写釦を押すことにより、各装置は上述の作
動を行い、原稿複写像が得られた複写紙Ｐをトレ
イ１５に排出することになる。帯電装置１１にお
いては、感光体４の回転にともない駆動機構２３
が作動して第１、第２のローラ２０２１を感光体
４と反方向に、かつこれよりわずかに遅い周速に
て回転させる。したがつて帯電バルト２２は無端
走行し感光体４の周壁一部と摩擦接触することと
なるが、周速が異なるので均一な接触ができると
ともに万一帯電ベルト２２の一部に欠陥（トナー
による汚れなど）が生じても他の部分で充分補償
できる。同時に電源装置３１から第１のローラ２
０に直流と交流とが重畳する所定の電圧が付与さ
れる。このため帯電ベルト２２はその電圧を感光
体４のＢ点に印加するとともに固有抵抗を有する
ところからＡ点に沿つて順次電位勾配を形成した
電圧を印加する。感光体４はＡ点からＢ点方向へ
回転するので、最終的にはＢ点において過剰電流
が流入することなく必要な帯電が得られる。そし
て、直流と交流とを重畳することにより、感光体
４に発生する空間電荷の効果を防ぎ、短時間で充
分な帯電ができる。なお帯電ベルト２２の固有抵
抗値10⁴〜10¹⁰Ω・cmは種々の実験から得られた
最適な値である。

なお上記実施例における第１、第２のローラ２
０，２１を回転駆動するための駆動機構２３は必
ずしも必要なものではなく、帯電ベルト２２を感
光体４に圧接させ、この回転にともない従走行さ
せるようにしても良い。この場合駆動機構がない
から構造が簡単でコストを低くすることができる
とともに感光体４に対してころがり接触となりこ
の表面を損うことがない。

また感光体４をドラム形状としたが、平板形状
としても良い。

以上説明したように本発明によれば、感光体に
固有抵抗が10⁴〜10¹⁰Ω・cmである帯電ベルトを
接触させ、この帯電ベルトに給電手段から電圧を
印加して電位勾配をもたせるようにしたから、感
光体に対して順次電圧を印加することと同様とな
り、感光体の損傷がなく確実、かつ均一に連続的
な帯電ができるとともに帯電に伴うオゾンの発生
がなく安全性が向上するなどの効果を奏する。

また本発明によれば、給電手段は、直流電圧に
交流電圧を重畳させ、該交流電圧のＰ−Ｐ値が該
直流電圧の20％以下となるよう印加するようにし
たから、感光体の感度や流入電流／電圧および疲
労特性などの特性に応じて最適な補償ができ、連
続使用にも特性劣化を防止し安定した帯電性を得
るなどの効果を奏する。

また本発明によれば、給電手段は、所定時間を
もつて連続的に立上る特性を備えたから、突入電
流から感光体の損傷を確実に守り、耐久性の向上
得るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電子複写機の
概略的縦断面図、第２図は帯電装置の斜視図、第
３図はその概略的側面図、第４図は給電手段にお
ける電源装置の電気回路図、第５図はその波形
図、第６図は鉄共振トランスの特性を示す図、第
７図は感光体に対する給電状態説明図、第８図は
本発明の従来例を示す給電状態説明図である。 ４……感光体、２２……帯電ベルト、２４……
給電手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光体に接触する固有抵抗が10⁴〜10¹⁰Ω・
   cmである帯電ベルトと、この帯電ベルトに電圧を
   印加し電位勾配をもたせる給電手段とを具備した
   ことを特徴とする電子複写機の帯電装置。 ２ 上記給電手段は、直流電圧に交流電圧を重畳
   していて、該交流電圧のＰ−Ｐ電圧が該直流電圧
   の20％以下であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の電子複写機の帯電装置。 ３ 上記給電手段は、所定時間をもつて連続的に
   立上る特性の電圧を印加するようにしたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の電子複写機
   の帯電装置。