JPH0214061A - 平面性良好な伸縮性刺しゅうレースの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は刺しゅう用縫い糸に用いられる伸縮弾性を有す
る糸が実質上、ドラフトされることなく縫い系中に保持
され、伸縮性に富むと共に平面性にすぐれた伸縮性刺し
ゅうレースを製造する方法に関するものである。

（従来の技術） 刺しゅうレースは一般にエンブロイダリー機により基布
に表糸と裏糸により刺しゅうを施すものであるが、基布
が伸縮性を有するときは基布が伸び、刺しゅうが正確に
行われ難いため、通常、基布に祇又は水可溶性繊維より
なる布帛を接着剤を用い又は用いずに重合し、これにエ
ンブロイダリー機を用いて刺しゅうを施した後、紙又は
水可溶性繊維布帛を水で洗浄除去する方法や、伸縮弾性
フィラメントを非伸縮の水可溶性繊維糸と併用した糸を
用いて基布を作り、これに不溶性繊維からなる糸を用い
て刺しゅうを施した後、水系溶剤中に漬浸して水可溶性
繊維を溶解除去する方法が行われて来た。

しかし、これらの方法によるものは基布は伸縮性を有す
るにしても刺しゅうに用いられる糸は何れも伸縮性を有
しない糸であるため刺しゅう時、レース地を伸張したと
き模様部分は延びない部分を生じ、商品価値の低下を招
来する欠点があった。

そこで、この欠点を解消する方法として伸縮弾性を有す
る糸を水可溶性繊維糸により一時的に伸縮性を殺して刺
しゅう糸に利用する方法が特開昭５４−１０６６７２号
公報等により提案されるに至った。

この方法は同公報の記載によればゴム状弾性を有する糸
を芯糸とし、これに水溶性高分子よりなる糸を、インナ
ーカバー糸、非水可溶性繊維よりなる糸をアウターカバ
ー糸とし、ドラフト２〜３゜回転数的８０００回／分で
カバーリングして伸縮性を殺した糸を作り、この糸を表
糸、裏糸としてエンブロイダリー機を用いて刺しゅうし
た後、水を主とした溶液中に漬浸し、水溶性高分子繊維
を溶解除去する方法である。

（発明が解決しようとする課題） しかし、この方法により作られた刺しゅうレースはその
糸のカバリング時におけるゴム状弾性を有する糸のドラ
フトが２〜３であり伸張されているため、水溶性繊維糸
を除去した後は原状に復して大幅な収縮を起こし、同公
報にも明記されている如く経緯両方向共約４５％収縮し
た刺しゅう布となり凹凸が激しく美観の点で充分とは言
えない難点を有していた。

本発明は、かかる欠点に着目し、伸縮弾性を有する糸を
原寸状態として水溶性繊維糸除去後においても実質的に
収縮を起こさず、刺しゅうを施した原寸法に略近い形で
、凹凸が少なく平面性に優れた伸縮性刺しゅうレースを
得ることを課題とし、特に刺しゅう層系における前記ド
ラフトの改善に注目し、解決を図ることを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） 即ち、本発明の特徴とするところは、最終的に前記伸縮
弾性を有する糸に非水溶性繊維糸が被覆された刺しゅう
用縫い糸を得るが、これには上記伸縮弾性を有する糸に
非水溶性繊維糸を併用することは勿論、更に水溶性繊維
糸を併用して前記伸縮弾性を有する糸のドラフトを１と
して実質的に伸張することのないようにして刺しゅう層
系を作り、この糸を縫い糸に用いて伸縮性布帛からなる
基布面に刺しゅうを施すものであり、伸縮性布帛からな
る基布面に刺しゅうを施すにあたっては、例えば水溶性
繊維糸からなる布帛で伸縮性基布の伸縮性を一時的に固
定し、この両布帛に対し刺しゅうを施した後、用いられ
ている水溶性繊維糸を溶解除去することによって伸縮性
基布面に刺しゅうを施すようにする。

ここで、前記刺しゅう用の糸における伸縮弾性を有する
糸としてはポリウレタン弾性糸、ゴム糸などが含まれ、
一方、非水溶性繊維糸としてはナイロン、ポリエステル
などの合成繊維の外、レーヨン、綿など各種繊維が使用
可能である。

そして、カバリングした糸の形成に際しては、例えば前
記伸縮弾性を有する糸に水溶性繊維からなる糸が引き揃
え用いられ、集合糸とされて前記非水溶性繊維糸によっ
てカバリングされ、あるいは伸縮弾性を有する糸に非水
溶性繊維糸がカバリングされて、これに水溶性繊維が引
き揃えられ、更に水溶性繊維により絡みつけられるなど
の手段が用いられる。

この場合、水溶性繊維としてはポリビニルアルコール、
ポリ−β−アラニン、アルギン酸塩などからなる糸が使
用可能である。また、前記伸縮弾性を有する糸に対する
カバリングは前記非水溶性繊維からなる糸でシングル又
はダブルに被覆することによって得られるが、カバリン
グ時において伸縮弾性を有する糸を実質上、伸張するこ
となく、ドラフト１の状態で給糸することは本発明にお
いて最も重要な点である。

即ち、前記カバリングにより非水溶性繊維糸を被覆する
にあたっては、通常、中空スピンドルをもつカバリング
機を用い、積極駆動するフィーダーから伸縮弾性を有す
る糸を殆ど伸張することのないようにして給糸し、非水
溶性繊維糸で被覆することにより行われるが、被覆は刺
しゅうのし易さなどを考慮し、撚り数、被覆糸の太さ、
加工糸かどうが、あるいはシングルかダブルか等が選定
される。

なお、伸縮弾性を有する糸を殆ど伸張することなく、実
質的にドラフト１で給糸するには、該伸縮弾性系を送出
するロールの表面速度と、被覆後の糸の巻き取りロール
の表面速度との比を１に近く設定することによって達成
される。

次に一方、刺しゅう用の基布としては伸縮性を有する布
帛であり、織物１編物の何れでもよいが、好ましい布帛
としては経及び緯に伸縮性をもつスパンデックスコアス
パンヤーンを用いた織物や、ポリウレタン弾性糸を他の
繊維糸と組み合わせた経編地、あるいは九編地などの編
地である。

また、いわゆるシャーシーやトリコットのような一方向
のみにより大きい伸縮性を持つ編地も使用可能である。

そして、刺しゅうに際し、この伸縮性をもつ基布は一時
、その伸縮性を固定することがなされるが、これにはポ
リビニルアルコール系などの水溶性繊維からなる織物や
編地を伸縮性布帛に重合し接着剤を用いるか、又は用い
ることな（使用することによって行われる。

かくして、軟土のようにして一時的に伸縮性を固定した
伸縮性布帛からなる基布に対し前記の被覆糸を縫い糸と
し、通常の如くエンブロイダリー機などを用いて刺しゅ
うを施し、その後に水系溶剤に漬浸し、含まれる水溶性
繊維糸を溶解除去することによって本発明のレースを製
造し得るが、縫い糸は収縮を起こすことなく、従って刺
しゅうした原寸に近い形で、しかも凹凸の少ない平面性
にすぐれた伸縮性刺しゅうレースが得られる。

又、基布として水溶性繊維糸よりなる布帛を併用するこ
とにより、同効の他のレースを得ることもできる。

（作用） 軟土の如き刺しゅうレースは伸縮弾性糸がドラフトされ
ることなく、ドラフト１をもって刺しゅう用縫い糸の中
に包含されており、従って、経緯方向への収縮を来さず
、原寸のままとなり伸張時には原寸の状態より所要の伸
縮性を発揮して伸縮性をもち、しかも当初、原寸状態よ
り出発している関係上、収縮による凹凸、しわをレース
表面に発生することはなく、しわのない平面性良好なレ
ースを製造することができる。

（実施例） 以下、更に添付図面にもとづき本発明製造法の実施例を
説明する。

図は本発明方法により得られたレースの１例を示し、（
１）は伸縮性布帛からなる基布であり、２方向に伸縮性
を有し、又は１方向により大きな伸縮性を有する編地又
は織地からなっており、刺しゅう製作時、水溶性繊維糸
からなる布帛が重合されることによって一時的に伸縮性
が止められるが、刺しゅう上がり後の水系溶剤による水
溶性繊維糸の溶解除去によって伸縮性を有する布帛のみ
となっている。

一方、（２）は前記基布（１）面に施された刺しゅう模
様であり、伸縮弾性を有する糸に非水溶性繊維糸を被覆
した糸によって形、成されている。この被覆した刺しゅ
う用縫い糸は前述のように伸縮弾性を有する糸と水溶性
繊維糸とが併用されるが、ドラフト１の割合で伸縮弾性
を有する糸が給糸されて非水溶性繊維糸によって被覆さ
れ、水溶性繊維糸の溶解除去によって実寸を保持した伸
縮弾性糸を非水溶性繊維糸で緻密に被覆した糸となって
いる。

即ち、−船釣には伸縮弾性を有する糸を伸張した状態で
非水溶性繊維糸で被覆することが多く、従って、伸張が
解放され収縮したときには凹凸が発生し易いが、本発明
においてはドラフト１で実寸状態のため凹凸の発生は全
（認められない。

かくして、上記実寸を保持した伸縮弾性糸を水溶性繊維
糸と併用し、刺しゅう用縫い糸として伸縮性布帛面に通
常の手段に従って刺しゅうを施し、のち、含まれている
水溶性繊維糸を溶解除去することによって本発明のレー
スを得るに至る。

このようにして得られる本発明レースは、そこに含まれ
ている伸縮弾性糸は原寸状態にあるためこれを伸張すれ
ば原寸状態より伸張が始まることになる。これは従来の
伸縮性基布に対する刺しゅうがその刺しゅう糸として伸
縮弾性系を伸張させた状態でカバリングしたものである
関係上、伸張状態では平滑であるが、伸張を解舒した収
縮状態では基布面にしわを発生するのと対照的で、本発
明の優れたところである。

なお、上記刺しゅうレースは通常のエンブロイダリー機
を用いることによって作られるが、他の刺しゅう機、レ
ース機によっても作成可能である。

かくして、得られる上記レースは種々の用途、特に近年
、婦人用下着、ファンデーション、水着などに多用され
るレースとして高級志向品に用いられる。

（発明の効果） 本発明は以上の如くドラフトｌをもって実質上伸張する
ことなく伸縮弾性糸を芯糸とし、これに非水溶性繊維糸
を被覆した糸を刺しゅう用縫い糸として伸縮性布帛から
なる基布に刺しゅうを施したものであり、伸縮性基布と
伸張弾性をもつ縫い糸が相俟って全体にわたり伸縮性の
良好なレース地を得ることができると共に、伸縮弾性糸
を用いた刺しゅう層系はその伸縮弾性糸が実質上、伸張
されるたとなく、ドラフト１をもって被覆されているた
め、従来の伸張状態でカバリングされた縫い糸に比し、
刺しゅう上がり後において何ら収縮することがなく、原
寸に近い形でレース面に収縮による皺や凹凸を生ずるこ
とがなく仕上がり、従来の伸縮弾性系、縫い糸使用のレ
ースに比し商品、　　価値の向上は勿論、デザインを決
める際にも頗る有効であり、斬新な伸縮性レースの製造
法として今後における用途拡大が期待されるところであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明方法により得られる刺しゅうレースの１例を
示す平面概要図である。 （１）・・・基布、（２）・・・刺しゅう。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、伸縮弾性を有する糸に非水溶性繊維糸が被覆されて
   なり、これに水溶性繊維糸を含めて前記伸縮弾性を有す
   る糸を実質上、ドラフトすることなく原寸を維持させて
   前記非水溶性繊維糸によって被覆せしめた糸を刺しゅう
   用縫い糸とし、伸縮性布帛からなる基布に刺しゅうを施
   し、その後、水溶性繊維糸を溶解除去することを特徴と
   する平面性良好な伸縮性刺しゅうレースの製造法。