JPH0214376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、育苗ハウスに係わるものにして、
季節的使用の必要に応じて使用し、不需要期には
折畳み収納が簡易に出来るようにしたアコーデオ
ン式組立育苗ハウスに関するものである。

［従来の技術］ 従来の育苗ハウスは並列的に配列したアーチ状
支柱の両端を地中に埋込み、該支柱の地上露出部
分を合成樹脂シートで囲繞被覆した所謂固定取付
型の育苗ハウスが一般的である。しかしこのよう
な従来の育苗ハウスは、一度組立実用に供する
と、不需要期になつてもそのまま放置されている
場合が多い。これは折畳みできない構造にあるこ
と、又再び組立て育苗ハウスに供する復元に多大
の労力を要する構造にあることに基づく。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のように従来の育苗ハウスは一度組立て実
用に供すると、不要時に至つてそのまま放置さ
れ、合成樹脂シートの風化や外力による破損を生
じたり、その農地の季節に応じた有効利用を阻害
する欠点が痛感された。

本考案は既述のような従来の組立育苗ハウスに
おける欠点のない育苗ハウス、即ち非使用には折
畳み収納ができ、又使用を望むときは簡易に組立
利用できる再現性良い育苗ハウスを提供するもの
である。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は図面に実施例を示す如く平行的に配列
するように設けられた所定数の支柱２に対し、そ
の外側から柔軟性を有する合成樹脂シート１を囲
繞して全面被覆され、上記の合成樹脂シート１と
支柱２とが貫孔付下向開口断面優弧状把持具３及
び下向開口断面優弧状把持具４の嵌合作用により
固着されて形成された育苗ハウスにおいて、該育
苗ハウスの屋根棟部で嵌合固着した貫孔付下向開
口断面優弧状把持具３の貫孔部１０内を吊ロープ
５、支柱２を一定間隔に結んだ間隔保持ロープ６
及び引寄せロープ７の、３種のロープが並列に貫
通取付けられてなる伸縮可能なアコーデオン式組
立育苗ハウスである。

［実施例］ 第２図の展開図で示すような長方形の柔軟性を
有する合成樹脂シート１に関し、同図にW₂で示
す如く等間隔で平行的に配列するように設けられ
た破線の位置に第３図に側面図で示すような立上
がり部分を有する屋根型アーチ状の支柱２をセツ
トし、該合成樹脂シート１を支柱２上に全面被覆
することにより第１図に示す破線の位置で第４図
の正面図で示すように合成樹脂シート１が支柱２
で支持されたものが出来る。

尚上記セツトに関しては支柱２の第３図に示す
立上がり部分の長さb′と屋根型アーチ状部分の長
さc′の各部分がそれぞれ柔軟性を有する合成樹脂
シート（以下シートと略称する）の第２図に示す
ｂの長さ部分とｃの長さ部分上にかさね合わせて
セツトされる（即ち第４図に示したような重ね合
わせとなる）。

このセツトに際しては第５図及び第６図に示す
ような下向開口断面優弧状把持具を第１図に示す
ようにシート１と支柱２とが接触する屋根棟部、
屋根傾斜部及び支柱立上がり部の各位置に外側か
ら把握、即ちシート１を介して支柱２を把握する
ことによりシート１と支柱２は密着し育苗ハウス
が形成される。このように下向開口断面優弧状把
持具を使用しているので本考案における育苗ハウ
スの組立式は解体は極めて簡易に出来ると共にそ
の作業に当たりシート１をいためるようなことも
ない。

本考案では第２図に示すようにシート１のＢ−
Ｂ方向の長さは支柱２の全長よりも第２図に示す
両端のａ部分の幅だけ長く、又シート１のＡ−Ａ
方向における両端のW₁部分の長さは第３図に示
す支柱２の高さＨ部分よりも長く、これらの長い
部分は育苗ハウス用に組立てた後は第１図に示す
ように、シート１の下端縁部１１として地面に沿
つて展開した形状となしシート下端における通風
を充分防ぎ得る状態としてある。

而して本考案の重要な点は以下に述べる構成に
ある。

すなわち、組立育苗ハウスにおける屋根棟部に
取付けた貫孔付下向開口断面優弧状把持具３の貫
孔部１０内を単に素通りさせた吊ロープ５、上記
下向開口断面優弧状把持具３の貫孔部アーム１２
毎にいずれも結紐により固定された間隔保持ロー
プ６および最先端の貫孔付下向開口断面優弧状把
持具３に結着し他の貫孔付下向開口断面優弧状把
持具３では貫孔部１０を素通りする引寄せロープ
７を設けたことである。

而して吊ロープ５は両端を支え木等に結着して
組立育苗ハウス全体吊り支えるものである。

［作用］ 前記吊ロープ５は育苗ハウス自体の吊揚げ維持
の役割と、シート１を伸縮させる場合の各貫孔付
下向開口断面優弧状把持具の移動用ガイドの役割
を果たす。

閉隔保持ロープ６は各貫孔付下向開口断面優弧
状把持具３の距離間隔を一定にするものであつ
て、この点育苗ハウスとして実用に供するに当た
りシート１が引張り破れを生じない程度に且つ屋
根棟における貫孔付下向開口断面優弧状把持具３
の間隔が引張り不十分による不均衡を生じない程
度に適度の引張りを加える役割を果たすものであ
る。

更に引寄せロープ７は育苗ハウスが季節的不需
要期となり折畳み収納する際又は屋根を一部短縮
する場合屋根棟部に取付けた貫孔付下向開口断面
優弧状把持具３同志の間隔を短縮する機能を有す
る引寄せロープであつて、これは引寄せる側に対
し反対側の最先端貫孔付下向開口断面優弧状把持
具３に固定されており、これを引寄せることによ
つて貫孔付下向開口断面優弧状把持具３を先端の
ものから逐次引き寄せそれに伴つて支柱の移動作
業を併行的に行い屋根の短縮を果たす。

尚第１図において矢印Ｘは屋根を引寄せる方
向、矢印Ｙは屋根を伸ばす方向を示した。

［考案の効果］ 本考案によれば育苗ハウスの屋根がアコーデオ
ン式に短縮するためハウスの活用範囲を任意に変
更することができて土地の利用を無駄なくし、支
柱２は屋根棟部において一定の間隔配置が定めら
れるから傾倒の不安がなく、組立使用後の処置に
おいて折り畳み収納が簡易でシートの損傷を生じ
難く、ハウスに再利用する際の復元が容易である
等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部を
省略した全体の斜視図、第２図は一部を省略した
シートの展開図、第３図は支柱の正面図、第４図
は支柱にシートを被覆した正面図、第５図はハウ
ス棟部に使用する下向開口断面優弧状把持具の正
面図、第６図は支柱中間に使用する下向開口断面
優弧状把持具の正面図、第７図は第５図及び第６
図のｄ−ｄ断面図を示す。 １……柔軟性を有する合成樹脂シート、２……
支柱、３……貫孔付下向開口断面優弧状把持具、
４……下向開口断面優弧状把持具、５……吊ロー
プ、６……間隔保持ロープ、７……引寄せロー
プ、８……間隔保持用ロープの結節部、９……引
寄せロープの結節部、１０……貫孔付下向開口断
面優弧状把持具の貫孔部、１１……合成樹脂シー
トの下縁部、１２……貫孔付下向開口断面優弧状
把持具の貫孔部アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行的に配列するように設けられた所定数の支
   柱２に対し、その外側から柔軟性を有する合成樹
   脂シート１を囲繞して全面被覆され、上記の合成
   樹脂シート１と支柱２とが貫孔付下向開口断面優
   弧状把持具３及び下向開口断面優弧状把持具４の
   嵌合作用により固着されて形成された育苗ハウス
   において、該育苗ハウスの屋根棟部で嵌合固着し
   た貫孔付下向開口断面優弧状把持具３の貫孔部１
   ０内を吊ロープ５、支柱２を一定間隔に結んだ間
   隔保持ロープ６及び引寄せロープ７の、３種のロ
   ープが並列に貫通取付けられてなることを特徴と
   する伸縮可能なアコーデオン式組立育苗ハウス。