JPH02119892A - 天秤の移動調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、天秤の移動量及び移動位相を調整する天秤
移動調整装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、ミシンの天秤は第８図に示すような機構により動
作するようになっている。

すなわち、ミシンの主軸１が回転すると、これに固定さ
れた釣合錘２と共に針棒クランク３が主軸１を中心とす
る円運動は、針棒保持部材５を有するクランクロッド４
にて針棒（図示せず）の上下動に変換される。一方、天
秤６は、一端部が前記針棒クランク３に挿通されると共
に、中間部が天秤リンク７を介して天秤支持軸８に回動
自在に支持されており、前記針棒クランク３の回転運動
により、天秤６は針棒の上下動に対し所定の位相で上下
動し、糸の繰り出し引き上げが行なわれる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のように従来の機構では、天秤支持軸８がミシン本
体等に定位置に支持されており、常に一定の天秤移動曲
線を描くようになっているため、糸の伸び、滑り等の違
いに起因する先締りの変動に容易に対応し得ないという
問題があった。例えば、滑り易い糸を用いた場合には糸
が天秤６のストローク以上繰り出されるため、先締り不
良が生じることがあり、これを解決する手段としては、
天秤曲線の位相を遅らせることが考えられるが、そのた
めには、天秤または天秤クランク３等を他の形状のもの
に交換しなければならず、この交換作業によって生産性
が著しく低下すると共に、種々の天秤６や天秤クランク
３を用意する必要があるため、コスト高になるという問
題もあった。

この発明は前記問題点に着目して成されたもので、天秤
曲線を、全く構成部材を変更することなく容易に変更し
得る、安価な天秤移動調整装置を得ることにより、いか
なる糸に対しても適正な先締りの縫い目を形成し得るよ
うにするこを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕 この発明は、ミシン機枠に回動可能に支持した支承軸に
偏心カムを介して揺動可能に上下ロッドを設け、機枠に
回動可能に支持させた揺動軸の一端を前記上下動ロッド
に連動させると共に揺動リンクを設け、一端を主軸に連
動させた天秤の中間部を支承部材を介して前記揺動リン
クに連動させ、前記偏心カムの主軸に対する偏心位置を
調整機構によって移動調整し、天秤と揺動リンクとの支
承位置を変化させることにより、天秤軌跡を調整するよ
うにしたものである。

〔作　　用〕

この発明においては、天秤がその中間部を支承部材を介
して揺動リンクに支持されているため、揺動リンクの揺
動を調整することにより天秤と揺動リンクとの支承位置
を変化させることができ、これによって天秤軌跡を調整
することができる。

また、揺動リンクの揺動は、調整機構にて偏心カムの主
軸に対する偏心位置を調整し、揺動軸に連動する上下ロ
ッドの上下動を変更することにより調整することができ
る。

［発明の実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図ないし第７図に基づ
き説明する。

図において、１０は主軸で、その一端には周知のはずみ
車１１（第２図参照）が取り付けられている。１２は主
軸１０に固着された釣合錘クランクであり、前記主軸１
０を中心に円運動を行なう。

１４は前記針棒クランク１３の一端部に回動自在に連結
したクランクロッドで、その下端部には針棒保持部材１
５を介して針棒（図示せず）が取り付けられている。１
６は一端部を前記針棒クランク１３に回動自在に挿通さ
せた天秤であって、他端部には糸通し孔１６ａが形成さ
れている。

また、第３図に於いて１７は前記主軸１０に嵌挿・固着
したカム保持板で、その側面には蟻溝１７ａが形成され
ている。１８は前記蟻溝１８ａに移動可能に嵌合させて
成る偏心カムで、円筒状の嵌合部１８ｂと前記蟻溝１８
ａとの嵌合部１８ｂと、この嵌合部１８ｂに突設した係
合部１８ｃとより成り、中央部に形成された長円形状の
貫通孔１８ｄ（第４図参照）に前記主軸１ｏが遊挿され
ている。また、前記係合部１８ｃはカム保持板１７の端
縁部に形成した切欠部１７ｂに挿通されてカム保持板１
７の他側面から突出している。１９は主軸１０に回動可
能に嵌挿した案内板で、その−側面には主軸１０からの
距離が連続的に変化する曲線形状を成す案内溝１９ａ（
第５図参照）が形成されている。また、この案内板１９
は、その他側面とばね受け２０との間に介在させた押し
ばね２１によって前記カム保持板１７と共に一体的に回
転するようになっている。また、カム保持板１７の他側
面より突出させた偏心カム１８の係合部１８ｃは前記案
内溝１９ａに嵌挿されている。

２２は前記案内板１９の回転を停止させる押しボタン（
係止部材）である。この押しボタン２２は第６図に示す
ようにミシン本体Ｍに挿通されると共に常にはばね２３
によって案内板１９の上方へ保持されており、下方へ押
圧することにより下端部が、前記案内板１９の端縁に形
成され係合凹部１９ｂに係合し、案内板１９の回転を係
止するようになっている。以上、１０〜２３により調整
機構２４を構成している。

２５は一端を前記偏心カム１８の嵌合部１８ｂ外周に回
動可能に嵌合させて成る上下動ロッドである。２６はミ
シン本体に回動自在に支持された揺動軸でその一端には
前記上下動ロッド２５の他端に軸着された揺動腕２７が
固定されている。２８は前記揺動軸２３の他端に固定さ
れたリンク、２９は支承部材としての天秤クランクで、
その−端部は支承軸３０にて前記揺動リンク２８に回動
自在に連結されており、また他端部は前記天秤１６の中
間部に回動自在に連結されている。なお、前記１７及び
２５〜３０にて移動機構３１が構成さけている。

上記構成に基づき、次に作用を説明する。

通常状態、すなわち押しボタン２２が押圧されていない
状態では、押しボタン２２はカム案内板１９から離間し
ているため、カム案内板１９はばね２１の押圧力により
カム保持板１７と一体化しており、主軸１０の回転に伴
ってカム保持板１７が回転すると、これと共にカム案内
板１９も回転する。従って、偏心カム１８の係合部１８
ｃとカム案内板１９の案内溝１９ａとの相対位置は一定
に保持されたまま、偏心カム１８も主軸１０と共に回転
する。偏心カム１８が回転すると、上下動ロッド２５が
偏心カム１８、円筒部１８ａに沿って上下動し、揺動腕
２７の一端部を上下動させる。これにより揺動軸２６は
揺動回転し、揺動リンク２８を介して支承軸３０及び天
秤クランク２９を揺動させる。また、この時、主軸１０
の回転に伴って釣合錘１２が回転し、針棒クランク１３
が主軸１０を中心とした円運動を行なっており、この針
棒クランク１３の円運動と前記天秤クランク２９の揺動
の合成運動により天秤１６は針棒の上下動に対して所定
の位相及び移動量をもって上下動する。

また、糸の種類が変更となり、その糸の特性に応じて天
秤１６の移動曲線を変更する場合には、まず、押しボタ
ン２２を指等で押し下げ、押しボタン２２の下端部をカ
ム案内板１９の凹部１９ｂに係合させてカム案内板１９
を回転不能状態とする。そして、その状態を保持しなが
らはずみ車１１（第２図参照）を手動操作して除々に主
軸１０を回転させてゆく。これにより、カム保持板１７
及びこれに保持されている偏心カム１８は、カム案内板
１９に対して相対的に回転し、偏心カム１８の係合部１
８ａは案内溝１９ａ中を移動する。

案内溝１９ａは主軸１０からの距離が連続的に変化する
曲線形状を成しているため、この距離の変化に伴い、偏
心カム１８は蟻溝１７ａに沿って移動し、嵌合部１８ａ
の中心と主軸１０の中心との偏心量は増加あるいは減少
する。このように、偏心カム１８の偏心量を変化させれ
ば、上下動ロッド２５及び揺動軸２６の動作量が変化し
、天秤りランク２９の移動量が変化するため、天秤の１
６の上下動作量及び位相も例えば第７図のＱ　１１　Ｌ
ＩＱ３に示すように変化する。なお、この天秤移動曲線
Ｑ□ｌ　Ｌｌ　ｕ、における偏心カム１８の偏心量はＱ
□＞ｎ＞Ｑ３　の関係にあり、Ｑ□は標準の天秤移動曲
線を示す。また、ａエ　ｌ　Ｑ２’　ｌ　Ｑ′３は前記
各移動曲線Ｑ１．Ω２．Ｑ３における糸通し孔１６ａの
実際の移動軌跡を示す。

また、上述の偏心量調整後、押しボタン２２の抑圧を解
除し、カム案内板１９の係合を解除すれば、カム案内板
１９は再びカム保持板１７と一体化し、主軸１０と共に
回転する。

上記のようにこのこの実施例では、天秤１６の中間部を
支承する天秤クランク２９の揺動を調整し得るようにし
たため、天秤１６の主軸に伴なう上下動を変更すること
ができる。また、この実施例では、押しボタン２２を押
し、主軸１０を回転させることにより、主軸１０に対す
る偏心カム１８の偏心位置を調整し得るようにしたが、
この偏心位置を調整する調整機構としては、特に上記実
施例に限らず、その他の構成を適用する事も可能である
。

〔効　　果〕

以上説明したとおり、この発明に係る天秤の移動地調整
装置は、天秤の支承位置を揺動リンクにて変更し得るよ
う構成したため、構成部材を何等交換することなく極め
て容易に天秤移動曲線を変更することができるため、い
かなる糸に対しても適正な先締りの縫い目を形成するこ
とができるという効果がある。

秤移動曲線及び天秤の実際の移動軌跡を示す線図、第８
図は従来の天秤移動機構を示す分解斜視図である。

１０・・・主軸　　　　　　１６・・・天秤１８・・偏
心カム　　　　１８ａ・・嵌合部１８ｃ・・・係合部　
　　　１９・・・案内板２２・・・係止部材　　　　２
４・・・調整機構２５・・・上下動ロッド ２９・・・天秤クランク（支承部材）

【図面の簡単な説明】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　ミシン機枠に回動可能に支持した主軸と、主軸に設け
   た偏心カムを介して揺動可能に設けた上下動ロッドと、 一端を上下動ロッドと連動し、 他端に揺動リンクを設け、機枠に回動可能に支持した揺
   動軸と、 中間部を揺動リンクに連動し、他端を主軸に連動した天
   秤と、 前記偏心カムの主軸に対する偏心位置を移動調節する調
   整機構とよりなり、 前記調整機構により偏心カムを移動調節して主軸に対す
   る天秤と揺動リンクとの支承位置を可変可能にすること
   により、天秤軌跡を調節可能にした天秤の移動調整装置
   。