JPH0213427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、テープ巻き機ののり付け装置に係
り、特に、テープに予め付着させておいた乾燥の
りに水を供給することによりのり付けを行なうよ
うにしたのり付け装置に関する。

「従来の技術」 従来、OFケーブル等の線条体にクレープカー
ボン紙などのテープをのり付けしながらオーバー
ラツプ状態に巻き付ける場合、例えば、タンクな
どに貯留されたのりをプランジヤポンプなどによ
つてテープの表面に供給し、のりが付着したテー
プを線条体に巻き付けていくことが行なわれる。

しかしながら、このような技術であると、のり
の粘度により供給量が影響されて管理精度が要求
されるとともに、タンク内などでのりに気泡が混
入するとこの気泡が閉じ込められて抜き切れなく
なるため、プランジヤポンプから供給されるのり
がとぎれたり、供給量が不均一になるなどの問題
点が生じる。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は前記問題点を有効に解決するもので、
テープへののり付けを均一にして作業性を向上さ
せるとともに、テープ巻きの際にラツプ部分のシ
ール性を向上させて密閉性、絶縁性を向上させる
ことを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、走行線条体の周囲を回転させられる
枠体を設けるとともに、該枠体に、走行線条体に
巻き付ける途中のテープの表面に接触して水を供
給する給水ロールと、走行線条体に巻き付け後の
ラツプ部を押圧する押圧ロールとを設けたもの
で、テープの表面に乾燥のりを予め付着させてお
いて、走行線条体に巻き付ける際に、給水ロール
によつて水の供給によりのりに粘着性を与え、次
いで巻き付けられたテープのラツプ部を押圧ロー
ルによつて押圧してこれを密着させるものであ
る。

「実施例」 以下、本考案をOFケーブル等の製造ラインに
適用した一実施例について図面を参照して説明す
る。

この実施例におけるのり付け装置は、OFケー
ブル等の走行線条体に複数のテープを巻き付ける
いわゆるタンジエンシヤルテープ巻き機に一体に
設けられたもので、複数のテープを２本ずつ相互
にオーバーラツプさせながら走行線条体に多層構
造に積層していく際に、各ラツプ部ののり付けを
行なうようになつており、第１図はそのうちのひ
とつのラツプ部について示したものである。

すなわち、のり付け装置は、走行線条体Ｗの周
囲を回転する複数本の支持棒１ａを有する枠体１
が、テープ巻き機（図示略）と一体に設けられる
とともに、該枠体１の各支持棒１ａに、走行線条
体Ｗに巻き付けられるテープt₁，t₂をそれぞれ支
持するガイドローラ２と、該ガイドローラ２を経
由したテープt₁，t₂の一方t₁の表面の付着乾燥の
りＡに接触して水を供給するためのスポンジなど
からなる給水ロール３と、走行線条体Ｗに巻き付
け後の両テープt₁，t₂のラツプ部を押圧するプラ
スチツク材料などからなる押圧ロールとがそれぞ
れ設けられてなるものである。

これら給水ロール３および押圧ロール４は、第
２図および第３図に示すように、それぞれ屈曲自
在なアーム５の先端に設けられ、該アーム５の両
端部を相互に連結する引張りばね６によつて第１
図に示すようにそれぞれテープt₁あるいはラツプ
部を押圧する方向に付勢されている。また、給水
ロール３のアーム５には、プランジヤポンプ（図
示略）などに接続されたナイロンなどからなる給
水パイプ７と、該給水パイプ７によつて送られる
水を給水ロール７に供給するノズル８と、これら
給水パイプ７とノズル８との間で流路を開閉する
ための電磁弁９とが設けられる。

このように構成されたのり付け装置を使用して
テープt₁，t₂ののり付けを行なうには、第１図の
破線で示すようにテープt₁のラツプ部となる位置
に予め乾燥のりＡを付着させておいて、この乾燥
のりＡに給水ロール３によつて水を供給すること
により、粘着性を付与することができるものであ
るが、この場合、水は粘度が小さく流れ易いの
で、安定した量を供給することが容易になるとと
もに粘着性が付与されたのりの中に気泡が混入し
難くなり、また、給水ロール３がテープt₁の表面
に接触状態で水を供給するので、正確な位置に給
水することができる。したがつて、電磁弁９を適
宜開閉して給水ロール３に浸み込ませられる水の
量を調整することにより、のりの粘性を調整して
安定した粘着化を行なわせることができ、のり付
けを均一にして作業性を向上させることができる
ものである。

また、走行線条体Ｗにテープt₁，t₂が巻き付け
られると、第１図および第４図に示すように、押
圧ロール４がラツプ部を押圧しながら走行線条体
Ｗの周囲を回転するので、ラツプ部が走行線条体
Ｗの全長に亘つて均一に押圧されて確実に密着さ
れ、密閉性、絶縁性が向上するものである。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案のテープ巻き機の
のり付け装置によれば、次のような効果を奏する
ことができる。

(a) 粘度の小さい水を給水ロールによつてテープ
に接触状態で供給するようにしたから、乾燥の
りの安定した粘着化を行ない、粘度の一定した
のりを正確に供給し得るので、のり付けを均一
にして作業性を向上させることができる。

(b) テープを走行線条体に巻き付けた後から、押
圧ロールがラツプ部を押圧していくので、ラツ
プ部の密閉性、絶縁性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部を省略した斜視図、第２図は給水ロール部
分の正面図、第３図は押圧ロール部分の正面図、
第４図は押圧ロールの作用を説明する拡大断面図
である。 １……枠体、３……給水ロール、４……押圧ロ
ール、５……アーム、６……引張りばね、Ｗ……
走行線条体、t₁，t₂……テープ、Ａ……乾燥の
り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行線条体Ｗの周囲を回転させられる枠体１を
   設けるとともに、該枠体に、走行線条体に巻き付
   ける途中のテープt₁表面の付着乾燥のりＡに接触
   して水を供給する給水ロール３と、走行線条体に
   巻き付け後のテープのラツプ部を押圧する押圧ロ
   ール４とを設けたことを特徴とするテープ巻き機
   ののり付け装置。