JPH0213330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、鮮度を保つ必要のある食料品、就中
寿司、ケーキ、刺身等を購入して持帰る時等に好
適であり、低コストの使い捨て用保冷パツケージ
に関するものである。

（従来例） 温度の上昇により変質し、味も落ち易い食料品
等を店で購入して持帰る場合には温度が上らない
ようにする必要があり、従来は例えばアイスクリ
ーム等の場合には発泡スチロールの容器に入れた
り、或は紙箱等の簡単な容器に入れてドライアイ
スを添装し、又刺身等の場合は氷等を添装し、或
は何等保冷手段を講じないで持帰る状況であつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、発泡スチロールの容器は発泡ス
チロールの欠損し易い性質から厚みを持たせる必
要があるため、容器が嵩高となり持運びに不便で
あり、ドライアイスを添装することは経費を要
し、不経済でもあり、経費の少ない氷の添装は食
料品を濡らして味を低下させ或は水滴となつて容
器から零れ易く見苦しい等の問題点があつた。
又、寿司の場合においてはネタ面は冷して鮮度を
保つ必要があるが、従来のものではネタ面を冷す
ことはシヤリ面を冷すことになり、寿司の味を低
下させるため保冷手段は講じられない状況であつ
た。

（問題を解決するための手段） 本考案は上記の問題点を解決し、製作が簡単で
あつて安価であり、食料品を短時間保冷すること
ができるようにした持帰り等に好適な使い捨て用
保冷パツケージであり、容器１は底部２が台形断
面を有する凹凸条部３，４により構成された合成
樹脂の薄板よりなる容器であつて、その底部２に
容器１の内方へ湾曲する底板５が各凹条部３の外
部底面３ａにおいて溶着されており、各凸条部４
と底板５により形成される空間に冷媒として水が
充填され、前記底板５の湾曲は充填された水の氷
結膨張時に該底板５の両端を通る平面ｌ−ｌより
外方に膨出しない範囲とされ、且つ底部２の内面
には簀の子状底板６が前記凸条部４上に載架され
ているように構成したものである。

（実施例） 以下本考案の一実施例について図面により説明
する。１は合成樹脂の薄板により一体成形された
方形の皿状容器であつて、底部２は外周に沿つて
形成された凹条部３及び一定方向に交互に形成さ
れた複数本の凹条部３と凸条部４により構成され
ており、底部２には容器１の内方へ湾曲する底板
５が各凹条部３の外部底面３ａに溶着され、前記
各凸条部４と底板５により形成される密閉空間に
冷媒として水が充填されている。又、底板５の湾
曲度合は前記の水が氷結して膨張する時に該底板
５の両端を通る平面ｌ−ｌより外方に膨出しない
範囲であるように底板５の中央部と平面ｌ−ｌと
の間隔ｍとしたものである。又、容器１の底部２
の内面には合成樹脂にて一体成形された簀の子状
底板６が前記凸条部４上に載架され凸条部上面に
接着されているものである。

尚、上部に蓋として同様に構成した容器１を開
閉自在に接合し、上下から冷却するようにするこ
とも可能である。

（作用） 而して保冷パツケージを冷凍機により冷却して
容器１の空間に充填された水を氷結させ、容器１
内の簀の子状底板６上に食品等を入れると下部の
氷により冷却される。万一食品等から水滴や汁等
が垂れても底部２の凹条部３内に溜り、食品等か
ら隔離される。

（効果） 以上のように本考案にかかる使い捨て用保冷パ
ツケージは １ これを構成する主体である容器が合成樹脂の
薄板で一体成形されたものであり、冷媒として
水を封入したものであるため非常に低コストで
あり、使い捨て用として使用可能である。

２ 容器は一般に使用されている合成樹脂の薄板
からなるものであり、その底部のみに水を密閉
したものであるので全体としても嵩張らず持運
びにも支障がない。

３ 底面からのみ冷却するので例えば寿司等の場
合はネタ面を下にして入れればシヤリ部は冷さ
れずネタ面のみを冷すので寿司の味を落さな
い。

４ 底部の凹条部底面と底板面との溶着部は面状
で広い部分で溶着されており強力に溶着され、
又凹凸条部は台形断面であるので空間部に充填
された水の氷結時の膨張力によつて上下方向の
力が働いても台形の傾斜辺によつて力が分散さ
れるので接着が剥れることがなく、パツケージ
が変形することがない。

５ 又氷結時の水の膨張によつても底板が外方へ
膨出することがなく容器の安定がよい。

６ パツケージ内に入れた食品等から或は内部か
ら蒸発した水分が水滴となつて滴下しても、底
部の凹条部に溜るので食品等が水つぽくならず
味を低下させない。

７ 又、水は冷媒として繰返し使用できるので水
が洩れ出さない限り再使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる保冷パツケージの実施
例の分解斜視図、第２図は同断面図である。 １…容器、２…底部、３…凹条部、４…凸条
部、５…底板、６…簀の子状底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部が台形断面を有する凹凸条部により構成さ
   れた合成樹脂の薄板よりなる容器であつて、その
   底部に容器の内方へ湾曲する底板が各凹条部の外
   部底面において溶着され、前記各凸条部と底板に
   より形成される空間に冷媒として水が充填され、
   前記底板の湾曲度合は充填された水の氷結膨張時
   に該底板の両端を通る平面より外方に膨出しない
   範囲であつて、且つ底部内面には簀の子状底板が
   前記凸条部上に載架されていることを特徴とする
   使い捨て用保冷パツケージ。