JPH021401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、新規な空気膜構造に於ける膜材ジ
ヨイント部の構造の提供に係わる。

所謂、空気膜構造とは第１図の平面図に示され
る如く建物周辺に設けたコンプレツシヨンリング
１から建物規模に合わせてワイヤ２……をかけわ
たし、そのワイヤ２……間に膜材３……を張り屋
根面を構成し屋根面の単位面積当たりの重量より
も大きい圧力を建物室内にかけ屋根面を空気圧で
支える構造であるが、これに於いて膜材３の張設
は、通常ワイヤ２で囲成される面積に裁断の膜材
３の端部間をワイヤ２線上でジヨイント処理する
ことでなされるが、その手段は第２図に示す如く
のものである。

即ち、ワイヤ２に所定間隔をもつてＵボルト４
を取り付け、当該Ｕボルト４に押え金具５、スペ
ーサー６、プレート金具７、プレート部材８等を
ナツト９で締結してワイヤ２に膜材ジヨイント用
のプレート面（プレート部材８）を付設し、この
上にて、第３図に示す如く膜材３の端部を折り返
しのうえ熱溶着１４して加工した袋状部１５にロ
ープ１６を挿入した縁太部を該熱溶着１４部に穿
孔の透孔１７を介して組付きのボルト止めの押え
具１０に押圧掛止させて膜材３をワイヤ２に対し
て止着関係にするとしてなる。尚、隣接膜材３，
３間のシールは、その一方端を該押え具１０で押
止のカバー１１の他方端を該プレート金具７の中
央部に立設の埋込部１２に嵌着のガスケツト１３
に形成の挟み付け溝に差し込み固定することでな
される。

尚、実際には水密性、膜材損傷防止のため膜材
３の上下にはクツシヨン材を介装している。

しかして、叙上構成によるならばクツシヨン材
の介装が必要であると共にボルト止め構成のため
に当該クツシヨン材はもとより膜材３、押え具１
０、プレート部材８の所定個所に穿孔する必要が
あり、この様に異なる部材に同一ピツチで孔をあ
ける必要があるが製作場所も、アルミ・ゴム・膜
材と製作加工場所も異るため、同一ピツチの多数
の孔を合わすための管理が大変であり、且つその
締結作業も相当細かいピツチで配されていること
からして困難な作業となるものである。

又、縁太部とボルト芯までの距離にバラツキを
生じるし、且つロープ１６がポリエステル、ナイ
ロン等の断面が変化しやすい材料を使用している
ために透孔１７廻りに応力集中が起き、膜材の耐
力以下で破断することが多く、膜材の耐力を充分
に利用出来ない欠点があつた。

本案は叙上の実情に鑑みなされたもので、その
要旨とするところは、ワイヤに付設される膜材ジ
ヨイント用のプレート上面長手方向に沿つた両側
に嵌着部を形成して、当該双方の嵌着部に硬質ゴ
ムよりなるガスケツトブロツクを嵌着させ、当該
ブロツクには断面変形が少なく可撓性に富む材質
で製造のロープを挿入したところの膜材端部の縁
太部挾着用の嵌合溝部を切開設すると共に当該嵌
合溝部の近傍に埋め込み式のジツパーを設け、さ
らに、上記並列状のガスケツトブロツクの長手方
向には互いに一致させて所定ピツチにてアンカー
ボルトを埋立し、当該アンカーボルトを介して該
並列ガスケツトブロツク間に股がらせた連結押え
金具をナツト締めで架設するとして、膜材損傷防
止用のクツシヨン材の不要、ジヨイント部の部材
に対する穿孔、締結作業の不要化によるコストダ
ウン及び省力化を可能とした点にある。

以下、これを実施例図に基づいて詳細に説明す
る。

即ち、第４図は本案のジヨイント部の構造の一
実施態様を示し、既述の従来手段と同じくワイヤ
２には所定間隔をもつてＵボルト４、押え金具５
が取り付いているが、当該Ｕボルト４には更にス
ペーサー６を介して係止用のチヤンネル１８がボ
ルト止めにて締結されている。当該チヤンネル１
８は膜材ジヨイント用のプレート面を形成する係
止用吊下腕部１９を付形の大型チヤンネル２０に
組み付け係止する。当該大型チヤンネル２０の上
面長手方向に沿つた両側には嵌着爪としてのアン
グル２１およびビス取付部としての起立部２２と
が付形されており、当該アングル２１を硬質ゴム
よりなるガスケツトブロツク２３の両側に付形の
嵌合用溝の一方に嵌着させ、次いで反対側より大
型チヤンネル２０側端に挟着の楔金具２４を同様
に他方の溝に嵌着し、当該楔金具２４をビス止め
２５にて固定させることで該ガスケツトブロツク
２３を脱嵌不可に組み付ける。当該ガスケツトブ
ロツク２３の側面には膜材３端部の縁太部に対す
る挾着用の嵌合溝部２７が付設されており、これ
に当該縁太部を嵌合させ、しかる後該嵌合溝部２
７の近傍のブロツク上面に前述の縁太部の嵌合操
作を可能とするためのヒンジ部構成のために刻設
の溝部２８にジツパー２９を埋め込むことで脱嵌
を不可としている。尚、図中３０はガスケツトブ
ロツク２３間に差し込み取り付けされるシール
材、３１，３２は当該シール材３０嵌合操作用の
溝部、ジツパーを示している。

又、図中３３はガスケツトブロツク２３の長手
方向について両側で互いに一致させて所定のピツ
チにて穿設した貫通孔に挿着し、その上下開孔部
にシーリング材を充填して埋立させたところのア
ンカーボルトで、当該対峙アンカーボルト３３間
には両端にガスケツトブロツク２３頂部冠着部３
４ａを付形の並列ガスケツトブロツク２３，２３
についての連結押え金具３４がナツト締めにて架
設される。

尚、本案にあつては該ロープ１６としては、ワ
イヤ又は軟質塩ビ等の断面変形の少なく、可撓性
に富む円形断面を有する線材で構成する。

本案に於いては、膜材３はデフレートした状態
で取付られるために、取付時には膜材３の自重に
よる張力しかガスケツトブロツク２３にはかから
ないので、先ず、ジツパー２９で膜材３を固定し
た後、連結押え金具３４の締付けの固定付加によ
りインフレート時の引張力に対しても膜材３の抜
け防止を図かる。

上述構成にあつて、連結押え金具３４は、２つ
のガスケツトブロツク２３を連結してガスケツト
ブロツク２３のねじれ及び大型チヤンネル２０の
ねじれを防止し、楔金具２４にかかる力を軽減し
ている。

尚、ｂ図に示す如く、大型チヤンネル２０及び
連結押え金具３４は、いずれも所定ピツチに切断
されて隙間が設けられているので、膜材のインフ
レート、デフレートの動きに対して対応し得る。

しかして、本案は叙上の如く膜材端部はガスケ
ツトブロツクに挟み付けられてジヨイントされる
ものとしたから当該挟み付け部材自体が膜材に対
してクツシヨン材となつていて別段クツシヨン材
の介装の不要、又、ボルトによる縫いつけでジヨ
イントしているのではないのでジヨイント部の各
部材についてのボルト貫通孔の穿孔、更にはボル
ト締結作業が不要であり、大幅に簡素化し得てコ
ストダウンと省力化を実現したものである。

さらに、ロープ１６を断面変形の少ないもので
構成したので膜材３の縁太部の掛止を確実に出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は膜材構造説明図、第２図は従来の膜材
ジヨイント部の説明図面、第３図は膜材端部の加
工説明図、第４図ａ，ｂは本案の実施態様を示す
縦断図、ａ図中ｂ−ｂ線矢視図である。 １８……チヤンネル、１９……吊下腕部、２０
……大型チヤンネル、２１……アングル、２２…
…起立部、２３……ガスケツトブロツク、２４…
…楔金具、２５……ビス止め、２７……嵌合溝
部、２８……溝部、２９……ジツパー、３０……
シール材、３１……溝部、３２……ジツパー、３
３……アンカーボルト、３４……連結押え金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤに付設される膜材ジヨイント用のプレー
   ト上面長手方向に沿つた両側に嵌着部を形成し
   て、当該双方の嵌着部に硬質ゴムよりなるガスケ
   ツトブロツクを嵌着させ、当該ブロツクには断面
   変形が少なく可撓性に富む材質で製造のロープを
   挿入したところの膜材端部の縁太部挾着用の嵌合
   溝部を切開設すると共に当該嵌合溝部の近傍に埋
   め込み式のジツパーを設け、さらに、上記並列状
   のガスケツトブロツクの長手方向には互いに一致
   させて所定ピツチにてアンカーボルトを埋立し、
   当該アンカーボルトを介して該並列ガスケツトブ
   ロツク間に股がらせた連結押え金具をナツト締め
   で架設するとしてなることを特徴とする空気膜構
   造に於ける膜材ジヨイント部の構造。