JPH0214234B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、船舶の船尾駆動装置、特に船尾駆動
装置と共に用いるためのジンバルリング式かじ取
装置に関する。

米国特許第3136285号に記載されているかじ取
装置はほぼ垂直の上方のかじ取りスイベル軸を持
つたジンバルリングを有し、この上方のかじ取り
スイベル軸は船舶のトランソムに取付けたトラン
ソムブラケツトに回転自在に配置されている。駆
動装置はジンバルリングによつてほぼ横方向水平
軸線まわりに回動できるように支えられて傾斜運
動を行うようになつている。このかじ取装置で
は、上方のかじ取りスイベル軸はスプライン結合
によつてジンバルリングに取付けられている。こ
のかじ取装置では、かじ取アームを上方のかじ取
りスイベル軸に取付け、トランソム取付孔を通し
て前方に延ばし、船舶の内部に入れることがで
き、そのため、かじ取制御装置を船舶内でかじ取
アームに取付けることのできるコンパクトな構造
となるので、非常に満足できるものであることが
証明されている。しかしながら、この従来装置は
上方のかじ取りスイベル軸とジンバルリングとの
面接触を充分にとれない。

他にも、スプライン結合を行なわずに、ジンバ
ルリングに正方形の孔を設け、上方のかじ取りス
イベル軸の断面をそれに対応したものとしたかじ
取装置が知られている。この上方のかじ取りスイ
ベル軸は正方形断面を通る軸線に沿つて分割さ
れ、この軸線にねじを用いて上方のかじ取りスイ
ベル軸を広げ、それをジンバルリングと接触させ
る。この装置は対応面に全垂直方向長さに沿つて
接触を得ることはできない。

本発明者らは、前記形式のジンバルリング式か
じ取装置において、 (1) ４つまたはそれより少ない側面を持つた横断
面形状の垂直ジンバルリング孔を用い、 (2) この垂直ジンバルリング孔の横断面形状に対
応する横断面形状の下部を有する上方のかじ取
りスイベル軸を用い、 (3) ジンバルリングに、垂直ジンバルリング孔の
側面を上方のかじ取りスイベル軸の対応側面に
留める手段を設けることによつて、 ジンバルリングと上方のかじ取りスイベル軸の
係合部分の全長にわたつてほぼ完全な接触を得
ることができることを見出したのである。

以下、添附図面を参照しながら本発明を説明す
る。

第１図はボート１２のトランソム１１に取付け
た船尾駆動体１５およびジンバルハウジング組立
体２０を示している。ボート１２内には船内機１
３が取付けてあり、これは自在継手１４を介して
船尾駆動体１５に連結してある。船尾駆動体１５
は、大雑把に言つて、水平駆動軸１７および垂直
駆動軸１８を有する駆動軸ハウジング１６を包含
する。水平駆動軸１７を自在継手１４によつて軸
１９に連結してあり、この軸１９は船内機１３の
クランク軸に連結してある。

このジンバルハウジング組立体２０は船尾駆動
体１５をトランソム１１に取付けている。ジンバ
ルハウジング組立体２０は、大雑把に言つて、ジ
ンバルハウジング２１とトランソム孔２３を密閉
するためのトランソムシール２２とを包含する。
このジンバルハウジング組立体２０は、軸１９お
よび排気管２４が貫通する孔も包含する。ジンバ
ルハウジング組立体２０は、さらに、水平ピポツ
ト２７によつてジンバルリング２６に枢着された
ベルハウジング２５を包含する。このジンバルリ
ング２６は上方のスイベル軸２８，２９によつて
ジンバルハウジング２１に取付けてある。

上方のスイベル軸２８にかじ取レバー３０が取
付けてあつて船尾駆動体１５のかじ取制御を行う
ようになつている。かじ取レバー３０は保持用ね
じナツト３１Ａおよびナツト３１によつて所定位
置に保持されている。実際には、かじ取レバー３
０の内端をかじ取ハンドル・ケーブルシステムの
ような普通のかじ取システムで制御するようにな
つている。

第２，３，４図はジンバルリング２６の好まし
い実施例の詳細を示す図である。ジンバルリング
２６は、キヤストアルミニウムで作つてあり、ベ
ルハウジング２５に栓着できるように水平の孔３
２を有する。上下のジンバルリング孔３５は正方
形の横断面形状であり、ブローチ作業によつて形
成されている。孔３５の前後の角隅にはアールが
付けてあつてストレスを逃がすようになつてお
り、孔の壁は前後両方向の強度を高めるようにか
なり厚くなつている。

スロツト３８がジンバルリング２６の頂を横切
つて設けてあり、正方形の孔３５の角隅に沿つて
延びている。スロツト３９は孔３５よりも深く形
成してあり、その結果、孔３５の側面は、ジンバ
ルリング２６の孔４０を貫通するボルト３９によ
つて上方スイベル軸２８の側面に締付けられたと
きにほぼ平行に留まることになる。

第５，６図は上方スイベル軸２８の好ましい実
施例の拡大図である。この上方スイベル軸２８は
ジンバルリング２６の正方形孔３５と係合する正
方形横断面形状部４１を有する。上方スイベル軸
２８はその下端に円形キヤツプ４２を有し、これ
はジンバルハウジング組立体２０にある軸受面４
３，４６を正しく位置決めするようになつてい
る。さらに、部分４４の雄スプラインがかじ取レ
バー３０の雌スプラインと係合し、軸２８はねじ
付部分４５と係合するナツト３１によつて軸線方
向に位置決される。

上方ジンバルリング孔３５およびかじ取スイベ
ル軸２８の正方形部分４１は、最初の組立てのと
きに最小限の間隙を与えるが、締付力をボルト３
９によつて与えたときに対応する平らな面おほぼ
完全な係合を生じるように設計してある。締付ボ
ルト３９の効果は孔３５の前後側面間で締付作用
を生じさせることにある。係合面間の完全な接触
は、第３図で最も良くわかるように、孔３５の下
端付近にボルト孔４０を設けることによつて確実
に行なわれる。これは、ボルト３９を締付けるに
つれてスロツト３８の前後側面における曲げを吸
収するのに役立つ。

本発明の好ましい実施例では、ジンバルリング
２６に正方形の上方孔３５を設け上方スイベル軸
２８に対応する正方形断面部４１を設けてある
が、他の横断面形状、たとえば三角形、矩形も用
いうることは了解されたい。いずれの断面形状を
用いたとしても、少数のボルトによつて容易に締
付けを行なつて対応面をほぼ完全に係合させ、上
方スイベル軸をジンバルリング内にしつかり保持
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はボートのトランソウに取付けた船尾駆
動装置の部分断面側面図であつて、特にジンバル
リングおよびかじ取アーム組立体を示す図、第２
図はジンバルリングの背面図、第３図はジンバル
リングの断面図、第４図はジンバルリングの部分
頂面図、第５図は上方スイベル軸の側面図、第６
図は第５図の軸の端面図である。 １２…ボート、１１…トランソム、１３…船内
機、１４…自在継手、１５…船尾駆動体、１６…
駆動軸ハウジング、１７，１８…駆動軸、２０…
ジンバルハウジング組立体、２１…ジンバルハウ
ジング、３０…かじ取レバー、３５…ジンバルリ
ング孔、３８…スロツト、３９…締付ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 船舶のトランソムに取り付ける船尾駆動装置
   であつて、 (A) 船舶の外部に装着した船尾駆動体と、 (B) 船舶に取り付けたジンバルハウジングと、 (C) 船尾駆動体をジンバルハウジングに枢着して
   トリム、かじ取制御を可能とするジンバルリン
   グと、 (D) ジンバルリングをジンバルハウジングに枢着
   するほぼ垂直の上下のかじ取りスイベル軸と、 (E) 上方のかじ取りスイベル軸に取り付けてあつ
   て、船尾駆動体のかじ取制御を行うかじ取レバ
   ーと、 を包含する船尾駆動装置において、 (1) ジンバルリングにその上部でかつ上下のかじ
   取スイベル軸と同軸にほぼ正方形の横断面形状
   を有するほぼ垂直の孔を設け、 (2) 上方のかじ取スイベル軸が前記ジンバルリン
   グの孔の横断面形状に対応する横断面形状の下
   方部分を有し、 (3) 更に、前記ジンバルリングの孔の側面を前記
   上方のかじ取スイベル軸の対応側面に締め付け
   て前記孔の側面と前記上方のかじ取スイベル軸
   の対応側面とを前記孔の全長にわたつてほぼ完
   全に係合させる締付装置を設け、この締付装置
   が、 (a) 前記ジンバルリングの孔の横断面形状を通
   つて対角線方向に延びるように前記ジンバル
   リングに設けてあり、前記ジンバルリングの
   孔の軸線を含む平面内に位置しかつ前記ジン
   バルリングの孔の対角線方向に対向した角隅
   でジンバルリング内に入り込んでいるスロツ
   トと、 (b) 前記ジンバルリングの孔の前記角隅付近で
   前記ジンバルリングを貫いて延びており、前
   記スロツトの側面に力を加えるようになつて
   いるボルトであつて、また、前記ジンバルリ
   ングの孔の底部に向かつて片寄つて位置して
   いてこのボルトを締め付けたときに前記ジン
   バルリングの曲げを補正するようになつてい
   るボルトと からなることを特徴とする船尾駆動装置。